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週刊READING LIFE vol,109

ゆきのひみつ《週刊READING LIFE vol.109「マフラー」》


2020/12/31/公開
記事:中川文香(READING LIFE公認ライター)
※この記事はフィクションです。
 
 
今日も寒い。
ドアが開くと同時に、冷たい空気が一気に電車内になだれ込んでくる。
その空気に押されないように、思い切ってホームに降りた。
車内で暖まった体が急に外気にさらされて、毛穴がきゅっと引き締まったようにさえ感じられる。
小さく震えながらホームを急ぎ足で歩いてく私を、赤いマフラーが追い越して行った。
歩くたびに肩にさらさらと揺れる黒髪。
その赤いマフラーと揺れる黒髪にしばし見とれた。
 
上野さん、今どこで何をしているのだろうか?

 

 

 

中三の二学期、関西から転校生がやってきた。
 
担任が
「今日からこのクラスに転校してきました、上野さんです」
と黒板に “上野由紀” と白いチョークで書き、
本人は
「上野由紀です。よろしくお願いします」
と一言だけ、ぶっきらぼうに挨拶した。
 
九州の田舎の学校に関西から転校生が来るなんて珍しく、クラスメイトは皆興味津々だった。
上野さんの容姿がさらに、皆の興味をかきたてていた。
部活で日焼けした子たちの中で上野さんの白い肌はひときわ目立ち、その顔をすとんと肩まで伸びる黒髪がつつんでいる。
切れ長の瞳、鼻はそこまで高くないけれど、ふっくらとした唇。
いわゆる美人だった。
短いスカートと紺のソックスの間から白い太ももが覗く。
いかにも都会の女の子だ。
そして一番目をひいたのは、夏だというのに制服の下に着ている薄手のタートルネックだった。
夏休み明けだけれど、九州の9月はまだまだ暑い。
 
「暑くないのかな? 日焼け対策?」
 
ぼんやり考えていると一番後ろの私の席の隣にすたすたと歩いてきて座った。
 
休み時間になると早速、クラスの派手なグループの女子が上野さんの席に集まった。
リーダー格の女の子と、その取り巻き3人。
私はクラスの女子の内、派手な子たちと大人しい子たちの中間に属していて、どっちのグループの子たちとも話す、中途半端な立ち位置だった。
 
「よろしくね、上野さん。関西って、どこから来たの?」
リーダー格の女の子がにこにこしながら話しかけると、上野さんはその子を一瞥するとおもむろに立ち上がり、
「うち、先生に呼ばれてるんで」
とまたぶっきらぼうに答えて女の子たちの間をすり抜けて教室を出て行ってしまった。
「なんなの、あいつ!」
と憤慨するリーダーの子の声を背中に聞きながら、私は上野さんのさらさらと肩で揺れる髪を目で追っていた。
 
休み時間のたびに誰かしらが話しかけようと席まで来るけれど、その都度上野さんは何かしら理由をつけて去って行ってしまう。
そのうちチャイムが鳴ると同時に文庫本を持って教室を出ていき、チャイムが鳴る30秒前に席に戻ってくるようになった。
給食の時間も何も話さずに一人でもくもくと食べて、食べ終わったらいつも本を読んでいる。
昼休みにどこで何をしているのかなんて、誰も知らない。
上野さんの声を聞くのは授業中に先生に当てられて答える時か、当番で授業の号令をかける時くらいだった。
体育祭や文化祭といったイベントごとはことごとく休む上野さんに、担任の女教師も手を焼いているようだった。
 
校則がそれほど厳しい学校では無かったため、制服の下に服を重ねて着ようが怒られることなんてなかったけれど、夏にタートルネックを着ていた子なんて上野さんの他にはいない。
皆理由が気になっていた。
でも、誰も聞くことは出来なかった。
 
月日が過ぎて、それでも誰も上野さんとは話すことが出来ず、でもその感じがなんとなく当たり前になってきていた。
受験生だし、皆人に構っている余裕が無くなってきたのもある。
 
