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ふな寿司をめぐる冒険

ミッション6:ふな寿司の食べ方は? 「ふなずしサンドイッチ」について調査せよ《ふな寿司をめぐる冒険》


記事:すずきのりこ(READING LIFE編集部公認ライター)
 
 

「ふな寿司ってどうやって食べるの?」
ふな寿司を食べたことのない人は、疑問に思うことかもしれません。ふな寿司に決まった食べ方はありません。でも、ふな寿司はお酒との相性が抜群なので、お酒と組み合わせて食べる人が多いです。お酒が飲めない人は、ご飯とともに食べたりもします。あと、ふな寿司にお湯をかけた「ふな寿司のお茶漬け」がよく食べられています。
でも、ぜひとも食べて頂きたい食べ方があるんです。それは、「サンドイッチ」です。

 

ふな寿司とチーズをパンに挟んだサンドイッチ。
ふな寿司の塩気とチーズが、パンに染み込んで絶品なのです!! 今回は、「ふなずしサンドイッチ」を販売しているBIWAKO DAUGHTERS(ビワコドーターズ)さんに、お話を伺ってきましたよ!

 

 

やってきたのは、滋賀県野洲市です。いつもならば、野洲の観光地を紹介! となるのですが、今回はぜひとも皆様に知っていただきたい、びわ湖大花火大会をご紹介します!
びわ湖大花火大会は、琵琶湖の湖畔から打ち上げるんです! なので、遮るものが何もなく、湖面に大きく花火が映るんです。海のような広々とした湖面に映る花火は、迫力満点です。船の上から花火を見る観光プランもありますよ。ぜひぜひ、滋賀県ならではの花火大会に足を運んで頂きたいです。

 

 

さて、ビワコドーターズさんに到着です! とてもかわいいカフェみたいなお店ですね。ビワコドーターズさんでは、琵琶湖で採れた魚(スジエビ、小鮎、なまず、うなぎ、びわます、などなど)や、そのお魚を使った加工品などを取り扱っているお店です。今回は、ショップマネージャーである中川知美さんにお話を伺いました。ふなずしサンドイッチの美味しさの秘密って何でしょう~?
中川さん、まず、カフェみたいな可愛いお店を始められたきっかけから教えてください。

 

《目次》
・琵琶湖の魚を食べてもらいたい、伝えたい味
・若い人にもふな寿司ファンは多い
・秘密は、地元の有名なパン屋さん
・琵琶湖産の魚で作られた商品をご紹介
・一番人気は、予想外にもあの商品!
・「食べるきっかけ」を作る場所でありたい

 
 

琵琶湖の魚を食べてもらいたい、伝えたい味



 
中川:お店を構えたのは2016年になります。20代~30代の若い世代にも来てもらえるようなお店にしたくて“外国の漁港にある魚屋さん”をイメージしたお店にしたんです。私は、祖父も祖母も父も母もみんな漁師という家に育ったので、川魚は身近にある存在でした。高校生の時に「川魚ってくさいやん!?」って言われた時に初めて「川魚って匂いあるんや」って気付いたぐらいで……(笑)でも、結婚して実家を離れると、川魚が食卓に並ぶことも少なくなっていって。その時はじめて「今まで食べていた琵琶湖の魚は、決して当たり前のものではなかったんだ」って気付かされたんです。もっと沢山の人に、琵琶湖の魚を食べてもらって、魅力を知って欲しい。そして、祖母から母へ、母から私へと受け継がれている味を伝えたい。そう思って、ビワコドーターズの店舗を立ち上げたんです。

 

――― なるほど。伝えたい思いがあり、若い人たちに来てもらえるよう、こんなに可愛い店舗が出来上がったんですね。気軽に入ってみたくなる雰囲気ですよね。昔からある、「小鮎の佃煮」などの商品も、とても可愛くパッケージしてありますね。

 

中川:ありがとうございます。気軽に手にとってもらえるように、パッケージにもこだわっています。ここに並ぶ魚たちは、父と母が2人で琵琶湖で獲って来たものばかりなんです。もちろん、ふな寿司も自分達で漬けたものですよ。

 

――― あ、ふな寿司発見! 20代から30代の若い方って、ふな寿司を買われますか?

 

若い人にもふな寿司ファンは多い



 
中川:思いのほか、ふな寿司を好きな若い方って多いんですよ。

 

――― えっ! 意外です。ふな寿司が好きで取材をしている身ですが、ふな寿司を好むのは年配の世代という印象が強いですが……。

 

中川:私も意外やったんです。店内に入ってすぐに、ふな寿司を手にとって「これを買いに来てん~」っていう若いお客様もいらっしゃって。こっちが「え!? ふな寿司食べられるん? 無理してへん?」って気を使ってしまいます(笑)でも、ご本人は「ふな寿司が好きで、ふな寿司を目当てに買いに来てん」って言っていて。こないだもね、大阪からふな寿司を買いに来られた若いお客様がいらっしゃいましたね。

 

――― 大阪からですか!?

