失敗の診断ログを読め:「ダメな私」を「較正が必要なシステム」に変える思考法
*この記事は、「ハイパフォーマンス・ライティング」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
2025/10/23公開
記事 :山岡達也(ハイパフォーマンス・ライティング)
「なぜ、今回もうまくいかなかったのか?」
私はこの数十年間、農薬の開発という仕事に携わってきました。
長いキャリアの中で、薬剤の試験というのも、何度も何度もくり返しています。これだけくり返して同じような仕事をやっていると、まわりからは「ベテラン」「達人」のように思われるかも知れませんが、実際のところは違います。
大抵の仕事はうまくいっているように見えますが、扱う相手が生物と言うこともあって、想定外の結果が出ることはよくあります。よくあることだといっても、それで私が「自己嫌悪」に陥ることもしばしばありました。
うまく行かない仕事が1つあると、たとえ他の9つの仕事がうまくいっても、全てが台無しにされた気分になるのです。結果が出ないという事実は、まるで私自身の無能さを示す証拠のように感じられました。
「またダメだった」
「自分には能力がないのかもしれない」
この、仕事の失敗と自己嫌悪という負のループ。
キャリアを重ねても、いや、重ねたからこそプライドが邪魔をするのか、この感情的な罠から抜け出すのは年々難しくなっているように感じていました。
転機:AI読書会と『THIRD MILLENNIUM THINKING (TMT)』
そんな私が、天狼院書店が主催する「AI読書会〈インフィニティ∞リーディング〉」に参加したのは、この堂々巡りの悩みから抜け出すヒントを求めていた、というのが正直なところです。
この読書会は毎週水曜日に開催されており、読書会のマスターである三浦崇典店主が、ご自身の知見と言語生成AIを駆使して、難解な書籍を圧倒的な解像度で解き明かしていくものです。
月4回開催される読書会にはそれぞれテーマが決められています。私が参加した11月5日の読書会は、毎月第1水曜日にあたり、「ウェルネス(Wellness)」をテーマとしています。
今回の課題図書は、『THIRD MILLENNIUM THINKING アメリカ最高峰大学の人気講義』(TMT)でした。
▼11月5日開催のイベントページ(後日視聴もできます)
https://tenro-in.com/event/343305/
読書会の前に書籍を購入して、事前に読みましたが、全18章のうち、たったの5章で挫折しました。理系の大学に進んで技術職の仕事をしている自分には、部分的には興味が持てる部分もありましたが、「確率的思考」や「思考の較正」といった抽象的なテーマが延々と続く、正直、読むのがしんどい本でした。
(インフィニティ∞リーディングなら、こんな本でも鮮やかに読み解いてくれるはずだ)
そんな期待をもって読書会に臨みました。読書会マスターの三浦店主は、この本で紹介されている思考法について熱く語られていましたが、読書会が終わった直後、正直なところ、私は戸惑っていました。
「なぜ、この難しい『思考法』の本が、健康や長寿をテーマとする『ウェルネス編』の課題本なのだろう?」
健康法やライフハックを期待していた私にとって、この書籍でとりあげている抽象的なテーマは、ウェルネスとはあまりにかけ離れているように思えたのです。
核心への鍵:「ワークバトル」という視点
読書会を終えてもモヤモヤしていたのですが、その後に流れたYouTube動画が、私の疑問をとくきっかけになりました。
それは、天狼院書店が26年1月から開講する、「ワークバトル全技術」という新講座の動画解説でした。
▼人生のハンデを好機に変える「ワークバトルの技術」《4ヶ月完成本講座》
https://tenro-in.com/event/373802/
動画による解説を観た後で、私の中で何かが繋がりました。
「ハードワークの時代は、頭を切り替えないと潰れてしまう。だからこの本をウェルネス編で取りあげたのだ」
こうして、私の中でバラバラだったピースがつながりはじめました。
「ワークバトル全技術」は、ビジネスを戦争、仕事を戦闘と定義し、あらゆる制約(ハンデ)を好機に変えて成果(戦果)を上げる全メソッドを扱う講座だといいます。
現代の仕事は「戦闘(ハードワーク)」であり、その戦闘を持続するためには「持続可能性(ウェルネス)」が不可欠。だから、TMTが説く「思考法」は、このハードワークを継続するための「ウェルネスの技術」として位置づけられるのではないか?
