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モンテッソーリ教育とレッジョ・エミリア教育を取り入れた 保育のプロから学ぶ「自分から考えて行動する子ども」0~3歳までの育て方《週刊READING LIFE》

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」の上級コース「ライターズ倶楽部」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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2024/1/15/公開
記事:ペン吉(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 
「子どもが自分で考えて行動できるようになるために、親ができる4つのこと」子どもはいつか、親から巣立つときが来ます。私はそのときに、子どもを安心して送り出してあげたいと思っています。
 
私は『キッズコーチングマイスター』と『モンテッソーリトレーナー』の資格を取得している、3歳女児のママです。情報あふれる社会で、ウソか本当かもわからない育児情報に踊らされることを不安に思い、資格を取得しました。この資格や経験をいかして、同じような悩みを持つ育児中の方に寄り添えるようになりたいです。
 
本記事ではモンテッソーリ教育や、レッジョ・エミリア教育などを取り入れた、とある有名な幼稚園(仮名:ひまわり幼稚園)の園長先生、保育者の方々にご相談させていただき、「自分で考える子どもの育て方」について「ここぞ」というポイントをしぼった、4つをご紹介します。
 
ひまわり幼稚園は、ひとりひとりの子どもが「自分の興味、関心があるもの」をみつけ、探求し、想像の世界を広げていくことを大切にしています。テレビや雑誌などで取材を受けることもあり、最近では、さまざまな保育のプロの方と共同で本を出されている、乳幼児教育学、保育学、子育て支援専門の「大豆生田 啓友(おおまめうだ ひろとも)」先生が取材に訪れていました。
 
実は、娘がお世話になっている幼稚園です。幼稚園の見学をした際、早生まれのため、同学年の子どもたちについて行けるのか不安だった私は、「入園までにオムツが取れるようになるのは難しい」こと、「リンゴやトウモロコシなどは食べるが、料理したものは、ほぼ食べない」ことを相談しました。
 
「保育者が親御さんと一緒に、トイレトレーニングの時期などを話し合うことができますので、まかせてください」
「同じ子どもが一緒に食べている環境にいると、自分も食べてみようと思えるかもしれません。一緒にがんばりましょう」と心強いアドバイスをいただき、子どもの入園を決めたのでした。
 
 
 
ポイント①:子どもを信じて見守り、フォローすること
 
子どもの成長速度は個人差が大きいため、「〇歳になったから、これができる」というわけではありません。私は「なにが【できないか】よりも、【できること】。子ども自身を見てあげてほしいですね」と、おっしゃった、園長先生の柔らかい笑顔が印象的でした。
 
子どもの成長速度に合わせてフォローし、見守ることが大切なのだと教えてくださったのです。
 
ひまわり幼稚園は、子どもが興味を持ったことに対して「子どもに自分で考えてもらう」ため、大人である保育者が「こうしましょう」と提案はしません。見守りながらフォローします。
 
例えば、保育者が「冬至」を子どもたちに教えてあげ、子どもたちと一緒にパソコンなどで調べます。「カボチャを食べたり、柚子(ゆず)を入れたお風呂に入ったりする」といった情報が出てくると、子どもたちは「園庭に柚子がある!」「足湯をつくろう!」という発想に至ったそう。
 
娘のお迎えに行くと、保育者の方が「〇〇ちゃんは、子どもたちと一緒に、柚子に興味を持って「くんくん」と言いながら匂いをかいでいました。「いい匂い!」って楽しそうでした」など、子どもが興味を持ったものや、子どもが何を感じたのかなどの話を聞かせてくれます。
 
他にも、娘の食育状況、トイレトレーニングの状況を教えてくださるのですが、無理強いせず、娘の成長速度に合わせてフォローしてくれていました。
 
娘は偏食がひどく、入園してから一度も給食を食べたことがありません。
 
保育者が「これはどうかな? 〇〇ちゃんの好きなトウモロコシが入っているよ」「このサラダに入っているトマトはどうだろう? 〇〇ちゃんはどういうのなら食べられそうかな」など、質問を投げかけ、考えた娘は、がんばって口に運ぼうとするも、最後には「だめっ」と拒否します。
 
保育者の方々は、常に「どうしたらいいのかな?」「どう思う?」などの考えるきっかけを作り、子どもが自分で考えて動けるよう心がけています。
 
最近では「周りの子の真似をして、おみそ汁のお椀を持って、くちびるにつけるところまで行けました!」と大喜びで教えてくれました。保育者の方々の努力がみえ、ありがたい気持ちでいっぱいです。
 
 
 
