素人投資家いちねんせい

第313回:余命宣告にちょっとビビる、の巻《素人投資家いちねんせい実況中!》


*この記事は、天狼院書店のライティング・ゼミを卒業され、現在「READING LIFE編集部」の公認ライターであるお客様に書いていただいた記事です。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

2025/3/10/公開
記事:安光伸江(READING LIFE編集部公認ライター)
 
 
残念なお知らせである。
 
統計上の平均値ではあるけど、やはり再発・転移があってからの余命は5年程度らしい。私の場合、約4年前のCT検査で骨転移が見つかっているので、そこから数えて余命は約半年〜1年と言われてしまった。
 
といってもあくまでこれは「平均値」で、もっと早く亡くなる方もいれば、もっと長生きする方もいるそうだ。「実際のところは、わかりません」とも言われたけれども、それって全然慰めになってないから。ぐすぐす。
 
食欲はあるしいろんな人に毎日外に連れ出してもらっているし、あまり「もうすぐ死ぬ」という実感は湧かないのだけれども、ひょっとしたら、今年の桜が最後なのかもしれない。
 
去年本を出しておいてよかったなぁ……。あの本も最終チェックは入院中だったけど、形に残せるものがあってよかった。両親の生前に出せていたらもっとよかったけど、まぁそれはない物ねだりというものだろう。
 
がんの治療は来週から復活することになっている。今度は点滴じゃなくて、なにやら注射するだけですむそうだ。あと緩和ケア外来で痛みのコントロールを始めた。といっても、緩和ケア外来にかかってすぐ痛みがさぁ〜〜っとなくなるわけではなく、少しずつ薬に身体を慣らしていく感じらしいので、今日もまだ体重をかけると右脚が痛い。
 
とにかくQOL重視で、キツい治療をして延命することは考えないことにした。最期は緩和ケア病棟に入院してそこで面倒をみてもらうことにしている。これはがんの積極的治療をしなくなってからの話なので、早くてもあと数ヶ月先になる。外科の先生が、早めに緩和ケア病棟のある病院にお手紙を書いてくださることになっているので、そんなに苦しまなくてすむのではないかと期待している。
 
私の方が死ぬのが先だったら、という条件つきだけど、兄には緩和ケア病棟に入る時の保証人の判子をついてもらうことを了解してもらっている。葬儀は○○会館の会員になっているからそこで、たぶん家族葬か直葬か、あんまり面倒じゃないのにする。そのお金はとりあえず兄に立て替えてもらって、あとから私の遺産(親の遺産が多少なりとも残っているはず)で精算してもらう計画だ。
 
エンディングノートとやらはまだ書いてないんだけど、こういうのって書いておいた方がいいのかなぁ? とりあえずサブスク関連で年払いになっているのは継続しないようにいろいろ手続きをしているところだ。あと全部で3枚あった iPad mini の古いのを1枚売る。iPad Pro の大きいのと小さいのはどうしようかな。誰かいる人がいたらあげようかな。当面の生活費と、近い将来の入院費があればいいから、そんなにお金はかからないはずなんだよね。個室に入るなんて贅沢は言わない(言えない)し。
 
あとなんとなく三菱商事とアストラゼネカの株を売った。簿価より少し上がっていたところで見切りをつけた。NISAのつみたて投資枠はもう積み立てなくてもいいかなぁとちょっと思っている。といっても今下がっているからもう少し買っておいて、兄が相続するときに少し利益が出ているといいな、とも思うんだけど。
 
介護保険の方は、デイサービスが週3回、あと福祉用具のレンタルがあって、もしかしたらヘルパーさんを頼むかなぁ、という話が出ている。デイサービスではお風呂に入れて昼食も出る。週3回浴槽に入るというのは今までより待遇がいいのだ。一人暮らしになってからはほとんどシャワーで済ませていたからね。ぬくぬくカラダを温めていたら、案外がんもよくなったりしてね。まぁ、完治はないらしいけど。
 
そんなわけで、資産運用としては、貯める段階から取り崩す段階に来ているのかもしれない。その昔の大手証券会社の担当だったM師匠にも、ある程度の年齢になったら取り崩すことを考えましょう、と言われていたけど、思ったより早くその時期が来たのかもしれない。どうせなら兄に使って欲しいし、もうそんなに欲しいものもないし、先端医療とか民間療法とかやる気はないし、お金はそんなに使わなくてすむんじゃないかな。
 
