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あっという間に死なない人生の使い方


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事:マダム・ジュバン(ハイパフォーマンス・ライティング)

今日は私の誕生日だ。

いったい、いつから誕生日が嬉しくなくなったのだろう。
家族がお祝いに集まってくれるというのに、できれば年齢だけはそっとしておいてほしい。

 

なぜなら、もう68歳なのだ。

気持ちはいつまでも女子高校生なのに、見た目と身体は確実に年を重ねてゆく。

その現実を、どうにも受け止めきれないでいる。

そんな“見て見ぬふり”をしている私を見透かすようなタイトルの本を書店で見つけた。

『あっという間に人は死ぬから』。

 

そう、私だってわかっている。

人はあっという間に年を取り、あっという間に人生を走り抜けていく。

でも、そんなストレートに言わなくてもいいじゃない……と少し怯えながら、そっと本を手に取った。

 

ところが開いてみると、これは「死」ではなく「今をどう生きるか」を問いかけてくる本だった。

読み進めるうちに、「これはインフィニティ∞リーディングでこそ読むべき一冊だ」と感じ、さっそくゼミに申し込んだ。

 

子どもの20分と大人の20分

まず冒頭に紹介された「子どもの20分と大人の20分」という話が印象的だった。

小学生だった頃、20分休みといえば校庭に飛び出し、友だちとドッジボールをし、鐘が鳴ればさっと授業に戻った。20分は遊ぶには十分すぎるほど長い時間だった。

 

ところが大人になると、同じ20分を前にして「たった20分じゃ何もできない」と考えてしまう。結局、スマホを眺めて終わり――そんな経験は私にもおおいに心当たりがある。

著者によれば、これは年齢ではなく“時間の認識”が変化したためだという。人は1日に3,500回もの意志決定をしているが、「短い時間では成果が出ない」と思い込むクセがある人ほど、行動を先延ばしにしてしまうらしい。

反対に「20分あればメールを一本返信できる」と考えられる人は、少しずつでも前に進む。

たったそれだけの差が、長い時間の中で積もり、人生の速度さえ変えてしまうのだ。

私も“20分の空虚な時”を何度積み上げたかわからない。

 

なぜ大人になると時間があっという間に過ぎていくのか。

それは単に“年を取ったから”ではなく、無意識のうちに自分の時間を奪う“モンスター”が心の中に潜んでいるから――著者はそう断言している。

そしてそのモンスターの正体とは、他人の価値観や社会の常識に流され、自分の本心を見ないまま日々をやり過ごしてしまう姿だ。

 

心のどこかで「死を意識したくない」「孤独と向き合うのは怖い」「責任を負うのはしんどい」と思う。その感情が、ついスマホに逃げ込ませ、日々を“何となく”やり過ごさせてしまうのかもしれない。

 

だからこそ、この三つの理(死・孤独・責任)に向き合うことは、残された時間をどう生きるかを考える第一歩になる。

 

人生の3つの理(ことわり)

・死

著者は、誰もが「死」を他人事として見て直視していないという。

実際、私もこの歳になっても、なかなか直視はできない。

人が死を本当に意識するのは余命宣告を受けた時だけだという。

そうして自分が「いつか死ぬこと」を忘れているから、大事なことを先延ばしにして時間を無駄にしているのだ。

 

・孤独

「孤独」を恐れていると一人で旅に出たり、組織から離れて新しい世界に飛び込むことをためらい周りに合わせようとしがちである。

結果、自分が本当にしたい行動をすることが難しい。

 

・責任

「責任」を避けようとすると、結婚すること子供を産むこと、大きい買い物をすること、

投資すること、転職することなどを避けてしまい、自分が本当に望むことを選べなくなってしまう。

 

死・孤独・責任。この3つを見て見ぬふりをして避けようとすることこそ、大事なことを先延ばしにして、大切な時間を奪うモンスターだったというわけだ。

しかし、人は誰しも「死」を避けられない。 

どんなに親しくとも、完全に理解し合うことのできない「孤独」な存在でもある。 

そして生きている限り、誰しもが何らかの「責任」を背負っている。

なかなか難しい話だが、これらを意識して行動すれば、真に価値のある時間の使い方が見つけられるのかもしれない。

 

私の時間を振り返る

 

さて、私事だが今回でこのハイパフォーマンス・ライティングは最終課題の提出となる。

振り返ってみると、2020年のライティング・ゼミから始まり、実践ライティング、新ライターズ倶楽部、小説家入門講座、小説を書き上げる講座、AIビギナーズといった各講座、そして多種多様なイベントへ参加させて頂いた。

私の凡庸な脳をフル回転させ、なんとか課題提出ができたのも、魅力あるコンテンツと、楽しく中身の濃いゼミのお蔭だ。三浦さんをはじめ素晴らしい講師の方々には感謝しかない。

そしてインフィニティ∞リーディングでは、絶対に自分では手に取らない類いの本にも数多く出会った。三浦さんの語りに導かれるうちに、気づけば未知の世界を知ることの面白さに目覚めていた。

還暦を超えている私の人生を、こんなにも充実させてくださった天狼院書店には感謝しかない。

 

「文章を書くこと」や「AIを使うこと」など5年前の私にはまったく想像ができないことだったが、文章を書くことで自分の「本心」を掘り下げることができた。

自分が本当はどうしたいのか、自分の価値観や願望を深掘りすること。

これぞまさしく、この本『あっという間に人は死ぬから』の真髄なのだと思う。

もちろん現実逃避して無駄な時間を過ごすことも多いが、これからも好奇心の赴くままに知の旅に出て、自分にとって意味のある時間を積み重ねていきたい。

 

このインフィニティ∞リーディングの冒頭で

「あっという間に人は死なないから。寿命という概念は今後消えるからね」という三浦さんの言葉に思わず笑ってしまったけれど、正直ちょっと嬉しかった。

きっとまた次に出会う一冊が、私の新しい扉を開いてくれるに違いない。

 

≪終わり≫

インフィニティ∞リーディングについてはコチラ

全国・通信【11/26(水)19:00~】人生を変える、究極の読書体験「インフィニティ∞リーディング/INFINITY ∞ READING」TYPE S 11月課題本『グラスハート』

 

 

 

 

 

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