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週間READING LIFE vol.3

「不可能を可能にする考え方」をインストールしたければ《週刊READING LIFE vol.3「とにかくこの本を読んでくれ」》


 

記事:べるる

 

「企画、かぁ……」
私は頭がクラクラした。書けるようになりたくて、天狼院書店のライティング講座を受け始めて約1年。出来の悪い私は未だに「書けるようになった」とは言えず「書く」ということを掴みたくて「ライターズ倶楽部」の申し込みをした。
すると今までと違って、好きに書くのではなく「企画を立ててくださいね。企画書をあげて下さい」という方針になった。
「今度は『企画の立て方』を1から勉強かぁ……」
私はこの1年、何度も厳しいフィードバックを受けてきたことを思い出した。またあれが始まるのか……。というか、私は書く力が欲しいだけだ。企画力っている? ライターズ倶楽部に入ったのって間違いだった? もう辞めちゃう?
始まったばっかりなのに、私はもうすでに迷い始めていた。

「人生を変えるライティングゼミ」
天狼院書店が開催しているライティングゼミを知ったのは、去年の8月のことだった。知り合いが受講していて、フェイスブックで「超おススメです! 受けたほうがいい!!」と書いてあったのを見たのがきっかけだった。
文章を書きたいと思っていた。通信で習えるのならば、2歳の子どもがいる私でも受講できそうだと思って、思い切って申し込んだ。

「お前の作文、めちゃくちゃ面白いな!」
高校生の頃、私の作文を国語の先生が誉めてくれたことがあった。その先生以外には誉められなかったし、大したことなかった作文だったけれど、自分の書いたものが誰かに認めてもらえるということは、心が震えるぐらいに嬉しい出来事だった。
「書き続けろよ。書き続けたら、いつか絶対に面白いものが書けるから」
先生は最後に、そう書いた手紙を私にくれた。そこには他にも文章が上手くなる方法と、私の文章の改善点を書いてくれていた。

でも、私は書き続けなかった。
書くということは、辛かったから。自分と向き合い、空っぽの自分を知り、それでも「面白いもの」をひねり出すということに疲れてしまったからだった。

だけど、いつまで経っても「書いていないことへの後悔」はついて回った。もう、高校を卒業してから15年も経っている。それなのに未だに後悔している。それならば、いっそのこと習ってみよう。もう一度向き合ってみようと、ライティングゼミを申し込んだのだった。

だけど、全然書いていない私の文章は面白いはずもなく、厳しいフィードバックを受け続けた。それどころか、2000字の文章を1つ書くのに2週間もかかっていた。それぐらいかけて考えないと文章がまとまらないのだ。ひどすぎる……。ライティングゼミは、講師の先生に「合格」をもらうとWebに記事を掲載してもらえる仕組みだ。何とか書き続け、何回かは掲載して貰うことが出来た。でも、私は当然掲載率の低い劣等生だった。

「プロフェッショナルゼミを受けてみようかな……」
それにも関わらず、私には欲が出てきた。ライティングゼミの上級クラス、プロゼミに入ったら今よりもっと書けるようになるだろうか。高校生の頃のように、自分の文章で誰かの心を揺さぶることが出来るようになるかもしれない。そう思って、プロゼミを受講することにした。

プロゼミでも、またしても私の掲載率は低かった。なんとか5000字の文章を毎週書いて提出してはいるものの、あるのは熱意だけで、またしても劣等生だった。しかし、書けるようになりたくて、もう1期継続して受講した。
その途中、全く書けなくなった時期があった。最後まで書けることが何も浮かばなかったのだ。それでも、書きたかった。書き続けて、いつか「面白い」にたどり着きたかった。どうにかして書き続けようと、講師の三浦さんのアドバイスを元に色々チャレンジしながら、書き続けた。

我ながら、よく続けてきたと思う。私が劣等生でも書き続けられたのは、不安になるたびに思い出して自分を奮い立たせる言葉があったからだ。

「本当に私なんかが受講してもいいのかな」
ライティングゼミの受講を決めた時、申し込みはしたものの、ずっと書いてもいない私が受講してもいいものなのか、不安になったことがあった。
それは、きっと、自分のことが否定されるんじゃないかという不安だったと思う。
思いきって受講を決めたのに、他の受講生みたいにレベルの高い文章が、自分だけ書けなかったら……という不安。

