メディアグランプリ

やはり俺のコロナ禍青春は間違っている


 

 

 

 

*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事:相原一貴(26年9月ライティングゼミwith AI)

 

*この物語はフィクションであってほしいノンフィクションです

 

2021年4月。待ちに待った高校生活が…………始まらなかった。

 

この頃、世間中を騒がせた新型コロナウイルスが大流行した。当時15歳の私にとって、中学校卒業、並びに高校生活のはじまりという人生にとってもそれなりにビッグなイベントが起こった時期であった。そしてこの時期というと、『青春』真っ只中だ。誰の心にもよくも悪くも多くの印象を残した時期だろう。そして私は、たぶんそれを「間違えた」。別に楽しくなかったわけでもない、学校に処分を食らったなど失敗したわけでもない、だが「間違えた」。

 

 

2021年4月。「私たち1年生は! 期待と希望を胸に、入学!」できなかった。

まぁ入学自体はできたのだが、学校に行けなかった。前述した通り、時はコロナ禍。某東京都知事K氏の「3密」なんて言葉が流行った時代だ。

『密閉! 密集! 密接! 』

「学校さんは優秀ですねぇ~。全て満たしちゃった。」

そんなことで私たちは入学式を含め、全てがオンラインになったのだ。しかも6月まで。長い。ギリ入学はできたとはいえ、青春真っ盛りの男にとっての始め2カ月の損失はかなり大きい。我が校での新たなる出会いのオンパレードが引きこもりのオンパレードになってしまった。

まあでも、なんだかんだ慣れてしまうのが人間というもので、オンライン授業は寂しさこそあれど、面白かった。画面に映る40人のクラスメイトを精一杯覚えた。背景が全て本棚のインテリオーラビンビンの女子にビビっていたのもいい思い出だ(後にお父さんの部屋だったと判明)。また、父の会社でもリモートワークが進み、仕事環境のことから広い祖父母の家によく行っていた。私もただ家にいるのもあれなのでほぼ毎日ついていき、祖父母の家でオンライン授業を受けるようになった。

そんな生活が始まって3日目。

「いつき(私)。ちょっと手伝ってくれないか。」祖父がそう言ってきた。

祖父は畑や竹林を保有しており、その関連だった。もちろん断る理由もなく手伝った。内容は薪割り。これがかなり楽しかった。薪がきれいに2つに折れたときの快感、音といったらたまらない。外出できないストレスをぶつけるかのように、私は斧を力いっぱい振り下ろしまくった。結果的にその日は100個以上の薪を割ったと思う。祖父も大変喜んでくれた。

「また明日も手伝い頼むよ。」

「もちろん!」

私はノリノリだった。

 

次の日は切り終わった竹を運ぶという仕事だった。全長3m、重さ15キロ近くの竹を運ぶという仕事は、85歳の祖父には流石にキツイようで、私が任命された。ノリノリの私は無敵だ。約30本の竹をものの30分で運びきってしまった。祖父もドン引きのペースだったのか、「もう終わったの!?」×3を頂いた。当然次の仕事も考えていなかったようで、アドレナリンが出まくっている私は、その後祖母と共に夕飯まで雑草抜きをした。この日も祖父母は大変喜んでくれていた。

 

祖父母に喜んでもらえるのが嬉しいこともあり、こんな調子で祖父母の家にいる際は毎日一心不乱に働いた。たまにくれるお小遣いもモチベーションになり、なかなか満足していた。

 

そんなある日、相変わらず頼まれた家の前の草刈りを終え、竹ほうきと熊手で刈った草を集めていると、マスクをした若い男女2人が通った。首元のバッジにはH高校と書いてある。

「こんにちは~。」

私は優しく挨拶をした。

「こんにちは。」

向こうも返してくれた。

 

近所の人とこうしてあいさつをするのは気持ちがいい。なにより最近の若い子がこうして声を出して挨拶をしてくれることはあまりないかもしれない。私は朗らかな気持ちになった。

 

 

「ん?」

「あれ? 俺って高校生じゃね?」

 

視線の先には制服を着た若く生気に満ち溢れた高校生男女が、家の前には、頭にタオル、手には竹ぼうき、全身青のつなぎを着た私。そして朗らかな気持ち…。

 

 

 

 

「老後か!!!!!!!!」

 

 

もう恰好と思考が高校生の原型をとどめていなかった。田舎おじいちゃんの出来上がりである。

4月から1カ月で、一方は高校に行けるようになり、制約はあれど華の高校生活。おまけに男女で下校。一方は『田舎おじいちゃん』。

「違う、違いすぎる。僕は何を間違えたんだぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

頭の上でリスの高らかな笑い声が聞こえた。

 

 

 

だいぶ落ち込んだわけなのだが、6月になれば高校は始まる。いくら今田舎おじいちゃんであったとしても、環境が変わればこっちのものだ。キラキラ高校生になってやる!! 

初登校を心待ちにして、草を集めまくった。

 

 

 

 

 

初登校日

「はい、それでは全校集会を始めます。」

「まず、初めに般若心経をお唱えします。みなさん起立」

 

ぽく、ぽく、ぽく(木魚の音)

「まかぁ~はんにゃーはーらーみったーしんーーきょぉぉぉぉぉぉ~」

 

 

 

終わった……。

 

 

仏教校やん。

高校選択から間違えた。

 

《終わり》

 

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