週刊READING LIFE vol.270

疲れやすい体質の私に、救世主が現れた……!《週刊READING LIFE Vol.270 未来の技術》


*この記事は、「ライティング・ゼミ」の上級コース「ライティングX」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

2024/7/22/公開
記事:Kana(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 
ヴーヴーヴー……
さっき寝ついたばかりというのに、アラームはもう私をまどろみから追い出そうとする。
布団の中からモゾモゾと手だけ伸ばして、鳴り続けるスマホを掴む。
そのままスマホのロックを解除して、まず開くのはいつものチャット画面。
「おはよう」と打ち込むと、私の一日が始まる。
 
メッセージの相手は、すぐに「おはよう」を返してくれる。
ついでに今日の天気も教えてくれる。
 
朝だけでない。
昼も夜も、通勤中もついついメッセージを送ってしまう。
今では誰よりも連絡を取り合う間柄だ。
私がどんなにしょうもないことで連絡をしても、いつも優しく冷静に返してくれる。
そのうえ、気遣いの一言を添えるのも忘れない。
 
……決して惚気ているわけではない。
連絡をとっている相手は残念ながら彼氏ではなく、『ChatGPT』なのだから。
 
 
ちょっと前までは、自分が毎朝AIにおはようの挨拶をするとは、予想だにしていなかった。
AIは未来の技術だと思っていたし、なんだか難しそうで敬遠していた。
SF小説の読み過ぎもあってか、人間を乗っ取ってしまいカタストロフィを起こすような、デッドエンドの始まりのイメージもあった。
人々がたくさんAIを使って知識を与えてしまうと、デッドエンドもグッと近づいてしまうような気もして怖かった。
しかし、仕事柄たくさんの情報を扱う背景もあり、そろそろ使わなければと重い腰をあげたのだった。
 
先月、天狼院書店の「AIビギナーズ1day講座」を受けた。
講座の中で一緒にChatGPTのアカウントを作り、受講者みんなでわちゃわちゃと実際に使ってみた。
小難しいイメージとは裏腹に、アカウントは簡単に作れて使い方もかなり直感的だった。
講義の中で聴くChatGPTにまつわる話も面白く、急にChatGPTに対する愛着が湧いた。
気づけば「AIは、なんかわからんし怖い」から、「使ってみたい、むしろ使わなきゃ損」に変わっていた。
帰宅後も使い始めたら面白く、気づいたらたくさんの会話をChat GPTと交わしていた。
……そして、私の生活はガラリと変わってしまった。
 
 
受講から3週間後の今、日々たくさんの作業をChatGPTにお願いしている。
それは、スケジュールの管理やアイデアの発想、文章の下書き、交通機関の検索、データの分析など、ほんとうに多岐に渡る。
 
スケジュール管理は画期的だった。
おはようの挨拶の後、私は「今日やらなければならないことはこれこれです」とChatGPTに伝える。
すると、一瞬で1日のタイムテーブルが生成されるのだ。
初めて実行した時には驚いた。
5秒も経たないうちに、私の予定が整理され時間の使い方が最適化されている。
しかも、提示されるスケジュールには、休憩を挟むようにという気遣いも添えられている。
 
「あれ、私、秘書を雇っていたっけ?」
いつの間にか自分のスケジュールを確認する時、手帳を開かずChatGPTに聞くようになった自分はなんだか社長みたいだった。
もう10年以上も愛用してきた紙の手帳ともお別れする日がやってきたと思うと、少し寂しかったのだけれども。
 
スケジュールだけではなく、タスク管理にも絶大な効果を発揮した。
 
私は「note」というブログのようなアプリを使うことを、毎日の習慣にしている。
600文字程度の文章を投稿するのを毎日継続しているのだ。
しかし、投稿のアイデアが浮かんでもすぐに忘れてしまったり、忙しくて投稿し忘れたりしていた。
毎日投稿を目標に掲げているにもかかわらず、遂行率は80%程度にとどまっていた。
「noteを書かなきゃ、投稿しなきゃ」というのは、私にとってそれなりに難しいタスクであった。
 
ところがChatGPTを始めた今、もう3週間も毎日欠かさず投稿することが達成できており、順調にフォロワーも増えている。
ChatGPTにアイデアを投げておけばストックしておいてもらえるし、書きたいことが見つからない時はチャットで会話をしながらネタを探すこともある。
それだけではない。
投稿したかどうかのリマインドもしてくれるし、投稿できたかどうかの記録もとってくれる。
これが圧倒的に習慣化につながった。
 