冬休みに入る終業式の日、私は日直当番で夕方の教室にいた。
日直当番はクラスの名簿の前からと後ろからの二人一組で順番に回ってくる。
授業の開始終了の号令と、その日の放課後の黒板と黒板消しの掃除という簡単なもので、黒板の掃除はさぼる子が多かった。
この日、私は上野さんとペアだった。
授業の号令は二人で交互にかけたけれど、放課後の掃除には予想通り彼女は現れなかった。
一度、友達が上野さんとペアになった時に「放課後の掃除、上野さん来なかったから一人でやったよ」と文句を言っているのを覚えていた。
 
「ま、しょうがないか」
 
ひとりでつぶやいて、黒板の掃除を始めた。
黒板消しで端からきれいに消しなおす。
雑巾を濡らして堅く絞り、これも端からきれいに拭う。
雑巾で拭いた跡が一瞬すーっと濃い緑色に変わり、すぐに乾いて色が変わる。
 
「ほんま、丁寧やな」
 
びくっとして振り返ると、そこには腕組みしながらこちらを見ている上野さんがいた。
無心で黒板の掃除をしていて、人が来たのに気づかなかった。
 
「……びっくりした。誰かいると思わなかったから」
「あんた、集中しとったもんな」
 
そう言って手伝うでもなく、上野さんは教室の一番後ろの机に腰を下ろした。
 
何か話しかけようかと思ったけれど、何も言葉が出てこない。
もう一度くるりと振り返って、黒板の掃除を始めた。
背中に上野さんの視線を感じる。
 
「あんたも “ゆき” って言うやんな?」
 
再び話しかけられてどきりとする。
 
「うん」
 
今度は手を動かしたまま、振り返らずにそう答えた。
 
「わだ、ゆき。なんやあだ名みたいな名前やな」
「……悪かったね、あだ名みたいで」
「怒らんといてよ。かわいいな思てん。うちも “ゆき” やからなんか親近感湧くわ」
 
上野さんがこんなにしゃべっているのを初めて見た。
 
「今日はよく話すね。いつも誰ともしゃべらないのに」
 
意地悪でそう言った。
 
「あー、みんな興味本位で色々聞いてくるからな。めんどいねん」
 
黒板を最後まで拭き終えて振り返ると、相変わらず上野さんは机の上に座ってこちらを見ていた。
 
「……なんで、私には話してくれるの?」
「あんた、素直やからな」
「なんで私が素直だって思うの?」
「朝、教室の花に水やりしてるのあんたやろ?」
 
そう言って上野さんは黒板横の机に載っている植木鉢をあごで指した。
 
「植物を大事にするんはええ子やんか。うちお花好きやねん」
 
確かに、私は毎朝学校に来た時に植木鉢に水をやっている。
別に誰かに頼まれたわけではないけれど、誰もやらないし、なんとなく習慣になっていた。
褒められたことなんて無かったからちょっとうれしくなる。
 
「……誰も見てないと思ってた。ありがとう」
 
手に持っている雑巾をきゅっと握りしめた。
 
「うん」
 
上野さんもどことなくうれしそうに見えた。
 
「あんた、お姉ちゃんやろ?」
「うん。弟が一人いる」
「そうやと思った。ええな、弟。何歳?」
「12歳。良くないよ。最近生意気ばっかり言うし。上野さんは兄弟いないの?」
「うち一人っ子やねん。家帰ってもばあちゃんしかおらんし、つまらんわ」
「おばあちゃんと住んでるの?」
「そう。おかんのおかん。おかん元々ここの出身やってん」
 
“お父さんとお母さんは?”
という言葉が喉まで出かかったけれど、聞くのは止めた。
中三の二学期にいきなり転校してくるなんて、何か事情があるんだろうな。
聞かれたら嫌なことかもしれない。
瞬時に頭が判断した。
 
