いじめは無くならないけれど。《出してからおいで大賞》
2021/04/26/公開
記事:中川文香(READING LIFE編集部公認ライター)
※このお話はフィクションです。
始まりはたぶん、小さな嫉妬心だった。
「なんか気に入らないよね」
そんな声に火がつき、いつの間にか大きく燃え広がって次第に手に負えなくなっていった。
高校二年生と言えば、受験にはまだ少し猶予があって、部活にも打ち込めて、文化祭やら修学旅行という一大イベントやら楽しい行事も先に待っている、そんな時期。
来年から本格的に始まる受験シーズンを前に、思いきり楽しい思い出を作る。
そんな一年になるはずだった。
「佐藤薫です。このクラスの副担任を任されることになりました。こちらに赴任してきたばかりで、まだまだ慣れないところもありますが、どうぞよろしくお願いします」
そう言ってにっこり笑い、私たちを見渡した左頬に小さくえくぼが出来ていた。
色白で少しぽっちゃりとして、背中まで伸ばした黒髪をうしろでゆるく控えめに結んでる。
4月の教室の窓に揺れる桜が、良く似合う人だと思った。
パチパチパチ……
まばらに揃わない拍手の後、「なんでだろうな? この学校は本当拍手が揃わないよな。去年のクラスもそうだったぞ!」と隣で挨拶を聞いていた中野先生が突っ込むと、皆が笑った。
中野先生はバスケ部の顧問の先生で、屋内競技にも関わらずなぜか一年中日焼けしていた。
腕組みしていると引き締まった筋肉が目立つ。
「佐藤先生は、隣の市の共学の学校から来られました。7年の教員生活で女子高は初めてだそうなので、皆お手柔らかに!」
中野先生がそう続けて、佐藤先生も隣でまた微笑む。
「そんなこと言って、中野っちが一番いじめるんじゃないのー?」
クラスのムードメーカーの西田さんが言うとまたみんながくすくす笑う。
「俺がいじめるわけないだろ! お前たち、そうやって俺のことばっかりいじって面白がってるからなー、本当、覚えておけよ!」
どっと笑いが起こったところで、チャイムが鳴った。
「はい、じゃあホームルーム終わり」
名簿を脇に抱えて中野先生と佐藤先生は去って行った。
2年生になったばかりだけれど、クラスの顔ぶれは1年前とさほど変化は無かった。
クラス替えはあるものの、ある程度進学先を考慮した編成になっていて、国立大学受験を目指すクラス、私立や推薦狙いの子たちが集まるクラス、それから専門学校への進学や就職を考えている子たちのクラス、大きく三つに分かれているため進路希望が変わらない限りメンバーも大して変わらないのだ。
中野先生に突っ込みをいれた西田さんは、去年は別のクラスだったれど、同じバレー部の子たちが多かった為か既になんとなくの仲良しグループみたいなものが出来ていた。
私はその中でも大人しい方、西田さんたちは一番派手なグループ。
でも仲が悪いわけでは無くて、割とみんなが誰とでもしゃべる、比較的仲の良いクラスだった。
佐藤先生は大人しく見えるけれど授業ではハキハキしていて、なんだか不思議な雰囲気の先生だった。
教科書を朗読する声が滑らかできれいだな、と思ったけれど、すっきりと通った声の持ち主だからなのかもしれない。
“透明感がある” という誉め言葉があるけれど、まさにその言葉にぴったり。
中野先生と違って冗談を言うタイプでは無く、いつも真面目に授業に取り組んでいて、あまり生徒と雑談をしているところも見かけないのでプライベートが謎に包まれていた。
生徒と話をしているところはあまり見かけなかったけれど、職員室に行くと中野先生と佐藤先生が仲良く二人で話しているのをよく見かけた。
「あの二人、付き合ってんじゃないの?」
そんな噂が流れ始めたのが夏休みの直前くらいだったと思う。
西田さんのグループで話しているのが聞こえてきた。
ちらっと視線を向けると、机に座った西田さんの周りに、バレー部の仲良しグループが集まっていた。
西田さんの向かいに、高木さんが立っている。
高木さんは今にも泣き出しそうな顔で、耳のふちを赤く染めてうつむいていた。
そうか、高木さん、中野先生のこと好きだったんだ。
その様子を見て、直感的にそう思った。
