週刊READING LIFE vol.84

ティッシュ配りはつまらないと思うよね、やっぱり《週刊READING LIFE Vol.84 楽しい仕事》


記事:吉田けい(READING LIFE編集部公認ライター)
 
 
段ボールにうず高く詰め込まれたティッシュの山。
 
「こちらのティッシュを配っていただけますか」
 
正確には、建設中のマンションのモデルルーム案内のチラシとノベルティのティッシュが透明なOPP袋に一緒に入ったセットだ。プレハブ仕立ての小さな事務所で、数人が楽しそうに談笑している中、私を案内した青年はやる気がなさそうに段ボールを、その中のティッシュセットを指し示して見せた。彼の視線の先の段ボールが私の目の前に三箱。奥の方にもう二箱、合計五箱のティッシュの大群だ。
 
「配る場所はこの地図の星のところです。こちらが許可証です」
 
単発アルバイト派遣で、暇だから金を稼ごうと勤務申請をした日。派遣先は住宅関連の会社で、展示場にスーツ着用にて来られたしと通知された。わざわざスーツと指定するということは、客前に出るんだな。入り口で呼び込みでもするんだろうか、呼び込みなら楽しそうだ。そう考えながら指定待ち合わせ場所で担当に合うと、顧客向けの入り口ではなく、スタッフの仮設事務所に通された。担当の青年はずっと無機質な口調で決まりきったことを説明し、クリアファイルに入れた書類と大きなベージュの紙袋を私に渡してきた。
 
紙袋の中にも、ぎっしり詰め込まれたティッシュセット。
 
「この袋を持って行って、足りなくなったらここで補充してください」
「…………」
 
ティッシュ配りつまんないよなあ。昨日これだけセット作るのもホントつまんなかったよ。アンタもつまんないと思いながら適当にやるんだろ。ま、時給分は立っててくれよ。あまり視線を合わせようとしない彼の横顔から、そんな声が漏れ聞こえてきたような気がした。
 
「何かご質問はありますか?」
「ティッシュは、そこの五箱で全部ですか?」
「……はい」
「五箱ぜんぶ配り終わったらどうなりますか?」
「…………」
 
私の質問に、ようやく青年は私の顔をまじまじと見た。それは一瞬のことだったが、私に彼の心情を推し量らせるには十分だった。
 
何言ってんの、ティッシュ配りだぞ。
張り切ってやるようなもんじゃないだろ。
 
「……全部終わったら、帰っていいですよ」
「そうですか」
 
今日の私の拘束時間は17時まで。休憩は昼の一時間だけ。日給が変わらないなら、早上がり出来るに越したことはない。これを全部配ればいいんだな。期待が顔に出てしまったのだろうか、彼はついと視線をそらし、独り言のようにぼそりと呟いた。
 
「……無理だと思いますけど」
 
ティッシュ配り、これはつまらない仕事だ。つまらない仕事に張り切る奴なんかいないだろ。張り切ったところで、こんな量のティッシュ、一日で配り切るなんて出来るはずがない。すぐに嫌気がさすだろうから、拘束時間の間はダラダラやっててくれよ。
 
「…………」
 
腹の底からグラグラと闘争心が煮え立っているのが分かるようだった。あるいはそれは怒りだったのかもしれない。彼の態度なのか、私への期待のなさなのか、あるいは両方なのか。何かが私の中の負けず嫌いスイッチをしっかりとONにしてしまっていた。こうなるともう自分でも止められない、やるしかない。見てろよ無気力野郎、テメエがクソつまらないと思ってるティッシュ配り、配って配って配りまくって、絶対に早上がりしてやる!
 
