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ママ起業のリアル

第17章 起業塾ってどんなところ?〜入るべき?やめておくべき?《ママ起業のリアル》


2020/12/21/公開
記事:ギール 里映(READING LIFE編集部公認ライター)
 
 
「まずは自分でやってみます」
 
起業をするときに、まずは自分でいう方がいます。これは起業塾などに入らずに、自分一人でできることから少しずつやってみます、という意味になるのですが、果たしてこれは、良い方法なのでしょうか。
 
私は起業したとき、まず起業塾に入りました。いわゆる高額起業塾という分類に入るもので、ものすごくドキドキしながらお金を払って参加しました。
 
起業のきっかけや理由はいろいろです。生活のために仕方なく、というよりも、いまの状態よりももっと稼ぎたい、稼げるようになりたいというのがほとんどのケースです。正社員や派遣社員などの定収入が別にある場合もありますし、アルバイトやアウトソースなどの不定期収入がある場合もあります。どちらにせよ、今ある稼ぎよりも増やしたい、または収入の柱を増やしたいと思うママたちが、起業を志ざします。
 
収入を増やしたいので、まずは支出はしたくないと考えます。なるべくお金をかけずに何かをスタートしたい。そのため大きな支出を伴う起業、例えば物件を借りて店舗経営とか、たくさん仕入れて物販とか、そういうリスクを伴う起業を志す人は少数派で、どちらかといえば講師業や先生業、またはハンドメイド業やデザインやライティングなどの専門性の高い仕事で起業をしたいと考える人たちが、ママ起業には多いように感じます。
 
そのような場合に、起業塾に入る人と、入らない人がいます。私は起業塾に入ったことで学び実践して成果につなげることができましたが、果たして起業塾に行かない人は、成果につながっているのでしょうか。
 
 

起業塾は必要?不必要?


答えは、ほぼノーです。起業塾に行かなくてうまく行った人を、私は一人もみたことがありません。うまく行っている人はすべて、何らかの形で起業塾に行くか、ビジネスの師匠と呼ばれる存在がいます。コンサルタントやプロデューサーの場合もあります。とにかく誰かからきちんと学び、その学びを実践しているママたちは、うまく行く確率があがります。
 
「自分でやってみます」という人たちの多くは、何年たっても現状が変わらず、しばらくたって諦めてしまう場合も多い。起業していて辛いのは、なかなか成果につながらないことです。少しでも売り上げという成果につながらないと、自分が今やっていることが正しいのかどうかもわからなくなりますし、また稼げていない自分に対して嫌悪感や脱力感を感じたりもします。そうなることで起業そのものを諦めてしまい、またもとの生活に戻る人もたくさんいます。
 
それが悪い、と言っているわけではありません。
起業は万人に向いているわけではないので、違うと思ったら止めるのも一つの選択肢でしょう。しかしその判断は、本当に正しいのかどうか。これは実は、自分一人でやっていては絶対に見えてこないものです。
 
せっかく思いがあって始める起業ですから、その思いをなんとか叶えていただきたい。お勤めして労働の対価としての収入を得るのではなく、自分で仕事=価値を作り出し、その価値の対価としての報酬を成果として受け取るというライフスタイルを選択するわけですから、はじめに少しうまくいかないだけでやめてしまうのはもったいない。今うまくいかないのは、果たして自分が起業に向いていないからなのか、と言ったら、ほとんどの場合はそうではありません。
 
ママたちは、実は高度なスキルや能力を持っていることが多いのです。
そもそも結婚前、出産前は大きな会社でバリバリと仕事をこなしていたキャリアウーマンだったかもしれない。男性も顔負けの営業をしていたかも知れないし、また事務処理能力があり、バックヤードの要だったかも知れない。専門性の高い仕事をして周りから大きな信頼を得ていた立場かもしれない。そのようなハイレベルなスキルを持ったママたちが、結婚・出産という理由で職場を離れ、家庭の仕事に従事しているケースは決して少なくありません。スキルがありやる気もあるから起業という働きかたに興味を持つわけで、そういう人たちが起業したとき、やはりその場でも成果につながりやすいと言えるのです。
 