「佐藤ちゃん、なんだろうね。うちらとあんまり話さないのに中野っちとは妙に仲良いよね」
そう言う西田さんの横顔は、少し意地悪な表情に彩られていた。
確かに、西田さんの言うことに納得する部分もあった。
佐藤先生は授業が終わるとさっと教室を出て、あまり私たちと話そうとする感じを受けないけれど、職員室では中野先生と親し気におしゃべりしている。
皆かわるがわる日誌を持って職員室に出入りして、その様子を見ているのだろう。
その小さな嫉妬心が表面に顔を出し始めたのは、夏休みが明けて、しばらくした頃だった。
ある日の佐藤先生の授業を、西田さんのグループみんながボイコットしたのだ。
「空席が目立つけど、今日はこんなにお休み多かった?」
困惑の表情を浮かべて、佐藤先生が聞いたけれど、西田さんたちがどこに行っているのかなんて誰も知らなかったので、皆顔を見合わせて終わった。
「分かりました。ひとまず今日はこのまま授業を進めます」
小さくため息をつき、黒板の方に向き直った佐藤先生の背中は、少しこわばって見えた。
何回かのボイコットの後、西田さんたちは教室に戻ってきた。
佐藤先生は少し安心したようだったけれど、今度は無言の抵抗が始まった。
西田さんたちは授業中にあてられても無視し続け、何も言葉を発しなかった。
佐藤先生は何度かあててみるものの反応の無いことを確かめると、小さく唇をかんで違う生徒をあてた。
西田さんや高木さんの目には、明らかに佐藤先生への嫌悪の色がにじんでいた。
ただ、西田さんたちは授業中に無視するだけで、課題はきちんと提出していたし、たまに実施される小テストもちゃんと受けて成績もそこまで悪いわけでは無かったので、佐藤先生も対応に困っているようだった。
私は、どうしたらいいのか分からなかった。
「次は何が起こるのか?」とハラハラしながら見ているしかなかった。
西田さんたち以外のクラスメイトも、皆そんな風に遠巻きに眺めていた。
そんな状況が数か月続いたある日、お昼休みに西田さんたちが私のところへやってきて言った。
「この後の佐藤ちゃんの授業、ちょっとやって欲しいことがあるんだけどさ」
にこにこと嫌な感じを顔全体に張り付けたような表情でそう言った。
「……なに?」
私が友達と顔を見合わせて言うと、
「授業の前にさ、みんなで机を反対向きにして、教室の後ろの方向いて座るの。クラス全員でね。それだけだから」
「そんなことしてどうするの?」
びっくりして私が言うと、私の仲良しグループの皆も、そうだよ、ちょっとやりすぎだよ、と口々に言った。
「いいから。よろしくね。もう皆に伝えてあるから」
そう言い切って西田さんたちは去って行った。
周りを見渡すと、既に机を後ろ向きにしている子もいる。
今から机を動かそうとしているクラスメイトと目が合ったけれど、彼女はすぐにふいと目をそらしてしまった。
いつの間にか、西田さんたちには逆らえない空気が、クラスの中で出来上がっていた。
皆、おどおどとしたなんとなく堅い空気の中で、西田さんたちグループの笑い声だけが昼休みの教室に響いていた。
チャイムが鳴る直前に教室のドアが開き、佐藤先生が入ってきた。
すうっと細く息を飲む佐藤先生の気配を背中で感じた。
「これは、どういうことでしょう? ……授業を受ける気は無いってこと?」
その声は、少し震えているようにも聞こえた。
沈黙が続いた。
私の前の方で、同じく教室の後ろを向いて座っている高木さんの背中が、小刻みに震えているのが目に入った。
高木さん、笑ってる。
誰も何も言わない重たい沈黙と、声にならない冷たい笑いが教室を包んでいた。
「……分かりました。では、今日は自習にします。214ページからこの章の最後までを各自読んで要旨をまとめて下さい。後からプリントを配布するので、それに要旨を書いて提出する、というのを課題にします」
静かに、でもはっきりと通る声で佐藤先生が言った。
ガラガラと教室のドアを開け閉めする音に続いて足音が遠ざかっていく。
足音が聞こえなくなったところで、高木さんが笑い出した。
「見た!? あ、見てないか、みんな後ろ向いてたもんね。佐藤ちゃん、声震えてたよ!」
