ライティング・ゼミ

記憶に残る言葉は、必要なタイミングで「言葉のおみくじ」を引いた時のもの


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

 

記事:加藤瞳(ライティング・ゼミ11月コース)

 

「一生懸命記憶に残そうとしなくていいんだよ。大切な言葉だけ覚えているはずだから」

 

この言葉は、私が先日ライブ配信をしていた時に、リスナーさんからもらった言葉です。その方は、中学校で国語の先生をしたり、フリースクールを経営したりしていた方。大手の通信学校からオファーがあり、現在は再び教師として国語を教えているそうです。

 

彼は私の配信に来てくれた時には、いろいろな言葉の成り立ちや歴史をおもしろおかしく教えてくれています。彼のコメントはどこかに笑いの要素があります。いつも、コメントを読んで、私はクスッとなったり爆笑したりしてしまいます。とにかく面白いんです。「どうしてそんなに色々なことを知っていて、それを面白く教えられるのかな」と羨ましく思うほど。

 

私は、「いいな」と思う言葉をすぐに忘れてしまうことを悩んでいました。メモをすればいいのですが、「めっちゃ良かったぁ」という感動に浸っていたいという欲があるので、メモをとり損ねてしまうのです。途中で「メモをすれば良かった」と後悔することは数えきれないほどです。

 

私の配信では、リスナーさんと雑談を楽しんでいます。ある日は地域の美味しいお店の話をしたり、違う日にはお互いを励まし合う会話になったりと日によって様々です。配信中のコミュニケーションは、私はトークで、リスナーさんはテキストでとっているので、複数の方が一度にコメントを送ってくれた時には、脳内がパニックになることがしばしばあります。

 

先生がコメントをくれた日も、みんなが送ってくれた大切なメッセージを、スクロールして戻り読み替えしていました。大切な言葉を覚えていなさすぎの自分に嫌気を差していた時に、冒頭のコメントをもらったのです。

 

「一生懸命記憶に残そうとしなくていいんだよ。大切な言葉だけ覚えているはずだから」

 

このコメントが目に飛び込んできた時、私の心にじわーっと優しさの水が流れてきました。まるで私の前に先生がいて、にっこりと笑って言ってくれたような感覚にもなったんです。

先生の言葉は「大切な言葉を忘れてしまう自分を責めなくてよかったんだ」と思わせてくれました。

 

私はきっと、先生からもらったメッセージを忘れないでしょう。

 

配信後「自分が覚えている大切な言葉ってなんだろう」と振り返ってみました。本当に数えるくらいしかなかったのですが、書き出してわかったことがありました。それは、「私は『言葉のおみくじ』を引いていた」ということです。

 

私の記憶に残っている言葉は、以下のようなものでした。

 

「瞳ちゃんは、笑っているだけでいいんだよ」

「ぶれているのが瞳さんなんだから、それでいいんだよ」

「瞳ちゃんといると、なんだか安心する」

 

これらは、おみくじで例えると大吉というイメージでしょうか。

 

「50歳くらいになったら歌を歌っているかも」

「ママを応援することを何かするといいよ」

「人を集めるようなイベントをやるようになると思う」

 

これらは、おみくじに書かれている予言みたいなところに似ています。

 

マイナスに受け止めてしまったメッセージもあります。

「瞳ちゃんの文章なんて、魅力がない」

「僕はできないことが多いんです」

 

などです。これらは、おみくじの凶だったり、細かい箇所でのよくない傾向の書き方の部分だったりに近いですね。

 

記憶に残る言葉を文字にして目にしてみると、

・自分に自信がない時にかけてもらった

・自分が意識していないのに、誰かに影響を与えていたことを言葉にしてもらった

・予想外の自分の未来

・やりたいことを模索している時に出会った、ドリームキラーからのメッセージ

・偏っていた自分の考えを気づかせてくれる、子どもたちからのメッセージ

 

など、私に何かを気づかせたるために登場した言葉たちでした。

 

受け取ったメッセージは、数ヶ月前のものから数年前のものまであります。私は私にかけてくれた素敵なメッセージをすべて覚えていたいと思っていました。けれど、いいなと思う言葉と自分に必要な言葉がイコールになるかというと、そうではないのかもしれません。

 

おみくじを引くとき、箱に入っているおみくじを手のひらいっぱいに引くことはしませんよね。一度引いたおみくじに良いことが書いていないからと、もう一度くじを引き直すこともないでしょう。おみくじは、私に必要なメッセージが来ると信じて1回だけ引くのではないでしょうか。日常で記憶に残るメッセージも同じです。私たちは「言葉のおみくじ」を引いているのです。

 

記憶に残るほどの強烈なメッセージ。神からの言葉なのか、内なるメッセージなのかわかりません。けれど、重要なメッセージなのです。中には辛いメッセージもあることでしょう。そんな時には、「何くそ!」と自分を奮い立たせればいいのです。

 

これから先も、「言葉のおみくじ」を引くタイミングがやってきます。あなたの器を大きくするためのもの。引いた言葉を、あなたの豊かな人生のために活かしていきましょう。

 

〈おわり〉

 

 

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2025-11-27 | Posted in ライティング・ゼミ

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