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週刊READING LIFE vol,100

未来の自分へ襷を繋ぐ方法《週刊READING LIFE vol,100 「1分」の使い方》


記事:中野ヤスイチ(READING LIFE編集部公認ライター)
 
 
あと少し、あと少し……。
パン! と音が鳴った……。
 
え、聞き間違いだろ!?
 
ただ、前を向いて残された力をふり絞って、ゴールするしかない。
ゴールが見えた瞬間に、あの音が聞き間違いじゃないことを知る。
 
一斉切り上げスタート、毎年行われる箱根駅伝で幾度となく、見てきた光景である。
時には、目の前で仲間のランナーが走り出す瞬間を見送りながら、ゴールする姿すらある。
 
そこには、慈悲もない、あるのはタイムオーバーという現実だけ。
いつ見ても、胸が痛む。
 
この箱根駅伝に出る為に、大学生活を駅伝に捧げ、毎日毎日、誰よりも走って、己の力を高め、得ることが出来た箱根の舞台で起きるドラマは、見ている人を魅了してやまない。
 
1分、1秒を縮める為に、己の持っている力を絞りだす、これはタイムを競うアスリートにとっての宿命。
 
どこかで、本当にアスリートだけの宿命だろうか。と思う僕がいる。
 
この世に生まれた瞬間から、時間は刻まれている。
刻まれた瞬間、誰も逃れることができない、いつ終わるか知らされない期限付きの人生という挑戦がはじまる。
 
生まれた瞬間から、誰もが自分の人生を歩むアスリートではないだろうか。
人生は挑戦と選択の連続である。

 

 

 

「あなたは、1分をどのように使いますか」
 
小さい頃の算数を勉強する為に、九九のテストをさせられた記憶が脳裏に浮かぶ。
そのお陰もあり、今でも九九が瞬時に出てきてくる。
 
この経験は、今でもちょっとした自分の自信に繋がっている。
 
瞬発力を鍛える為には、1分という時間はとても貴重な時間かもしれない。
1分間、ただ走るだけでも意外と想像以上に走れるし歩けることに気付かされる。
 
その1分をどのように使うかで、「あなたの人生は大きく変わる」と言われたらどうだろうか。
 
昔の僕だったら、そんな言葉を掛けられたとしても、「1分で何か変わりますか」と言っていたに違いない。
 
でも、今の僕は違う。
もし、誰かとの約束で1分待つ時間があれば、電車が来るまでに1分あったら、やることを決めている。
 
それは、好きな本を読むことである。
 
何かの本を読んだ時に、頭が良い人は隙間時間を大切にしていると書かれていた。
 
頭が良い人との大きな違いは、隙間時間を使う習慣が見についているかどうかかもしれない。
 
学生時代のクラスメイトの中に要領が良い子はいなかっただろうか。
その子を思い出すと、常に手に何かを持っていたような印象がある。
 
一方で、僕のような要領が良くないタイプは、隙間時間を何もしないで、過ごしてしまうから、いつも忙しくなり、本来やりたかったことに、時間を使えなかったりする。
 
だから、いつも準備しておいた方が良いのは、1分あったら何をするかを決めること。
 
記事を書いている人だったら、思いついた事をメモ時間にしたっていいし、会社員だったら、しなければ行けないことをメモに書き出す時間にしたって良い。
 
アウトプットも良いかもしれないけど、できればインプットの方がより良いようだ。
 
自分の経験的にも何かを覚える時間に1分は意外と長く感じる。
 
小さい頃は、九九を覚える以外にも、漢字を覚えたり、英単語を覚えさせられたりした経験は誰にでもあるのではないだろうか。
 
その時を思い出してもらいたい、1分でも意外と長く感じたのではないだろうか。
その1分の時間以上に、意外と覚えていることに僕は驚かされた。
 
特に寝る前に軽く1分くらいパラパラめくって覚えた漢字が次の日の朝、同じようにパラパラめくるだけで、覚えていたなんて経験をしたこと何回かある。
 
過去を振り返ってみても、勉強をしようと思うとついつい何か違うことを始めてしまって、手につかないことが多くて、気がついたら何も勉強していないという事が多かった。
 
改めて考えてみても、隙間時間はとても大切に違いない。
 
そんな学生時代から、大人になって僕自身の頭のスペックが良くなったと思っていないし、何か新たな能力を得たとは思っていない。
 
ただ、一つだけ、自然とできるようになったのは、本を読む事である。
少しでも隙間時間があったら、鞄から本を取り出す癖がついている。
 
むしろ、電車に乗っている時間や病院に行って待合室でまっている時間に、鞄に本が入っていなかった時の絶望感に近い感覚は今の僕には耐えられない。
 
その絶望感を改善させてくるツールに出会った時、この時代に生まれて間違いなく、良かったと思えた。
 
そのツールとは電子書籍である。昔から僕はずっと紙の本を読むことが大好きで、紙の本を手に取った時の1ページ1ページをめくる感覚はどうしてもやめられない。
 
ただ、もし万が一本を持っていなかった時に、隙間時間が発生したら、今はスマホを取り出すようにしている。そして、アプリを開くだけで、本を読むことができる。字の大きさも自由に変えられるし、印を付けたり、マーカーだって引くことができてしまう。
 
本を読むこと意外にも、今の時代であれば、スマホを開くことで、勉強アプリで勉強することができる。
 
もし1分を急に与えられたら、あなたは何をしたいだろうか。
 
まだ、決めていないなら、是非インプットすることをおすすめしたい。
本を読んでもいいし、学習アプリで勉強したって良い、何か好きなことに取り組んでもらいたい。
 
僕は、箱根駅伝で繰り上げスタートした後に、一人ゴールして、今まで走ってきたコースに感謝の一礼をする姿を想像するだけで思う。
 
たかが1分、されど1分、その1分の使い方次第で、今まで自分が着けてきた襷を渡す相手は変わるかもしれないし、もしかしたら、いないかもしれない。
 
1分というとても短い時間でもやれることをやって来た人だけが間違いなく最後に笑えるに違いない。
 
人生は長いマラソンに例えられることが多いが、自分から自分へ襷を渡す駅伝だと思ってもらえたら、あなたの1分の使い方も変わるかもしれない。
 
より豊かな人生を歩む為に、1分でも長く、好きなことをしよう。
その為に、あなたは自分の為に何をしますか。
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
中野ヤスイチ(READING LIFE編集部公認ライター)

島根県生まれ、東京都在住、会社員、妻と子供の4人暮らし、奈良先端科学技術大学院大学卒業、バイオサイエンス修士。現在は、理想の働き方と生活を実現すべく、コーアクティブ・コーチングを実践しながら、ライティングを勉強中。ライティングを始めたきっかけは、天狼院書店の「フルスロットル仕事術」を受講した事。書くことの楽しみを知り、今に至る。

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2020-10-19 | Posted in 週刊READING LIFE vol,100

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