「ちょっとやりすぎたかな。まあでもこのくらいでちょうどいいんじゃない? 今回はこたえたっぽいよね」
立ち上がった高木さんはがたがたと机を動かして元の方向に戻し始めた。
それを見て周りの子たちも机を元通り、教室の前に向かうように直し始めた。
私も黙って皆に従った。
教科書の214ページを開き、何も考えないようにしてそこに書かれている文章を読み始めたけれど、なかなか頭に入って来なかった。
西田さんたちの賑やかなおしゃべりだけが静かな教室に響いていた。
冬休みに入る、すこし前の出来事だった。
それから何度か、佐藤先生の授業の時にだけ机を逆向きにする、という行為が続いた。
授業の都度毎回では無く、完全に西田さんたちグループの気分次第でそのいじめが行われていた。
佐藤先生は初めてされてから、その対策として自習が出来るように事前にプリントを用意してくるようになっていた。
決して怒鳴ることも無く、泣き出すことも無く、ただ淡々と授業を進める佐藤先生には意地のようなものが見て取れた。
西田さんたちも初めこそ面白がっていたものの、佐藤先生が取り乱したりしないので苛立っているようにも見えた。
そんなことが続いた1月のある日、佐藤先生が学校を休んだ。
「佐藤先生がしばらくお休みすることになったので、代わりに野口先生が授業を行います」
中野先生がそう言うと、西田さんが
「なんで?」
と聞いた。
その声には意地悪さと少しの不安が混ざっているように聞こえた。
「体調不良みたいでね。『しばらくお休みさせてください』ということなので、これからしばらくは野口先生の授業になります」
じゃ、ホームルーム終わり、といつものように中野先生が名簿を抱えて出ていくと、すぐに高木さんが立ち上がって西田さんの席に近づいた。
「佐藤ちゃん、ついに耐えられなくなったのかな!?」
にやにやとした笑みを顔に貼りつけた高木さんを見て、西田さんは「そうかもね」とちいさく笑った。
教室の中のあちこちで、ひそひそと話す声がする。
西田さんは突然立ち上がり「ちょっとトイレ行ってくるわ」と一人で教室を出ていった。
高木さんは西田さんが出ていくのを目で追ったけれど、すぐに他の人とのおしゃべりに戻った。
異常だ。
私も加担した一人だけど、この状況はやっぱりおかしい。
ぐるぐるとした気持ち悪さがお腹の中で渦巻いていた。
それから3週間後の週末、私は意外なところで佐藤先生と会った。
土曜日、産婦人科の待合室で一番後ろの椅子に佐藤先生が座っているのを見つけて、思わず体がこわばった。
どうしよう、隠れなきゃ。でもどこに?
とっさにそう思ったけれど、私が身を隠す前に佐藤先生が私に気付き、目を丸くした。
私が「あ……こんにちは」と小さく挨拶すると、先生はすぐにいつもの冷静さを取り戻し「座ったら?」と自分の隣を指して言った。
少し躊躇したけれど、無言で佐藤先生の隣に座る。
「びっくりした。こんなところで生徒に会うなんて思ってなかったから」
「私も、まさか先生がいるとは……生理痛が酷いので、いつも低用量ピルを処方してもらっているんです。あの……あんまり人に見られたく無くて隣町まで来てるんですけど、まさか知っている人に会うなんて……」
しどろもどろになって、床を見つめながらぼそぼそと話した。
「そうだったの。大変だね」
「……はい」
沈黙が続く。
「あの……話しかけてくれてありがとうございます。先生はもう私たちとは話してくれないと思っていたので、何と言うか……ちょっと安心しました。安心とか、言っちゃいけないと思うんですけど、私たちがしたことは間違ってると思うし、謝ってもどうしようもない事ですけど、でも……すみませんでした」
沈黙に耐えきれなくなって一気に吐き出した。
床から先生に視線を戻すと、佐藤先生は少し微笑んだ。
「そうね。確かに良くないことだけど、もういいのよ。私もあまり生徒たちと関わろうとしなかったのが良くなかったかもしれないし。それに、あなたが主導してやったわけじゃないでしょう?」
そう聞かれて、ちょっと迷った。
確かに、私は主導したわけではないけれど、でも反抗もしなかった。
それって、同罪なんじゃない?
