第3回:Googleフォトのススメ≪クラウド生活のススメ≫
記事:安光伸江(READING LIFE編集部公認ライター)
なんといってもスマホが好きだ。
通話はauのガラケーで5分かけ放題、そしてSIMフリーのスマホにデータ通信専用の格安SIMを入れているのだが、いつの間にか数が増え、iPhone SE と7plusと11、Google Pixel 3の4本を愛用している。それでもガラケーと5本合わせてオプションと電話代込み5000円しないからコスパとしては悪くない。モバイルSuicaやクーポンアプリなどのお得機能も満喫している。
なんでスマホが4本もあるかというと、結局は写真を撮るためのような気がする。4インチのコンパクトなiPhone SEは、歩いている道すがら、バッグからひょい、と出して風景などを気軽に撮るのにちょうどいい。iPhone 7plusは大画面かつデュアルカメラで、ポートレードモードとかいうのができる。メインでとりたいものにピントを合わせ、背景をぼかしてくれるものだ。2019年9月の発売日に買ったiPhone 11もデュアルカメラで、ポートレートモードが 7plus よりもやりやすい。さらに超広角モードというのがあって、離れたところから撮ったような写真も撮れる。上位機種の iPhone 11 Pro だとカメラが3つあって望遠レンズもついてるけど、お値段と機能のバランスを考えて普通の11にした。諸事情で 7plus を売り払わずにiPhoneを3本持ち続けることになった。
それと Google Pixel 3。これは廉価版の3aが出る前に買ったので、ずいぶん高かった。買った当初は iPhone 7plus と併用していたんだけど、ポートレートモードが 7plus より近くに寄っても撮れるのがよい。新しく買った11もだいぶ寄れるようになってるけど、それよりPixel 3の方が寄れるかな? 私は人間の写真を撮るより食べた物の写真を撮ることが多いから、Pixel 3 のように近くに寄って撮れるのが都合がいい。今は11とPixel 3 でどっちが美味しそうかな~、なんて比べて楽しんでいる。
そんなこんなで4本でいろいろ撮っていると、どれをどこで撮ったかわからなくなることも多い。そこで活躍するのがGoogleフォトだ。Googleアカウントを持っていれば、それぞれのスマホからバックアップがとれる。1600万画素までの写真なら、容量無制限かつ無料で保存できる。「高画質」というモードで、数メガバイトの写真が数百キロバイトになっていることもあるから圧縮はされているようだが、私には見た目の違いはわからない。iPhone でも Android でもいい。パソコンからアップロードする設定もあるようだ。
1600万画素より大きい写真も「元の画質」で保存するモードがあるのだが、Gmailと共通の保存容量を食うのでiPhoneではやったことがない。無料分の15GBを超えたら容量に従って料金が高くなるそうだ。といってもそんなにバカ高いわけじゃないから、ご予算に余裕のある人はストレージを契約してもいいかもしれない。とりあえず私には無料の無制限「高画質」モードで十分である。だってスマホの写真だもん。iPhoneは1600万画素いかないし、私が持っているデジカメ(オリンパスのコンデジ)も1200万画素だし。うちのデジカメはWi-FiでiPhoneに写真を送れるから、それをGoogleフォトに入れることだって楽々だ。
Pixel 3はGoogleの製品だからか、撮ったそのままを「元の画質」で保存しているらしい。この機能は期間限定で、2022年1月末までだったと記憶している。写真を撮ったらGoogleフォトとシームレスに連携されていて、バックアップをとったものが貯まると「本体メモリを何MB増やせます」みたいに知らせてくれる。至れり尽くせりである。廉価版の Pixel 3a では「元の画質」での保存機能がないらしいので、この機能のために Pixel 3 を早く買ったのだよね、と自分を慰めている。だってお値段だいぶ違うし。3a が出てから3も値下がりしたし。新しいPixel 4 でもなぜかこの機能がないらしいから、3 を買ってよかったのかも。