しかし一般には、起業でうまくいく確率は決して高くはありません。
軽い気持ちで計画性もなく、なんとなく始める起業はそもそもうまくいきませんが、上記のママたちのように頭もよく、ハイレベルのスキルや能力を持ったママたちの起業がうまくいかないとすれば、それはもしかしたら「まずは自分でやってみる」というやり方が関係するのかもしれません。
 
起業でうまくいくママたちは、必ず何らかの起業塾やコンサルティングを受けています。うまくいかない人たちの多くは、まずは自分でやってみようとします。起業塾は多くの場合、数十万円からときには百万円を超える金額だったりしますから、稼ぎを増やしたいというママたちにとっては避けたい出費です。OLのお給料1ヶ月分以上の金額を注ぎ込んで入るとなると、かなりの勇気が必要になります。そのためまずは自分で、となるわけですが、「自己流は事故流」とも言われるように、まず自分でやってみるという人たちの多くは、うまくいかずに諦めていきます。
 
果たして起業塾は、本当に必要なのでしょうか。
起業塾に入るメリット、デメリットを考えてみます。
 
 

起業塾のメリット1 やり方がわかる


何にでもやり方というものがあります。やり方を知らずしては何もできないわけですから、やり方を学ぶことはとても大事です。サッカーもルールやボールの扱い方がわからなければプレーできないのと同じように、起業もルールやツールの使い方がわからなければ、うまくいきません。
 
起業塾では、一つのやり方を教えてくれます。
どんなことを教えてくれるのかは様々ですが、多くの場合は体系立てたやり方で、再現性のある方法を教えてくれます。つまり教えてくれるとおりにやればうまくいく、というもので、にわかには信じられないかも知れませんが、その方法を愚直にやることで、うまくいく人が続出します。
 
再現性があるということが重要で、主宰者がやればうまくいくけれどそれ以外の人がやってもうまくいかない、というのであれば意味がありません。もちろん、人によって成果の出方はいろいろですが、基本的に誰がやっても、そこそこうまくいくやり方を教えてくれるというのが、起業塾の一番のメリットです。
 
 

起業塾のメリット2 人のご縁が広がる


起業塾には、主宰者をはじめ、そこに集まるメンバーがいます。自分と同じように起業を志し、学び実践しようとする人たちが集まるわけで、そういう人たちとのご縁ができることは、大きなプラスになります。
 
プラスの要素は色々とありますが、大きくは以下の3つです。
 
1つは、自分の意識が変わること。
起業でうまくいくには、起業家の考え方や習慣を身に付けることが必要です。しかしもしこれまでの自分の環境に、起業を知らない人たちしかいなかったらどうでしょう。公務員の家庭には公務員の当たり前がありますし、またサラリーマンの家庭にはサラリーマンの当たり前があります。しかし起業家の当たり前は、起業家にしかないものなので、そういう人が身の回りにいないのであれば、なかなか起業はうまくいきません。
 
何かをやりたいと思っても、「そんなこと無理でしょ」という人たちの中にいるのと、「面白そうだね、やってみようよ」という人たちの中にいるのでは、結果はまったく違うものになります。できるかできないかは、やってみないとわかりません。しかし起業家ではない人たちは、失敗を恐れたり、最初から無理だと言ってみたり、いわゆるドリームキラーになる可能性がとても高いものです。そのような環境で孤軍奮闘していても、辛いばかりか心が折れてしまいます。そのため自分の周りには、少なくとも何人かは自分の活動を応援し、肯定的に捉えてくれる人の存在が必要です。
 
