まちづくり、コミュニティー作りの仕掛け人の原点は「みんなで勝ちに行く」
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
2026/2/5 公開
記事:伊東綾子(25年11月開講コース)
「立川で活動するなら、この人と繋がった方がいいよ」
何人もの人が口をそろえて名前を挙げたのは、メンバー8,800人が在籍する『立川食べ歩き隊』の隊長、K氏だった。
ここ数年で、中央線・立川駅周辺は大きく変わった。立川らしからぬ(いい意味で)洗練されたエリア、足を向けたくなるイベントが次々に生まれている。そして、その「おもしろそうなこと」の背後には、必ずと言っていいほどK氏の影がある。
ところが、K氏がまちづくりに目覚めたきっかけは、港区の高層マンションに住んだときだという。近所づきあいとは無縁に思える場所で、なぜ?
インタビュー当日、K氏が机の上に置いたのは、『作戦相関図』と題された、丁寧にパウチされた資料だった。
「話せることはたくさんあるけれど、あなたの興味のないことを話しても仕方ないので」
と言いながら、この図を見せつつ話すのがK氏のスタイルらしい。確かに、図があることで、K氏が何を積み上げ、これから何を仕掛けようとしているのかが見えてくる。これは構想の設計図といってもいい。
どこを切り取っても戦略が潜んでいて、私は「へぇー、はぁー」と感心しっぱなしだったが、今回は『作戦相関図』の原型にスポットを当てようと思う。これから社会に出ていく私の子どもたちにとって刺激になると思うからだ。
前途した通り、K氏がまちづくりに興味を持ったのは、港区に住居を移した24歳の時。想像に容易いと思うが、港区の高層マンションに誰もが住めるわけではない。住人は経営者、大会社の役員、いわゆる成功者と言われる人々が多い。(K氏がマンションを購入した経緯については、今回は割愛する)そんなマンションの自治会には当然つわものたちしかいない。その中に若干24歳の若者がいるわけで、可愛がられないわけがない。
彼らは自分が所有するマンションの資産価値が上がるように、駅からの道を綺麗にしようとか、サインを置いて分かりやすくしようと働きかけた。また住みやすいマンションであることをブランディングするために、祭りやクルーズツアーを企画したという。
東日本大震災をきっかけにマンションを離れ立川に移るまでの間、K氏は住みやすいまちづくりを学ぶだけでなく、コミュニティーの“一番下端”でいることで得るものが多いことを知る。その後、6社の転職を繰り返した理由のひとつが、下端でいるためだった。自分がやったことがない事を知っている人が好き。環境を変えれば、必ず新人になる。そこで学び、吸収し、また次へ行く。普通なら不安に感じそうな選択を、K氏は軽々とやってのける。
コミュニケーション能力、場の設計能力、いつから始まったのか……。
今やっていることの原型は理工学部に在籍した大学の時だと思うと語る。絶対に4年で卒業をしたい。自分の力だけではなく、皆の力を使って絶対に4年で卒業するぞと決めて、まずやったことは、新入生歓迎コンパに沢山足を運ぶこと。そのひとつひとつで同じ学科の友人を見つける。1ヶ月半もすると友人同士が繋がり、学科の8割は知人になったという。そこで、作ったのがメーリングリストだ。
テスト前になるとそれぞれがサークルの先輩から過去の試験問題をもらい、それを一旦K氏に集める。全教科過去5年分のテストが手元集まったところで、それを皆に配布する。成績優秀者にはその試験を解いてもらい、みんなで図書館に集まって勉強したという。K氏の代は個人戦ではなく組織戦で試験に挑んでいるので、みんなめちゃくちゃ成績が良かったそうだ。
そのメーリングリストは、テスト前だけではなく、就職活動においても大いに役に立ったという。
進路を決める時には、先輩を飲み会に招いて話を聞き、就職活動の情報も皆で共有し、そんな仲間を作りながらチーム戦を展開。ITエンジニアとして新卒で入社したときには、IT業界の主要な会社にはだいたい既に知り合いがいる、という状態だったそうだ。無敵!
しかも、この頃から先輩を巻き込んだ大規模な飲み会を企画・運営していたから、今やっていることに初歩的な失敗がない。人が集まる導線、空気のつくり方を早い段階で場数を踏んで体験してきた。
K氏がつくっているのは、目先の盛り上がりだけではない。
「この先10年、20年と役立つコミュニティーをつくりたい」
と彼は言う。誰でもない自分がやっている意味を考える。
参加した人が、誰かとつながり、学び、次の挑戦へ進めるような土台。関係性が資産になっていくような仕掛け。
立川という町は、子どもの私にとっては大都会、10代は遊び場、20代は職場、30代は子育てと、一緒に変化してきた。子どもの手が離れて、外へ外へと目を向けていた私が、昨年から再び立川に注目をしている。不思議なことに、3ヶ月もしないうちに知り合いが増えた。居場所が出来た。私はまんまとK氏の仕掛けにかかってしまったのだ。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
お問い合わせ
■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム
■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。
■天狼院カフェSHIBUYA
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目20番10号
MIYASHITA PARK South 3階 30000
TEL:03-6450-6261/FAX:03-6450-6262
営業時間:11:00〜21:00
■天狼院書店「京都天狼院」
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00
■天狼院書店「名古屋天狼院」
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-5-14先
Hisaya-odori Park ZONE1
TEL:052-211-9791
営業時間:10:00〜20:00
■天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00







