第19回:目標の解像度を高める(シリーズ減量〜その②〜)《ウルトラトレイルランナーが案内する日本一過酷な鎌倉・湘南観光》
2024/8/26/公開
記事:佐藤謙介(READING LIFE編集部公認ライター)
さて、いざ減量を始めるとなると必ず決めなければいけないことが2つある。
一つは目標体重の設定。
もう一つが達成方法である。
この2つは簡単なようで実はとても奥が深い。
まず目標体重は軽ければ軽いに越したことはないかもしれないが、それによってスタミナや筋肉まで落ちてしまったのであれば意味がない。
まず自分の現在の状況を確認してみよう。
【直近1ヶ月の体重の推移】
【タニタの体組成計を参照】
私の直近1ヶ月で見るとざっくり体重91kg、体脂肪率20%となる。
他のトレイルランナーの話しを聞くとおおよそ男性は10%前後の体脂肪率が多そうだ。
現在の私の体重で体脂肪を10%減らすとなると、91kg×10%=9.1kgになる。
つまり筋肉が維持されていることを前提で体脂肪率を10%まで持っていこうと考えると、91kg−9.1kg=81.9kgになる。(BMIは23.67)
さて果たしてこれは現実的に可能だろうか?
少なくとも私が確認できる2018年1月から体重が82kgを切ったことは一度もない。
また目標であるハセツネまで2ヶ月を切っている現状を考えると、これはやや無理があるように感じる。
そこで、ひとまずハセツネまでの目標としては5kg減の86kgを目標とし、年末の12月31日までに82kgまで落とすことを目標ににしたいと思う。
「よしこれで体重を5kg減らすぞ」と言っても、これだとまだ具体的に何をしたらいいかわからない。
そこでもう少しこの5kgの解像度を高めてみよう。
体脂肪1kgはおおよそ7,000kcalである。
つまり、5kg減らそうと思えば、5×7,000kcal=35,000kcalを減らすということだ。
ハセツネまでは残りおおよそ40日と考えると、1日875kcalを消費しなければいけない計算になる。
私の基礎代謝(1日で自然に消費するカロリー)はおおよそ2,000kcalである。
また私の活動消費量は今年に入ってからは1日1,242kcalとなっている。
【COROSアプリを参照】
つまり私は1日に平均すると3,242kcalを消費しているわけだ。
ということは目標とする体重に近づくためには1日の摂取カロリーを3,242kcalー875kcal=2,367kcalに抑えれば理論的にはハセツネまでに体脂肪を5kg落とすことができるということになる。
なるほど、思ったよりハードルが高そうだ(笑)
減量のための3要素
目標が決まれば次は方法論である。
そこで私はあらためて減量するには何が必要かを考えるために、とりあえず手元にあった本と、新たに数冊の本を購入して読んでみた。
すると、ダイエットには3つの要素が必要だということがわかった。
一つ目は「具体的な手段」
二つ目は「自分の体の状態と特性」
三つ目は「マインドコントロール」
一つずつこの3つの要素を見ていきたい。
まずダイエットといってすぐに思いつくのは世の中に溢れている「○○ダイエット」という方法論だろう。これは一つ目の「具体的な手段」になる。
例えば特定の食べ物を摂取したり減らしたりする代表的なものとして「炭水化物抜きダイエット」「ファットアダプテーション(炭水化物を減らす代わりに脂質を多く摂る方法)」がある。また1日のうちに食べる時間を決める「8時間ダイエット」や、数日間食事を摂らない「ファスティングダイエット」などもある。
しかし、いくつかの本を読んでみて食事に関して最も大事なのは「スーパージャンクフード」のコントロールのようである。
【様々な化学調味料が含まれた食べ物たち】
スーパージャンクフードとは「添加物」や「化学調味料」が多く入った食べ物のことである。
このスーパージャンクフードは意図的に脳に「美味しい」という情報を与える物質が含まれているため、これを食べると人間が持っている「報酬系」という神経回路に強い刺激を与えてしまう。
人間は「報酬系」を刺激されると、それを止められなくなってしまうという性質がある。
しかも厄介なことにこのスーパージャンクフードは少し食べただけでも人間の脳に強い刺激を与え、インシュリンという糖を脂肪に変える物質を誘発させ、太りやすくなってしまうというのだ。
いろんな食事に関する手法がある中でまず最初に取り組まなければならないのは「スーパージャンクフード」を減らし、「クリーンな食べ物(できるかぎり自然な状態、もしくは簡単な調理の食べ物)」からエネルギーを摂取することのようだ。