「……なんか聞きたいことあるんやないん?」
 
私の様子をじっと見て、上野さんがそう言った。
考えたことを見透かされたようでどきりとした。
 
「ううん、何でもないよ」
 
そう言って誤魔化すように、雑巾を洗いに廊下に出た。
教室に戻ってきても、まだ上野さんは机に座っている。
私が雑巾を干す様子を見るともなくぼんやりと眺めていた。
 
「……なんで、うちがここに転校してきたか、知りたい?」
 
どきっとして顔を上げると、上野さんはにやりと笑った。
 
「……うん。聞いてもいいなら」
 
そう答えると、机から降りてつかつかとこちらに歩いてきて私の前で止まった。
 
「なんでうちが夏場もタートルネック着てたか、知りたい?」
 
近くで見る上野さんの瞳は黒くきらきらとしていて吸い込まれそうだった。
心臓がどきどきし始めた。
 
「うん。それも聞いていいのなら」
 
必死に平静を装ってそう答えると、着ているタートルネックの首元を引きおろして私に見せた。
顔と同じく色白の首に、くっきりと、赤い線が痕になってついている。
 
驚いて顔を上げると、上野さんは私を見てまたにやっとした。
 
「うちのおかんな、妙な宗教にはまってん。うちが中学入ってすぐ、おとんと離婚してんけど、そっからなんかだんだんおかしなってな。『なんや家に知らん人がよう訪ねてくるな』思てたらいつの間にかその宗教入ったんやて。うちにも “入れ” 言うからほんま嫌やったわ。 “救いがどうの” とかその話ばっかりするし、めんどいからあんま家にも帰らんようにして、友達の家泊めてもらったり、叔母さんの家に行ったりしとってんけど、ある日、着替え取りに帰ったらおかんが “宗教入れ、じゃないとあんたはあと一年も生きられん” とか言いだして、これはいよいよやばいわと思ったんよ。けど無視してバッグに着替え入れてたら、後ろから延長コードのコードんとこでぎゅって。首絞められてん。ほんま死ぬか思たけど、暴れて、なんとか。うちを生かすために “宗教入れ” 、言うてんのに、首絞めるとかおかしいやろ? おかん目すわってて。これはいかん思て玄関出て、隣の人に助け求めて。そっから大変やったわ。救急車来るし、警察来るし。『児童相談所の者です』って人にも会うたな。で、結局おかんと一緒にはおれんから、ばあちゃんとこに預けられてん。おかんはその後どうなったんやろな? 警察の人に連れてかれてんけど」
 
一気にまくしたてるようにそこまで話して「ふう」と一つため息をついて、
 
「その時の痕。すごいやろ」
 
そう言ってにっと笑い、私に首の痕を指さして見せた。
 
離婚?
宗教?
首絞められた?
児童相談所?
いきなり予想もしていないような単語が次々と飛び込んできて私の頭はぐるぐるまわって何と言っていいか分からなくなってしまった。
 
「……そうなんだ。辛かったね」
 
やっと私の口から出てきたのはそんな言葉だった。
 
じっと私の様子を見ていた上野さんの瞳が、一瞬ぐらついたように見えた。
ぱっと窓の外に視線を移して、また私の顔を見た時にはいつもの上野さんに戻っていた。
 
「……そんなん嘘に決まってるやん! 首絞められた痕が何カ月も残ってるわけないやん。これは生まれつき赤い痕がついてるだけ。小学生の時からかわれて嫌やってん。だから隠してるだけ」
 
そんな簡単に信じてあほちゃう? と言って上野さんは笑った。
形のいい小さな前歯がのぞいた。
 
「そうだよね。なんだ、冗談だったのか! そうだったんだね」
 
私も笑った。
心の底はまだざわざわしていた。
 
「あー、久しぶりにようしゃべってなんか疲れたわ。帰ろ」
 
そう言って、上野さんはさっき座っていた机まで戻り、置いてあったカバンを取った。
カバンの上に無造作に投げてあった赤いマフラーを首にぐるぐる巻きにした。
 
「あの……」
「うちさ、モデルになりたいねん。なれると思う?」
 
私の言葉をさえぎって彼女は私を振り返った。
 
「……なれると思う。上野さん、かわいいし」
「首にこんな痕があるんよ? それでも?」
「うん。そんなの関係ないよ」
「ありがとう。なれる言うてくれたん、あんたが二人目」
「もう一人は誰なの?」
「うちのおとん」
 
形の良い前歯を見せてにっと笑い、「じゃ、帰るわ」とすたすた去って行った。
教室に一人取り残された私は、窓から見える上野さんの赤いマフラーと揺れる黒髪を目で追っていた。
 