 

中川:えぇ、大阪から。話を聞いてみると、親戚の方が滋賀県にいて、自家製のふな寿司を毎年頂いていたそうなんです。家族のみんなは誰も食べなくて、そのお客様だけが食べていたという(笑)親戚の方に催促は出来ないから、買い求めに来たということでした。県外の方のほうが、先入観がないからか、食べてみて好きになるという方が多いような気がしますね。

 

――― あぁ、分かる気がします。県内出身の子は、小さい頃に家でふな寿司を漬けていた匂いが原因で、食べられなくなったという話などをよく聞きますよね……。そして、ふな寿司の前にあるのは「ふなずしサンドイッチ」ではないですか……!! 私、これが大好きなんです! ふな寿司の塩気とチーズがパンに染み込んでいて、素晴らしく美味しいですよね。

 

中川:ありがとうございます。「ふなずしサンドイッチ」は、ふな寿司を食べたことのない方でも食べやすいと思います。食べてみて、「え! ふな寿司って美味しいやん」と言って頂いたり、「……ハマった!」と、おっしゃってくれるお客様もいらっしゃいますよ。

 

――― おぉぉ、やはり! ふな寿司とパンというのは斬新なアイディアだと思うのですが、どのようにして「ふなずしサンドイッチ」は生まれたのでしょうか?

秘密は、地元の有名なパン屋さん



 
中川:「ふなずしサンドイッチ」は、近江八幡市にある「壱製パン所」のオーナーである谷さん考案の商品なんです。「パンでふな寿司を挟んで気軽に食べられたらなぁ」って思って、谷さんに相談してみたんです。そうしたら谷さんはすでに「ふなずしサンドイッチ」のレシピを考案されていて、お店でも出して頂けることになったんです。

 

――― 壱製パン所さんといえば、地元ではかなり有名なお店ですよね! オーナーの谷さんはイタリアで修行されていて、その本格的なパンを求めて、連日お店はにぎわっています。谷さんとは、元からお知り合いだったんですか?

 

中川:えぇ、私の旦那さんと谷さんが同級生なんです。その後も、私が「こんなん出来へんかなぁ~?」って相談する度に、谷さんが商品を考案して下さって。

 

――― なるほど~。店内には、パンを使った商品も沢山並んでいますよね。ブラックバスサンド、蒸しチキンバーガー、琵琶湖のメロンパン、琵琶湖のピッツァに、なまずバーガー……! どれもビワコドーターズさん、ならではの商品ですね。そして、美味しいパンと、琵琶湖の新鮮な魚の組み合わせは、もう絶対に美味しい……!!

 

琵琶湖産の魚で作られた商品をご紹介



 
中川:なまずバーガーや、ブラックバスサンドには、そのままお魚が入っています。「あの凶暴なブラックバスを食べるの!?」と言われたりしますが、ブラックバスはタイのような白身魚でとても美味しいんですよ。なまずバーガーも人気です。ブラックメロンパンには、中に入っている練乳クリームに、ふな寿司の飯の部分が入っているんですよ。
 

 
――― 飯の部分ですか? どんな味なんだろう……と思って食べてみると、まるでホワイトチョコレートみたいな味ですね! 美味しいです!
 

 
中川:こちらの琵琶湖ピッツアのふな寿司味には、パンにふな寿司の飯とはちみちを塗って、チーズやトマトをトッピングしているんです。店内で食べられたお客様が気に入って下さって「おかわり!」って言って、2枚食べられた方もいらっしゃるんですよ。

 

――― 分かります! この甘みがなんとも言えず、「もっと食べたい」という気持ちにさせられます……! 飯とはちみつとチーズの相性ってこんなにもいいものなんですね。
 

 
中川:蒸しチキンバーガーに入っているチキンも、ふな寿司の飯に漬け込んだものなんですよ。飯に漬けると胸肉がすごくしっとりするんです。中に入ってるポテトサラダにも、ふな寿司の飯を混ぜているんですよ

 

――― おぉぉ、さすがですね。普通の蒸しチキンバーガーではありませんでした(笑)
ふな寿司の飯の部分て、こんなに美味しく変身するんですね。そして、デザートまであるんですよね!?
 

 
中川:はい。ふな寿司ジェラートですね。こちらは、彦根市にあるAzzurroさんに監修して頂いています。ふな寿司の飯をジェラートに混ぜているんです。普通に美味しいですよ~。

 

――― すごくおしゃれですね! 定番のふな寿司、受け継がれているレシピで作る佃煮から、バーガーやサンドイッチ、そしてジェラートまで多様な商品が並んでいますね。

 

ちなみに、一番の人気商品は、どれでしょうか……?

一番人気は、予想外にもあの商品!



 
中川:うーん……、ふな寿司ですね!!

 

――― えっ! ふな寿司ですか? 意外です!!