「頑張らせていただきます」
 
彼の内心を蹴散らすように、私は強気に微笑んで見せた。

 

 

 

ティッシュ配りに指定されたのは目黒駅周辺だった。JR目黒駅の東口を出て右手に進むと、太い道路を挟んで目黒線に乗り換えるための地下通路入り口の階段がある。星マークでの指定は、その入り口の前になっていた。あの無気力担当によると、この指定場所には公道とビル所有の土地の境界線があり、ビル側の土地に入っての配布は許可されていないので、気を付けるようにとのこと。行ってみると、バリアフリーに配慮したのか段差は全くないが、確かに石畳が一度縁石で遮られ、公道側とビル側で全然違う模様になっていた。
 
「なるほどね……」
 
プレハブ事務所までは歩いて五分ほど。ベージュの紙袋を抱え、就活で使ったスーツに身を包んだ私は、今日の自分の戦場を見回して唸らざるを得なかった。
 
目黒線入り口の建物の左側、JR駅側から見て片側の区画まるごと、ぽっかり更地になっている。都市開発か何かなのだろうか。今配っているチラシと関係あるのかもしれない。こんな都心のど真ん中で、こんなに見晴らしのいい場所があるなんて、今ここに辿り付くまで知りもしなかった。一時的な光景なのだろうが、花に紛えて散る雪にと詠みたくなるような春先、雑草すらも生えない真っ平らな土地は、寂寞とした気持ちを掻き立てられる。
 
唸った理由はもう一つあった。このだだ広い空き地のせいなのか、駅前だと言うのに人通りが少ないのだ。JRと目黒線入り口はすぐ目の前だが、大通りを一本挟んでおり、横断歩道を渡らなければ行き来ができない。大通りの両脇には、きちんと整備された歩道がどこまでも延びている。JRを降りて東口に出た人は、大通りよりこちら側に用事がない限り、わざわざ横断歩道を渡ってこちら側を通らないのだ。駅前には人がたくさんいるのに、通りを挟んだこちらは、打って変わったように誰もいない。
 
「……なんでだろ」
 
人通りがあろうとなかろうと、今日の私の仕事はティッシュ配りだ、それは変わらない。外での仕事と聞いていたので、スーツの下の防寒準備は万全だ。靴の中敷きタイプのカイロと、腰には貼るタイプのカイロ。インナーもいつもより一枚多い。いつでも仕事に入れる状態だ。とりあえずティッシュを配れる体制になろうと、自分の鞄とベージュの紙袋を歩道の柵の脇に置いて、五セットほど手に取ってみた。こんな駅前なのだから、今たまたま人が通っていないだけなのかもしれない。とりあえず仕事を始めてみよう。
 
やることがないと、時の流れは時空がゆがんだんじゃないかと思うほど遅い。
 
大通りを挟んで向かい側、JR駅側はいつも何人か通っている。チラシ配布の許可証を見る限り、ビル所有の土地に入るのもダメだし、通りの反対側に移動するのもダメそうだ。電車が到着した直後には、数十人がわっと出てきて、それぞれの目的に向かって歩き出す。あの中の何人かは、この横断歩道を渡って、私のところまで来てくれるのではないか。……ああ、また通り過ぎてしまった。そうだよな、こちら側に用事があっても、この横断歩道の目の前に用事があるのでなければ、わざわざ信号が青になるまで待ったりしないよな……。
 
──無理だと思いますけど。
 
冷えてきた指先を握りしめると、担当の小さなつぶやきが嫌でも蘇る。
ティッシュ配りの体制になってからどれくらい経っただろう。30分は過ぎたかな。げ、まだ15分も過ぎてない。時間の流れが遅い……。ここは目の前が空き地で、あとは乗り換え口しかない。もっと離れた商業ビルは、別の横断歩道からでも行ける。JRと目黒線の乗り換えは、確か地下通路があるから、わざわざ地上に出てくる人も少ない。これが原因なのか、こんな都心なのに、こんな駅前なのに、ここだけ別世界のように人通りが少ないのは。段ボール五箱全部配るなんて意気込んだけど、このまま誰も通らなかったら、一つも配れなかったらどうしよう。それでもちゃんと日給は出るんだろうか? いや、日給以前に、ティッシュ配りという仕事で、一つも配れないという事態があり得るのだろうか。しかし今、その可能性がすごく高くなりつつある。
 