冬休みが明けた日、上野さんは学校に来なかった。
担任が朝のホームルームで「上野さんはご家庭の事情で転校することになりました」と短く伝え、教室は一瞬ざわついたけれどすぐにまた静かになった。
本格的な受験シーズンに入り、みんな人のことは構ってられないのだ。
「三者面談の希望日を書いた紙、忘れずにこの後提出するように」
担任の女教師はそう言ってホームルームを終えた。
三者面談の希望用紙を集めた学級委員の子から「用事があるから私が持っていく」と代わりにプリントを受け取り、職員室に急いだ。
 
担任の女教師は忙しそうに書類のチェックをしていた。
「あれ? 和田さんが持ってきてくれたの。ありがとう」
「あの、上野さん、どこに引越したんですか?」
女教師の眼鏡の奥の瞳が鋭く細くなった気がした。
「ご家庭の事情で、って言ったでしょ? そういうことは他の人に教えられないの」
「じゃあ……」
「和田さん、期末テストの成績下がったでしょう。人のこと気にしてる時間あるの? そんな暇があったら勉強しなさい」
ぴしゃりとそう言って、再び書類のチェックに目を走らせた。
 
「……失礼します」
 
職員室を出て教室に戻ると、うわさ好きの麻美が私を呼び止めた。
 
「ねえねえ、上野さん、転校するって私知ってたんだ~。うち、上野さんの家の近所で、上野さんおばあちゃんと住んでたみたいなんだけど、あ、上野さんとこ親が離婚してんだって。それで、お父さんと住むことになったらしいよ。年明けすぐくらいにばたばたしてたから何だろうと思ったよ。うちのお母さんが言ってた。そういえば、ゆき終業式の日、上野さんと一緒に日直だったよね? 何かしゃべった? でも上野さん誰と日直一緒になってもしゃべってなかったみたいだし、それは無いか~。」
 
どう? と言って意地悪な好奇心むき出しで聞いてくる麻美の顔を見て「何もしゃべってないよ」と答えた。
 
「やっぱりそうか。上野さん、本当に何カ月もいたのに誰ともしゃべらなかったよね~。期末テストの日なんかさ、……」
 
話し続ける麻美の言葉を上の空で聞き流しながら、あの日の上野さんの首元の痕を思い出していた。
白い首に、くっきりと残る赤い痕。
あの日の話は、本当に上野さんの作り話だったのだろうか?
上野さん、寂しかったんじゃない?
誰かに自分の話を聞いて欲しかったんじゃない?
だから私に、二人きりの時に、こっそり秘密を見せてくれたんじゃない?
そう思っても、もう確認することは出来ない。
上野さんはいなくなってしまったのだから。

 

 

 

「ご乗車にならない場合は、危ないですので白線の中までお下がりください!」
 
大きな声がしてはっとした。
気付けば乗り換えのホームまで歩いて来ていた。
注意した車掌の方を見て無言で一歩下がると、プシューという音を立てて目の前で電車のドアが閉まった。
あの赤いフラーの女の子はもういなくなっていた。
あの子も、マフラーの下に見えない傷があるのだろうか?
 
「……そんな訳ないか」
 
ひとりつぶやいて、真冬の空を見上げた。
黒々と吸い込まれるような空。
今夜は雪になるかもしれない。
 
あれから20年経った。
上野さん、今どこで何をしているのだろう?
モデルにはなれたのかな?
お父さんと仲良く暮らしているのだろうか?
どうであれ、幸せだと良いなと思う。
こんな寒い日は、誰か彼女のそばに寄り添っていて欲しい。
 
そう思っていると、次の電車がホームに滑り込んできた。
電車の風に乗ってふわりと雪のつぶがひとつ落ちてきた。
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
中川 文香(READING LIFE公認ライター)

鹿児島県生まれ。
進学で宮崎県、就職で福岡県に住み、システムエンジニアとして働く間に九州各県を出張してまわる。
2017年Uターン。2020年再度福岡へ。
あたたかい土地柄と各地の方言にほっとする九州好き。

Uターン後、地元コミュニティFM局でのパーソナリティー、地域情報発信の記事執筆などの活動を経て、まちづくりに興味を持つようになる。
NLP(神経言語プログラミング)勉強中。
NLPマスタープラクティショナー、LABプロファイルプラクティショナー。

興味のある分野は まちづくり・心理学。

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2020-12-31 | Posted in 週刊READING LIFE vol,109

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