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 三日坊主の私ができるのだから、あなたにも習慣は作れる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事: 津野 大紀 「人生を変える「ライティング・ゼミ」1DAY濃縮講座」

 

 

アラフォーになり、年々健康に気を遣うようになった。私と同じくらいの年代の方には、健康への関心が高まっている方も多いのではないだろうか。ラーメンや揚げ物はきつくなってきた。まずサラダでも食べたい。うまく寝られず、寝ても疲れが取れない。少しでも健康になれるよう、根っからの文化系のインドア人間だった私が、なぜか筋トレに精を出すようになった。

 

ただ、私はどうにも何かを継続してコツコツ頑張ることに苦手意識を持っていた。その時その時に瞬間的に頑張るのは良いのだが、続けることはできなかった。特に運動はそうで、ゴルフやテニスのレッスンにも通ってみたことがあるが続かない。

 

以前にも、何度かジム通いにトライをしたことがある。ただ、毎回どこかでやめてしまい、続けることは本当に難しいと思っていた。大体、数か月もジム通いを続けているとどこかで風邪を引く。体調が回復したらジム通いを再開すればよいのだが、その体調の回復が遅かったり、ちょっと回復してすぐまた風邪がぶり返したりするものだから、いつからジムに復帰するかも迷う。そうしてしばらくジムに行かなくなるともうダメで、そのまま足が遠のいてしまう。気づけば半年、1年経ち、ジムの月会費だけ無駄に払うことになる。どうせ通わないのだから、とジムを退会してしまう。その後、またしばらく経ち、「よし筋トレだ!」とまた思う時がきて、上記のサイクルを繰り返していた。

 

今回のサイクルでは、もう2年近くジム通いをしている。これまでの傾向では数か月で辞めてしまうので、2年もジムに続けて通っているのは快挙だ。今回はなぜ、今までと違うのかを振り返ってみた。

 

一つには、ジムへ行く回数を増やしたことが上手くいっている原因ではないかと思う。過去は大体週に1回または頑張って2回、ジムに行っていた。今回は行けるならほぼ毎日行く。ジムに行けない日があれば、なるべく休みは連続させない。2日空けたら次の日は絶対行こう、と思う。気持ちの問題なので、いけない日が3日4日続く時ももちろんあるのだが、その後はなるべく連続でジムに行く。

 

普通に考えれば、ジムに行く回数を増やしたら時間も手間もかかるし余計に大変だ。最初にそんなに頑張ったら続かないのではないか、と思われる方もいると思う。だが違うのである。

 

これまでは週に1回2回程度だったので、相当気合を入れてジムに行かないといけない。「よし行くぞ! いやでも今日はちょっと疲れているな」、などと言い訳や弱気が入ってしまう。週4日以上行くと、むしろ行かない日があると(または続くと)ちょっと気持ちが悪い。毎日のようにジムに行くと、行く方が当たり前になってしまう。その方が続けやすい。「ジムに行く」「筋トレをする」ことの心理的なハードルを下げた方が、スムーズに行けるのである。

 

逆に1回あたりの分量は、ちょっと物足りないかもな、くらいの分量で最初のうちは終わるようにしていた。次の予定の時間が迫っている時でも、隙間時間にジムに行くこと。とにかくできる限りの回数行くこと自体を目的にし、続けることを目指したのがよかったと思う。

 

もう1つは、結果を求めず、過程に注力することかなと思う。もちろん私も、筋トレで健康になりたい、ぜい肉をそぎ落とし、筋骨隆々の逞しい男になりたい、との思いがある。だが、筋肉は1日にしてならず。数日や数か月で結果を求めてもなかなか変わらない。

 

それよりも、毎日継続できていることへの満足感を持つのが大事と思うようになった。自分は小さな努力を毎日積み上げられる人間である、と自分で自分を認められること自体が、結構楽しい。また、しばらく続けると、同じ重さ・同じ回数でも少し余裕が出てくる。もう1回増やしてみる。重さを少し上げてみる。自分の見た目に変化がなくとも、少しずつ自分が前進している実感を得られるのは良いことだ。

 

また、記録することが継続に効いていた。私はたまにサーフィンをするのだが、サーフィンでは波に乗る前に水をかいて、波のスピードに近づかないといけない。水をかく力を強くするには腕の筋肉だけではだめで、背中の筋肉が必要だ。背中の筋トレには色々あるが、懸垂がやはり王道のようだ。ただ、筋トレを始めた当初は1回も懸垂ができなかった。1回も懸垂ができないのは何だか悔しい、なんとか10回連続でできるようになりたいと思った。筋トレを続けて2年近く経った今、6回はできるようになってきた。こうやって自分の進歩が数字で測れるのは、自分の達成感にもつながってとても嬉しいものだ。

 

もう1つ記録することについて言えば、アプリで毎回、自分が何の筋トレをしたのかを記録をつけている。次に同じトレーニングする際に、前回のトレーニングの重さや回数がわかると同じところからスタートできる。また、先週あまりジムに行けなかったな、というのもカレンダーでわかるので、今週は頑張らねば、と改めて気合を入れることができる。毎日行けていれば、「この調子で頑張ろう!」と思えるし、こうした記録を可視化して、たまに見返すのはとても有効だと思う。

 

まとめると精神的なハードルをとにかく下げることと、すぐ成果が見える数字(ジム通いの回数や何キロのダンベルを何回上げた、など)を記録して見返すこと、がこうして筋トレを習慣にすることができた理由ではないかと思う。その分他のことに割く時間は減るわけなので、他にやりたいこと・やるべきこととの兼ね合いを考えていく必要はある。だが、何をするにも健康第一だから、せっかく作った習慣は続けていきたいと思っている。もしあなたが何かを続けてみたくて、それが難しいと思っているなら、参考になれば幸いだ。

 

 

 


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