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「カフェインレス生活」は新しいゲームの始まりだった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたもので

 

記事:maruha(25年11月開講コース)

 

「最近、夕方になると調子が悪いな」

 

そう気づき始めたのは、更年期の足音が近づいてきた頃だった。

夕方ごろ少し気持ち悪かったり、軽い動悸とふらつきが起こる日がある。

「夕方誰かに呪われてる?」と思うくらい、不調になる心当たりはなかった。

 

しばらくは原因不明のまま過ごしていたが、ある日ふと、

「あれ? カフェや喫茶店で紅茶やカフェラテを飲んだあとに限って具合悪くなってない?」

という疑いが急浮上した。

 

ネットで調べてみると、更年期に「カフェインに弱くなる」という現象は珍しくないらしい。

カフェインは交感神経を刺激し、覚醒作用や心拍数の上昇を引き起こす。

自律神経や、ホルモンバランスが揺れ始める年代になると、この刺激が不調の原因になることがあるそうだ。

 

「もしかして」と思いながら、試しにカフェインレスの飲み物に変えてみたら、見事に何の症状も出ない。

 

 

■カフェめぐりが趣味なのに

 

「じゃあ、カフェインやめたらいいじゃん!」

普通ならそう思うだろう。

 

だけど、私の趣味は街歩きと喫茶店・カフェめぐり。

特に紅茶が好きで、カフェラテも大好物。

 

あの「ふわ〜」っと落ち着く幸福感は、完全に合法のやつだけど中毒性が高い。特にスイーツと一緒に口にした時の至福と言ったら……。

あれを諦めないといけないなんて加齢も酷なことなさる! 

 

私は「こだわりの一杯」を出すような、昔ながらのレトロ喫茶店も好き。しかしそこは基本的に「カフェインがあってナンボ」の世界。

カフェインレスの選択肢なんて、ジュースかソーダぐらいしかない。だがジュースを飲めば、今度は糖分との戦いが待っている。

 

冬にホットドリンクを飲みたいとなれば、頼めるものは激減。

気づけば私の生活は突然、「カフェインレス縛り」を強いられるゲームと化していた。

 

 

■敵(カフェイン)の戦闘力を把握する

 

まずは、飲み物のカフェイン量を調べてみる。

 

コーヒー/100mlあたり、カフェイン約60mg。

紅茶/100mlあたり約30mg、

緑茶・ほうじ茶・ウーロン茶/100mlあたり約20mg。

 

「紅茶はコーヒーの半分だから安全かも」と思うのは罠だ。

アイスティー1杯で余裕で200ml以上あるので、結局コーヒー一杯分くらいになる。

 

さらに驚いたのは、

タピオカミルクティー、抹茶ラテといった、ミルクたっぷりの甘い系ドリンクにも意外とカフェインが多いということだ。

敵は思っていたよりも広範囲に潜んでいる……。

お気に入りのドリンクがどんどん制限されていくようで、涙目になった。

 

それから「どの飲み物なら大丈夫か?」を、体調を確認しながら調べ始めた。

 

タピオカミルクティーなら、「ブラックミルクティー」よりはカフェイン量が少ない「ウーロンミルクティー」を選ぶと、問題なく飲めることを発見したりした。とはいえ、ウーロン茶にもカフェインはあるので、その時のコンディションによっては注意が必要だ。

 

あと夕方以降は、睡眠に影響するなどの不調がでやすいのでできる限り避け、朝~午前中なら紅茶一杯くらい飲んでも大丈夫、などパターンが見えてきた。

「ということは、レトロ喫茶に行くなら、モーニングか午前中にすればいいのね」

縛りはあるが、完全に諦めなければならないというわけでもなさそうだ。

 

 

■宝探しゲーム感覚

 

しかし意外なことに、カフェインを制限された生活を続けていることで、今までなかった楽しみ発見することになる。

 

以前はカフェに入ると、ほぼ反射で紅茶か、カフェオレを注文していたが、今はメニューを隅から隅までチェックするようになった。

 

すると、次々と見えてくる……。

「一生頼むことのなかったはずの飲み物たち」が。

 

・その店オリジナルの自家製レモネード

・ヨーグルトドリンク

・オーガニックハーブティー

 

などの隠れアイテムたち。(隠れてなどいなかったが)

 

未知な味との出会いは冒険だが、頼んでみた結果美味しくて「その店の新たな定番」になることもあり、宝探しのようで意外と楽しいのでは? と思うようになった。

 

さらに、自宅用のカフェインレス茶の世界も、思いのほか広かった。

ルイボスティーやデカフェ紅茶、デカフェコーヒーはもちろん、健康茶カテゴリの沼もそれはそれは深い。

 

・あずき茶

・黒豆茶

・桑の葉茶

・松葉茶

 

など、いろいろ試してみたところ、美味しくて飲みやすいお茶も多いという印象。

特にあずき茶は薄いおしるこみたいな優しい甘みがあって、私の中でかなりポイントが高かった。

 

いわゆる健康茶のジャンルには、それぞれに特徴的な風味や栄養素があり、アラフィフ世代が魅力を感じる効能が言われているお茶も多い。具体的な効果についてはなんとも言えないが、自分に合ったものを探すのもまた楽しい。

 

 

■カフェインレス生活、意外と悪くない

 

カフェインを封じられ、最初は「不利なゲームを強いられている」と絶望していたが、思ったよりもこのゲーム、楽しめるかも? と思えてきた。

 

そもそも、最近の大手カフェチェーンはデカフェにも力を入れている。

スターバックス、ドトールの一部店舗などは、デカフェコーヒーやカフェインレスカスタマイズに対応していて本当に助かる。

 

もちろん、体質は人それぞれ。

カフェインの種類、量、飲むタイミングによっても反応は変わる。

40代以降でホルモンバランスが揺れやすい時期になったら、「飲み物にどれくらいカフェインが入っているか」を意識しておくと安心だ。

 

無理にカフェインをゼロにする必要はない。

ただ、「自分に合った量と飲み方」を見つけることが、この年代の攻略法だと思う。

 

カフェインレス生活を余儀なくされたことで広がった、新しい楽しみの世界。

「これはこれで、そんなに悪くない」そう思えるようになった。

 

<終わり>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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