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それ、ただの材料不足です 〜2020年あなたの不調解消元年〜《週刊READING LIFE Vol.63 2020年に読むべきBOOK LIST》


記事:伊藤千里(READING LIFE 編集部ライターズ倶楽部)
 
 

「人間にはそれぞれ個体差がある」ということをご存知だろうか?
 
「個人差」ではない、個「体」差である。
 
そんなこと今さら言われるまでもないと思われるかもしれないし、「個体差」だなんて人間は実験動物じゃないんだぞとお叱りを受けるかもしれない。
 
しかし「個体差」の例は、まわりを見回せばゴマンとある。
ほとんど同じものを食べて生活してきたるのに、還暦を迎えた夫は白内障になる一方、妻は視力が2.0のままだったりする。花粉症の兄は毎年地獄の苦しみを味わうが、弟はマスクもメガネもせず杉林にもびくともしない。ヘビースモーカーだったじいちゃんは100歳でピンピンコロリ、でも「肺ガンにならないように」と一日のタバコの本数を制限していた知人は若くして亡くなった。
そんな「個体差」を目にしたことがある人は少なくないはずだ。
 
私たちには「個体差」がある。
それなのに、「○○食べるだけダイエット」とか「○○で健康になれる」などと言われるとみんなそれに飛びついてしまう。個体差があるのに、その○○が「私にも有効」だとどうして言えるのだろう。もちろん、その○○が有効な人がいて、その体験が本やテレビで紹介され話題になっているのだと思う。でも、その○○はあなたに効果があっただろうか?
 
みんながやっているから、流行っているから、オーガニックだから、テレビで紹介されていたから、医者が言ってたから……そんなのは「あなたにも」効果があるという理由になってない。その証拠に「○○」はいつも現れてはすぐ消えていく。テレビで「納豆がいい」と紹介された翌日、スーパーから納豆が消え、しばらくするといつものようにスーパーの棚に並んでいた……なんてこと、昔ありましたよね。
 
でも「○○がいい!」と言われたら飛びついてしまう気持ち、私にはすごくわかる。というか、私は○○にソッコーで飛びついてしまうタイプである。レアル・マドリードもびっくりするほどのソッコーっぷりである。
だって私も、○○で痩せたいし、キレイになりたいし、病気を予防したいし、アンチエイジングしたいし、それから、貧血や肩こりなんかの「なんとなくの不調」だって治せるものなら治したい。私は毎日を健康で元気に生きたいのである。
 
しかし残念なことに、私たちには「個体差」があるのだ。
だから2020年からは、もう「○○がいい!」に振り回されるの、やめません?
○○に振り回されないためには、もっと根本的で正確な情報を深く勉強する必要がある。とはいえ、これだけ健康の本が出回っているのだし、どこから手をつけていいのやら、というか、忙しくて情報を選んでいる時間なんてないない……という人もいるだろう。
 
そういう人はぜひ、この一言を聞いてほしい。
 
「あなたのその不調は、ただの材料不足です」
 
私たちには個体差がある。その個体差に基づいて「材料不足」を補えば、あなたが悩まされている様々な不調、例えば、高血圧、花粉症、痛風、白内障、肩こり、腰痛、不眠症、貧血……を解決でき、さらにアンチエイジングにだって効果があるかもしれない。
これから、そんな「材料不足」について書かれた本を紹介しよう。

 

 

 

この本の筆者は、東京大学理学部物理学科を卒業した科学者で、生前いろいろな大学の教授もつとめた人物である。退官後は講義・執筆活動に加え、なんと95歳で亡くなる直前までスキーを楽しんでいたという、まさに「生涯現役」を全うした人物である。
筆者は60歳のとき医者から白内障と宣告され、あと2~3年で失明すると言われた。「見えなくなったらまた来てください」と悲しい顔で医者から送り出された筆者は、『黙って目が見えなくなるのを待っていられないので、自分でなおすことにした』のだそうだ。
 