そこで、一旦は挫折したこの本を、もう一度読み進めてみました。確かに、以前よりは読み進めることが出来ます。しかし、それでもTMTという概念を、ハードワークの時代のウェルネスの実現にどう活かせばよいのか、まだ明確には見えてきませんでした。
そこで、インフィニティ∞リーディングで学んだ「AIとの対話」を、自分でも実践してみることにしました。自分の中に生まれた仮説を、AIにぶつけてみたのです。
自分が出したつたない疑問に対しても、AIはまるで寄り添うように、やさしく論理を整理してくれました。対話から得られた気づきについて、さらにAIと対話を重ねて、深く掘り下げることで、私の中で一つの結論に至りました。
つまり、ビジネスという場でハードワーク(戦闘)を続けるための「健康的な状態(ウェルネス)」を、客観的かつ合理的な判断に基づいて維持する思考法こそが、TMTだったのです。
TMTが教えてくれた革命的な視点
AIとの対話の中で、様々な気づきが得られました。
中でも、私が最も救われたと感じたのは、「自己嫌悪」という非生産的なストレスを、建設的で管理可能な「知的作業」へと変換する手法を教えてくれた点です。
ステップ1:感情的な結論の停止
自己嫌悪や自己不信に陥っているとき、私たちは「私はダメな人間だ」という主観的な結論で思考を止めてしまいます。私の農薬試験の失敗が、即座に「私自身の無能さの証拠」に感じられたように。
TMTは、この感情的な罠から抜け出す「思考の技術」を教えてくれます。
TMTは、無知な人ほど自信過剰になるという傾向(ダニング=クルーガー効果)などに触れつつ、自身の認知の限界を認める「知的謙虚さ」が必要だと説いています。
AIとの対話で、私は自分の悩みを打ち明けました。
私: 「仕事で失敗すると、すぐに『自分はダメだ』と思ってしまいます」
AI: 「それは、失敗という『出来事』と、『自分はダメだ』という『人格への評価』を直結させてしまう思考のクセ(バイアス)かもしれません。TMTは、その直結を一旦停止し、客観的に状況を分析することを推奨します」
ステップ2:失敗の再定義
TMTの思考法は、失敗を「私はダメだ」という人格批判ではなく、「この判断に対する私の確信度は過大だった」という「測定結果」へと捉え直す技術です。
これは、感情的な自己批判ではなく、より賢明な判断に必要な「知的較正(キャリブレーション)」という作業です。
この思考法を、自分の仕事に当てはめてみました。
【今までの私】
「試験がうまくいかなかった。私はダメだ」(思考停止=自己嫌悪)
【TMT実践後の私】
「試験がうまくいかなかった。これは『立てた仮説Aと、使用した薬剤Bの組み合わせでは、想定した結果(成功)が出なかった』という測定結果だ。私の『これでいけるはずだ』という確信度は、結果と乖離していた。さて、どの変数を『較正』しようか?」(分析=知的作業)
たとえば、私の場合はこうです。
「この薬剤なら、80%の確率で効果が出るはずだ」と確信していたのに、結果は50%だった。
これは「私がダメ」なのではなく、「私の確信度(80%)が較正されていなかった(実際は50%だった)」というデータなのです。
次回は、この「較正誤差」を踏まえて判断すればいい。それだけのことです。
TMTは、自己嫌悪や自己不信を、主観的な叫びとして扱うのではなく、「自分の思考システムが正しく較正されていない」という客観的なシステムの警告として捉え直す機会を与えてくれたのです。
この記事のタイトル『失敗の診断ログを読め』は、まさにこの気づきから生まれました。自己嫌悪は、システムの異常を知らせる「診断ログ」だったのです。
ステップ3:バイアス制御と客観的分析
そうはいっても、診断ログを読もうとすると、「どうせダメだ」という先入観が邪魔をします。これがTMTが警告する「確証バイアス」(自分に都合の良い情報ばかり集める傾向)などの思考の穴です。
TMTは、このバイアスを制御し、冷静に物事をありのままに捉えることを求めます。
【バイアスに囚われた私】
「どうせ私は失敗ばかりだ」(先入観)
