ウルトラトレイルランナーが案内する日本一過酷な鎌倉・湘南観光

第22回:ダイエットに「努力」「気合い」「根性」を使ってはいけない(シリーズ減量〜その5〜)《ウルトラトレイルランナーが案内する日本一過酷な鎌倉・湘南観光》


2024/10/7/公開
佐藤謙介(READING LIFE編集部公認ライター)
 
 
今年のターゲットレースの一つであるハセツネ(10月13日)まで残すところ1週間となった。
ダイエット企画を始める時に一つの目標として、ハセツネの1週間前(10月6日)までに体重を91kgから86kgにするという目標を立てた。
 
では結果を見てみよう。
 

【ハセツネ1週間前のデータ】
 
なんと目標の86kgを大きく超え84.2kgまで減っているではないか!!
 
しかし、疑り深いあなたは「いやいや、一時的に水抜きしただけじゃないの?」と疑っているかもしれない。
そこで、ここ数日間の推移も確かめてみよう。
 

【1ヶ月間の体重推移】
 
うん、なんとなく一時的に減らした感はあるが、概ねこの1週間は86kgを下回っているといってもいいのではないだろうかww
念の為体脂肪率も推移を確認しておこう。
 

【3ヶ月間の体脂肪率推移】
 
2ヶ月前およそ20%だった体脂肪率が15%台まで減っていることがわかる。
これであれば単に水分だけ減らしたわけではなく、体脂肪率が減って体重が落ちたことを認めていただけるのではないだろうか。
 
本格的にダイエットを始めたのが8月15日ごろからなので、およそ2ヶ月間で6.8kg減ったことになる。
これはそこそこいい結果だと思っている。
前回の記事で私は停滞期に入って体重が2週間ほど落ちていないことを書いた。
 
(参考)ダイエットの停滞期とその対処方法(シリーズ減量〜その4〜)
https://tenro-in.com/ultra_trail-kamakura_shonan/330949/
 
それでもダイエットを継続したところ、今週に入ってから急に体重がガクンと落ち始めたのである。
特に大きく変えたこととしては、脂質と塩分のとりすぎに気をつけたぐらいで、それほど大きな変更を行ったわけではない。
 
しかし、体が再び反応し始めて、見事中間目標達成となった。
 
 

あなたは「継続」することが得意だろうか?


さてここまで2ヶ月間のダイエットを振り返ってみると、うまくいった最大の要因は当初決めたプランを地道にコツコツと実行し続けたことに尽きる。
ところが、ダイエットしたけど痩せられなかった人の多くは「ダイエットを継続することが出来なかった」ことが一番の失敗の要因ではないだろうか。
 
目標は決まった、やるべきこともわかった。
でも続けられなかった…
 
もしみんながダイエットに成功しているのであれば、これほど巷にダイエット本や痩身エステやライ○ップのようなダイエット関連商品・サービスが売れているはずがない。
 
つまり人々は結果が出るまで継続できないことに悩んでいると言える。
 
それを解消する方法はおそらく大きくは2つに分かれると思う。
一つは、他に継続しやすくて効果がある方法を探すこと。
もう一つは「努力」「気合い」「根性」で乗り切る方法だ。
 
前者についてはこれまでも様々な手法が生まれては消えていった。
 
(参考)目標の解像度を高める(シリーズ減量〜その②〜)
https://tenro-in.com/ultra_trail-kamakura_shonan/328166/
 
しかし手軽にできる方法で本当に実績が出るかは疑問が残る。
キャベツだけ食べてれば痩せると言われて食べ始めてはみたものの、青虫じゃないんだからキャベツばかり食べてたら3日が限界だろう。
だったらそもそも食べなければいいと考え、ファスティングダイエットをしても最初の2日間の空腹の辛さは誰にでも耐えられるものではない。
 
では「努力」「気合い」「根性」があれば続けられるかといえば、これも怪しい。
ダイエットするぞと固く決意しても、家族や友達が隣で美味しそうな食事をしているのを見れば、つい「ちょっとだけ」と言って一口食べてしまい、それをきっかけにあれほどかたく決意した意思など一瞬で消し飛んでしまう。
(私も昔、喫煙している時に禁煙したものの、飲みの席などで同僚が隣で美味しそうにタバコを吸っているのをみると「一本だけ」と言って分けてもらい、結局それで禁煙を続けられなかったことが何度もある)
 
そもそも「努力」「気合い」「根性」がよく考えればとてもネガティブな発想ではないだろうか。
 
本当はやりたくないことをやるから「努力」しなければいけない。
放っておくとやる気が出ないから「気合い」を入れなければいけない。
元々自分の意思が弱いから「根性」を出さなければいけない。
 
結局はやりたくないことをやろうとするから「努力」「気合い」「根性」が必要になるのである。
つまり行おうとしていること自体がストレスということなのだ。
 
ストレスを感じるとコルチゾールというストレス調整ホルモンが分泌され、それが出ると食欲が増進されてしまいより太りやすくなってしまう。
 
(参考)人間は段階的に太っていく(シリーズ減量〜その3〜)
https://tenro-in.com/ultra_trail-kamakura_shonan/329397/
 