結果として、noteの記事を創ることも毎日投稿することも全く苦ではなくなった。
電車の待ち時間にChatGPTと会話しながらサクサクこなせるのだ。
タスクをこなさなきゃという意志の力は、そこには必要ない。
ただ、いつものChatGPTの画面を開いて会話を始めるだけだった。
 
「毎日note投稿」のタスクとしての重さが軽くなったことで、他のタスクを入れることが可能になった。
私は会社勤めをしているから、退勤後の時間は限られている。
そんな中でも、ちょっと参加してみたかったオンラインのイベントや、ヨガ、読書など、いろんなことをする余裕を生み出せた。
もちろん疲れた時には早めに寝ることができた。
 
 
こんなふうに、AIを使い始めてから時間管理が上手くなって、多くのやりたいことをストレスなくこなせるようになってしまったのである。
それも、無理なくごく自然に。
 
こんなにも時間管理が楽になった理由は、一体なんだろう。
……考えていてふと思い当たった。
「ChatGPTが提示してくるスケジュールには、しっかり余白が取られている」
 
私はついつい、疲れてヘトヘトになるまで詰め込んでしまうタチだ。
だから、ChatGPTが提示してくるスケジュールを見ると、「えっ、こんなに休んでいいの!?」と思う。
自分じゃ絶対に組まないようなスケジュールだけど、これが想定外に生活の質をグッとあげてくれたのだ。
それは、私の長年の悩みに起因していた。
 
 
私の最大の悩み。
それは、異常に疲れやすいことだ。
低血圧なのか、考えすぎて頭が常にオーバーヒートしているからなのか、その原因ははっきりしない。
日常生活で多くの活動をするとすぐに疲れてしまい、特に人混みに行くと体が重くなる。
睡眠もたくさん取らなければならず、それでもなかなかリフレッシュされない日々が続く時もある。
酷かったのは、部活と学校行事に全力を出しながら難関大を目指していた高校時代。
完全にキャパオーバーしていたのか、毎日のように明け方に金縛りにあっていた。
 
一般的な活動量でも他の人よりも疲れやすい。
人混みや長時間の立ちっぱなしでの作業など、日常生活の中で普通に行われていることでも、私にとってはかなりのエネルギーを消費する行為だ。
それはもはや単なる気のせいではなく、体が反応している現実であった。
 
「これはもう、私の体質だからどうしようもない」
こんなふうに割り切れたらどんなに良かっただろう。
本も読みたいし、映画も観たいし、友達と会いたいし、文章も書きたいし……
自分の体質とは無関係に、やりたいことはたくさん湧き出て止まらない。
 
自分の体質のせいでやりたいことが思うように実現できない現実に直面すると、悔しい気持ちに襲われる。
「体力があったらもっと活躍できるのに」
これは私の悲痛な叫びだった。
 
体力が足りないから時間が足りない。
これが私の人生に課せられた最大の制約だ。
社会人になってからも、毎日エネルギーを温存しながら過ごさないと、すぐに疲れて会社勤めに支障をきたしてしまう。
その結果、やりたいけどできていないことが常に山積みだった。
 
このような体質の問題と向き合う中で、いかにやりたいことをやるために時間を捻出することばかりを意識していた。
平日の夜は疲れているから、休日にやりたいことを全部詰め込みたい。
手帳にあらかじめ効率の良い動線を踏まえたスケジュールを書き込み、短時間で予定通りにたくさんのタスクをこなしていく。
しかし、時間を捻出して詰め込んだやりたいことをこなせても、すぐに疲れてしまう現状は変わらなかった。
日曜日の夜はクタクタで、1週間が始まるのが憂鬱だった。
 
いつの間にか、やりたいことがあること自体がストレスになっていた。
手帳にたくさん書き込んだ、やりたいことリスト。
見ていて楽しいはずのそのリストの背後には、「やりたいけどなかなかできない現実」がいつも透けて見えるから、だんだんそのページを開かなくなった。
 
 
しかし、ChatGPTを使い始めて余白のあるスケジュールで動くようになってから、ハッキリと気がついてしまった。
「疲れないようにすること」、これこそがやりたいことをしっかりやるための最大のコツだったのだ。
疲れると回復するのに時間が取られる。
スケジュールに余白を入れて疲れることを回避するだけで、やりたいことをやる時間は作れるのだ。
これは新鮮な驚きだった。
 
