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週刊READING LIFE vol.68

天狼院書店のライティング・ゼミが人生を変えるのかどうかの実証実験《週刊READING LIFE Vol.68 大人のための「自由研究」》


記事:武田かおる(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 

去年の今頃の私はルー大柴だった。誰かを笑わそうとしているのではなくて天然でそうだったのだ。
 
「ピクチャー(写真)見せて」
 
「ショートカット(近道)しよう」
 
「ウォーターボトル(水筒)持った?」
 
「またレイト(遅れた)だったの?」
 
私がアメリカに移住してから10年以上が経った。これほど長い間英語圏に住んでいると、自分の意志に反してこんな風に日本語部分が英単語に無意識に置き換わってしまうのは私だけではないと思う。
 
書くことに関しても同じような事が起こった。私はヨーガ教師と整体師の仕事をしている。ブログやフェイスブックで情報を発信したり、クライアント様に日本語でメールを送ったりすることがあるのだが、最近では、大して長い文章でもないのに、書くのに時間もかかるし、助詞が間違っていたり、後から読み直したら、主語と述語の関係がおかしくなっていたりという状況が続いていた。その結果書くことが苦痛になっていった。
 
一昨年はマインドフルネスの講座を8週間受けたので、その備忘録をブログに書こうとしたところ、多くの学びがあったのにも関わらず、言葉に置き換えるのに非常に苦労した。しかも、後から読み直したらひどい文章だった。
 
話すときもそうだが、文章の言葉使いやリズムから筆者の知性や人柄が読み取れる事がある。客観的に自分の書いた文章を読んで仕事を依頼したいかと聞かれたら、私は躊躇するかもしれない。自分で言うのも何だが、それぐらい私の文章は稚拙なレベルのように思えた。
 
いい大人になって日本語が書けなくなってきていることに焦りを覚えた。ただでさえ歳のせいもあって、日本語の単語も忘れっぽくなっている。このまま母国語がまともに書けなくなったら、自分自身のアイデンティティまでも失ってしまいそうな気がして危機感を感じた。
 
そんなことが続いていた去年の8月、フェイスブックで天狼院書店の「ライティング・ゼミ」の広告が私の目に留まった。海外からは受講は無理だろうと思いながら広告をクリックしたら、インターネットが繋がる環境であれば、通信でも受講が可能と書いてある。去年の8月の時点で6000人以上が受講していて実績もあった。講義は月2回、日本時間の日曜日の夜で、アメリカの東海岸の時間では日曜日の早朝で都合がよかった。万が一、講義を受けられなくても講義を録画したものを後日配信してくれるので、いつでも都合のいい時に講義を受けることができるし、もう一度講義を復習することもできる。受講生にとってまさにオンデマンドな講義だった。
 
講師である三浦さんのゼミの広告文にも引き込まれた。こんな文章を書けるようになれたらいいなと漠然と思った。ゼミの内容もマーケティング・ライティングやストーリーなどに特化した講義もあり、自分の興味と一致していた。
 
何か習い事やコースを始めようとした時に、時間帯が合わないとか、受講地が遠いとか、授業料の支払いに海外発行のクレジットカードは使えないとか、申し込みたい気分を萎えさせる障害物的要素が発生する事は良くある。だが、「ライティング・ゼミ」においては、そんな申込みを阻害する要素が、悔しいほど全くと言ってなかった。申込みはペイパルでの受講料の支払いだけだったからだ。財布からクレジットカードを取り出す手間さえ不要だった。
 
ただ、1つ私を躊躇させたのは、翌日から講義が始まることだった。今からでも申込みが間に合うのだろうかと、私は急いでスマホを手に取り天狼院書店に国際電話を掛けた。電話に出た男性は、私の急な申込みにとても親切にきっちり対応してくれて、安心感を与えてくれた。天狼院書店の第一印象もとても良かった。
 
天狼院書店のホームページに書かれている『「本」だけでなく、その先にある「体験」までを提供する次世代型書店』という言葉にも共感した。個人レベルだが、本を読んだり映画を観たら次の行動を起こしたくなることがよくあったからだ。
 
こうして、私は「ライティング・ゼミ」を受講することになった。
 
もう一度、落ち着いて広告を見直した。
ライティング・ゼミのキャッチコピーとして「人生を変えるライティング教室」と書いてあるではないか。
 
私のライティングのスキルがこの4ヶ月の間にどこまで上達するのか、そしてどんな風に人生が変わるのか、自分を実験台としてやってみようと思った瞬間だった。

 

 

 

