無限大のつながりが世界を変える
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
記事:なみ(ライティング・ゼミ、2026年1月開講・渋谷/通信・4ヶ月コース)
ある日、1階に下りていくと、父の声が耳に入ってきました。
誰かと電話をしているようです。
父に伝えたいことがあった私は、リビングのテレビをつけて、電話が終わるのを待つことにしました。
「この電話、すぐに終わるかな?」
長電話になりそうかどうかを知りたくて、少し父の声に耳を傾けてみました。
「お礼なんていいから、いいから!」
「そう言ってもらえるだけで、こっちは嬉しいんやから、もう充分」
どうやら、父がどなたかの農作業を手伝ったようで、感謝を伝えてもらっているようです。
「困っている人を放っておけない父らしい会話だなあ」と思っていると、あまり聞き慣れない単語が耳に入ってきました。
「……”恩送り”してくれたらいいから」
「”恩送り”ってなんだろう?」
私は、初めて耳にしたこの言葉の意味を知りたくなり、手元のスマホですぐに調べてみました。
みなさんは、“恩送り”をご存知でしょうか。
“恩送り”とは、人から受け取った恩をその人にお返しするのではなく、別の人に受け渡していくことを指します。
「恩(思いやり)のバトンリレー」と表現されることもあります。
“恩送り”では、自分が受け取った思いやりが1つだとしても、恩を受け渡す相手に上限はありません。
また、”恩送り”を受け取った人が、同じように何人かの人に”恩送り”をすることで、感謝の輪はどこまでも無限に広がり続けます。
“恩送り”は、英語で「ペイフォワード(Pay it Forward)」と表現され、アメリカで2000年に公開された映画『ペイ・フォワード 可能の王国』は、まさにこの”恩送り”がテーマとなっています。
学校の先生から「世界を変える方法を考えて、実行する」という課題を出された中学生の少年。
「誰かからもらった優しさや思いやりを、その相手ではなく、関係のない3名に渡す」という方法を考え、このアイデアを実行します。
けれど、最初はうまくいきませんでした。
ところが、少年の母親の行動がきっかけとなり、やがて状況は大きく好転し始めます。
最終的には、この少年の想いは現実となり、「恩(思いやり)のバトンリレー」は想像を超える規模で広がり続けるのです。
ちなみに、”恩送り”とよく似た言葉に”恩返し”があります。
“恩返し”とは、人から受け取った恩を、”恩をくれた相手”にお返しすることをいい、基本的には1対1のやり取りを指します。
”恩返し”も素敵な思いやりの行動です。
けれど、”恩返し”は基本的に当事者間のみのやり取りであるのに対し、”恩送り”という大きな愛の連鎖は、半永久的に続いていきます。
「”恩送り”って、なんて素晴らしいのだろう!」と心から思いました。
そして、この言葉を父がごく自然に使っている様子を目の当たりにし、改めて父の愛情深さを実感しました。
実は、私がこれほどまでに”恩送り”に心を惹かれたのには、まだ理由があります。
【今の未熟なままの私でも”恩送り”は今すぐできる】とわかったからです。
私は辛い経験もたくさんしてきましたが、人に恵まれた人生であり、多くの人に助けてもらって今日まで生きてきました。
「この人がいてくれたから、私は今生きてここにいる」という恩人が、数えきれないほどいます。
そして、常に「いつかお礼をしたい」という気持ちをもっています。
ただ、今すぐに“恩返し”ができるかというと、これは簡単なことではありません。
「もっと成長して立派になった私を見せられるようにならなければ」
「◯◯に合格することが恩返しになるから、頑張って勉強しなくちゃ!」
このような気持ちが大きく、「今はまだ、”恩返し”できるほどの私になれていない」と考えてしまいます。
でも、この”恩送り”であれば、今の私のままであっても、できることが少なからずあります。
・自分から周りの人に笑顔で話しかける
・コンビニやスーパーで買い物をするとき、店員さんの目を見て『ありがとう』を伝える
・相談を受けたときは、私がこれまでしてきてもらったように、心を込めて耳を傾ける
例えば、このような小さな行動でも、充分な”恩送り”であると知り、気持ちがとても軽くなりました。
そして、実際に行動してみると、なんともいえない晴れやかな気持ちになれたのです。
今はまだ小さな行動を積み重ねている段階ですが、いつかもっと大きな”恩送り”ができたとき、私は胸を張って伝えたいです。
「私にお返しなんてしなくていいよ。
その代わり、困っている人がいたら、その人に優しくしてあげてね」
というセリフを。
きっとこの瞬間、私はとても幸せな気分を味わっていると思います。
そして、私のことを今よりもずっと好きになっているはずです。
海外では、見ず知らずの人の分のコーヒー代も一緒に支払いをするという文化があります。
カフェに訪れた人は、誰かからの想いを受け取り、代金を支払うことなくコーヒーを楽しめるのです。
そして、この人もまた誰かへギフトを贈ることができます。
日本でも「恩送りカフェ」「ペイフォワードカフェ」が存在するようです。
あなたの住んでいるエリアにもあるかもしれません。
“恩送り”に興味をもっていただけたら、ぜひ足を運んでみてくださいね。
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