2つめは、意見やアイデアを交換できること。
 
物事をうまくいかせるには、いいアイデアや方法を知ることが必要です。
起業塾で主宰者から学ぶやり方はもちろん大切ですが、それをどのようにやるか、が実はもっと重要になります。というのも、一つのやり方でもその解釈の仕方は、やってみる人の数だけ存在しますし、その中で自分がどのようにやればいいのかは、自分で決めるしかありません。そのとき、周りの、同じような志の、同じようなキャリアの人たちがどんなふうにやるのかを知ることは、大きなヒントになります。そういう環境は人が多く集まる起業塾だからこそ手に入るものです。
 
起業でうまくいくための秘訣の一つとして、うまく行った事例をモデリングすること、というのがあります。起業塾で教えてもらったやり方を、なかなか自分がうまく消化してやり切ることができないときに、仲間のやり方を真似ることでうまくいくことがよくあります。
 
うまくいった体験をシェアして切磋琢磨できる環境があることは、起業を成功させるために必要不可欠な要素です。
 
3つめは、応援しあえる仲間がいることです。
 
起業初期はとくに、応援してくれる存在が必要不可欠です。この場合の応援とは、告知や集客を協力してくれたり、紹介してくれたりするサポートのことを言います。例えば飲食店を開業するときなどでも、まずは家族や知り合いの方に来てもらい、食べてもらってから、その人たちが紹介をしてくれたり、おいしかったよ、と広めてくれたりします。これは起業でも同じことで、最初にやはり、景気付けやご祝儀として買ってくれることも大事ですし、またその方達が自然と紹介してくれたり応援してくれたりすることが、うまくいくためには不可欠です。
 
まずは身内や近しい人が応援してくれないようなビジネスは、なかなか一般にも受け入れてもらいにくい。身内だから贔屓目にみているので、応援してくれても仕方ない、という意見もありますが、まずは身内からでも応援してもらったほうがいい。人は、自分が応援してもらえていると感じると俄然力が出るものです。認められているという感覚で自分の承認欲求が満たされると、大きな力を発揮していきます。そのためにも、身内贔屓でもいいから自分を認め応援してくれる人がいることは、起業初期のマインドセットのために大きな役割を果たします。
 
起業塾に参加することは、やり方や方法を学ぶこと以上に、応援しあえる仲間ができることが1番のメリットなのかも知れません。
 
 

起業塾のデメリットその1〜やっぱり高額!


次に、起業塾のデメリットについてもお伝えしておきます。
何事にも陰陽があるように、起業塾にもメリットとデメリットがあります。
 
まず1番のデメリットはコストでしょう。
無料で学べるというものはありませんから、参加するにはお金という代償を支払う必要があります。
 
昨今の起業ブームで、起業塾は高額化する傾向にあります。
期間も数ヶ月から1年、金額は数十万円から百万円台までさまざまですが、往々にして「うっ」とボディブローを喰らうぐらいの金額を支払う必要があります。
 
成果がでるかどうか、自分にできるかどうかがわからないなかでの大きな支出となるので、それを出せないと判断する人も多いでしょう。またその金額を出すのであれば、自分でまずはやってみようという発想になるのかも知れませんが、結果として回り道をして、最後には起業塾に参加するというケースも多く見られます。その結果、時間もお金も余分にかかってしまっていることも少なくありません。
 
 

起業塾のデメリットその2〜時間が取られる?