筆者が注目したのは「栄養」であった。
いうまでもないが、人間の身体は食べたもの、つまり外部から摂取した栄養でできている。
 
『文献によれば、白内障の原因はビタミンC不足だとある。けれども、何十年と同じ食事をし、同じ量のビタミンを摂っているはずの妻は、白内障にはかからなかった。それはなぜか。私が白内障になったのは、自分の眼球が他の人より余計にビタミンCを必要としているからではないか。それが不足していたから、眼球がダメージを受けたのではないか。だとすると、これから浴びるほどビタミンCを摂取していけば、完璧には治癒しなくても、白内障の進行を食いとめられる。少なくとも、完全な失明は避けられる可能性が高い』
 
かくして筆者は浴びるほどのビタミンCを注射した。その結果、95歳で亡くなる直前まで執筆活動をしスキーも楽しんだ。あと2、3年で見えなくなると言われた目は、その後35年間本来の役割を果たし続けたのである。
 
さて、ここで筆者が言いたいのは「白内障にはビタミンCがいい!」ということではない。
この本のキモは、白内障だけでなくいろいろな体調不良の原因が「もしかして材料不足ではないか?」というところにある。
 
当たり前のことだが、人間はひとりひとり違う。そして、その違いを作り出しているもののひとつは「遺伝子」である。まったく同じ遺伝子を持っているのは一卵性双生児だけであり、それ以外に自分と同じ遺伝子を持つ人はいない。私の遺伝子は、母とも父とも兄とも違う。
 
遺伝子、つまり「DNA」とは簡単にいうと生命の「設計図」である。人間の体はDNAという設計図に従ってつくられているのである。
私と同じDNAを持つ人はいない、つまり、ひとりひとり持っている「設計図」が違う。だから各々の設計図が必要としている「材料」が人によって違うというのはある意味当然のことではないだろうか。
 
それなのに、この設計図の違いはかなり無視されている。
例えば「成人女性に必要なタンパク質は1日○g」だとか「野菜は1日○gとりましょう」なんていう人がいる。こんなのは、みんな同じ設計図を持っているという前提の上にたった考え方にすぎない。持っている設計図がひとりひとり違い、それに伴って必要とされる材料、つまり栄養の量だって違うのに、「1日○g」なんてどうして決められるのだろう。
 
筆者はこんな考えに基づき「分子栄養学」という学問を創設した。
 
『分子栄養学は「個体差の栄養学」である。遺伝的な弱点は人によって千差万別だから、どんな栄養をどれだけ摂取するべきかは人によってまちまちである』
 
『人間を物体として捉えたとき、その物体の性質にもとづいた材料を補給すれば、病気(故障したところ)は良くなる』
 
こう考えると同じものを食べていて、同じ環境にいるのに、人によって感じる不調やかかる病気が違うのも納得がいく。
 
例えば、痛風。
飲み会でビールを浴びるほど飲んでいるのに痛風にならない人をみると、痛風の人は「なんで……」と不公平感を感じるだろう。それから尿酸値が高いのにもかかわらず痛風にならない人、あなたのまわりにいないだろうか?
その違いは、「あの材料」が不足しているからである。
 
日本人に多い、高血圧。
高血圧の治療といえば「塩分を控えめ」と医者から口すっぱく言われるが、それならば、ほとんど同じものを食べている妻はなぜ高血圧に悩まされないのだろうか。高血圧の家系だから……という諦めも、分子栄養学で解決できるかもしれない。
高血圧のあなたには、「あの材料」が不足している。
 
花粉症になる人とならない人の違いはなんなのか。
同じ量の花粉を浴びているはずなのに、隣のアイツはなぜ平気な顔をしているのだろう。花粉症の薬で頭がぼーっとするたびにそう思う人はいないだろうか。
あなたの設計図によると、「あの材料」が全く足りていないらしい。
 
