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昭和の母が双子の息子から学ぶ、令和時代の「好き」の伸ばし方     


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事:加藤瞳(25年11月開講コース)

高校1年生の時、あなたが好きだった科目は何でしたか?

逆に、苦手だった科目は何でしたか?

私は、歴史が大の苦手でした。歴史って、名称や用語がたくさん出てくるじゃないですか? 授業1コマで一度にたくさん覚えなければならないことが、本当に嫌でした。縄文時代や弥生時代くらいまでなら何とか脳内で言葉を整理して記憶できました。それ以降は大変でしたね……。

高校入試の時には、志望校に受かりたかったので、通信講座の付録についていた語呂合わせを必死になって暗記したものです。「794(なくようぐいす)平安京」とか「1192(いいくに)つくろう、鎌倉幕府」のような感じで。

こんな感じだったので、高校の日本史と世界史の授業は地獄でしかありませんでした。出てくる用語のシャワーでぐったり。復習が終わらないまま、次の時代に移りまたシャワーを浴びて、溺れてばかりでした。当然成績もひどいわけで……。赤点ギリギリで過ごしていました。

当時の部活の顧問が日本史の先生だったので、テストの後の部活は気まずさ満天。一生懸命部活の練習をする姿を見せて、成績が悪いことを許してもらっていたような気がします。

時を経て、私に子どもができました。双子の息子たちは、現在高校1年生です。

別々の高校に通う2人。彼らに、どの科目が得意なのか聞いてみました。

次男は地理が好きだと言います。その理由を聞くと「なんとなく」というパッとしない答えだったので、私は「地理を一言で言ったら何?」と突っ込んでみることに。次男は、「えーっ?」と私の無茶振り質問に困惑していましたが、数分後こう答えます。

「地理は『パズル』だな」

「ほぉ! それはどうして」

「うーん。たとえば、まずは自分が住んでいる街のことは身近だから覚えやすいじゃん? そこから覚えるの。自分の街から隣の街に進んで、自分の県を一通り覚える。その時にはいくつかのパズルがくっついている感じかな」

「なるほど。じゃあ、そのあとはどうするの?」

「隣の県とかを覚えていく。そうしたら、パズルがつなげやすいでしょ?」

次男の地理に対する学習法は、私にはイメージしやすかった。地理は名産地とか生活に身近なものを学ぶ分野でもあるから、私もそこまで嫌いじゃなかったなぁと振り返ります。

それじゃあ、長男はどうかなぁ? と自然と思うのが双子の母。

夕食後に長男に聞いてみます。長男はおしゃべりな子なので、歴史が好きなことは彼が中学生の時から聞いてはいました。ですが、その理由は知らなかったんです。

「ねぇ、なんで歴史好きなの?」

「えー? なんとなくできちゃうからわかんないなー」

「なんか、コツとかないの?」

「コツー? 歴史って言葉を覚えるんじゃないんだよ」

私は、なんとか彼からコツを聞き出したいとしつこく続ける。

「でも、覚えないとダメじゃん?」

「そうだけど、その用語にはさ、意味があるでしょ? たとえば『◯◯宣言』とかだと、その宣言をするには理由があるわけで。俺は『なんでそうなるのかなー』と思ったら、関連動画をいくつか見て、起きた事柄に『なるほど』を増やしていった感じ」

「言葉だけ覚えるわけじゃないんだ」

「そりゃそうだよー。人間関係もわかるし、もっと言ったら人の心理とかもわかるから面白いよ」

「へぇー」

「歴史は『国語』って感じかなー」

「えっ? 国語?」

衝撃。他の科目に似ているなんて発想は、私にはなかったんですもの。長男は、想像以上に驚く私を見て続けた。

「歴史って、人が起こしていることだからね。『どうしてそんなことを言ったのか』『そんなことを起こしたのか?』という意識でいれば、結構面白いよ」

年表を見るだけでいっぱいだったもん。私が高校1年生の時に長男と友だちでいたかった。そして、彼はもっと私を驚かせたのだ。目をキラッと光らせて、

「俺、今回の学年末テストはガチで歴史100点狙っているから」と。

私はとてもとても嬉しかった。勉強において、自分の好きを伸ばしていて、上を狙うほどの向上心を持っていたことに。

「勉強しなさい!」とほとんど言わず、ゲームやスマートフォンに関する制限もそんなにしてこなかった。そのせいか、あまり勉強しない子たちになっていたんだもの。彼らは中3になって慌てて勉強しだし、なんとか行けそうなところに滑り込んでいた。

世の中には溢れるほど動画がたくさんあって、子どもたちはいつでもアクセスできる。悪い情報に呑まれれば、他人を傷つける言葉を吐くこともあるかもしれない。

でも、子どもたちは純粋だ。好きなことを伸ばしたいという欲求に素直である。親はつい「どんな悪い動画を見ているのか」と詮索してしまいそうになるけれど、グッと我慢しよう。いい悪いを判断できる力があることを信じよう。

明日長男は歴史のテストがある。聞くと「ガチでいくよ」と自信満々。

他の科目に対しても、同じように楽しさを見出してほしいという気持ちは遠い空に投げてしまおう。

私が学生の時、国語の授業で覚えたことわざがあるじゃないか。

「好きこそものの上手なれ」ってね。

昭和生まれの私だけど、息子たちと同じ令和に生きているのだから、彼らから情報を収集して好きを伸ばしていこう!

《終わり》

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