講義が始まって、講師の三浦さんが繰り返し言われていて印象に残ったのは、
 
「天狼院のゼミは再現性を重要視している」
 
という言葉だった。つまり、一部の人はライティング・ゼミを受けて文章力が上達するが、その他の人は上達しないという理論ではなくて、学んだことを実行すれば、誰もが同じように上達できるようになるということだ。それは、私に希望とやる気を与えてくれた。
 
第一回目の講義が終わったその翌週の始めから、毎週2000字の記事を書くという課題の提出が始まった。記事を提出するかどうかは自由だったが、編集担当の方から講評をいただけるということなので、できるだけ多くを学びたいという気持ちから、私は毎回記事を提出するという目標を自分に課した。
 
記事など書いたことのない私は、過去の掲載記事を読んだりして準備した。信じられないことに最初の課題が、Web天狼院書店 に掲載されることになった。
 
だが、それはただのビギナーズラックだった。それ以降は提出記事が合格しない週が続いた。私にとっては貴重な体験を記事にしたのに、その体験を否定されているような気がした。だんだん何を書いたらいいのかわからなくなっていった。そんなネガティブな思考は、40数年という私の送ってきた人生には記事になるような内容はなく薄っぺくつまらないものだったのだ、とさえ思わせた。
 
そんな時、ちょうどゼミの折り返し地点ぐらいのところで受けた講義では、皆が同じように悩む時期があることやどうやってそれを乗り越えるのかということまで教わった。文章の書き方だけではなく、メンタルの持ち方のフォローもあって内容の濃いゼミだと思った。
 
それからは、物事や人により好奇心を持つようになった。記事にするネタも毎日の小さな出来事や過去の出来事から見つかるようになっていった。過去を振り返り、記事にすることで自分の人生の棚卸しができたような気がした。
 
この頃から、おかしなことに、提出した記事が不合格になったら嬉しくなった。少しマゾっぽく思われるかも知れないが、理由は、編集担当の方が不合格の場合は特にどうすれば良いのか的確にアドバイスしてくださるので、翌週は指摘どおりに書き直して提出できる。だから新規で記事を書き起こすよりも少し楽な週になるからだ。もちろん記事が合格の場合も、どこが良かったのかアドバイスしていただけるが、修正すべきところを教えていただいたほうが、さらに上達するように思えた。
 
課題を提出する。講評をいただく、そして記事を書き続ける。気がついたら暑かった8月から4ヶ月間が過ぎ、季節は夏から秋へ、そして冬に移り変わっていった。
書くことが中心の生活の4ヶ月間はあっという間に過ぎていった。
 
「ライティング・ゼミ」を受ける前と後の文章力について主観的に言うとすれば、以前よりも書くことが苦痛ではなくなり苦労しなくなったと言えると思う。
 
客観的には、最後の4週間の課題がすべて合格したので、ゼミで学んだ事を踏まえた文章を書けるようになったと言えるのではないだろうか。
 
ただ、当時の私は、まだ自分の文章に自信があるかと言われるとそうではなかった。
 
最後の課題が終わった後に、初めてSNSを利用してWeb 天狼院書店に掲載された記事をシェアした。いつも天狼院書店の担当スタッフの方が「ご自身でもシェアしてくださいね」と言われるのだが、恥ずかしかったのでこれまで実行に移せていなかったのだ。
 
「目頭が熱くなりました」
 
「感動しました」
 
「文章に引き込まれました」
 
「映像を見ているように情景を想像できました」
 
こんな感想をコメント欄に続々といただいた。嬉しいと言うよりも驚きが先で、自分でも信じられなかった。だが、この第三者からの評価は、私が4ヶ月間ライティング・ゼミを受けた後に、書くことが上達したということを新たに証明し、自分でもそれを素直に受け止めていいんだと思えるきっかけとなった。また、自分の文章で人を感動させることができると知れたことは嬉しかった。
 
人生が変わったかと言うと、答えはイエスだ。
 
私はいつも嫌なことがあると結構引きずるタイプなのだが、書くことに集中したり、記事の内容や構成を考えることで気持ちが紛れてすぐ切り替えられた。また、物事を多角的により好奇心を持って見ることができるようになったし、身の上に起こる様々な出来事の中にある気づきを探したり、過去の体験と照らし合わせたりして自分の中に落とし込めるようになった。こんな風に、書くことは私の性格にも変化をもたらしてくれた。
 
