「ボタンを三つ外せば、あなたもフランスマダム——パリで学んだ装いの魔法」読書会で気づいた「学び」の本質的な落とし穴 ー映画『宝島』が教えてくれた、知識を資産に変える方法ー
*この記事は、「ハイパフォーマンス・ライティング」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
2025/10/23公開
記事 : みゆき(ハイパフォーマンス・ライティング)
パリを歩くと、まるで世界中のファッションが集まってきたかのようです。
カジュアル一辺倒のアメリカ人グループ、カラフルな衣装をまとったアフリカ系の女性たち、ベールで全身を覆うムスリムの女性たち——。日本では見かけない多様なスタイルが街を彩っています。
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- ひときわ目を引く「さりげないおしゃれ」
そんな中でも、思わず振り返ってしまうほど洗練された人が多いのが、やはりパリ。
彼女たちは決して派手ではないのに、「その人らしさ」が遠くからでも伝わってきます。
たとえば——
白髪のボブが美しい70代のマダム。
白のロングブラウスに薄手のベージュのトレンチコート、足元はブーツ。
襟元の白を少し見せ、ボタンを外してシャツとコートのラインを響かせる。
風を受けてコートの裾をなびかせながら颯爽と歩く姿は、振り返りたくなる美しさ。
淡い茶髪を低めのポニーテールにまとめた40代の女性。
上下デニムに赤いスカーフをリボンのように胸元に結び、ボストン眼鏡。
頑張りすぎないのに、とてもキュート。
若い女性たちは意外と地味で、黒いトップスにピタッとしたジーンズが定番。
タバコをくわえ、風になびく髪で歩く姿は、まるで映画の登場人物のようです。
(余談ですが、フランスでは喫煙率がいまだ高く、くわえタバコ文化は健在です。)
日本では「流行に乗り遅れないように」と皆が似た服を着ますが、
パリでは**「自分に似合うものを知っている」**ことが最も重要。
それが、ファッションの自由を生み出しています。
もちろん生まれ持った体型の違い、頭は小さく、腰は高く、スラッとしている、三拍子で日本人には勝ち目はないのですが、それほど美人という訳ではなくてもその人なりの美しさが、装いを通してにじみ出ているのです。
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- 古着屋で“こなれ感”を手に入れる
近年パリでは、古着屋が急増しています。
古着を購入したことがある人の割合は2018年の16%から19年には39%に上昇したそうです。
2023年には老舗百貨店「Galeries Lafayette」にも、なんと1300平方メートルのヴィンテージ売場が登場。
オペラ座近くの「GUERRISOL By GUERRIDA」では、
娘がパリジェンヌに大人気ブランドSANDROのシャツワンピースを定価の1/5で購入。
ノンブランドの革ジャケットやパンツも50〜70€で手に入ります。
トップスは10€からあります。
私のお気に入りは、黒のマオカラーの襟に白いレースのリボンが繊細に縫い付けてあるジャケット。30€くらいで手に入れました。コンサートにもパーティにもビシッと決まります。
古着の魅力は、**気負わず・自然体で・程よく“こなれて見える”**こと。
そして、歴史あるものを大切にするフランスのDNAが、その文化を支えています。
また、フランス人の古着の購入理由は値段だけでなく、実に古着購入者の48.8%が環境へのインパクト軽減という理由なのだとか。
その意識の高さも素敵ですね。
ただ気を付けることとして、値札チェックは必須です。30€コーナーの服が、レジでは50€だったことも。
革パンツのチャックが壊れていて、日本で縫い直した…なんて経験も(笑)。
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- 「鋭角V」で一瞬にしてマダム見え!
