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《週間READING LIFE「けっこん、します」》 


2025/12/1/公開

 

記事:藤原 宏輝(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

 

結婚とは何か?──ふたりの人生にとっての意味

結婚は「ゴール」ではなく「スタート」

 

結婚式の日。
新しい人生の扉が開く瞬間を、誰もが「ゴール」のように感じるのかもしれません。
けれど本当は、その先に続く未来にこそ“新しく始まる物語”が待っています。
結婚とは、二人が出会い恋をしてきた過去からのゴールではなく、これから一緒に歩む未来のスタート地点なのです。

 

「けっこん、する。」
そう決めたときから、これまでとは違う様々な意見のすれ違いや思いの違いが、必ずと言っていいほど生まれます。

「なんでそんなに、こだわるの?」
「逆に、なんでそんなに、こだわりがないの?」

結婚式の準備の最中、おふたりの間にこんな言葉が飛び交うことはよくあります。
最初は笑い合えていたやり取りが、いつのまにかトゲのある言葉に変わってしまう。それは決して珍しいことではありません。

好きだからこそ、真剣になる。
好きだからこそ、「わかってほしい」と願ってしまう。
その気持ちがすれ違いを生み、相手を遠く感じさせてしまうのです。

けれどケンカの数だけ、“お互いの心の奥”を知るチャンスが隠れています。

結婚式を準備する中では、招待状のデザイン、引き出物、衣装、ゲストの人数など、無数の選択が待ち構えています。

こだわるか? こだわらないか? 何にこだわるのか?

小さなことのようでいて、それぞれに「大切な理由」が隠れています。
こだわるには「喜んでもらいたい」という思いがあり、シンプルを選ぶには「失敗したくない」という心配がある。
言葉や表情の奥にあるそんな本音を知ったとき、お互いをより深く理解できるのです。

結婚が決まったときは、とても幸せ。
家族や友人に報告して、両家の顔合わせも無事に済んで。
あとは式に向けて準備するだけ……のはずが、実際に始まるのはまるで“終わりなき話し合い”のような日々であることも少なくありません。

大切なのは、そのときに「ふたりで乗り越える力」を信じること。
結婚するのはゴールではなく、恋の卒業式。
「これから先も、共に歩む約束」のスタートなのです。

やがて、気づきます。
結婚生活とは「話し合い」「すり合わせ」「歩み寄り」の連続だということに。

大切なのは、どちらの意見が勝ったか負けたかではなく、「ふたりにとって納得できる選択」を積み重ねていくこと。
知らなかった相手の奥深い部分を知ったとき、本当の思いに気づいたとき、ふたりの「好き」は次の段階へと変わります。
そのプロセスそのものが、夫婦の絆を育てていくのです。

結婚式は一日で終わります。
しかし夫婦の人生は、そこから何十年と続いていきます。
だからこそ結婚はゴールではなくスタート。

泣いたり笑ったり、ときにはぶつかり合いながらも、互いの「らしさ」を守り、重ね合わせていく。そこにこそ夫婦としての真の豊かさがあります。

恋のドキドキだけではなく、家族としての愛へ。
支え合い、受け止め合う強さへ。

私は日頃から、ご新郎ご新婦に
「結婚式の準備は、お互いの価値観や考え方がよく分かる時間。まるで人生の縮図のようなんです」とお伝えしています。

笑って、泣いて、ぶつかって、また仲直りする。
そのプロセスを繰り返すことで、ふたりの心は「恋人」から「夫婦」へと育っていきます。

だからこそ、式の形はどうであれ、結婚式は挙げることを強くおすすめします。
なぜなら、結婚式という節目を迎えることで、この先の人生で何かあったときに、ふたりの気持ちを原点に立ち返らせてくれるからです。

泣いて、笑って、手を取り合って。
迎えた結婚式は“完成されたゴール地点”ではなく、準備から当日までを一緒に乗り越え、ご夫婦として一歩を踏み出す“未来へのスタート地点”なのです。

《終わり》

 

 

❒ライタープロフィール

藤原宏輝(ふじわら こうき)『READING LIFE 編集部 ライターズ俱楽部』

愛知県名古屋市在住、岐阜県出身。ブライダル・プロデュース業に25年携わり、2200組以上のご新郎・ご新婦様の人生のスタートに関わりました。

さらに、大好きな旅行を業務として20年。思い立ったら、世界中どこまでも行く。知らない事は、どんどん知ってみたい。 

と、好奇心旺盛で即行動をする。とにかく何があっても、切り替えが早い。

ブライダル業務の経験を活かして、次の世代に何を繋げていけるのか? 

をいつも模索しています。

2024年より天狼院で学び、日々の出来事から書く事に真摯に向き合い、楽しみながら精進しております。

 

 

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