週刊READING LIFE vol.24

ビジネス書は僕のガソリンなのだ《週刊READING LIFE Vol.24「ビジネス書FANATIC!」》


記事:岡筋耕平(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 

「ビジネス書」
 
悩んだ時、仕事が行き詰まったとき、新しいアイデアを得たい時、答えは全て「ビジネス書」の中にあった。僕は元々あまり本を読まない人だった。しかし今では週に2〜3冊以上は読んでいる。小説も、もちろん好きだが、圧倒的にビジネス書が多い。
 
ビジスネ書をこよなく読み出したのは、ここ5〜6年だと思う。それまでも自己啓発本などを読むことはあったけど、実用的な本ではなかった。役に立ったのは「禁煙セラピー」くらいである。
 
そんな僕がある日、とても感動した本がある。僕の「ビジネス本」という概念を打ち破ってくれた一冊の名前は「ゼロ」、ホリエモンこと堀江貴文さんの著書だ。
 
堀江さんの刑務所での体験談、ライブドア事件の真相、自身の生い立ちから起業までのストーリーが赤裸々に書かれていた。この頃ツイッターではこの本を読んで泣いたというコメントがたくさん寄せられていた。もちろん僕も感動して泣いた。
 
この「ゼロ」には何かとてつもない力が宿っていた。最後の一章のホリエモンの一言を読み終わった瞬間に「行動しよう」という気持ちになった。泣きながら。
 
それからビジネス書の素晴らしさに気がつき、色々な分野のビジス書を読み始めた。当時は役に立つとか、仕事に使えるという視線ではなくて、本のタイトルから興味本位で読んでいたと思う。
 
本を読むと自分の知らない世界がどんどん広がっていった。次から次へと読み進めていくのが面白くてたまらない。自分の知らない世界や足りない知識を補うには読書が一番良いと思うようになってきた。読んだ前と読んだ後では明らかに自分は変わっている。読み終わる前には見えなかった世界が、本を読んだ後には見えてくる。
 
ロバートキヨサキの「金持ち父さん貧乏父さん」を読んだ時は衝撃的だった。読む前と比べて社会やお金の味方が180度変わってしまった。平凡に生きていたら分からなかった事も、ビジネス書を通じて知ることができる。
 
僕は大学に行っていない。高校も途中で中退している。何か新しい分野の仕事に挑戦する時にその分野を勉強してきた人と比べると、スタート地点の知識量で僕は劣っているかも知れない。だけどビジネス書を読むことで、それらの大半は解決出来る。むしろ人より詳しくなれりもする。
 
新しい職場でどう振る舞えばいいのか、どう仕事と向き合えばいいのかについては岩瀬大輔さんの「入社1年目の教科書」で学んだ。決して驕ることなく謙虚に振る舞い、先輩や上司に対しての気遣いや、仕事のモチベーションの高め方など、書いてあることを実践してみたら本当に効果が出た。
 
この本を読む前は、人見知りな性格から新たな環境に溶け込むには時間がかかっていたが、「入社1年目の教科書」が払拭してくれたと言える。著者の体験談を元に書かれているので、成功例が知れるのは非常に有難い。それ以降、初心を忘れがちな時には読み返すようにしている。
 
今では世の中の悩み事の大半は読書で解決できると思っている。会社でウマの合わない上司や同僚に悩んでいたとき、羅針盤となってくれたのが田村耕太郎さんの「頭に来てもアホとは戦うな」だった。「そうだ。その通りなんだ!」と思う人間心理が書かれていて、理不尽な人間を相手にするのがいかに時間の無駄で馬鹿馬鹿しい行為なのかを、改めて知った。
 
この本で特に印象的だったのは、自分のことを批判した人は必ず覚えているというフレーズだ。特に日本では年下から年配者に意見を申すと、「若いから許される」という風潮や、逆に年配者が感情的に反応すると「大人気ない」とされるが、実際には誰でも自分に歯向かっていた人や反対してきた人は不快な気持ちになってその人をずっと覚えている、という一説。厳しい政治家の世界の経験則から語る著者が言うので説得力もあるが、僕自身にも思いたる節がたくさんあった。
 
結局は世の中は理不尽で出来ていてそれに振り前わされて疲弊するよりも、うまく心理を利用して自分の人生を大切生きて行こう、というメッセージで締めくくられる。この本の内容も僕に大きな成長をもたらしてくれた。
 
僕の中でビジネス書と言えばどうしても欠かせない著者がいる。昨年30万部を超える大ベストセラー「アウトプット大全」の著者樺沢紫苑さんだ。アウトプット大全は発売以来、今も売れ続けていて「読者が選ぶビジネス書グランプリ2019」で第3位にも選ばれていた。この本は樺沢さんが過去に出してきた著書の集大成と言う内容。各ページ項目ごとに図入りで説明されていて頭に入ってきやすい。後世に残しいたい名著のひとつである。
 