私が黙っていると、佐藤先生は続けて話し出した。
「途中で他の先生に任せることになっちゃって本当に申し訳ないのだけれど、これで良かったのかもな、とも思っているの。あのね、私、妊娠しているの。教師はこの3月で辞めようと思っているの」
そう言って、佐藤先生は自分のお腹に手を当てた。
先生の白い指が優しくお腹を撫でるのをじっと見たけれど、妊婦だなんて言われないと分からないくらいだった。
「……そうだったんですね。おめでとうございます。今何か月なんですか?」
「今ね、2か月ちょっと。もうすぐ3か月かな?」
とっさに頭の中で計算する。
今2か月過ぎと言うことは、妊娠したのは12月頃。
西田さんたちが、机を逆向きにしようといういじめを始めたくらいか。
あの時、先生はおなかの赤ちゃんを抱えながら、不安と戦っていたの?
じわりと涙が出てきた。
私たちは、なんてことをしてしまったのだろう。
「……先生、本当にごめんなさい。謝っても許してもらえることではないですけど、でも、私たち、本当に最低なことをしました」
「泣いてるの? 本当にもういいの。大丈夫だから。気にしないで」
そう言うと、「これ使う?」と、ポケットティッシュを差し出してくれた。
受け取るときに触れた先生の指先はとても暖かかった。
私が泣き止むのを待って、先生はぽつぽつと話し出した。
「授業中に無視されて辛かったんだけど、『私何かしたかな?』と思っても何も原因が思い浮かばなかったの。されたことよりも原因が分からないのが辛かったな。……教師の仕事は本当に好きだったんだけど、これまでの学校でも、生徒たちと打ち解けて話すというのがなかなか出来なくて……性格なのかな? 『もしかしたら先生に向いて無いのかな?』ってちょっと自信喪失気味だったのよね」
お腹の上で組んだ指にぎゅっと力を入れて、佐藤先生は続けた。
「そうしたら、妊娠しているのが分かったの。正直、『こんなに色々迷っているときに勘弁してよ』って思ったりもしたんだけど。でも、もしかしたら神様がわざとこのタイミングで赤ちゃんを送り届けてくれたのかもしれない、と思ったの。相手の人とももう3年くらい付き合っていて、妊娠を伝えたら喜んでくれて、結婚しよう、ってなって。そうしたら、『この子を守れるのは私だけだ。教師を辞めよう』って自然と思えたの。今は私が不安を抱えたままいるのは良くない、赤ちゃんを守るのが最優先だって。教師は、もしもやりたかったら子育て落ち着いてから再チャレンジすればいいし……ってこれはちょっと甘い考えかもしれないけど」
そう言って微笑む。
母は強し、というのは本当だと思った。
「あの……こんなこと聞くの変かもしれないですけど、相手の方って、中野先生……ですか?」
私がそう言うと、佐藤先生は怪訝そうに眉をしかめた後、すぐにはっとした表情になった。
「違うよ。大学の同級生なの。中野先生は大学時代の先輩で、学生の頃から面倒見が良くて何かとお世話になってたの。この学校に来るときも、私が『女子高初めてで、どんな感じか少し不安です』って言ったら色々と教えてくれて。……そうか、そういうことだったのね」
佐藤先生は、ふう、とひとつ息を吐いてじっと待合室の床を見つめた。
何も説明していないけれど、先生は気付いたのではないかと思った。
あのいじめが何故起こったのかを。
「つわりが酷くなっちゃって、学校に行けなくなってしばらく休職させてもらうことにしたんだけど、そのまま3月末で辞めさせてもらうつもりなの。たぶんもうすぐ中野先生から話があると思うよ」
「そうですか……」
うつむいてうな垂れている私に、佐藤先生は言った。
「もう本当に大丈夫。私はこの子を守らないといけないから」