今は脚の痛みがあるので、介護用ベッドに横になっている時間が長い。ここで iPad mini を2枚、縦置きと横置きで使って、ゴロゴロしながらMacBook Airでこの連載原稿を書くなどしている。ぬいぐるみさんは少数精鋭でベッド上にいて、大勢いる子たちはベッド脇で箱に入っている。天狼院プラグインのゼミ用に調達してあった折りたたみテーブルがベッドのサイドテーブルになっていて、薬などはここに置いてある。
 
たぶん、緩和ケア病棟に入院しても、ほぼ今と変わらない環境で暮らせそうな気がする。大勢いるぬいぐるみたちは連れていけないけど、少数精鋭で一緒に寝ている子たちは連れていく。たぶん棺桶に入るのもその子たちだろう。お部屋でお留守番しているぬいぐるみたちは、どなたか形見でもらってくれないかなぁなんて思っているんだけど、いらないか。いらないよね。
 
それにつけても、国民年金を繰り上げ受給しておいてよかったと思う。81歳くらいまで生きると繰り上げの方が損らしいんだけど、どうやらそこまで生きそうにないので、先にもらっておいて医療費に充てる作戦は正解だったようだ。知人で今年60になる人が「先にもらって投資する」って言っていたけど、その手もあると思う。障害年金がもらえなくなる、というデメリットはあるけど、障害年金なんてそんな簡単にもらえるものじゃないらしいし。ちなみに私の身障者手帳の申請は立ち消えになった。整形外科の先生のご意見では「難しいと思います」とのことだ。まぁ仕方ない。それより、生きていられるかどうかの方が喫緊の問題なのである!
 
こうなってくると、天狼院プラグインに参加したのはちょっと早まったかな、という気がしてきた。サテライトゼミも一度もできていない。天狼院プラグインのお金で緩和ケア病棟の個室料金を出した方がよかったかもしれない! ぐぐぐぐ。全講座受け放題のエターナルパスポートの方は、5年使ってないけど、定価ベースではとっくに元をとっているのでまぁいいことにしよう。PROJECT 1000 も本を出せたからいいことにしよう。
 
あとはこの連載を細々とでも続けること! エターナルパスポート利用でギリギリまでゼミの通信受講をすること! できれば「天狼院インディーズ」でペーパーバックを出せればさらによし。カラダに無理のない範囲で、やれることをなんでもやって、「いい人生だったな」と言って旅立ちたい。
 
痛みがあるので、出来ることには限りがあるけど、美味しいものを食べて、なるべく明るく生きていこうと思う。
 
まぁね、そりゃ、死ぬのが怖い気持ちもありますけどね。
 
でも、人間いつかは死ぬんだから、残りの日々を大切に生きていきたいと思います!
 
あとは楽しく生きるだけだ!
えいえいお〜!
 
つづく。
 
 
 
 

❏ライタープロフィール
安光 伸江(READING LIFE編集部公認ライター)

山口県下関市出身・在住。県立下関西高・東京大学文学部西洋史学科卒業、東京藝術大学音楽学部楽理科中退、同大学院ソルフェージュ科ピアノ専攻修士課程修了。
大学院修了後は東京で伴奏ピアニストや音大非常勤講師などをしていたが、2008年9月、リーマンショックの1週間前に病気療養のため東京の住まいを引き払って実家に帰る。
その後2016・2018年と両親を看取り、金融資産と土地家屋を相続、2018年夏から投資を始める。市内有数のショッピングセンター「ゆめシティ」から徒歩数分・築40年超の戸建てに住む、2022年の還暦を機に繰り上げ受給で年金生活に入ったおひとりさまシニア。
2021年初め十数年ぶりにピアノのリハビリを始め、音楽講師などの個人事業主となる。同年7月エレクトーンを始め、翌年全日本エレクトーン指導者協会に入会。現在はピアノ・エレクトーンの音楽教室と、天狼院プラグインによる学習サロンを営む(病気のため休業中)。
2016年秋に乳がんの全摘手術と抗がん剤治療をする。2021年に骨転移、2024年に肝転移が発覚した現役ステージ4がん患者でもある。2025年要介護1認定。
iPhone 2本、iPad mini 2枚、MacBook Air、Apple Watchなどを駆使する大のApple製品好き。日本語入力は平成の初めから親指シフト派。
メディアグランプリ 21st , 64th seasons 総合優勝。
初著書『必ず目標達成する人が実践する続ける技術』JMAMより2024年12月発売。
天狼院書店の PROJECT 1000 第一弾!

『必ず目標達成する人が実践する続ける技術』

著  者:安光 伸江 
発 売 日 :2024年12月2日(月)
価  格:1,760円(税込)
出 版 社 :株式会社日本能率協会マネジメントセンター

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2025-03-03 | Posted in 素人投資家いちねんせい

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