メディアグランプリ

朝の「レッドカーペットウォーキング」で再び人生を照らせ!!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事: 加藤 瞳 (25年11月開講コース)

 

「足りてない栄養を体に補充してあげて。そこに筋トレと有酸素運動をすれば、見た目もいい感じにしまってくるし、気持ちもアガるよ」

 

がん罹患経験から健康オタクになり、今では人気ピラティス講師として活躍している彼女が、笑顔で私にそう言った。

 

この2年ほど、私は運動という運動をしていない。周りは「そんなに太っているように見えない」と言ってくれているけど、体重はベストから6キロ増。たまに洗面台の鏡に自分の体を映すと、筒のような腰回りに目をつぶりたくなる。

 

見た目だけではなく、何かにつけて「面倒くさい」ということがめちゃくちゃ増えたなという自覚もある。

 

小さな頃から体を動かすのが好きで、小学校から高校生までバレーボール一筋で練習に励んでいた私が、なぜこんなにも動かなくなったのだろうか。

 

言い訳として思いついたものを5つ挙げてみた。

 

・末っ子が小学1年生で学校に行かなくなり、私の行動に制限がかかっている

・著者さんの文章を読みやすくする仕事、保険ショップでの設計書作りなど、短時間で神経を使う仕事をしている

・上の子が高校生になったことで、早朝の弁当作りが朝のタスクとして加わった

・4人の子どものエンゲル係数が爆増。毎日大量の買い物が必要で車必須

・食卓には、自分の好きな“体に優しい料理”ではなく、子どもが好きそうでボリュームのある料理や味付けにしている

 

つまり、ストレスの多い生活、体に必要な栄養が不足していて不要な栄養をたくさんとっている生活をしており、それを消費しないでいるということだ。

 

「このままではまずいなぁ」とは思っていたものの、一人では頑張れる気がしない。だからと言って、習い事として運動するのも面倒だ。できれば、自分でコツコツと続けられるようなものがいい。

 

そんな時に、健康オタクにあったのだから、このタイミングで動くしかない。彼女からの「私が半年間、栄養面でのサポートをすると」という言葉に背中を押された私は、運動すると決めた。

 

毎日のルーティーンは次のような流れにした。

 

朝必要な栄養を摂る

部屋でストレッチと筋トレ

その後すぐウォーキング

これらを30分で行う。

 

この順番がとても大事なのだが、しばらく運動していなかった私だ。筋トレに満足してしまうと、ウォーキングまでに至らなくなりそう。でも、それではお腹にたっぷりついたラードが燃えない。入浴の際、頭を洗うときに感じるタプっとしたあそこが可愛いのは2、3歳の小さな子まで。なんとか燃やさなければ……!

 

今朝、筋トレを終え、歩きにはじめた私は、そんなことを考えながらいつもの散歩コースに向かった。

 

自宅から歩いて5分ほどすると、川沿いの遊歩道にたどり着く。近くで散歩するにはここくらいしかないのも、ウォーキングの継続を阻でいる。景観のいいところが他にあれば、もう少し楽しく歩けるのにと思うけれど、ないものねだりしても景色は変わらない。

 

そんな時、ふと動画で見ていたウォーキング講師の歩き方を思い出した。その講師は、「歩くときは足に力を入れるのではなく、下腹に力を入れてお腹から歩く」のがポイントと言っていたのだ。動画で見ると、下腹に力を入れるか入れないかで、全然歩いた見た目の美しさが違う。堂々として見える。めっちゃ美しい。

 

 

「ちょっと下腹に力入れてみるか」

 

これがとても難しかった。たるんでいるから力が入らないのだ。ただ力を入れるだけだと下を向いてしまうし、気を抜いたらすぐにお腹が緩む。

 

「動画の講師みたく、モデルのように歩けたらいいのになぁ」

 

そんなことを思った時、遊歩道がカーブから直線に移るタイミングに差し掛かった。私はハッとした。

 

「あ、モデル!」

 

次の瞬間、下腹を意識しすぎて地面を見ていた私の顔が上がり、真っ直ぐ前を向いた。

 

「そうか、この道をランウェイだと思えばいいんだ! ここがモデルショーの会場のレッドカーペットだと想像して歩いてみよう!」

 

そう思ったら、いつも見ている川の水がキラキラ光っている感じがした。電柱に足をかけている渡り鳥たちの声が声援に聞こえる。向かい風は、まるで衣装をひらりとするために吹かれているかのよう。

 

「意識をちょっと変えるだけで、こんなにも楽しく歩けるんだ!」

 

私はレッドカーペットを歩く人は特別な人にしかできないものだと思っていたところがある。実はちょっと憧れていたんだけど、きっとご縁はないだろうと。

 

そうではなかった。そもそも毎日どの日も特別な日なんだ。自分次第でいくらだって輝かせられる。私が私のためにレッドカーペットを歩き、私にスポットライトを充てればいいんじゃない? それが「自分を輝かせる」ということじゃない?

 

子どもの不登校や身の回りの世話に時間を費やされ、隙間時間に仕事をしていた数年間で、きっと私は、自分の人生の優先順位を他人に明け渡してしまっていたのかもしれない。

 

まだ手のかかる時期はあるけど、でも、数年前に比べたら自分のやりたいことに時間を使えるようにもなったじゃないか。

 

忙しくて続かないこともあるだろう。そんな時も自分を責めないでいよう。レッドカーペットを歩く女性たちだって、時には休む。私のように運動を再開したばかりの人と励ましあったり、ネットに応援し合える仲間を見つけてたりしてもいいかもしれない。

 

このタイミングで体を作り直せば、もっと楽しい人生の後半になるだろう。もしかしたら、本物のレッドカーペットを歩く日が訪れるかもしれない。

 

その日が来るのを目標にしてもいいな。なんだかワクワクしてきた。

 

よし! 明日も明後日も、レッドカーペットウォーキングで前を向いて歩こう。

 

 

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