「休みたい!」と願わない方がいい理由
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
記事:maruha(25年11月開講コース)
ある人が言っていた。
「忙しすぎて、疲れがたまってて、あーもう休みたい! 何にもしたくない! そんな風にいつも言ってる人って、病気になってる気がする」
それを聞いた瞬間、私は思わずドキッとした。
なぜなら、その言葉に身に覚えがありすぎたからだ。
その人は続けてこう言った。
「別にスピリチュアルな話じゃないんだけどね。周りでそう言ってた人が、実際に病気したり体調を崩したりすることが結構あってさ。もしかしたら、あれだけ疲れてるのに無理し続けてたら、身体が“じゃあ休ませてあげるよ”って、望まない形でブレーキをかけるのかもしれないよね」
その話を聞きながら、私は過去の自分をはっきりと思い出していた。
残業続きの仕事で心身ともに疲れ切っていた頃のことだ。朝になるたびに「仕事行きたくない! 休みたい! まだ寝ていたい!」と、半ば本気で叫びながら出勤していた時期がある。
結果はどうだったかというと、まさにその人の言う通りだった。
体調不良で仕事を辞めることになったのだ。
その時は「しばらく休めば回復して、また動けるようになるだろう」と軽く考えていた。ところが現実は甘くなく、次から次へと別の不調が現れ、気づけば長い間ほとんど動けない状態になっていた。
今思えば、あれは身体からの明確なメッセージだったのだと思う。
「何もしたくないって、あんなに言ってたよね?」
「ちゃんと叶えてあげたよ?」
そんな皮肉交じりの声が聞こえてくるようだった。
だから、「休みたい! と言いながら無理してる人は不調になりやすい気がする」という話を聞いた時、私は「それ、あながち的外れじゃない」と素直に思った。
あの頃の私は、疲れた身体は全力でブレーキを踏んでいるのに、「休むわけにはいかない」と、頭だけがアクセルを踏み続けていた。
止まりたい身体と、止まれない思考。
そのズレが、じわじわと私を削っていたのだと思う。
そんな話をダンナとしていた時、もう一つ大きな気づきがあった。
ダンナは私以上に激務で、客観的に見ればよほどしんどいはずなのに、あまり体調を崩さない。もともと丈夫だから、で片づけることもできるけれど、よくよく思い返してみると、彼の口癖には決定的な違いがあった。
「あー疲れた! 一カ月くらい休み取って、思いっきり旅行したい!」
「海外行きたいなあ」
私はただ「休みたい」「何もしたくない」と言っていただけなのに、彼は「旅行に行きたい」「海外に行きたい」と、具体的なゴールを言っていたのだ。
ここでハッとした。
私の望みのゴールは「休む」ことだった。だから、病気という「コレジャナイ」形で休まされても、ある意味それは“正解”だったのかもしれない。
一方でダンナのゴールは「旅行」だった。
そのせいか現在、彼は出張が増えたり移動の多い仕事に恵まれたりと、形を変えながらも「遠くへ行く」「移動する」という欲求を満たしている。
もしかすると……
無意識に強く願っていることは、案外そのままの形ではなくても、ちゃんと叶うものなのではないか?
そう考えると、少し怖くもなった。
何を望むかを、適当に扱ってはいけないのかもしれない、と。
仕事を辞めてから、私の体調には波があった。
時間はあるはずなのに、心はどこか焦っていて、気づけば細々と用事を詰め込み、1日が雑事で終わってしまい、結局疲れてしまう。そしてまた体調を崩す。
これ、前と同じことを繰り返していないか?
そう思った時、自分はいまだに「具体的にどうなりたいのか」のゴールを、あまりにも考えてこなかったことに気づいた。
ダンナのように旅行や移動が好きなわけでもない。特別やりたいことも思い浮かばない。あまりに何も出てこなさすぎて、正直ちょっと焦った。
それでも、どんなにぼんやりしていても、ゴールだけは設定した方がいい気がした。
「休みたい」「何もしたくない」は、もう十分叶えられてしまった。
次は、違う方向を示してもいいのではないか。
私は筆ペンを取り、「こうなっていたい自分」を思い浮かべながら、とりあえず画用紙に大きく書いてみた。
「私は自分を大切にして、毎日元気でアクティブに遊びまわる!」
正直、友人やお客さんには見せられない。
かなり気恥ずかしいアラフィフの標語。
でも、この貼り紙を見ていると、少なくとも「休みたい」「何もしたくない」をゴールにしていた頃の自分とは、少し違う場所に立てている気がする。
今の私は、まだ完璧に回復したというわけではない。
それでも、身体に向かって「こっちに行きたい」と旗を立て、伝える言葉を持てたことで、以前よりも自分との関係はずっと穏やかになった。身体の小さな違和感にも耳を澄ませるようになり、以前のように限界まで無理をして体調を崩すことは、確実に減ってきた。
もしかしたら変化とは、劇的に何かが好転することではなく、望みの向きをほんの少し書き換えることから始まるのかもしれない。
そう思えるようになった今、私は前よりも、自分の身体と同じ方向を向いて生きている気がしている。
あなたは、疲れたから「何が」したいですか?
<終わり>
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