「……こういう意味だったの……?」
 
無理、という言葉の重みが肩にのしかかってくるようだった。反対側、JR側のなんと賑やかなこと! お店もたくさん並んでいるし、人もたくさん通っている。あっち側で許可を取ってくれればもう十個は配っていただろうに。許可を取る時に下調べしなかったのかな。それともあっち側ではチラシを配っちゃいけない決まりがあって、やむなくここになったんだろうか。あの箱は五箱。一つあたり200個くらい入っているだろうか。200個だとすると5箱で1000個。一箱300個なら1500。400個なら2000。二千人もここを通りかかるのかな。チラシけっこうかさばるから千くらいかな。途方もない数だ……。
 
その時、誰もいないこのエリアに人影が見えた。目黒線入り口の左側、空き地のずっと向こうから、サラリーマンと思しきがこちらの駅を目指してテクテク歩いているのだ。障害物がないおかげで、まだずいぶん距離があるのにこちらに向かってくる姿がはっきりと分かる。人だ、人が通る! JRに乗るのか目黒線に乗るのか、あるいは全然違うところに用事があるのかもしれないが、あそこからあの向きで来るということは、少なくとも私のすぐ横を通りかかるだろう! 私は顔がにやけ、今すぐにでも彼に向かって走り出したくなった。しかし、彼のところまでは、ビルの敷地と、空き地の敷地に侵入しなければならない。私は公道でしかティッシュを配ってはいけないことになっている、彼がここまで来るのをじっと待たなければいけなかった。
 
身体を動かさないのでビルの陰にいるとカイロを使っても底冷えする。日なたに立って、チラチラ彼との距離を見ながら、私はその間平静を装って立ちながら、ずっと思考し続ける。
 
絶対、絶対に彼にティッシュを受け取ってもらいたい。誰にも受け取ってもらえなかったのと、たった一人でも受け取ってくれる人がいるのでは、仕事が出来ないにしても意味合いが違う。彼には是非ともその一人になってもらわなければいけない。彼はようやく空き地の真ん中あたりまで来た。どうしたら確実に受け取ってもらえるかな。私なら、挙動不審な奴だったら受け取りたくないな。ティッシュって分かれば、貰ってもいいかなという気持ちが少しは大きくなるかな。ずっと見られてたと思うと、気持ち悪いって思われるかもしれない。もっと近くまで来て、それから初めて気が付いた、みたいな雰囲気で渡してみよう。そうだ、もう向こうからも私が見えているはずだから、今のうちから姿勢よく立っておこう。そんなことを考えていると、彼がいよいよ近付いてきた。
 
あと少し。空き地を抜けて、路地を抜けて、ビルの敷地に入って、もう少し。
 
ティッシュ一つのために、心臓がいやに早く脈動している。彼が私から三メートルほどまで近付いた時、私は少し大げさな動作で彼の方を振り向いた。きっと私を見ているだろうと言う予想は当たって、彼とばっちり目が合った。すかさずにっこり微笑む。
 
「ティッシュお配りしています。モデルルームオープンです」
 
腹に力を入れて、張りのある声を出す。喋り方もハキハキと、でも自然な感じに。彼がそのまま歩いて、私の一メートル手前あたりまで近付いた時、さっとティッシュセットを差し出して見せた。彼は目線を私の顔から私の手、ティッシュセットに落とし、左手をゆるやかに持ち上げて、ティッシュセットを受け取った。
 
「ありがとうございます」
 
お礼の言葉も大袈裟にならないように。心がけていたけれど、嬉しさがにじみ出る声音だったと思う。彼の足取りは、ティッシュを受け取る前もその後も変わることなく、ちょうど青になった横断歩道を渡って、JRの駅に向かっていった。
 
「…………!」
 
受け取ってもらえた。受け取ってもらえたぞ! 最初に通りがかった人に、ティッシュを受け取ってもらえた! ただそれだけのことが、冷えている私の身体を奥底から燃やし温めてくれるような気がした。ここは都心で駅前だ、道路の向こう側と比べて人通りは少ないけれど、拘束時間内に一人も通りかからないというわけではないんだ。場所を移動できないなら、ここに通りかかる人に着実に渡していくしかない。何かで見た、見込み客を集めるのではなく、成約率を高めるとかいうやつだ。五箱は無理かもしれないけど、この紙袋ひとつくらいは配り切って見せる。よおし、見てろよ、やってやる! いや、絶対、五箱はやり切って見せる!
 
