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週刊READING LIFE vol.46

今すぐJPOPのDJを始めませんか《 週刊READING LIFE Vol.46「今に生きる編集力」》


記事:射手座右聴き(天狼院公認ライター)
 
 

「知ってる曲が大音量でかかって何が面白いの。カラオケと何が違うの」
 
JPOPのDJ、というものはなかなか想像しにくいかもしれません。
これが意外や意外、相当盛り上がります。
かれこれ十数年、私は趣味でJPOPをかけています。
年間40回ほどDJをするうちの半分以上が日本語の曲です。
日本で一番CDが売れたと言われる90年代の曲、
00年代の曲、アイドル全盛の10年代の曲、バブル期の曲も歌謡曲も。
様々な日本の曲が今日も様々なクラブでかかっています。
 
みんなが親しみのあるJPOP、DJによって違うのだろうか。
と思う方もいるかもしれません。そうです。全然違います。
そこには、曲をつなぐだけではない、編集の力が確実に存在します。
 
JPOPでDJを始めるのは簡単です。持っている曲をUSBに入れて、
クラブに持っていけばいいのです。
CDJという機材にUSBをさせば曲を読み込んでくれます。
あとは操作するだけ。
 
でも、壁にぶち当たります。
好きな曲だけかけていても、盛り上がらない。
ということです。
自分の持ち時間を、どうテーマづけるか。そこがないとやりにくいことに、すぐに気づきます。
そう。テーマ探しが始まるのです。
 
まずやるのが、プロデューサーをテーマにすることです。
たとえば、小室哲哉さんの関連楽曲だけで選曲したとします。彼の関わったグループの曲はもちろん、
プロデュースしたアーティストの曲を選曲していけば、ある程度のまとまりを持ちつつ、幅広く選曲が
できます。これと同じように、つんくさんの関連楽曲、中田ヤスタカさんの関連楽曲などといった
テーマで選曲することもできます。
まるで、「リアルタイムで聴くプロデューサー作品集」のようなものができあがります。
 
続いて、自分と同世代に響く楽曲で固める方法。中高生の時代に流行ったドラマ、アニメ、映画、ゲームなどの曲で固めれば、同世代の人が反応しやすくなります。
 
季節で縛る方法もあります。日本に四季があるように、日本の歌にも四季があります。
春ならば、卒業や出会いをテーマにした曲だけで構成することができます。
夏の歌もたくさんありますが、これらはアップテンポだったり、レゲエやラテンのリズムを取り入れていたりすることが多く、つながりやすいし、みんなが踊りやすい、というメリットもあります。
クリスマスに至ってはいうまでもなく、たくさんの有名曲がありますね。
こういったものを選曲して、始めから終わりまで構成を考える。
「音で聴く卒業」
「音で楽しむ夏」
などという特集ができる感じです。
 
もっとこんなテーマあるんじゃない?
 
なんてアイデアが浮かんできませんか。
 
事務所単位で考える、なんて方法もあります。
たとえば、同じ事務所の男性アイドル曲ばかりを集めたらどんな風になるでしょうか。
ああ、知ってる、あったあった。なんていう風に盛り上がるかもしれません。
そうやって曲をかけている間に、意外な発見があります。
有名なアーティストがシングルだけでなく、アルバムにも曲を提供していたり。
逆に、提供した曲を作曲した本人が歌うヴァージョンがあったり。
 
この発見を選曲に入れていくことで、また編集はブラッシュアップされます。
カバー曲だけ、有名曲のヴァージョン違いだけ。なんて方法もあります。
こういうものがかかると、知らなかった人が反応してくれたりします。
盛り上がりに来た人が、発見まで持って帰ってくれたら、こんな嬉しいことはないですよね。
 
30分の持ち時間をある有名なヒット曲のカヴァーバージョンだけかけ続けたDJさんもいるそうです。
みんな飽きずにじっくり聴き比べたというのがツイートから流れてきました。
 
ひとつのテーマを考えても、それでずっと通用はしません。
何故ならば、日々、曲は増え、時代は変わっているからです。時事ネタも大切です。
まるごとテーマにはなりませんが、小ネタとしてはさんでいくことはできます。
リバイバルの映画が公開されるとなれば、昔の曲やその周辺をテーマにしても反応するでしょう。
誰かが結婚すれば、その方の曲をかけるということもあります。
新しいドラマが始まれば、その主題歌をかけるのもありでしょうし、
アニソンのイベントでは、「今期始まったアニメ特集」なんていう選曲もよくあります。
何かスキャンダルに見舞われたアーティストだけで選曲すると見えてくるものがあるかもしれません。
年末のDJならば、こういった時事ネタで1年を振り返るDJというのもできるのです。
そう。リアルタイムで進行していく、音楽雑誌のようなものになりますし、
まるで、ワイドショーや週刊誌のようなDJをすることだってできます。
 
下世話な話が続きましたが、音楽のジャンルでテーマにすることもできます。
JAZZに近いJPOP、ディスコソングのJPOP、ロックに近い演歌、
などなどちょっとひねりのある選曲だと、
お客さんもたくさんの発見を持って帰ることができます。
 
テーマだけでも様々な可能性があるJPOPのDJ。
 
展開にこだわれば、さらに魅力的な持ち時間にすることができます。
最初、ゆっくりした曲から始まって、丁寧に積み上げていくのか。
意外性のある曲から入って、テーマのネタを最後に明かすのか。
展開の仕方も様々な方法があります。
歌詞を使って、文章を紡ぐように構成することだって、不可能ではありません。
 
もちろん、ほかのジャンルでも同じようなことはできます。
ただ、多くの人が共通の知識を持っているのがJPOPということなのです
誰もがわかる音楽、誰もが背景を知っている音楽で
わかりやすくストーリーを編集することができます。
曲や曲調だけでなく、アーティスト、プロデューサー、年代、など様々なタグを使って
聴く人に様々な発見を伝えることができます。
 
自分だけのプレイリストを作ったことのある人は多いでしょう。
でも、そのプレイリストを人に聴いてもらうことで
もっともっと広げることができる。
さらに自分で発見したことを、人に楽しみや発見をしてもらうことができる。
リアルタイムで、そんな編集作業をしていくのがJPOPのDJの楽しみなのかもしれません。
 
「もっといい選曲を思いついたよ!」
というあなた。
 
自分の知っている音楽をスタートに
曲と曲をつないでストーリーを作っていくJPOPのDJ
あなたも音の編集、始めてみませんか。
今すぐ、新しいプレイリストを作るところから。

 
 
 
 

◻︎ライタープロフィール
射手座右聴き (天狼院公認ライター)

東京生まれ静岡育ち。バツイチ独身。大学卒業後、広告会社でCM制作に携わる。40代半ばで、フリーのクリエイティブディレクターに。退職時のキャリア相談をきっかけに、中高年男性の人生転換期に大きな関心を持つ。本業の合間に、1時間1000円で自分を貸し出す「おっさんレンタル」に登録。4年で300人ほどの相談や依頼を受ける。同じ時期に、某有名WEBライターのイベントでのDJをきっかけにWEBライティングに興味を持ち、天狼院書店ライティングゼミの門を叩く。「人生100年時代の折り返し地点をどう生きるか」「普通のおっさんが、世間から疎まれずに生きていくにはどうするか」 をメインテーマに楽しく元気の出るライティングを志す。天狼院公認ライター。
メディア出演:スマステーション(2015年),スーパーJチャンネル, BBCラジオ(2016年)におっさんレンタルメンバー
として出演

 
 
 
 
http://tenro-in.com/zemi/86808

 


2019-08-20 | Posted in 週刊READING LIFE vol.46

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