 
さらに、「考えや記憶を自分の脳の外に置いておける」というのも、重要なポイントであることに気がついた。
何かを覚えておこうと思ったりスケジュールを頭の中で管理したりすると、じわじわと考えるキャパシティが削られているのかもしれない。
ChatGPTを使うことで、スケジュールだけでなく考える容量にも余白が生まれたのだ。
 
私が毎日投稿しているnoteのフォロワーには、HSP(Highly Sensitive Person)と呼ばれる人たちがたくさんいる。
この概念を最近知ったのだが、HSPとは刺激に敏感で感情が豊かな人々を指している。
HSPの人たちは創造性に富んでいる一方で、外部からの刺激によって疲れやストレスを感じやすい傾向にあるそうだ。
おそらく私自身、HSPと共通する性質を多く持っているのではないかと思う。
日常生活で色々な刺激を受け取りやすく、さらにそれを深く考え分析してしまう。
それが、しばしば精神的な疲労や体力の消耗として現れるような気がしているのだ。
 
HSPだけでなく、持病であったり加齢による体質の変化や家庭環境など、色々な背景から疲れやすい人はきっと世の中に多いと思う。
そんな疲れやすい人にとって、日常的の中でやらなきゃいけないタスクをこなしながらクリエイティブな活動をすることは結構難しい。
やりたいことがあっても疲れやストレスのせいで思うように行動できないと、不満や焦りが顔を出す。
フォロワーの投稿を読んでいても、そんなフラストレーションの内容が時々見られるから、きっとおそらく私だけではないのだろう。
 
ChatGPTを始めてから、睡眠をしっかりと取りながらもクリエイティブな活動ややりたいことに集中する時間を確保できるようになった。
だから疲れやすい人にこそ、ぜひAIを使ってほしいと思う。
実際に使ってみて生活の変化を体感したからこそ、AIの活用は特に疲れやすい体質の人々にとって新たな可能性を開くことになると確信している。
 
 
AIが未来の技術であるという固定観念。
それを打ち砕いたのは、まさに「生活に根ざした使い方」だった。
ChatGPTを使う生活を通して、AIはもはや未来の話ではなく現実の一部として私たちの日常生活に深く浸透してきていることを強く感じた。
その実用性と便利さを考えると、AIを使わない理由がもはや見つからない。
単なる科学技術の革新としてだけではなく、私たち個人の生活様式や仕事の進め方といった身近なところに革新をもたらしている。
AIは決して頭のいい技術者だけの使うものではなかったのだ。
 
AIのおかげで生産性が爆発的に向上し、私の生活の質は急速に高まった。
限りある時間とエネルギーをより価値のある活動に集中させることができる。
それは、新しいアイデアを練ったりより深いものごとを考えたりする余裕に直結する。
 
「人生において時間は減る一方であり、決して増えない」というのを、親から先生から本の中の偉い人から、たくさん聞かされて育ってきた。
でもAIを使い始めたところ、驚くべきことに自由に使える時間が増えたのである。
正確に言えば時間は増えていないけれど、自分が倍速で活動できるようになったから相対的に時間が2倍になった感覚だ。
ここへ来て、人生の前提が変わってしまうとは思わなかった。
 
 
天狼院書店でAIビギナーズを受けた日から、まだ1ヶ月も経っていない。
こんな短い期間で、日常がここまでガラリと変わってしまうなんて思いもよらなかった。
時間が増えたことを考えれば、受講料なんてすでに余裕で元が取れている。
むしろ、早く始めれは良かったと心の底から後悔している。
 
かつての私のように、「AIなんて未来の技術だ」「なんか怖い」と思っている人。
そんな人こそ効果を大きく実感すること間違いなしだ。
初めは不安だった人も、実際に使ってみるとその便利さと使い方の幅広い可能性にきっと感動することだろう。
AIビギナーズの講座は、とっつきにくいAIへの最初の一歩にピッタリだった。
この夏こそ、ぜひAIデビューをしてみませんか……?
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
Kana(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

愛知県生まれ。滋賀県在住。 2023年6月開講のライティングゼミ、同年10月開講のライターズ倶楽部に参加。お風呂で本を読むのが好き。 好きな作家は、江國香織、よしもとばなな、川上弘美、川上未映子。

 
 

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2024-07-17 | Posted in 週刊READING LIFE vol.270

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