念ずれど花ひらかず
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
記事:西村友成(25年・年末集中コース)
午前8時57分。強くブレーキを踏み、車を飛び出す。駐車場から職場へ駆け込み、8時58分。今日もなんとか間に合った。出社時間は9時。余裕ある日は5分前につくが、デスクにつくや朝礼開始なんて日もままあり、平日の朝は常に時間との戦いを強いられている。
時間との戦いが強いられるのは、私の身に毎日毎日なにかしら出勤を阻もうとする出来事が押し寄せるせいである。
家を出た直後に燃えるゴミの日だったのを思い出し取りに帰るとか、髭剃りで横滑りした傷口から全然血が止まんなくて右往左往するとか、さっき玄関に置いたはずのカギが見当たんなくて家じゅう探すはめになるとか。なんやかんや小っちゃいトラブルに見舞われ、「わちゃー、時間がない」と追い詰められてしまう。
来る日も来る日も有象無象のアクシデントを乗り越え、遅刻せず出勤する私は本当にエライと思うのだが、「あと5分早く行動すればいい」と言われればそれまでである。「8時40分に家を出れば何とかなる」とギリギリの設定をしてるから、ギリギリになる。自ら当然の結果を招いているのは何となくわかっている。
ただ、私が問題を提起したいのは8時40分に出ても日によって5分程開きがでることにある。車通勤なので事故があった時や、工事で迂回したら遅れるわけだがそんな真っ当な理由は滅多にない。とにもかくにも「信号」が曲者なのである。
こんな私でも早く家を出る日が存在し、時間的にも気持ち的にも余裕のある時に限って、ことごとく信号は「青」なのだ。家から職場まで8つほど信号があるが、不思議と引っかからない。着いたら「エラく早く着いた」と何だか損したような気分になる。
ところが、「ヤバい。時間なさすぎる。間に合ってくれ」という日に限って「え、また赤なの?」と立て続けに足止めを食ってしまい、遅刻寸前で職場へ飛び込むハメになる。
「時間余裕あるときは赤で構わんけど、急いでるときくらい青でいいじゃない。このイケず」もう何度信号にボヤいたことだろう。
国土交通省の信号設置部門はもう少し庶民の実情を鑑みた赤と青の時間配分を考慮願いたい。と、いくら訴求したとて私ひとりのために都合よく信号は操れまい。
問題は「急いでいるときほど赤になる」マーフィーの法則的な実情にある。これは信号だけの問題じゃなくて「返事欲しいのにラインが既読つかない」とか、「疲れてるのに電車混んでて座れない」とか、「20時過ぎたのにお惣菜半額になんない」とか。待ってるときほど現実化しない例は枚挙に暇がない。
こうゆうとき、皆さんはどうしているだろう。「マーフィーだから仕方ない」と受け入れるも1つだが、「待ってるからこそ叶わない」とゆう考え方もある。宇宙理論とか量子力学を唱える人たちである。
苦手な人もいるだろうから、学説の詳細は割愛するとして(本当はきちんと説明できる自信がない)、結論は「今の思いが未来をつくる」である。今この瞬間が幸せならばこの先も幸せが続くし、不安に思ってるなら不安な事が起こり、最悪のシナリオを描いていると最悪な事態になるという。
ただし「超ラッキー、ロト6当たったー!」とか、「バナナの皮で転倒して骨折入院した」とか想像イコールその通りになった、ではない。宝くじが当たった時のようなハッピーな気持ちを持ち続けていると幸せがやってきて、逆にネガティブな感情を持ち続けていると恐れが現実になるのだそうだ。
結構これが私の場合当てはまる。急いでるときに「また赤かよ」とイライラしだすと、次の信号も赤。「はやく返事しろよ」と何度も携帯を見ると既読がつかない。「ヤバい、漏れる」と腹を押さえトイレへ駆け込むと個室は満室で悶絶する。
「早くしてくれ。早く、早く」と願うほどイライラさせられる現実が待っている。一方、「別に赤信号でも平気だよ。青になったら行くだけさ」と余裕かましてるときほど青になって時間に余裕が生まれる。
焦り、心配、怒りはネガティブな出来事につながるし、喜び、笑い、感謝がポジティブな未来を呼び起こす。自分の感情をコントロールできれば未来が自然と望ましい方向に変わってくる。という理論、合点していただけるであろうか。
さて、問題となるのが日々の私である。「わかってるならそうしろよ」と自分でも思わざるを得ない。「いつもギリギリになっちゃう私」をアピールして共感を得ようとするなど非常に浅ましい。全部青信号の気持ちをキープして悠々出社できるはずなのだ。
なのに。なのにである。いざとなると「わっ、ヤバい。どうしよどうしよ」って心がざわついて宇宙理論どころでなくなってしまう。ソファに深く腰かけ、アフタヌーンティーでもすすってりゃ「ポジティブな気持ちで」って思えるんだろうけど。
だからいまだに「あぁ、今日もギリギリ遅刻せず済んだ。冷や冷やしたぁ」を繰り返し、「いかんいかん。気持ちにゆとりがなくては」と堂々巡りのループから抜け出せずにいる。
「よし、明日こそは余裕綽々で出勤しよう」と、思ったのこれで何回目だろう。
≪終わり≫
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