そんな風に不安の中にいる私に、ラジオから聞こえてきた「他人に自分の人生を決められたくない」という言葉が、心に刺さった。

その言葉を発したのは、白石さんという方で、サッカーの本田選手の専属分析官をされている方だった。
白石さんがサッカーと出会ったのは、高校3年生の時。明治大学に入学後、プロになるためにサッカー部に入部するつもりが、入部試験で不合格となり、入部することすら出来なかった。でも、白石さんはプロになる道を諦めず、大学に通いながら南米のチームに入りプロへの道を探すのだった。

「普通、プロを多数輩出している名門のサッカー部に入れなかったら、プロになるのを諦めませんか? すごいよね。南米に行ったんだもんね」と、パーソナリティの人が言うと、白石さんは「何でですか? 他人に、自分の人生を決められたくねぇって思ったんです。だから、南米でプロになる道を探しました」と答えたのだった。

その時、私は、初めて知ったのかもしれない。

自分の人生の決定権は「自分」にあるということを。

プロへの登竜門のようなチームに入れなくても、プロになる道を自分で探すという選択肢があるということを。

そうなのか……。例え自分だけが書けなくても、それでも、自分が書き続けたいのならば書き続けたらいいんだ。それで後悔がなくなるなら、やってみたらいい。やれるだけやってみよう。自分で決めたらいいんだ。決めるのは「誰か」じゃない。「自分」なんだ、と。

その一言で、私の心はすっと軽くなった。だから、何度厳しいフィードバックをもらっても私は書き続けることが出来た。劣等生でも書き続けた。自分が後悔しないために。自分が書き続けたかったから、私は書き続けた。決めるのは「誰か」じゃなくて「自分」だから。

その白石さんの、初の著書が発売されたことを知った。すぐに私は本を買って読んだ。その時期はまたしても、ライターズ倶楽部で企画を立てるべきなのか、このまま続けるべきなのか、迷っている時だった。

「あはははは、だよねぇ。結局、書き続けるしかないよねぇ。企画だって立て続けるしかないよねぇ」
読みながら、だんだん私は笑えて来た。いや、書かれていることはいたって真面目なことばかりだ。熱い思いが書かれている。だけど読んでいるうちに、18歳でサッカーを始めてプロになるという「不可能なことを可能にする考え方」が自分の中にインストールされて、物の見方や捉え方が変わっていくことを実感して、笑えてくるのだ。
なんだ、苦しみも劣等感も後悔も全部、プラスに考えられるんだ。それって必然なんだって。

思えばまだライティングを初めて1年じゃないか。まだまだ全然じゃないか。色々言っている暇があったら、とにかく書け。書くんだー! 企画だって立てろ。ダメと言われて、それでまた直して、出来るようになれ。
笑えるぐらいに、力が出た。

そうしたら、私がライターズ倶楽部にまだ居続けたい理由が見えてきた。私は「書くこと」で誰かの役に立ちたいのだ。
1人よがりの文章ではなく、誰かの役に立ちたいのだ。沢山の人に読まれるような質の高い文章が書きたいのだ。だから私はライターズ倶楽部で書き続けたい。そして、たぶんその選択は間違ってない。
もっと書く力を磨きたい。どれだけでも書き続けられるような、自分の軸を見つけたい。

無謀でもチャレンジして書いて、自分の根っこをどんどん横に大きく広げたい。書き続けることで、根っこをどんどん深く伸ばして生きたい。無駄に思えてもとにかく書いて、自分の根っこを広げて、いつか大きな樹となり沢山の実をならせられるように、書いていきたい。書くことで人の役に立ち、書き続けていつか「面白い」にたどり着けるように。
決めるのは「誰か」じゃない。自分自身なのだ。

自分の中に書くことに対して情熱がある限り、私は書き続けたい。でも、また不安になったり迷ったりする時、私はきっとまたこの本を読んで、力をもらうのだろうな。

 

〈紹介した本〉
「何かをやるのに遅いということは決してない。」白石尚久 ダイヤモンド社

❏ライタープロフィール
べるる
2児の母。
第一子出産後に読書にはまり、第二子出産後に、天狼院書店のライティングゼミを受講し、書くことにはまる。
何の取り柄もない30代の主婦は「読む力」と「書く力」で、人生を変えられるのか。面白い文章を書けるようになるのか。挑戦中。
目標は、笑える文章を書くこと、心を揺さぶる文章を書くこと、そして、書くことで人の役に立つこと。

この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2018-10-23 | Posted in 週間READING LIFE vol.3

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