しかし、現代社会において、スーパージャンクフードを一切取らずに食生活を行うことはおそらく不可能ではないだろうか。全て自炊できる人は可能かもしれないが、おそらくほとんどの人はコンビニや外食が中心の食生活のはずだ。
またもう一つ、100km以上のロングを走るウルトラトレイルランナーにとって、このスーパージャンクフードは運動中に効率よくエネルギーを摂るために非常に便利ということである。実際私は山に入るときには3時間ごとにコンビニのおにぎりか菓子パンを2個摂るというのをエネルギー補給の目安にしている。
合わせて大体600〜700kcalほどである。
ジェルでこれだけのエネルギーを摂ろうと思うと5本くらいになるが1本250円ぐらいするので、1250円はかかる。一方でコンビニのおにぎりやパンであれば1つ200〜300円程度なので、二つでも600円以内に収まる。これは大変コスパがいい。もちろんエネルギー吸収率や摂取のしやすさを考えれば断然ジェルのほうが上なのだが、山に入るたびにこのコストをかけてジェルを摂取していてはお財布が持たない。
以上からも食事に関してはかなり知恵を絞らないといけないことがわかる。
PFCバランスを決める
これまで何も考えずに食事をしていた時は、だいたい食べ過ぎなければそこまで厳密には食事の管理はしていなかった。
それでもラーメンなどの炭水化物と脂質の塊のような食事はできるだけ取らず、低糖質・低脂質、プラス高タンパクな食事を選んできたつもりである。
しかし、今回ちゃんと減量をすると決めた以上は、PFCバランスを計算しなければいけない。
先に挙げたように私は1日の摂取カロリーの目標は2,367kcalである。
これを三大栄養素であるProtein(タンパク質)、Fat(脂質)、Carbohydrate(炭水化物)でどれだけ摂取するかを決める。
決める際に以下のルールを適用することにした。
・タンパク質は「体重×2g」
・脂質は50g(もう少し少なくてもいいかもしれない)
・残りを炭水化物で取得
・タンパク質:1g=4kcal
・脂質:1g=9kcal
・炭水化物:1g=4kcal
これで計算をすると私は
・タンパク質:180g /720kcal(体重90kgで計算)
・脂質:50g /450kcal
・炭水化物:300g/1,200kcal
ということになる。
ちなみにこれをスーパージャンクフードの代表格であるマ○ドナルドのビッグ○ックでみてみるとタンパク質25.9g、脂質28.2g、炭水化物41.9gとなる。
タンパク質が意外と多いのと、炭水化物もそこまで高くなくて驚いたが、脂質が高すぎである。
ビッグマックを2つ食べたら1日の脂質摂取量をオーバーするのでアウト!!
どうやらマ○ドナルドのハンバーガーたちは脂質の高さが旨味の秘密のようだ。
念の為調べてみると、脂質が一番低いのはハンバーガーの9.4g。
その次に低いのはチーズバーガーの13.4gとなっている。
うん、確かにビッグ○ックの方が旨い。
可視化することが大事
これで一応目標体重に対する解像度が上がった。
あとはこの目標値を達成すべく毎日の食事と運動に気をつければ良い。
できるだけスーパージャンクフードを避け、クリーンな食事で目標のPFCバランスになるようにカロリーを摂取する。
この時に大事になるのは食べた食事の可視化である。
可視化されない目標は達成することができない。
そこで、食事を管理するアプリはいくつかあるが私は「あすけん」を使うことにする。
あすけん先生の笑顔を見ながら目標達成に向けて努力を続けていこうと思う。
【あすけん先生の笑顔は癒される】
また他の減量に必要な三要素のうち二つは次回解説したいと思う。
随時減量の進捗もこちらで報告していくので楽しみにしていただきたい。
□ライターズプロフィール
佐藤謙介(READING LIFE編集部公認ライター)
静岡県生まれ。鎌倉市在住。
幼少期は学校一の肥満児で、校内マラソン大会では3年連続最下位。ところが35歳の時にトレイルランニングに出会い、その魅力に憑りつかれ、今ではウルトラトレイルランニングを中心に年に数本のレースに参加している。2019年には世界最高峰のウルトラトレイルランニングの大会「UTMB」に参戦し完走。2023年イタリアで開催された330kmの超ロングトレイルレース「トルデジアン」に完走。普段は鎌倉・湘南エリアを中心にトレイルランニングを日常として楽しんでいる。
天狼院メディアグランプリ 56st season 総合優勝
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