それから、肩こり。
これは私自身の経験なのだが、私は小学生のときからひどい肩こりに悩まされていた。マッサージや整体に通ってもみたし、肩の筋肉を鍛えたり、ストレッチをひたすらやっていたこともある。
それなのに、どうみても猫背で姿勢が悪い私の同僚は、生まれてこのかた一度も肩こりを経験したことがないという。
なんだそれ! うらやましすぎるだろ! この違いはなんなんだ!?
その違いは、やっぱり材料不足だった。
私は必要な材料を補って、15年以上悩まされた肩こりとさよならした。
 
私たちの人間の身体は食べたもの、つまり外部から摂取した栄養でできている。個々の設計図に基づいて必要とされる材料、つまり栄養をちゃんと補うことができればいろいろな不調は改善されていく。

 

 

 

ところで、材料が足りないとき私たちの身体はどうするか。
 
最近よく聞く「少食が身体にいい」とか「断食」とか「ファスティング」。もちろんこれらが身体もたらす「いいこと」もたくさんあるのだろうが、ちょっと聞いてほしい。
設計図に必要な材料が足りない場合、人間の身体は「古い材料を使い回す」のだ。
 
ご存知のとおり、人間は小さな細胞が集まってできている。「ターンオーバー」という言葉を聞いたことはあると思うが、例えば、皮膚の細胞は約4週間で新しいものと古いものが入れ替わっている。皮膚だけでなく身体中の細胞は常に新しいものに作り替えられている。
この作り替えを行うときはもちろん「設計図」に従って行われるのだが、その材料となるのは、食べ物から摂取した栄養だったり、体内で作った物質だったりする。
 
では、少食や断食で材料が不足したらどうだろう。もちろん「材料が足りなくて死ぬ……」ということがないように、人間の身体は非常にうまくできている。実は材料が足りないとき、人間の体内では「リサイクル」が行なわれている。つまり新品の材料が入ってこないので、とりあえず今ある物質を再利用するのである。
 
「ああ、よかった。再利用! 私の身体、天才か!」と思うのはちょっと待ってほしい。
誰にでも覚えがあると思うのだが、中古屋で購入したものに傷がついていたり、汚れていたことはないだろうか。中古本に手垢がついていたり、曲がっていたり、いらない書き込みがあったことはないだろうか。
外から栄養が入ってこず新しい材料が足りないとき、賢い私たちの身体は「今ある古い素材」でなんとかしようとしてくれる。でも、それは所詮リサイクルにすぎない。古い材料を使いまわした結果は、あなたが中古で買ったものに感じた残念感と同じである。

 

 

 

さてここまで言えば2020年、「材料不足」を解消したくなってきただろう。
 
三石巌 著
『医学常識はウソだらけ -分子生物学が明かす「生命の法則」-』
 
この本には、材料不足とその解消法のことが書いてある。
なかなか刺激的なタイトルの本なので勘違いしないでほしいのだが、ただ医者にケンカをうっている本ではない。
 
『私は本書で、いたずらに医学不信を煽るつもりはない。しかし、医学や医者を無条件に信じることはやめたほうがいいと確信している』
 
『自分の健康は自分自身で管理するしか手はないのである。そのために何よりも必要なのは、正しい知識である』
 
筆者が95歳まで生涯現役で生きたという事実が、この本に書かれていることのなによりのエビデンスである。
 
2020年、「材料不足」と真剣に向き合って、あなたの不調を解消しませんか?
 
 
※ 『 』内は本より引用した部分です。

 
 
 
 

◽︎伊藤千里(READING LIFE 編集部ライターズ倶楽部)
1987年生まれ。同志社大学法学部卒。
中学生のときに同級生から「ブサイク」だとからかわれたことをきっかけに、「顔の造形は変えられないから、せめて肌とスタイルだけでも一生キレイに保ってやろう」と決意。以後、美肌やダイエットの情報を集めてひたすら実践。現在は、さらに発展して自他共に認める健康オタクに成長した。
両親が公務員のためか「安定、慎重、無難」がモットー。大学卒業後は警察庁に入庁するが、霞ヶ関のブラックな勤務に疲れ果て、28歳の時「世界で最もストレスフルな仕事」と呼ばれる航空管制官に転職。

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