スタートは朝九時だったが、ベージュの紙袋は一時間もせずに空っぽになった。なんだ、意外と人通りあるんだな。向こう岸は常に人がいるからこちらが閑散として見えるけど、こうやって減ったティッシュの数は、そのまま通行人の人数を教えてくれていた。ティッシュを補充しなくちゃ。私は鞄を持ち上げて、プレハブ事務所に向かった。入室前から漏れ聞こえる楽しそうな声。あの不愛想な担当も、ティッシュ配りに関わっていなければ、雑談の輪に加わって笑ったりするのだろうか。扉を開けて入室すると、雑談がピタリと止まり、皆が一斉にこちらを見るのを感じた。
 
「失礼します。ティッシュ補充に戻りました」
「……早いね」
 
担当の青年も皆と談笑していたようだったが、私へかけた声は先ほどと同じ無機質なものだった。でも、短い言葉とじっと私を見る視線が、彼の内面を透かしてくれる。早いね、と彼は言った。紙袋ひとつ分のティッシュを配るのが予想以上に早いね、と言ったのだ。このペースならいける! 五箱も夢じゃないかもしれない!
 
「これ、箱ごと持って行っても良いでしょうか」
「……いいですよ」
 
今度は担当だけでなく、他の人たちも戸惑ったようだった。私は敢えて彼らの方を見ず、箱を一つ抱えて私の戦場に戻る。早く帰らなくちゃ、この往復の間にも二、三人は通ったかもしれない。どんな人が何の用事で通ってんだろうな。このあたりは食べ物屋さんが多いから、ランチタイムは絶対配った方がいい。それなら私の休憩は13時過ぎがいいかな……。そんなことを考えながら、パンプスで小走りした。
 
あの時ほど、雑念なく一つの仕事に集中し続けた一日はなかったと思う。誰も通りかからない時は、周囲を見回してこちらに向かってくる人がいないか探す。通りそうな人を見つけたら、自然に立っている風を装って、自分に近づくのを待つ。近付いたら声をかけ、ティッシュを差し出す。ポイントはその人の歩く速度に合わせて、それを遮らないタイミングでティッシュを差し出すことだ。常に笑顔、良い姿勢。断られても嫌な顔はしない。別の人が今まさにここを目指して歩いていて、遠くからこちらの様子を見ているかもしれないからだ。とにかく自分で決めたこのルールをひたすらに守り抜いて、私の半径五メートル以内を通る人にはみんなティッシュを差し出した。通行人がいなくて憐れまれたのかもしれないが、八割以上の人が受け取ってくれた。受け取らない人も、手を上げて目礼するなど、こちらに配慮した断り方をしてくれるのが殆どだった。
 
段ボールにはティッシュセットは200個入っていた。一箱目は昼前には配り終えてしまい、ランチタイムに備えて今度は二箱持ち出した。目論見が当たり、人通りが目に見えて増え、たかがティッシュ配りなのに私は目も回るよう心地で微笑み、ティッシュを差し出し続けた。その甲斐あって、13時を過ぎて私が休憩に行く頃は二箱目が半分以上なくなっていた。休憩は事務所に箱を戻し、近くのチェーン食堂に入ったような気がする。だが、そうしている間に通りかかる人のことが気がかりで、食事を終えると早々に事務所に戻り、二箱目の続きと三箱目を持って持ち場に戻った。一つでも多くティッシュを配りたい。その衝動が私を突き動かしていて、のんびり休んでいるなどとても無理だった。
 
しばらく配っていると、ねえ、あなた、と声をかけられた。ティッシュが欲しいのかなと振り向くと、品の良い中年女性がニコニコしながら立ってた。
 
「先ほどから見ていたのだけれど、貴方すごく素敵ね」
 
こういうの興味ない? と、彼女は生保レディ勧誘のチラシと、自分の名刺を重ねて私に差し出して見せた。
 
「立っている姿も素敵だし、声のかけ方も丁寧だわ。こういう仕事をしたらとても向いていると思うんだけれど、どう?」
 
素敵? 私が?
つまらないティッシュ配りをしている私が、素敵に見えたという事?
 
