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メディアグランプリ

「よくある話」を「ドラマチックな人生の話」に変える聴き方


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:射手座右聴き(ライティング・ゼミ朝コース)

 
 
1時間1000円でおっさんを借りられる。
そんなWEBサービスをご存知でしょうか。
「おっさんレンタル」と検索すると、スタイリスト、役者、社長などなど様々なプロフィールのおっさんたちの写真が60数人分並んでいる謎のサイトがあります。
 
たとえば、掃除、引越し、相談、コミケの売り子、等々(公序良俗に反さない範囲で)用途に合わせておっさんを選んで、使えるというもの。
 
こんなものに、需要が? と言われたら、あるんです。1日数十件も。
 
私がこのサービスに登録したの理由は、ひとつ。
知らない人の相談を聴くことで、カウンセリングスキルを上げるためでした。
カウンセラーとしての勉強をしたことはしたのですが、
それをボランティア以外で活かす場があまりなかったのです。
 
さすがに、実名ではなく「射手座右聴き」という名前で登録しました。
 
プロフィールを相談中心に寄せたこと、利用者のブログでいい評価をいただいたことなどから、おかげさまで毎月7,8本の依頼をいただいています。
 
その中で身につけていった「話の聴き方」は、ちまたにあふれていた
「聞き上手」の概念とは全く違うものでした。
 
最初、「さあ、どうぞ、悩みを話してください。何でも聴きますよ」
というスタンスで臨みましたが。
 
まず、「人は簡単に悩みなんか話さない」ということがわかりました。
メールで「悩み相談です」と言っていた人が、
なかなか話してくれません。
 
雑談を20分もしてから、
「話して大丈夫そうじゃなかったら、やめようと思ってたんですけど
まあ、話してもいいかな」
 
といきなり話し始めたりします。
 
おおこわ。
 
「こいつほんとに話聴くかな」
「否定されたらやだな」
 
そんな不安があるんだそうです。
 
ハッと、気づきました。
「見ず知らずの人のところに相談に来る」 ことの意味に。
 
周りの人に言えないような悩み、あるいは
周りの信頼できる人に相談して、きちんと聴いてもらえなかった。
 
というような経験をして、ここに来てくれたんだ。
 
そう思った瞬間、思わず言いました。
 
「勇気をだして話しに来てくれてありがとう」
 
こちらが受け入れる態勢にあることを伝えるために
言葉だけでなく、表情、視線、体の角度も変わってきます。
 
体全体で「私はあなたの話を聴く準備ができています」ということを
伝えようとします。
 
相手にプレッシャーとならないように、反応を見ながら、
体で伝えていきます。
 
なかには、「こんなつまらない話、すみません」などと
自虐的に話す方もいます。
 
知り合いに相談したときに、何か言われたのかもしません。
 
「つまらない話ではありませんよ」というだけで、十分でしょうか。
 
話そのものに、興味があることを伝えなければ、話す気が失せてしまいます。
 
たとえば、
 
「彼氏から2週間連絡がないんです」
 
よくある話が始まるとします。
 
友達は、「忙しいからだよ」とか「もうちょっと待ったら」
で済ませてしまうかもしれません。
 
でも、
 
「連絡ってメッセンジャーアプリですか? 電話ですか?」
「以前は、どんな内容の連絡をとっていたのですか?」
 
と聴いてみるのです。
 
毎晩必ず電話をくれていた彼氏さんと、3日に1回くらい連絡してくる彼氏さんとでは、同じ「連絡がない」でもニュアンスが少し違ってきます。
 
話し手の気持ちはどうでしょう。
 
「連絡がないから、体調を心配している」のか
「浮気を疑っている」のか
「元々すれ違ってる気がしてた」なのか。
 
「彼氏から1週間連絡がない」という事実が、話し手にとって
どういう意味をもつのか、丁寧に聴いていくと、
友達同士なら、一言でスルーされるところを、
3時間近く話すこともあります。
 
さらに聴いていくと、
実は「生い立ちまで遡る人との向き合い方の話」だったり、
「やりたいことと恋愛の両立に悩む話」だったり
 
その方にしかない「大切な人生の話」にもらい涙することもありました。
 
鼻水がでるから、風邪。
と限らないように。
 
話も表面だけではわかりません。
 
最初の「よくある話」を、
「よくある話」で終わらせるのか。
 
それとも、相手がその裏に隠れた気持ちまで
伝えたくなるような聴き方ができるか、
聴き手次第かなあと思うのです。
 
無理に聞き出すのではなく、相手の方が自然に話したくなりような
聴き方を心がければ、話は続きます。
 
そんなことを心がけていたら、レンタルの後に、
「話していて、自分の本音に気づきました」とか
「家族に頭ごなしに否定された話を聴いてもらえた」
とメールが届き始めました。
 
嬉しい!
 
こうなると、どんな人とどんな話をするのも楽しく
聴き手無双な気持ちになってきます。
 
人と会うことはもはや趣味のひとつかもしれません。
 
もし、よかったら
周りの方の話を、「よくある話」と思わずに
「何かあるんじゃないか」と興味を持って聴いてみませんか。
 
ありがちな一言から
新たなコミュニケーションがあるかもです。
 
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-05-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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