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完璧主義の逆を目指すと見つけたもの


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

 

 

記事: ムー子(ライティング・ゼミ25年11月開講コース)

 

以前、高校の時の友人Kと久々に会った時だ。                                

 

話の流れで、私は自分が「勉強を途中で投げだしてしまうタイプ」であることを話した。

すると、Kにこう言われた。

 

「完璧主義だからこそしんどくなるんちゃう?」

 

 

Kは、20代は仕事で忙しく、30代で結婚してからは子育てや家事で忙しく過ごしていた。

しかし、その中でもコツコツと勉強をし続け、資格を多く持っている。

そんなKに、そう思われていたことにびっくりした。

 

なぜなら私は自身を完璧主義だと思っていなかったからだ。

 

 

完璧主義とは「自分にも人にも、成果に対して100%を求める厳しさもあるが、それを成し遂げる人」というなんとなくのイメージが私にあった。

つまり、プロセスがどんなに困難でも、結局は一つのことに結果を出す人のことを指すのだと思っていたのだ。

 

少なくとも私には当てはまらない。

そもそも勉強を途中で投げ出す時点で一つのことを達成していないのだから、私は完璧主義の人と真逆である、とも思っていた。

 

 

それに対してKは「確かに、最高のクオリティを追及し続けて本当に成果を出す完璧主義タイプの人は凄いと思う」と言った。

だが「でも、ムー子ちゃんの場合は自分が決めた基準に達していないものは意味がないと思って、途中で諦めるでしょ? それも完璧主義の中に入るよ」と続けて言われ、私は撃沈した。

 

 

思い当たるところが多すぎる。

まず、すでに3つの例が思い浮かんだ。

 

 

一つ目は、テスト勉強。

細かく計画を練って挑むが、途中で体調を崩したり、トラブルがあったりして予定が大きく変わってしまった場合、それを「失敗だ」と感じてしまう。

それだと意味がないと思い、試験勉強自体を途中で投げ出してしまうのだ。

 

 

二つ目は、大学生の時の卒業論文。

なんだかしっくりこない出来栄えで、何回も修正を練っているうちに、本当に提出が期限ギリギリになってしまった。

もっと書き方があるんじゃないか、なんか変な書き方になっていないか等、気にすればキリがない。

完璧を求めること自体は決して悪くはないとは思うのだが、その論文を教授が「100%として認めるか」といったらそうではない。

ちなみに卒業論文の点数は70点という、粘った割には微妙な結果であった。

 

 

そしてとどめの三つ目は、自身のテスト恐怖症。

私は大学受験に2回失敗しているのだが、そのせいかプレッシャーに対してヨワヨワだった。

 

また失敗したらどうしよう。

落ちたらどうしよう。

どうせ失敗するなら、やらないほうがいい。

そう思って挑戦を諦めてきた。

怖くて試験にトライ出来なかったのだ。

 

 

見事に完璧主義の悪い部分の落とし穴にこれでもかという位にはまっていた。

 

 

物事を0か100で考える。

完璧を追及するので、100が目標だ。

しかし、それ以外は0と同じ。その場合は投げ出してしまう。

……なるほど、確かに私は完璧主義だ。

Kに言われて初めて自分のつまずきを知ったのである。

 

あれこれ計画を練って、お金も掛け、万全の準備を整えたにもかかわらず、細部のところにこだわり続けた割には成果がない。最悪である。

 

 

どうすればいいか、私はKに思い切って聞いてみた。

 

 

「完璧を目指す方向と逆方向にいけばいい。テキストは必ず1日1回読む。でも疲れている時は1分しか読まない。これを続ける」

 

Kによると、私が今まで完璧主義で失敗しているから逆のことをするのだ、そのためにはハードルを低く設定しそれを成し遂げることがカギとなる、らしい。

 

 

え、これだけ?

正直、そう思った。

 

 

しかし、数々の試験を突破してきた彼女だ。

彼女の言うとおりにすれば、間違いないだろう。

 

 

ちょうどその時に取ってみたいなと思う検定があったので、この方法を早速試してみることにした。

 

 

最初の週。

1日1分読んでいると、あっという間に学習タイムは終わってしまった。

それを続けていると、キリがいいところまで、と5分読めるようになっており、その時間は伸びていった。

また、苦手な箇所があることに気がつき、そこを重点的に対策するようになっていた。

 

 

2週目。

内容すべてが覚えにくい章の登場だ!!

 

以前の私なら、理解できるまでずっと読んで足止めを食らう頃だろう。

もしくは、ここでリタイアか。

 

しかし、完璧を目指す方向の逆をいけばよいとなると……

「理解していなくても進むべし!」

とりあえず、読んで内容を確認したのちにまた後日その内容に戻ることにした。

 

 

3週目。

この頃には自分なりにコツをつかんで学習できるようになっていた。

仕事の休憩時間や昼休みに単語の復習をし、演習問題を先に解いて出題スタイルを把握することもこの頃には出来ていた。

 

 

4周目以降。

一通り試験内容は把握できたので、分かりにくい場所に戻り、ひたすら問題を解いた。

以前なら、この時点で出来ていない箇所が気になっていたことだろう。

しかし、今回は「とりあえず読み進める」ことを毎日行っていたため、落ち着いて勉強することが出来た。

 

 

「完璧主義を手放す」という今回の学習方法は、今までの学習方法や価値観の大掃除でもあった。

 

散乱したものを、いるものといらないものに分け、少しずつでも時間をかけて所定のところに戻す。

そのたびに見える床面積が広がっていく。

 

それと同じようだ。

 

今までの学習スタイルやこだわりの見直し、コツコツと学習を進めていくことで、そのたびに理解できる内容が広がっていく。

 

 

そして勉強を始めて2ヶ月後……。

 

 

私は「合格」という文字を久々に見た。

 

その検定は点数ごとに取得できる級が変わるタイプだ。

目標の級まであと2点という惜しいところだったのだが、それでも合格には変わりない。久々の充実感のある達成であった。

 

 

私本人ですら気づいていないのに、私の欠点をすでに見破っていたKの観察力に感謝しかない。

彼女のおかげで、どこかに落としていた自信をもう一度取り戻すことが出来た。

 

 

この3月、新たに資格を取るつもりである。

もちろん、Kが伝授してくれた方法で合格を勝ち取るつもりだ。

 

 

彼女にまた合格報告が出来るように、頑張ろう。

 

 

≪終わり≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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