ポイント②:子どもの気持ちを否定せず、共感すること
 
子どもを叱るとき、怒りからか、無意識のうちに決めつけて責めてしまうことはありませんか?子どもはまず、「否定された」と思った瞬間から、話を聞く気持ちがなくなってしまいます。
 
気持ちに余裕ができたときで大丈夫です。まずは、「こうしたかったんだね」「こんな風に思ったんだね」など、子どもの気持ちに『共感』してみましょう。
 
子どもも、親からのアドバイスに耳を傾けやすくなります。
 
大人に置き換えてみると、例えばですが、職場で上司から「なんでこんなミスをしたんだ! 気がゆるんでたんだろう!!」と、決めつけられた責め方をされたら悲しいですよね。
 
逆に「いつも君の働きには感心しているんだ。このミスは痛かったが、どうしたら挽回できるか一緒に考えよう」と言われたら、「え?! 一緒に考えてくれるの? がんばろう!!」と解決する意欲がわいてくるかもしれません。共感はとても大事なのです。
 
まずは子どもの話を聞き、子どもが「こういう風に思ったんだ」と話してくれたら、「こういう風に思ったんだね」と気持ちを受け止めてあげてください。オウム返しで大丈夫です。そのあとに「どうしたらよかったのかな?」「一緒に考えよう」など、フォローしてみましょう。
 
ここで注意したいポイントが1つあります。「こうしたらいいんだよ!」などの「親の意見を子どもに押しつける答え」は避けましょう。子どもが黙ってしまう場合は、親の意見を述べ「私は、こう思ったけど、あなたはどう思う?」と話をつなげてあげてください。あくまで考えるのは「子ども」なのです。
 
 
 
ポイント③:自分とは違う、ひとりの人間として礼儀を示すこと
 
ひまわり幼稚園では、子どもを尊重し、聞き取りやすく、ゆっくり丁寧に話します。頭ごなしに怒鳴っている保育者は見たことがありません。
 
伝え方が上から目線になると、子どもは素直になれません。大人同士でも「そこの飲み物とって!」よりも、「すみません、そこの飲み物を取ってもらえますか?」のほうが「いいですよ」と素直に応えられますよね。子どもも同じです。
 
私は娘にお願いをするときは「〇〇してもらってもいいかな?」「これを、あっちのテーブルに置いてもらえますか? お願いします」など、丁寧な言葉を心がけています。
 
丁寧に接すると、子どもは「自分の意見を聞いてくれる」、親の話を受け入れやすくなるのです。
 
 
 
ポイント④:「自分で考える」きっかけをたくさん作ってあげること
 
子どもに「消防車ってなんで赤いんだろう?」などの質問をすると、「赤はかっこいいからだよ!」「そっか、赤が、かっこいい色なんだね。じゃあ、消防車もかっこいいね」いう風に、「きっかけ問題」を作ってあげましょう。
 
もし、何を質問したらいいのか迷う場合は、『ダイアロジック・リーディング』という「対話をしながら絵本を読み聞かせする方法」をおすすめします。海外では幼いころから、「自分で考える」、「言語発達」の訓練として、絵本の読み聞かせをしています。日本とは違う読み聞かせですね。
 
質問しやすいのは、文章のない絵本です。リンゴを買いに行く女の子がいたら、「何を買いに行くのかな?」や「リンゴって何色かな?」など、ちょっとしたもので大丈夫です。子どもが「リンゴは、青いのもあるよ!」など考えてくれるかもしれません。

 

 

 

いかがでしたでしょうか。本記事では、子どもが「自分で考えて行動できるようになる」ために、親ができる4つのポイントをご紹介しました。
 
育児に正解はありません。ですが、どの有名な教育方法にも共通点があります。「ひとりの人間として認め、子どもの成長に合わせ、子どもの気持ちと意見を受け止める」
 
これらを心がけるだけで、親と子どもとの距離が縮まり、子どもの成長をフォローしてあげることができると私は思います。
 
幼稚園に入園してから、娘は確実に成長しました。私が教えていないことでも、娘なりに考え、行動しているのがわかります。みなさんの育児の悩みに、少しでも本記事が少しでも役に立てましたら幸いです。
 
今回、本記事を書くために取材にご協力いただきました、ひまわり幼稚園の保育者の方々に感謝を申し上げます。
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
ペン吉(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

東京都生まれ。神奈川県相模原市に35年近く住んでいましたが、現在は東京都在住。
3歳女児のママ/WEBライターコース【初級】【中級】、取材ライティングコース修了/WEBライター検定3級/チャイルドコーチングマイスター資格/モンテッソーリトレーナー資格/noteの公式マガジン「#編集 #ライター 記事まとめ 」に選ばれました。現在、育児の合間をぬってWEBライターの仕事を探し中。

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2024-01-15 | Posted in READINGLIFE

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