佐藤さん、と看護師さんに呼ばれて、先生は立ち上がった。
「行ってくるね」
スカートの裾をふわりと揺らして、佐藤先生は診察室に入っていった。
私は静かに、診察室のドアを見つめた。
翌週の金曜日、終礼で中野先生が「佐藤先生が辞められることになりました」と短く伝えた。
ざわつく教室の中で、私の前に座る西田さんの背中は細く頼りなさげに見えた。
私が真っすぐに手を挙げると、教室が一気にしん、となった。
「どうした?」
「佐藤先生について、お話したいことがあります」
刺すような視線を背中に感じた。
きっと高木さんだ。
中野先生は無言で頷いて先を促す。
「……このクラスで、佐藤先生に対するいじめがありました。私だけでなく、みんな知っているはずです。……私もそれに加担しました。私も加害者の一人です。おかしいと思ったけれど、言い出すことが出来ませんでした」
言いながら、涙が溢れてきた。
「佐藤先生は、それにじっと耐えていました。何も悪いことしていないのに。何かおかしいのに、誰も何も言わなくて。でも私も何も出来ませんでした……」
涙の粒がいくつも頬を伝って机に落ちた。
相変わらず、強い視線を背中に感じる。
西田さんは静かにうつむいて座っていた。
「あの……私も、証言します。確かに、佐藤先生へのいじめがありました」
私の仲良しグループの子も、静かに手を挙げてそう言った。
小さくざわついた教室の様子を見て、中野先生は教壇の名簿をぱたんと閉じた。
「……少し話し合いする必要がありそうだな。皆部活やら色々あると思うけれど、ちょっと残って全員で話するか。俺は副顧問に部活の指導を任せてくるから皆このままちょっと待っててな、すぐ戻る」
そう言って中野先生が教室を出ると、ざわざわが大きくなった。
皆の視線が私に注がれる。
「……どういうつもり?」
高木さんが私の席までやってきて、私を見下ろして言った。
西田さんは自分の席に座ったまま、静かに前を見ていた。
私は、先日佐藤先生と産婦人科で話したことを思い出していた。
「今日は色々話してくれてありがとうね。もし良かったら、赤ちゃん生まれてから会いに来てくれる?」
「……私なんかが会いに行って、いいんですか?」
おずおずと言うと、佐藤先生はにっこり笑った。
「もちろん。ここで偶然会ったのも何かの縁だしね。あなたのような人がいたと分かって、私も救われた気がしたし」
「そんな……私は何も出来なかったんです……」
「ううん、今日ここで話が出来て本当に良かった。皆、色々思うところがあったけれど言えなかった部分もあったんだろうなって感じたの。……出産ってね、 “災厄を落とす” みたいな意味もあるんだって。私も元気な赤ちゃん生んで、色々モヤモヤしたものも一緒に出しちゃおうかな?」
佐藤先生は左頬のえくぼをくっきりとくぼませながら言った。
「だから、次に会うときはあなたもすっきりしていてね。ため込んだ後悔は全部、出してからおいで」
□ライターズプロフィール
中川 文香(READING LIFE編集部公認ライター)
鹿児島県生まれ。
進学で宮崎県、就職で福岡県に住み、システムエンジニアとして働く間に九州各県を出張してまわる。
2017年Uターン。2020年再度福岡へ。
あたたかい土地柄と各地の方言にほっとする九州好き。Uターン後、地元コミュニティFM局でのパーソナリティー、地域情報発信の記事執筆などの活動を経て、まちづくりに興味を持つようになる。
NLP(神経言語プログラミング)勉強中。
NLPマスタープラクティショナー、LABプロファイルプラクティショナー。興味のある分野は まちづくり・心理学。
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