「はい、あの、どうでしょう……」
 
虚を突かれて目を白黒させている私に、彼女は笑い、私の二の腕あたりを軽く叩いた。
 
「ごめんなさいね、お仕事中に。ご興味あったらご連絡くださいね」
 
彼女はそう言うと、私の手からティッシュセットを取り、空いた手に自分のチラシと名刺を滑り込ませ、颯爽と去っていった。
 
「…………」
 
つまらなそうな担当の態度に反目して、全部配り切って見返してやろうと意地になっていただけだった。実際のところ私もつまらないと思っていたような気がする。意地だったから、その仕事がつまらないかどうかはあまり考えず、厳しく見えた環境で何とかやり切ろうと工夫していただけだった。それを、思いがけない形であの女性が見ていて、私を褒めてくれた、一緒に仕事をやらないかと声をかけてくれた。
 
「…………」
 
ティッシュ配り、全然つまらなくなんかない。自分の与えられた環境を分析して、今の私に出来ることを考えて実践する。その結果はティッシュを受け取るか否かという結果でダイレクトに見て取ることが出来る。その積み重ねで、少しずつ少しずつ、自分が磨き上げられていくのが分かるのだ。ここには仕事のいろいろなことが凝縮されている。私は図らずしもそれを受け取って、自分自身を精錬することができた。その様子をあの女性が称賛してくれたのだ。これは決してつまらなくなんかない。担当よ、つまらなくないぞ、ティッシュ配り!
 
「……楽しい」
 
誇らしい気持ちを胸に、私は次なるティッシュを配るべく姿勢を正したのだった。

 

 

 

五箱目を配り終えて事務所に戻ったのは、もうすぐ16時になろうかという頃だった。定時より一時間以上早い。得意満面で事務所に戻り、すべて配りました、と例の担当に報告した。一箱200個入っていたから、千人以上にティッシュを配ったことになる。彼は箱が減っていくのを横で見ていたはずなのに、すごく戸惑った様子で私と空箱を見比べた。
 
「はい、じゃあ……帰っていいですよ」
「承知しました、ありがとうございました!」
 
勝った。
 
退室の礼で頭を下げながら、顔がにやけるのを止めるのは無理そうだった。
 
それから私はティッシュ配りにハマり、日払い派遣をするときはティッシュ配りにしてくれとリクエストをするようになった。山手線のターミナル駅での配布が多く、特に品川あたりで人通りが非常に多いところで配るのはとても楽しかった。目黒の時のように、一人一人最善のタイミングで渡すことが出来ないので、声の出し方やティッシュの持ち方、渡し方も違う工夫が必要になる。少しずつ自分のメソッドを改良して、みるみるうちにティッシュが減るのは最高にいい気分がした。ひとつだけ不満なのが、ティッシュ配りは時給制なので、配っても配らなくても給与は同じというくらいか。歩合制のティッシュ配りないかな、と当時は真剣に検索したりもした。
 
ちなみに丸一日同じところでティッシュを配っていると、必ず生保レディの勧誘も受けた。中には新卒の研修で名刺を配っているという人に、貴方のやり方に感動しました! と言われたこともあった。私は純粋にティッシュを配るのが楽しかったので、全く違うキャリアに進んだが、もし生保レディの道を歩んでいたら、伝説のセールスレディになれていたかもしれない。でも、結婚して子供が生まれた今でも時々やりたくなるのは、ティッシュ配りなのだ。
 
ああ、楽しい楽しいティッシュ配り、またいつかやりたい。
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
吉田けい(READING LIFE編集部公認ライター)

1982年生まれ、神奈川県在住。早稲田大学第一文学部卒、会社員を経て早稲田大学商学部商学研究科卒。在宅ワークと育児の傍ら、天狼院READING LIFE編集部ライターズ倶楽部に参加。趣味は歌と占いと庭いじり、ものづくり。得意なことはExcel。苦手なことは片付け。天狼院書店にて小説「株式会社ドッペルゲンガー」を連載。
http://tenro-in.com/category/doppelganger-company

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2020-06-22 | Posted in 週刊READING LIFE vol.84

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