天狼院通信(Web READING LIFE)

まったく苦痛なく、むしろ楽しい「1日50gダイエット」!なぜ、苦痛なくやせることができるのか?仕事の効率が落ちないのか?運動する時間が不要なのか?《天狼院通信》


記事:三浦崇典(天狼院書店店主)

「86.7キロ!???」

体重計に乗り、衝撃を受けた。
体重計が壊れているのだろうと思った。
何度か、計り直しても、変わらなかった。
立ち位置を変えてみても、体重計を変えてみても、数値は、変わらなかった。

そう、僕は、いつの間にか太っていたのだ。
まったく意識することなく、太ってしまっていたのだ。

かなり食べている認識があったが、かなりフルスロットルで働き続けていたので、消費しているだろうと高をくくっていた。
また、すぐにやせられるという、過信があったのかも知れない。

僕のベスト体重は、82.6キロだ。

これは長年変わらない、ベスト体重である。

仕事をする上で、決して、生産性が落ちないためには、ちょっとお腹がぽっこりしているくらいがちょうどよく、それが僕にとって、82.6キロだった。
ベストパフォーマンスを発揮できる体重と言い換えてもいいかもしれない。

昔、友人とカメラをかけて、糖質制限ダイエットをして、酷い目に遭ったことがあった。

徹底してご飯を減らして、糖質制限ダイエットを敢行すると、面白いくらいに体重が減った。最初の半月で5キロくらい落ちた記憶がある。
それはそれでよかったのだが、肝心の仕事の効率が落ちた。
目に見えて、生産性が落ちた。
あまりに脳にエネルギー源であるブドウ糖がいかなくなったために、知らない間に、睡眠時間が増えた。

おそらく、消耗が激しい脳を使い続けると、エネルギーが足りなくなるために、体が勝手にストップをかけたのだろう。

もう、カメラどころの話ではない。
カメラのためにやせて、仕事ができなくなり成果が落ち、売上が落ちる――
本末転倒もいいところである。

何のためにやせたのか、意味がわからない。

その経験もあって、86.7キロの数値を見たとき、やせようと思ったものの、以前のような糖質制限ダイエットを徹底することはやめようと思った。
しかも、時間がなかったので、ジムにいったり、走ったりと、ダイエットのために時間を取ることを絶対にできなかった。

ズボンも窮屈で、カメラマンとして写真を撮るときに、腹も邪魔になって、構図を決められないときもあった。
なんとしても、やせねば、やばい。

そこで、

・仕事の効率が絶対に落ちない
・決して苦痛ではない
・ダイエットのために絶対に時間を取らない

を条件に、ダイエットができないかと考えた。

できれば、僕にとって「夢のダイエット法」が完成することになる。
結果から言えば、ダイエットを開始してから、ほぼ2ヶ月後の11月20日の体重は、

83.3キロ

まで落ちた。

およそ2ヶ月間で3.4キロ、落ちた。

しかも、苦痛はなく、ダイエットが楽しくて仕方がなかった。
肝心の仕事の生産性も、まったく落ちなかった。

それでは、僕は、いったい、何をしたのか?

まず、目標を設定した。
僕が設定した目標は、

1日50g落とすこと

である。
1日50gであれば、苦痛はないと考えた。
けれども、1日50g落とせば、2ヶ月で3キロ落ちることになる。

十分な成果だ。

これを、記録していこうと考えた。

そのとき選んだアプリが、僕がくまさんアプリと読んでいる「Simple Diet」という名の、無料のアプリだった。

正直、なんでもよかった。入力がシンプルで、見やすければどのアプリでもいいと思う。
記録ができて、できれば、グラフで明示されるとよく、このアプリは無料なのにその要件を満たしていた。

いわゆる「レコーディング」をすると、ダイエットが急にゲームのようになる。
ゲームになれば、ダイエットというプロジェクトの「持続可能性」が一気に高まることになる。

ここがポイントだ。

モチベーションが高いダイエット開始直後は、それは落とすのは簡単だ。
けれども、当初のモチベーションを維持することは難しい。

しかも、ダイエットによって、糖分が少なくなり、欲求不満になり、ストレスが溜まっている状態なら、なおさらのことである。

こうして、ほとんど多くのダイエットはストレスにまみれた中で、「持続可能性」を失い、失敗する。
逆に、ストレスを解消するために、ここぞとばかりに食べ、そして、いわゆる「リバンド」してしまう。

実に、費用対効果が悪い。
だとすれば、ダイエットを元々しないほうがいい。

ジムに通ったり、走ったりするのも、よほど好きでない限り、やめたほうがいい。
なぜなら、これも嫌いな人にとっては、モチベーションを必要とするからだ。

たいてい、モチベーションを必要とするプロジェクトは、失敗する。
人には、バイオリズムがあって、モチベーションが高い日と低い日が必ずあるからだ。

しかし、ダイエットは、日々持続させなければプロジェクトが成功しないので、モチベーションが低い日も、ノルマが課せられる。
けれども、モチベーションが低い状態で、嫌なことをすれば、さらにストレスが増してしまう。

精神衛生上も、決して好ましいことではなく、これではかなりの確率で「持続可能性」を失い、プロジェクトは破綻してしまう。

だとすれば、ダイエットの成功は、「持続可能性」にかかっている。
つまり、けっして、モチベーションに依存しない方法でやるのが、達成可能性が高くていい。

僕はそもそも、運動が好きではなかったので、運動をするという選択肢は、「持続可能性」を損なうことになる。
ボツである。

また、僕は炭水化物が好きなので、そもそも、炭水化物を抜くのはストレスになり、また、仕事に支障が出る。
それなので、ご飯のおかわりもすることにした。

デザートもそれまで通り、食べることにした。

これも、ストレスのコントロールに必要となるからだ。
ストレスを日々、うまく解消しておかなければ、仕事の生産性が落ちてしまう。

食べたいものも、食べるようにした。

それでは、何を変えたのか?