また、出不精な私だったが、ネタ探しのために出かけることも増えた。出かけた先で初めてお会いし、話を伺った方に「記事にさせていただきたい」と依頼し、許可を頂いて記事を書くことも経験した。おそらく以前の私なら、「いい話を聞かせてもらった」とそれで終わったところだろうが、話を聞いて、記事にしてみたいという欲がでて、それを実行することは、以前の私にはまずありえないことだった。
物事や対人にも積極性が出てきたことは大きな変化だ。
 
また、映画の観方や本の読み方も変わった。
 
さらに、講義で学んだことは仕事でのプレゼンテーションにも活かすことができてきた。
 
こうして、ライティング・ゼミを受けた後、2000字の記事がある程度のレベルまで書けるようになり、人生も変わったと結論がでたので、ライティング・ゼミの実証実験が終了となるはずだった。
 
だが全く予期してなかったのだが、天狼院書店のスタッフの方の勧めでREADING LIFE編集部ライターズ倶楽部(上級コース)で引き続き学ぶことになった。当初ライターズ倶楽部の事もそのコースを受講するのに入試があるのも知らなかった私が、今、5000字の記事に挑戦している。8月の時点ではまったく予想していなかった展開になってしまったのだ。それならさらに、文章が下手だった私がどこまで書けるようになるのか実験を続けてみようと思った。
 
信じられないことに、READING LIFE編集部ライターズ倶楽部に入って、初回の課題記事「ただ生きるという愛情表現」と2回目の課題の記事「夢を語り続ける時、その先にあるもの」を週刊WEB READING LIFEに掲載していただき、天狼院メディア・グランプリ(記事のアクセス数を競い合う)で1位を獲得したのだ。
 
2回目のテーマでは、ラーメン店「Yume Wo Katare」の経営者である大西津世志さんの経営理念やその背景を聞いて記事を書かせていただいた。完成した記事をご本人に読んでいただいたところ、
 
「感動しました。
ここまで僕の伝えたいことを表現できた文章はなかなかないです! 」
 
と感想を教えてくださった。西岡さんの思いと言葉を理解し、自分の言葉で表現するという作業は簡単ではなく、今まで書いてきた自分中心の記事とは種類が異なっていた。だが、西岡さんからの感想を聞き、8月からコツコツと書き続けて学んでいた事が、実を結んだのだと実感することができ、自信につながっていった。
 
私にとって天狼院で書くことを学ぶことは、このように長年のコンプレックスを克服することにも関与した。
 
私はずっと何事においても自信がなくコンプレックスの塊だった。文章が書けないこともそうだった。どれだけ頑張っても、どれだけ評価をされても自信にはつながらなかった。
 
だが、記事を書き、シェアすることで、読んでくださった方々から、「勇気づけられました」、「感動しました」、「記事を読むのを楽しみにしています」というような前向きな感想をいただくと、自信につながったし、さらに書くことへの原動力になっていった。書くことで、人に良い意味での影響を与えるということ、それは、今まで私が持ち合わせていなかった、特別な力のように思えた。

 

 

 

まだまだ、書くことにおいては道半ばだ。少し持てるようになった自信はぐらつくときもあるし、ライターズ倶楽部で提出した記事が不掲載になる週も多々ある。しかし、そんなときも相変わらずニンマリと笑って、成長できるチャンスを喜んでいる。
 
最後に、パソコンやインターネット環境以外でこの実験の為に準備したことは次の3つである。
 
1)ライティング・ゼミ、ライターズ倶楽部にて毎週課題を提出するという目標
 
2)物事や人に対する好奇心と前向きな気持ち
 
3)講座と記事提出後の編集担当の方からのフィードバックから貪欲に学ぼうと
する姿勢
 
書く力をつけるだけでなく、人生も変えたい方でもし迷っている方がいたら、是非天狼院書店の「ライティング・ゼミ」を受けてみてみてほしい。半年後のあなたの人生には予期しなかった何かが起こっているかも知れないし、私のようにコンプレックスだったことが克服できているのかもしれない。
 
行動に移すかどうかはあなた次第だ。

 
 
 
 

◽︎武田かおる(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
アメリカ在住。
女性と文学 修士課程修了 (英国)
日本を離れてから、母国語である日本語の表現の美しさや面白さを再認識する。その母国語をキープするために2019年8月から天狼院書店のライティング・ゼミに参加。同年12月より引き続きライターズ倶楽部にて書くことを学んでいる。
『ただ生きるという愛情表現』、『夢を語り続ける時、その先にあるもの』、2作品で天狼院メディアグランプリ1位を獲得する。

この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2020-02-10 | Posted in 週刊READING LIFE vol.68

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