バランスを整えるということ~ピラティスと私の人格~
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
記事:
: 清水 明子(2026年1月開講・福岡・2週間集中講座)
2年半ほど前から私は、ピラティスに通っている。
ピラティスの先生がとても大切にしていることがある。それは、「バランス」だ。
体のバランス
左右のバランス
前後のバランス
力の入り方のバランス
重心のバランス
一見、単純に聞こえるけれど、実際にやってみるとこれがなかなか難しい。
右はできるのに、左はできない。
左は安定するのに、右はぐらつく。
自分では完璧にできているつもりでも、先生から見ると「そこ少し傾いてる」「もうちょっと左伸ばして」「もっと後ろに体重かけてみて」と言われる。
えっ、そうなの?
私は、できていると思っていた。
むしろ、右のほうが得意だと思っていた。
でも、実際にやってみると、右の方が弱く、左の方が安定していることもある。
思い込みと現実は違う。
これは、自分一人では気づけない。
やってみて、さらに第三者から見てもらって、初めて分かることだ。
そして、指摘されると、一瞬、心がざわつく。
「できていない」という事実
「思っていた自分」とのズレ
でも、そこを受け入れるところからトレーニングが始まる。
弱い方を鍛える。
過剰に力が入っている方を緩める。
左右の差をなくすために繰り返し練習をする。
すると、少しずつ整っていく。
ある日ふと、「あれ? 左右も同じようにできる」と気づく瞬間がくる。
片足立ちで履けなかった靴下が、いつの間にか履けるようになったとか。
私は、思った。
これって、人格も同じじゃない?
私たちは、自分のことを分かっているつもりでいる。
「私はこういう人間だ」
「私は優しい」とか、「私は頑張り屋だ」とか、「私は冷静だ」とか。
でも、それは、“自分から見た自分”でしかない。
第三者から見た私は、また違う。
「意外と細かいね」
「優しいけど、少し強すぎるときがあるよ」
「冷静に見えるけど、実は感情的だよね」
そんな言葉をもらった時、えっ、そうなの? と思う。
時には反発したくもなる。
しかし、それは、ピラティスで「傾いてるよ」と言われた時と同じだ。
事実は事実
受け入れるかどうかは、自分次第
そして、受け入れたときから、人格のトレーニングが始まる。
感情が強すぎるなら、少し抑える練習をする。
遠慮しすぎるなら、少し主張する練習をする。
頑張りすぎるなら、ゆるむ練習をする。
これは自己否定ではない。
「直さなきゃ」ではなく、「整えていく」という感覚だ。
ただし、ここで大切なことがある。
指摘してくれる人は、選ばなければならない。
ピラティスも、信頼できる先生だからこそ、素直に受け入れられる。
否定や攻撃ではなく、成長のために伝えてくれる人
人格も同じだ。
愛をもって、成長も願ってフィードバックをくれる人
その人の言葉を大切にすればいい。
全ての声を聞く必要はない。
私は、バランスの取れた人間になりたい。いや、バランスの取れた人間になる。
強さもあり、しなやかさもある。
情熱もあり、冷静さもある。
前に進む力もあり、立ち止まる勇気もある。
どちらか一方に偏るのではなく、左右同じように使える体のように、偏りすぎない人格になるのだ。
そうだ。自ら進んでフィードバックをもらいに行こう。
正直に言うと、フィードバックをもらいに行くのは勇気がいる。
「どう思う?」と聞く前に、心のどこかで身構えてしまう自分がいる。
思ってみなかった指摘を受けたらどうしよう。
自分では誇りに思っていた部分を否定されたらどうしよう。
そんな恐れが渦を巻いて胸の奥にある。
それでも聞く。
なぜなら私は、バランスの取れた人間になるからだ。
指摘を受けた直後は、うまく笑えていないかもしれない。
「そうなんだ」と言いながら、内心は揺れている。
でも、家に帰り、一人になったとき、ゆっくりとその言葉を思い返す。
本当にそうかもしれない。
確かに、あの場面では強すぎたかもしれない。
あの一言は、優しさではなく自己満足だったかもしれない。
そうやって、静かに認める。
認めた瞬間、少しだけ、視界が広がる。違う世界が広がる。私の知らない世界が。
そう、ピラティスは、体を整えるトレーニングだけれど、私にとっては、心を整える時間でもある。
できない自分を知る。
思い込みに気づく。
ズレを認める。
そして、少しずつ整えていく。
繰り返し、繰り返し
バランスとは、最初から持っているものではない。
気づき、受け入れ、整え続けることで育っていくものなのだと思う。
今日も私は、ぐらつきながら整える。
体も
心も
そして、生き方も
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