さらに悪いことに、ストレスは自分の体重の規定値であるセットポイントを引き上げてしまうため、ダイエットにストレスを感じていると、結局は自分のセットポイントを引き上げてしまい、リバウンド後にさらに体重が増加するという悪循環に陥ってしまう。
 
つまりダイエットするのに「努力」「気合い」「根性」を出してはいけないのである。
(正確に言えばダイエットするということにストレスを感じてはいけないということだ)
 
「いや、でも食事量を減らして、さらに運動まで取り入れたらどうやってもストレス感じるでしょ」
と思われる方もいるだろう。
 
そこで思い出していただきたいのがダイエットに必要な3つの要素の3番目「マインドコントロール」が必要になるのだ。
 
 

ダイエットに必要なマインドコントロールとは?


マインドコントロールというとなんだか胡散臭い響きがあるが、ようは「自分で自分の思考を制御する」という意味である。
何も考えずにただ「10kgダイエットするぞ」と言っても「ダイエット」や「減量」という言葉の中に「辛い」「きつい」「やりたくない」というイメージがすでにある場合、ダイエットすること自体に初めからストレスがかかる。
 
しかし「今年の本命レースでトップ10以内に入りたい」「2ヶ月後の結婚式でウェディングドレスを美しく着て、綺麗になった私の姿をみんなに見てもらいたい」といったゴール設定があれば、ダイエットはそのゴールを達成するための手段に変わる。
 
そうなれば、辛いはずの食事制限も自分がどうしても叶えたいゴールを達成するための手段となり、前向きな気持ちで取り組めるようになるはずだ。
 
例えば私は社会人になって10年ほどずっとタバコを吸っていた。
仕事でのストレスをタバコで解消していたので「タバコを吸うこと=脳が快の状態」だったのが、「禁煙をする=脳が不快な状態」になり、結局私は何度も禁煙を試みたがタバコを辞めることができなかった。
 
ところが、トレイルランニングを始めて、自分がレースで良い成績を出したいというゴール設定ができた途端、「禁煙をする=競技力がより向上する=脳が快の状態」に変わり、タバコを吸いたいという欲求よりもレースで良い成績で走りたいという欲求が優り、タバコを吸えない辛さがストレスではなくなったのである。
 
これはダイエットでも同じことが言える。
ダイエットするときに感じる苦痛よりも、さらに自分にとっての欲求度の強いゴールを設定すれば、その手段となる行為のストレスが無くなる(もしくは軽減する)のである。
 
 

ゴールはできるだけ継続するゴールを設定する


ゴール設定がストレスを無くしてくれることがわかれば、あとはどんなゴールを設定するかである。
お気づきの方もいると思うが、短期で強い欲求のゴール設定(例えば直近で参加する本命レース、または結婚式など)をすることができれば、ダイエットは成功する可能性が高い。
その代わり、そのゴールが達成された後にゴールを失ってしまえば、リバウンドする可能性も高くなる。
 
しかし、今回私が取り組んでいるのは長期的に自分の体型を変えるためのダイエットである。
現状おそらく92kgの自分のセットポイントを82kg(体脂肪率10%ぐらい)に変えるところまで行いたいので、短期というよりも長期的な取り組みである。
 
そうなると、ゴール設定も長期間にわたって持ち続けられるものでなければならない。
ところが、長期間になればなるほど、ゴール設定の難易度は高くなる。
 
なぜなら人間は長期的な利益よりも、目先の利益を優先する生き物だからだ。
ではどんなゴール設定なら長期的にストレスを感じることなくダイエットを続けることができるのだろうか?
 
次回は私が行ったゴール設定について解説してみたいと思う。
 
※ちなみにハセツネまでの1週間はスタミナ回復にあてたいため、ダイエットは今の体重がキープできるぐらいに抑え、激しい減量は行わない予定である。まずはレースに意識を集中していこうと思う。
ハセツネについてもまた記事にするので、こちらも楽しみにしていただきたい。
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
佐藤謙介(READING LIFE編集部公認ライター)

静岡県生まれ。鎌倉市在住。
幼少期は学校一の肥満児で、校内マラソン大会では3年連続最下位。ところが35歳の時にトレイルランニングに出会い、その魅力に憑りつかれ、今ではウルトラトレイルランニングを中心に年に数本のレースに参加している。2019年には世界最高峰のウルトラトレイルランニングの大会「UTMB」に参戦し完走。2023年イタリアで開催された330kmの超ロングトレイルレース「トルデジアン」に完走。普段は鎌倉・湘南エリアを中心にトレイルランニングを日常として楽しんでいる。
天狼院メディアグランプリ 56st season 総合優勝

この記事は、人生を変える天狼院「ライティング・ゼミ」の上級コース「ライターズ倶楽部」をご受講の方が書きました。 ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325


■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」

〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984


関連記事