「どう見られたいか」より「どう見せたいか」 ― クリスマスツリーが教えてくれたオシャレの本質
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
2025/10/16 公開
記事 :中村はるみ(ライティング・ゼミ11月コース)
「ヒョウ柄も、うちのお姉ちゃんが着るとキリン柄になるのね」
中学生の頃、流行りのタイツをはいた私を見て、母がつぶやきました。
子どもの頃から太めだった私は、この一言で見た目勝負を人生で早々に諦めてしまった気がする。
「人間は中身」と言い張り、オシャレはTPOや他人の目が基準だと思い込むようになりました。
10代はTシャツとジーパンで過ごし、20代になっても相変わらずオシャレや化粧品には興味が持てませんでした。
毎朝5分で日焼け止めとBBクリームに色付きリップクリームをぬるだけで出勤する始末です
当時は翻訳の仕事をしていたので、服は買わずに英語の本ばかり買っていました。
そんな私の価値観を大きく変える出来事がありました。
オシャレをする目的が180度変わり、自分表現の手段ではなく、自分へのイメージをコントロールする方法になったのです。
その日からオシャレを研究するようになりました。
30代になって、ブログ用のプロフィール写真を撮ることにした時です。
高いお金を出すので、きれいに撮ってもらいたいと思いますが、メイクに自信がありません。
そんな時、ちょうどメイクアップ付の撮影を見つけたので申し込みました。
カメラマンとメイクさんへは、知的でかっこいい女性のイメージに仕上げてくださいとリクエストしました。
服とヘアスタイルは自分で考えて、この日のためにイメージに合うようそろえました。
撮影スタジオは高級住宅地として有名な白金でした。
初めて歩く白金の街は、お店もすれ違う人も、何もかもがオシャレに見えます。
初のスタジオ撮影への期待もあって、非日常の光景にワクワクしていました。
メイクをお願いした方は、さすがプロというだけあって、イメージ通りに仕上げに。
撮影も順調に終わった帰り道、気持ちが大きく変化していることに気づきました。
「あ、私この街の景色に馴染んでる」と。
知らない店のショーウインドウに映る私は、なんだか軽やかに歩いているように見えたのです。
どうして、そう感じたのだろう?
自分に質問した時に、ふと小学生の息子達とクリスマスツリーを飾りつけた時のことを思い出しました。
「どんなツリーにしたい?」
「友達が来た時に、カッコいいって言われたい」、と次男からのリクエスト。
「キラキラ光ったら、窓からツリーを見た人も喜ぶよ」、とは長男の主張。
その時は息子達も私も、自分達好みの飾りつけではなく、どう見られたいかを考えていました。
自分たちがワクワクするという視点から、他人からどんなイメージで見られたいかで飾るという考え方に出会ったのです。
オシャレも同じだと思いました。
撮影前のスタジオまでの道は、自分が他の人にどう見られるかばかり気にしていたことを覚えています。
場違い感を強く感じていた観光客気分でした。
でも帰る時にはメイクとファッションのおかげで、なぜか場違い感がありません。
プロのおかげで知的でクールな雰囲気を自分でも感じられたからです。
風が冷たい12月だったけど、不思議と背筋が伸びていました。
私にとって今までオシャレの基準は他人でした。
TPOに合わせたオシャレやメイクをするのは、相手に失礼がないようにするため。
日常と違うきちんとした格好をするのは、相手を尊重していますという意思表示です。
周りの環境や人間関係から浮かないためにオシャレをしていました。
ですがプロフィール撮影をしてもらった日から、オシャレは相手に与える自分のイメージをコントロールできる手段の一つとなりました。
クリスマスツリーを見た人に「かっこいい」というイメージを持ってもらいたい。
どう見せたいかを真剣に考えていました。
見た目勝負を子どもの頃に諦めた私は、長らく相手に失礼と思われないためのオシャレを心がけていました。
子育てが一段落した頃、やっとファッションに少し興味を持ち始めました。
それでも、まだ他人の目が基準です。
自分を魅力的に見せる1色や正解のファッションを研究し続けました。
でもプロフィール撮影の日から、自分のイメージをコントロールする方法を考え始めたのです。
その場面ごとに相手に持ってもらいたい私の印象を考えることは、私の価値観を表現することでもあります。
フラワーアレンジメント講師として会う時は、柔らかくて華やかな色。
SNSセミナーに参加する時は、青や白で知的な雰囲気に。
オシャレって、自分のイメージをコントロールする楽しみがある。
それが分かってから、年齢や体形がモデルみたいじゃなくても、相手に与えたいイメージを自由に作り出せるようになりました。
「今日の私は、こう見せたい」が作れると、不思議と自信が持てることにも気づきました。
この週末もセミナーに参加する予定です。
どんな印象で出会いたいのか? どんな自分でいたいのか?
そんな自分との対話の時間を、今はとても楽しんでいます。
さて、明日はどんな私を創ろうか。
<<終わり>>
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