さて各端末からバックアップをとった写真は、Googleフォトが自動的に時系列に並べてくれる。どのカメラで撮ったか忘れても、それぞれのスマホやiPadやパソコンのGoogleフォトを見ればずら~っと順番に並んでいる。青い空に白い雲、みたいな風景を、ぱち。ぱち。ぱち。と少しずつずらして撮っておいたら、自動的にパノラマ写真を作ってくれる。テーマ別にアルバムを作ってくれることもある。音楽付きのスライドショーが出来ることもある。人物写真はひとりひとり検索できる。昨年亡くなった母の写真なんて、わりと元気に生きていた時と病院で死にそうな時と死に化粧をしてもらった時と、ちゃんと同じ人物としてまとめられていた。顔認証恐るべし。
スマホで撮った写真には位置情報も入っているから、撮った場所で検索することもできる。つまり移動した足跡をGoogleさまにすべて把握されているということでもあるけど、まぁこの際気にしないことにする。私は近所のショッピングセンター「ゆめシティ」に行く以外のご用がほとんどないから、場所が検索できてもたいして面白くないが、よく旅行に行く人などは「旅行の想い出アルバム」なんてのもできて楽しいかもしれない。
そんなわけで複数のスマホ、あるいはスマホとタブレットで写真を撮る人にとっては、Googleフォトは便利に使えると思う。Googleフォトにバックアップをとってしまえば、本体の写真を削除したってかまわない。どの端末で撮ったか忘れたってへいちゃらだ。
……ということは……
スマホ本体に写真をたくさん入れておかなくても、Googleフォトで見れば過去何年もの写真の振り返りができるということだ。だから私はiPhoneから写真をちゃくちゃく削除している。母の写真は想い出にとってあるけど、あとはよっぽどじゃないとすぐ消しちゃう。
つまり、写真を保存するためだけに大容量のスマホを持つ必要はない、ということでもある。スマホは気軽に写真が撮れるから、たくさん保存している人も多いんじゃないかと思う。買い換える時に移行するのも大変だろう。
Googleフォトなら1600万画素までの写真の保存が無料で容量無制限だ。プロの写真家さんのようにもっと大きな写真を撮っている人には向かないけど、お気軽にスマホで撮ってます、という人なら、Googleフォトの無料版を利用するのは悪くない選択だと思う。個人情報をGoogleに知られるのがいやだ、という人もいるだろうけど、悪用されることはたぶんないんじゃないかと思う。よっぽどの機密データじゃなければGoogleフォトに保存をまかせてもいいんじゃないだろうか。
無料のサービスはもしかしたら将来なくなってしまうかもしれないという危険性もあるけど、現状ではGoogleフォトに写真を保存するのがお手軽で便利でいいと思う。プロの写真家さんなら専用のストレージサービスが必要だろうが、私みたいな素人がスマホで撮った写真ならGoogleフォトで十分だ。
スマホに写真が溢れて困っている方
スマホを複数持っている方
Googleフォトを、使ってみませんか。
つづく。
❏ライタープロフィール:安光 伸江(READING LIFE編集部公認ライター)
山口県下関市出身・在住。下関西高、東京大学卒業、東京藝術大学大学院修了。
大学卒業後は東京で声楽・器楽の伴奏ピアニストや音大非常勤講師などの音楽活動をしていたが、2008年9月、リーマンショックの1週間前に病気療養のため実家に帰る。iPad Pro・mini+Apple Pencil愛用、4Gガラケー(au、通話のみ)とiPhone 3本と Google Pixel 3(データのみの格安SIM利用)を電話代とWiFiオプション込みで合計月5000円かからずに使うなど大のガジェット好き。パソコンは永年のMS-DOS〜Windows利用を経て、2008年初めからMac使用。日本語入力は平成の初めからずっと親指シフト派。
2019年2月よりWeb READING LIFEで「素人投資家いちねんせい」週刊連載中。天狼院メディアグランプリ 21st season 総合優勝。
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
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