【バイアス制御を試みる私】
「今回の失敗ログを分析しよう。……待てよ、感情を排して客観的に見直すと、過去10回の試験のうち、8回は成功している。この2回の失敗(ログ)に共通する要因は何か?」(客観的検証)
このように、成功やポジティブな結果も無視せずに、客観的に検証する習慣を身につけることが重要なのです。
ステップ4:経験則の罠からの脱却
過去の失敗から「正しい教訓」を得るのは非常に困難です。TMTの第15章では「なぜ経験から学ぶことが難しいのか」を論じています。
経験則だけでは、人は都合の良い記憶だけを残したり、因果関係を誤解したりしがちです。
「あの時もこうだったから、今回もダメだ」という経験則では、多くの場合、思考は正しく較正されていません。
自己嫌悪から脱出するには、過去の失敗を単なるネガティブな経験として終わらせるのではなく、批判的に検証する科学的態度が必要です。
失敗の原因を、感情的な「私」ではなく、「私が検証した仮説や、用いたシステム」に切り分けて分析するのです。
「私がダメ」なのではなく、「私の立てた仮説の確信度が、較正されていなかった」だけ。
そう捉え直したとき、私は静かな安堵を感じました。
AI読書会を通じて見いだしたTMTの価値
TMTは、一人で読むにはあまりに難解な本です。
実際、私も一人で読もうとして、5章で挫折しました。しかし、AI読書会では、三浦店主がAI解析という最新の科学的ツールを駆使して、この難解な書籍を圧倒的な解像度で解き明かしていきました。
さらに重要だったのは、読書会の後でした。
読書会に参加しただけでは、TMTの本当の価値は、まだわかりませんでした。しかし、読書会の後も、AIとの対話を繰り返すことで、ようやく自分の問題を解決するための糸口がつかめたのです。
こんなことができたのは、インフィニティ∞リーディングに何度も参加して、AIの使い方を動画を見ながら学んだからです。
本の読み解き方に加えて、AIを自分の思考のパートナーとして使う方法も学べる。
これが、インフィニティ∞リーディングの真の価値だと、私は実感しています。
もしあなたが今、何か問題を抱えていて、解決の糸口を読書に求めているなら。
一人で難しい本に挑戦して挫折する必要はありません。
AI読書会という場があれば、難解な本も、自分の人生に活かせる知恵に変えることができます。
ぜひ一度、この知的革命の最前線、天狼院書店の「AI読書会〈インフィニティ∞リーディング〉」に参加されることを心からお勧めします。
インフィニティ∞リーディング のご案内
AI読書会〈インフィニティ∞リーディング〉は、毎週水曜日に開催される究極の読書会です。AIとマスターの知見を駆使して難解な書籍を解き明かし、参加者全員で深く学び合いながら、知の地平を広げる新しいリーディング体験を提供します。
開催テーマ(毎月):
- 第1水曜:TYPE-W(ウェルネス編)
↳ 健康、長寿、身体能力など、「140歳まで生きる」ための知見を探求します。(この記事で取り上げた回です) - 第2水曜:TYPE-P(実践編)
↳ 仕事、キャリア、経済、お金にまつわる知見を深めます。 - 第3水曜:TYPE-C(古典教養編)
↳ 哲学、思想、歴史など、リベラルアーツとしての教養を追求します。 - 第4水曜:TYPE-S(物語解析編)
↳ 小説・コミック・戯曲などに関する書籍をクリエイター目線で読み解きます。
会場: 東京(天狼院カフェSHIBUYA)、名古屋(名古屋天狼院)、京都(京都天狼院)、福岡(福岡天狼院)、および通信会場(リアルタイム生中継または収録動画視聴)で全国どこからでも参加可能です。
参加費: 一般:¥3,850(税込)/回。
【インフィニティ∞リーディングのお申し込み・詳細はこちらから】
https://tenro-in.com/category/infinity_reading/
ご参加を心よりお待ちしております。
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