「アウトプット大全」の内容を要約すると、人はアウトプットすることで記憶に残り、成長ができる。インプットは読む、聞く。アウトプットは話す、書く。読むと行った行動を伴うもの。アウトプットして初めてインプットした内容が頭に残り、現実が変わる。試験で言うと教科書中心の勉強よりも問題集中心の勉強。3:7の比率で爆発的に自己成長できますよ、という内容です。
 
人とのコミュニケーションの取り方から、文章の書き方、健康面まで幅広く樺沢エッセンスが得ることができる名著だ。
 
ちなみに僕は大の樺沢フリークなので、樺沢先生の書いた本はほぼ全て読んでいる。「アウトプット大全」は今まで樺沢先生が出してきた本の中で特にアウトプットと関係してある項目をピックアップして簡潔に説明されているが、過去の本ではがっつりと専門的にその分野について書いてある。
 
特に僕が愛読しているのは2017年4月に発売された「神・時間術」。この本は従来よくある1日の時間を27時間にしましょう、という内容ではない。1日24時間しかない中でその中でいかに集中して仕事をこなし、生産性を上げる重要性が述べられている。2時間ダラダラかかっていた仕事を集中して40分程度で終わらすことで、後の時間は有意義に使えます。という内容だ。より密度の高い時間を過ごすための日々の習慣がとても参考になる。僕はこの本を読んで爆発的に仕事に集中出来るようになった。
 
日々の集中力を高めて仕事のパフォーマンスを高めるためには、大きく分けると運動、睡眠、読書。すべての項目が脳科学的根拠で語られていて説得力がある。僕はこの本を読んで習慣を取り入れてから、猛烈に集中出来るようになった。
 
これまで紹介してきた本以外にも様々な本を読んで来た。そして圧倒的に自己成長を感じている。僕は本を読んで解決出来ないことはないと信じている。本は先人の知恵や著者の実際の体験談、偉大な人の知見を得ることができるからだ。
 
また言葉には自分を変える物凄い力があると思う。キングコング西野亮廣さんの本にはいつも圧倒的なパワーをもらっている。西野さんの言葉には魂が宿っていて、揺さぶられて
しまう。
 
「革命のファンファーレ」を読んだときは、お金の話や絵本の流通などそれまで考えているのかを感心させられた。「新世界」では一時世間から酷いバッシングと受けていて相方が病気になり責任を感じた時の話や、イベントの立ち上げ、ビジネスの考え方が勉強になった。
 
「魔法のコンパス」では事業のマネタイズ(収益化)、みんなが当たり前と思っていることを疑う視点の大切さ、人を動かす行動力に影響を受けた。
 
西野さんの本を読むと、異常に「行動しよう」という気分になり、気がつけば行動している。言葉の力は凄い。
 
忘れてはならないのはデイルカーネギー著「人を動かす」だ。この本と出会わなければ僕の大半の仕事の結果は違っていたと思う。ボロボロになるまで読み込んで、この本の素晴らしさを知ってもらうために自分で主催して勉強会まで開いた。人の心理を汲み取って、どういう心構えで接すれば自分の望む最高の結果を得られるかの教科書である。本の内容全てを実践するのは時間がかかるけど、「笑顔を忘れない」や「人の名前を忘れない」という簡単なことからでも対人関係は劇的に変わることを実感できる一冊である。
 
仕事の成果に直結するビジネス書の著者では日本のダイレクトマーケティング界の第一人者、神田昌典さんも挙げておきたい。神田さんの本は優しい語り口調で書かれていて、とても親近感を感じる。「非常識な成功法則」は数多くの悩める日本の経営者を救って来ただろう。ちなみに僕もその1人。自分の思い込みや潜在意識がいかに収入や仕事の結果に直結するのか、神田さん自身の体験談を交えて解説させていて読みやすく、内容が腑に落ちてくる一冊だ。
 
ビジネス書を読み、気づきを得て、読み終わった後には著者が背中を押してくれるような気持ちになれる。実際、言葉の力はとても偉大だと思う。いつしかビジネス書を読むことが僕の日課となり、ビジネス書が相談相手のようになった。落ち込んだ時、悩んだ時も、その時々の関連する内容の本を読めば必ずそこに答えはある。そしてまた頑張ろうと思えるのだ。
 
ビジネス書は僕のガソリンなのだ。

 
 

❏ライタープロフィール
岡筋耕平
兵庫県出身 高校中退〜高校卒業程度認定取得
WEBライターをやっています。 【想いを言葉に】をモットーに1人でも多くの人にメッセージを伝え、それにより何かのためになれば幸いです。楽器演奏(ギター、ベース)、読書、筋トレ、マラソンが趣味です。空手(茶帯) AFP ビジネス法務エキスパート
ライティングの技術を向上させて、世の中を良くする情報発信をするために奮闘中。

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2019-03-18 | Posted in 週刊READING LIFE vol.24

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