また、もう一つのデメリットは時間が取られるということでしょう。
取られる、という表現は正しくないのかもしれません。というのも、何かを始めてモノにしようと思うなら、そこそこの時間と労力は必ずかけなければならないからです。労力なくして成果なし。ですから起業塾に時間を取られるというのは、表現としては正しくないのかも知れません。
 
しかし、確かに時間は取られます。
これまでにやったことのないことをたくさん「やらされ」ますし、慣れないことを始めるのでやたらめったら時間がかかる。そのため、時間が取られると感じてしまうことがあるのです。
 
ママが起業をする場合に、必ず通る問題が家族や子どもとの時間です。仕事をする時間が増えることで家族との時間が減り、そのことで家族や子どもに対して罪悪感を抱え、時間を「取られている」と感じてしまう。事実としては自分の選択で起業をしているので、時間を取られているのではありませんが、家族との時間が減っていくにしたがって、その不安や罪悪感を誰かのせいにしたくて、それを参加している起業塾のせいにするパターンがあるのかも知れません。
 
起業塾に参加したものの、思うように時間を使えず、作業が進まず、不安や解らなさのなかで混乱し、やっぱりやめればよかったとか、ここは違うとか、ネガティブな感情がわきあがってきて、結果として起業塾が無駄だったという言葉を与える場合があります。
 
果たして本当に、起業塾は無駄だったのでしょうか。
 
 

結局は自分がどんな世界を見ているか


世界は自分が与えた言葉のようになります。
自分が無駄と言えばそれは無駄になるし、自分が価値があると言えばそれは価値があるものになる。ものの価値を決めるのは自分です。うまくいかないからといって、それを周りのせいにし続けている以上、絶対に成功はありません。
 
うまくいくことも、うまくいかないことも、全ては貴重な経験です。成功には失敗がつきものですし、陰陽等価交換ですから、失敗すればするほど成功する確率があがる。そう思えば失敗なんて何もないし、全てが成功するために起こるべくして起こった経験でしかありません。
 
起業塾という存在は、そういう起業に向き合うマインドを確認するための、ある意味踏み絵のような存在なのかもしれません。怖くて踏めないと後退りするのか、勇気をもって一歩を踏み出すのか。どちらが成功するかと言えば、答えは明らかのような気がします。
 
 
 
《第18章に続く》
 
 


頑張るママのお助けレシピ

やる気が育つ! さつまいももち
<材料>作りやすい量
さつまいも 2こ(300グラム程度)
葛粉 大さじ5
てんさい糖 大さじ1
菜種油 小さじ1

タレ
醤油 大さじ1
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
メープルシロップ 大さじ1
 
1 さつまいもは柔らかくなるまで蒸して、皮をむく。

2 1を潰して葛粉、てんさい糖を加えて混ぜ合わせる。

3 2を6等分して丸める。少し平たく成形して、お餅のような形にする。

4 フライパンに菜種油を熱し、3を焼く。両面に少し焦げ目がつくぐらいが美味しいです。

5 焼けたら取り出し、そのフライパンにタレの材料を入れてさっと沸騰させる。

6 4を5に戻してタレを絡めてできあがり。

* さつまいもを使った簡単おやつです。ママの仕事中の夜食にも、子どものおやつにもおすすめです。

* さつまいもは黄色く甘い食材で、「やる気」を作り出してくれます。旬の季節には箱買いしておくと、さまざまな料理やお菓子作りに使えて便利です。

* さつまいもの食物繊維はお腹の調子を整え、すっきりさせてくれます。そのおかげで思考力もアップ!美容にもよい食材です。
 
*わかめは、生わかめが出回る冬(1月〜3月ごろ)が旬です。季節のものはその時期のエネルギーをたくさんもっているので、旬のエネルギーをたくさんいただくことで、体の生命力を支えていきます。

❏ライタープロフィール
ギール 里映(READING LIFE 編集部公認ライター)

食べかた研究家。京都の老舗料亭3代目として生まれ、現在は東京でイギリス人の夫、息子と3人ぐらし。食べることが好き、が仕事になり、2015年にゼロから起業。現職は食べるトレーニングキッズアカデミー協会の代表を勤める。2019年には書籍「1日5分!子どもの能力を引き出す!最強の食事」、「子どもの才能を引き出す!2ステップレシピ」を出版。

この記事は、「ライティング・ゼミ」の受講生が書いてます。 ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2020-12-21 | Posted in ママ起業のリアル

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