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お金と故郷の話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事:糸(ライティング・ゼミ 2025年・年末集中コース)

 

年末になると色々なことが慌ただしくなるが、大晦日に駆け込みでふるさと納税をするという友人が少なくない。

 

サラリーマンにとってふるさと納税は、当然の行いになりつつあるのでは。

もし、まだされていな方がいらっしゃれば、今年こそは始めて頂くことをオススメしたい。

 

ふるさと納税を簡単に説明すると、寄付をした市町村からご自分が選んだ返礼品がもらえる。米や、肉、海鮮品などの食料品だけではなく、トイレットペーパーなどの生活必需品など、市町村が用意した返礼品の中から自分が選んだ商品を受け取れる上に、支払った寄付額が、ほぼ節税になる。

 

ふるさと納税をする人としていない人が職場にいる場合、

それはとても良い話のネタになる。

 

「ふるさと納税した? えっしていないの? 絶対したほうがいいよ」

「何でですか?」

ふるさと納税がいかに節税になるかの説明から始まり、魅力的な返礼品の話に会話が広がる。

ふるさと納税リピーター同士でも、ネタは尽きない。

「今年はどこにしたの?」

「おすすめはね、○○よ」

「あ、でも△△は返礼率良いのよ」

 

なんて会話が同僚との定番の会話が毎年繰り広げられる。

 

ふるさと納税は、自分が思う故郷に寄付しながらも返礼品がもらえて、節税になるというお得でしかない制度だ。

 

総務省の説明によると以下のように説明されている。

 

多くの人が地方のふるさとで生まれ、その自治体から医療や教育等様々な住民サービスを受けて育ち、やがて進学や就職を機に生活の場を都会に移し、そこで納税を行っています。
その結果、都会の自治体は税収を得ますが、自分が生まれ育った故郷の自治体には税収が入りません。そこで、「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」(出典:「ふるさと納税研究会」報告書)、そんな問題提起から始まり、数多くの議論や検討を経て生まれたのがふるさと納税制度です。

 

 

私自身、地方出身で東京で暮らしているため、この主旨に大いに賛同する。

 

一方で、私の寄付先を今一度振り返ると、自分の故郷に寄付をしたことはない。

 

ここ数年、ふるさと納税先にしていた市町村に偶然にも今年訪れることがあった。

返礼品が魅力的なのだ。お肉やお米、返礼品のバリエーションも多い。

寄付という感覚はなくて、お買い物している気分で選んでいた。

 

訪れた時、ここが私の寄付が活用されている街なのと嬉しくなった。

と、同時に、

「あれっ、思ったより、近代的な街」

という気持ちがよぎった。

臨海部のコンビナートで、湾岸部特有の橋と湾曲する道路。

街の人の顔が見えづらかった。

 

私の地元は山々に囲まれた寒冷地、主力だった企業も撤退するとかで、人口減少まっしぐらの街だ。

 

臨海部コンビナート町への寄付の用途は、「地域・産業振興」を選んだ。

明らかに、自分の故郷よりも近代的のさらなる地域・産業振興に貢献していたかと思うと若干の違和感が心に残った。

 

この経験が、ふと、ふるさと納税の原点に戻る機会になった。

改めて、自分の本当の故郷のふるさと納税を調べてみた。

なんて、商売っ気のない返礼品ばかりなのか。

街の発展のためにふるさと納税の財源を活用することを真剣に考えてもらいたくなる。

既に考えているかもしれないが、他の市町村はもっと真剣に違いない。。

 

そんな不器用極まりない地元の街で、ただ一つ、これは、と思う返礼品があった。

地元の企業が作っている省エネなオイルヒーターだ。

オイルヒーターだから、風が巻き起こらず、乾燥もせず、優しい暖かさだとか。

音も静かだから赤ちゃんがいる家庭にも良いそうだ。

 

そうそう、こういうものを求めていた。

 

地元の工場が、買ってくれる人の生活を豊かにしようと真摯に良い物を作っている。

もっとマーケティングをしたら、驚くほど売れるに違いない。

来年のふるさと納税はこれで決まりだ。

ちょうど、エアコン暖房の限界も感じていた。

 

微々たるものだが、私の寄付が、街の子供達の教育環境を良くしたり、安心安全な街づくりに使われる。

 

三方良しだ。

 

地元にはまだ、両親も親戚も住んでいる。

高齢化と人口減少の街だ。

両親は運転免許を返戻したため、移動には公共交通機関が頼みだ。

それなのに、街の公共交通機関のバスの本数は1日に5、6本に減った。

タクシーは、ドライバー不足で、なかなかつかまえられない。

 

ただ、希望の星はいる。

駅の前の唯一の商業施設に、若者用のフリースペースができたらしい。

最寄りの高校に通う高校生が、電車を待つ時間までか日々熱心に勉強している。

丸坊主の高校生が分厚い参考書を広げて、集中している。

 

良い大学行って、地元に帰ってきてね、なんて、勝手ながら思ってしまう。

若者が学ぶ姿に、我が両親を含める高齢者が希望を見る。

 

ふるさと納税は、「ふるさと」にありがとうを伝え得る感謝の寄付。

地元の若者という括りで、顔見知りではないが、彼らの未来のためになるなら、寄付をしよう。微々たるものだが……。

今年は、微々たる私の寄付先が早々に決まった。

 

少しでも、何かに貢献できている手触りが欲しかったのかもしれないが、

少々くすぐったい気持ちになった。

 

≪終わり≫

 

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