 

中川:えぇ、やっぱり、ふな寿司ですね。ふな寿司を求めに来られるお客様も多いです。先日の日曜日は特にふな寿司を求めにいらっしゃるお客様が多くて、ずっとふな寿司を切っていました(笑)あとね、「ふな寿司をどこで買えばいいのか分からない」っていうのも、よく言われるんです。「スーパーなどでもふな寿司は売っているんだけれど……」って。

 

――― あぁ、その気持ち、分かります。何かのきっかけでふな寿司を食べて好きになったけれど「果たしてこのふな寿司は、美味しいのか?」って考えちゃうと、買えないんですよね……。

 
 

「食べるきっかけ」を作る場所でありたい



 
中川:なので、「ホームページを見たから買いに来たんです」って言われると、嬉しいですね。ふな寿司や、琵琶湖の魚を食べてみよう! っていうきっかけになるというのが、嬉しいです。あと、子どもさんが「湖魚の佃煮が食べたい!」って言って、お母さんと一緒に買いに来てくれることもあるんです。「魚は食べへんねんけど、この佃煮は食べるねん」と言われた時も、すごく嬉しかったですね。今の時代って、核家族化が進んで、昔ながらの湖魚の佃煮などが食卓に並ぶ機会が、減っていると思うんです。そんな中で、子どもたちに食べてもらえるのかは、お母さん次第になっていきますよね。

 

――― そうですよね。よく分かります。我が家も意識しないと佃煮などが食卓に並ばなくなってきています。琵琶湖で獲れる魚を食べる。そんな文化が、これからも当たり前のように各家庭の食卓にあったらいいですよね。

 

中川:えぇ、本当に。なので、ビワコドーターズが、湖魚を食べるきっかけになったり、喜んでもらえる存在であれたら嬉しいと思います。

 

――― それはめちゃくちゃ素敵です!

 

斬新な組み合わせの「ふなずしサンドイッチ」にはどんな秘密があるのかな~? と思って訪れたビワコドーターズさん。そこには「琵琶湖の魚をもっと食べてもらいたい。魅力を知って欲しい。祖母と母から受け継がれる味を伝えたい」と思う中川さんの姿と、レシピを考案する谷さんの存在がありました。

 

後日、谷さんにふなずしサンドイッチを考案された理由を伺ったところ、「誰も作っていなかったから」と、教えていただきました!

 

小さな頃から釣りが好きで、琵琶湖の魚にも関心が高く、新しいことに挑戦するのも好きな谷さんは、今から10年以上も前に「誰も作っていなかったから」と、ふな寿司とパン、バターとチーズで作る「ふなずしサンドイッチ」を考案されたそうです。

 

「ふな寿司がチーズとバターでマスキングされていて、パンの風味もあるので、初めてふな寿司を食べる人にも食べやすいと思います。ふなずしサンドイッチをきっかけに、今までふな寿司を食べたことのなかった人にも、ふな寿司を身近に感じてもらえたら、嬉しいですね」と話してくれましたよ!

 

びわこドーターズさんの商品は、全国発送もされていますので「滋賀まで足を運べない~」という方も、食べられますよ。季節ごとに取り扱う商品が一部変わりますが、琵琶湖の魚の旬と共に、お楽しみください!
中川さん、谷さん、ありがとうございました!

 

今回学んだこと
・ 中川さんは「琵琶湖の魚を食べてもらい、魅力を知ってもらいたい。祖母と母から受け継いできたレシピを伝えたい」とビワコドーターズの店舗を設立。
・ 若い人にもふな寿司は食べられている
・ 大阪からふな寿司を買い求めに来るお客様もいる
・ ふな寿司サンドイッチは、地元の美味しいパン屋さんが考案した商品
・ ビワコドーターズさんには、ふな寿司を使った商品が、他にも沢山ある
・ お店の一番人気商品は、ずばり、ふな寿司!
・ 「これからも、琵琶湖の魚を食べるきっかけとなったり、喜んでもらえる存在でありたい」
・谷さんがふなずしサンドイッチを考案された理由は「誰も作っていなかったから」であり、ふなずしサンドイッチをきっかけに、ふな寿司を身近に感じてもらえたら嬉しい」とのこと

 

今回お話を伺った方
中川知美さん

ビワコドーターズショップマネージャー
2016年に「琵琶湖の魚を食べてもらい、魅力を知ってもらいたい」とビワコドーターズの店舗を立ち上げる。

❏ライタープロフィール
すずき のりこ
1984年生まれ。2010年に結婚を機に滋賀へ移住。仕事を通してまちづくりや、市民活動に熱い人に出会い、地域や滋賀の良さに目覚める。
滋賀県のよさについて熱く話しすぎて「……観光大使?」と友達にドン引きされた経験アリ。
好きな食べ物は、鮒ずしと近江牛と彦根梨。

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2019-09-02 | Posted in ふな寿司をめぐる冒険

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