フランスマダムの装いで、日本の中年女性と決定的に違うのは——
デコルテの見せ方。
私はこれを勝手に「鋭角V」と呼んでいます。
日本人ならシャツのボタンを1つ外す程度ですが、
フランスマダムは3つ外すのが普通。
胸元を少し開けることで、縦のラインが強調され、スラッと見えます。
肉感的にならず、むしろセンシュアルで上品で知的な印象に。
ただし開けすぎは注意。
以前、メトロで前に座った黒人マダムの胸元が……立派なドレスからボール玉のような立派な黒スイカがヘタごとポロリ寸前……という“見てはいけないハプニング”に遭遇しました(笑)。マダムは気にせず前かがみのまま、携帯電話に夢中でした(笑)
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- 日本ブランドもフランスで人気上昇中
初めてパリでユニクロを見たときは驚きました。オープンには行列が出来ていた記憶があります。
今では店舗も増え、ユニクロ率はかなり高いのです。
価格は日本の1.3〜2倍ほどですが、品質の良さは評価されています。
オペラ座近くのユニクロとサマリテーヌのユニクロはディスプレイが日本とそっくりでした。噂ではマレ地区のユニクロは店内が大変おしゃれでひときわ人気が高いそうです。
商品は、三日月型のショルダーバッグはヨーロッパで大人気と聞いています。私が見たのは日本のアニメのコラボTシャツの特設売り場でした。
日本のアニメ人気や、キティちゃんなどサンリオ人気もすごいです。
「無印良品」も人気があり、Zenに通じる日本のミニマリズムが“エレガンスの一部”として受け入れられています。
そういえば怪しげな日本語Tシャツを着ている男性も何人かすれ違いました。いずれにせよ、日本のファッション文化は概ね素敵と思われているようです。
最近中国のウルトラファストファッション「SHEIN」のパリ出店に関して反発が出ているとニュースになったばかりです。
ヨーロッパの伝統と若い世代に全世界的に人気を集めている中国発の低価格ブランドがどう折り合いをつけていくか今後の行方も気になるところです。
- 百貨店で“目を鍛える”
「Galeries Lafayette」や「Le Bon Marché」「サマリテーヌ」などの百貨店では、
一流ブランドのディスプレイをゆっくり眺めるのがおすすめ。たくさんの店舗を一気に、シームレスで見られます。
色の合わせ方、シルエット、靴とのバランス——勉強になります。華やかで、ため息が出るほどオシャレな空間で目が鍛えられます。
私は次の訪問で、憧れのSézaneかカシミヤ専門店のセーターを買う予定です(円高に振れていたらが条件ですが笑)。
パリの百貨店では、母娘で買い物を楽しむ光景をよく見かけますが、
いつもマダムの方が「磨き上げられた」美しさで娘に勝っているのです。
「歳を重ねるほどに輝く」文化が、そこにあります。
ディスプレイだけではなく、是非人間ウォッチもしてみて下さい。
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- トートバッグで「パリ気分」を連れて帰る
布製のトートバッグも“パリっぽさ”を演出する名脇役。
セレクトショップの「Merci」が有名ですが、「Shakespeare & Company」などのショップバッグは人気で、
私は今回、そのシェイクスピア&カンパニー書店のものを購入しました。
シェイクスピア&カンパニー書店をご存じない方のために、少しご紹介します。
セーヌ川のほとり、ノートルダム寺院の向かいに佇むこの書店は、文学を愛する人々の聖地のような存在です。お金のない若き作家たちが寝泊まりし、読書と創作に明け暮れたことでも知られています。ヘミングウェイもパリ修行時代にここに通い、インスピレーションを得たそうです。これまでに宿泊した作家志望者はなんと4万人を超えるとか。今もなお、読書会や朗読会が定期的に開かれ、言葉と人が出会う場であり続けています。
この書店を舞台にした『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』という本があります。自由で、少し風変わりで、人間くさいこの書店の空気が、どこか「天狼院書店」と重なるように感じられて——今回はぜひ訪れてみたい場所のひとつでした。ここもきっと多くの人の「人生を変える書店」だったのでしょう。
そんな物語をまとうように、私はこのトートバッグを選びました。単なるお土産ではなく、「本と生きる、人生を変えていく」スタイルそのものを肩にかけるような気持ちで。
こんな風に自分らしさの表現がファッションにつながっていけたらと思います。
あと、おすすめとしては、ルーブル美術館のショップで販売している、公式のモナリザ(=ジョコンド)柄トートも大切に使い続けています。
こちらは以前同行した義母と友人からのサプライズプレゼントでした。旅の思い出が詰まったアイテムです。
(今年はデザインがリニューアルしていました)。
現地でも日本でも、身につけるだけで気分が上がるバッグを探してみて下さいね。
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イベント情報
私の「鋭角V」師匠は、ベルサイユ在住のドメストル美紀さん。
いつお会いしても完璧な“Vライン”で、本物のエレガンスを体現されています。
実は美紀さん、テレビ番組「プラチナファミリー」にも出演されたばかり。
貴族に嫁ぎ、日常の中でエレガンスを纏うマダムです。
ぜひその“リアル・マダムエレガンス”を、直接感じてください。
📅 11月22日(金)11:30〜13:00
📍 天狼院カフェSHIBUYA
→ お申し込みはこちら
https://tenro-in.com/event/336618/
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