波佐見焼物語
ドイツ人の妻である綿島ミリアムさんと、熊本出身の夫である綿島健一郎さんが器づくりをしているのは、「長崎県東彼杵郡波佐見町」という、人口約15,000人の、長崎県では唯一の海なし町である。
そんな波佐見町で陶芸家として活動している綿島夫妻が、2人の工房「studiowani(スタジオワニ)」を構えたのは、わずか3年半ほど前の2017年9月だ。
元々、イタリアンレストランで料理人をしていた健一郎さんと、ドイツの美術大学でプロダクトデザインを学んでいたミリアムさんが、違う分野から、どんなきっかけで器づくりの道へと進むことになったのか? なぜ、陶芸の場所として、出身地ではない「波佐見」を選んだのか?
自然豊かな町で育まれた400年の歴史のある波佐見焼という伝統工芸の中で、独自の道を切り開いていく夫妻の姿を追ってみたい。