「レコーディング」しただけで、体重は減るのか?

たしかに、くまさんアプリで「レコーディング」をして、ダイエットをゲーム化すると自ずと、食べる時に過食しすぎないように気をつけるようになる。
また、それをSNSなどに投稿すると、ダイエットしていることが、周りにもわかって、「公開宣言効果」で自縄自縛することができるので、さらにダイエットというプロジェクトの実現可能性と持続可能性が高くなる。
成功する可能性が高くなっていくということだ。

ただ、今回、僕がやったのは、これだけではなかった。

普段の飲み物を変えた。

いつもは、「午後の紅茶」や甘い味のついているけれども、不思議と罪悪感のない味付きの「いろはす」を飲んでいたのだが、これをやめた。
これをやめる代わりに、飲んだものがあった。

そう、サントリーの「特茶」である。
普段の飲み物をこれにすべて変えた。

ここで、この「特茶」に入っているという成分が効くかどうか、という議論をするつもりはない。
効いたとしても、効かなかったとしても、このプロジェクトには、ほとんど無関係だ。

そもそも、飲めばやせる飲み物など、ないと僕は思っている。

それ以上に、「特茶」にはメリットがあった。

まず、これまでの特保の飲み物とちがって、なんだか、薬臭いところが一切ないのだ。
むしろ、うまい。
いつでも、飲んでいたくなる。

つまり、「特茶」は、「持続可能性」が極めて高い。
しかも、なんだか特保の飲み物を飲んでいると、精神衛生上、やせるような気がしていい。

ちょっと、高いのも、いい。
高いと、ちゃんと自分がダイエットに向き合っていることを思い出させてくれる。

「特茶」のメリットは、こればかりではない。

なんと、カフェインが入っている。

これは、仕事をする際には、必ずカフェインをいれなければならない僕にとって、かなりのメリットだ。
コーヒーが好きなのだが、砂糖もミルクも入れる。
つまり、コーヒーで太るリスクが多少なりとも生じる。
けれども、「特茶」はカロリーがない。

それなのに、飲みやすく、カフェインを摂取できる。
仕事も捗る。
精神衛生上も、いい。

ちょっと考えてみると、甘い飲み物の場合、なんだかんだで、500mlもあると、100〜200kカロリーくらいある。
1日にこれを2.5本くらいは飲むので、これを特茶に変えるだけで、250〜500kカロリー落としていたことになるのだ。
まったく、苦痛なく。

しかも、「特茶」がいいのは、いろんなコンビニや自動販売機で、かなりの確率で取り揃えているので、入手が容易である。
ああ、「特茶」ないや、代わりに「午後の紅茶」飲もう、となりにくいので、これも「持続可能性」を担保することになる。

僕の1日50gダイエットには、「特茶」が欠かせない飲み物となった。

また、長めに風呂に入るようにもなった。
そこで、ゆっくり、本を読むようにした。

あるいは、これも、ダイエットに効果があったのかもしれない。

「1日50gダイエット」は、このように、苦痛なく、緩やかに落としていくので、リバンドの可能性も少ないだろうと考えている。

皆様も、ぜひ、試してみてほしい。

ダイエットが、とても楽しくなるだろうと思います。

 

■ライタープロフィール
三浦崇典(Takanori Miura)
1977年宮城県生まれ。株式会社東京プライズエージェンシー代表取締役。天狼院書店店主。小説家・ライター・編集者。雑誌「READING LIFE」編集長。劇団天狼院主宰。2016年4月より大正大学表現学部非常勤講師。2017年11月、『殺し屋のマーケティング』(ポプラ社)を出版。ソニー・イメージング・プロサポート会員。プロカメラマン。秘めフォト専任フォトグラファー。
NHK「おはよう日本」「あさイチ」、日本テレビ「モーニングバード」、BS11「ウィークリーニュースONZE」、ラジオ文化放送「くにまるジャパン」、テレビ東京「モヤモヤさまぁ〜ず2」、フジテレビ「有吉くんの正直さんぽ」、J-WAVE、NHKラジオ、日経新聞、日経MJ、朝日新聞、読売新聞、東京新聞、雑誌『BRUTUS』、雑誌『週刊文春』、雑誌『AERA』、雑誌『日経デザイン』、雑誌『致知』、日経雑誌『商業界』、雑誌『THE21』、雑誌『散歩の達人』など掲載多数。2016年6月には雑誌『AERA』の「現代の肖像」に登場。雑誌『週刊ダイヤモンド』『日経ビジネス』にて書評コーナーを連載。

この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」講師、三浦が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2018-11-26 | Posted in 天狼院通信(Web READING LIFE)

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