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週刊READING LIFE Vol.41

自分自身をどう思ってるか、周りの人に表現してるって知ってます?《 週刊READING LIFE Vol.41「変わりたい、変わりたくない」》


記事:しゅん(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 

一年前くらい前まで、私のお腹の肉を触りながら、奥さんがよく言っていた。
 
「ぷにぷに、ぷにぷにしおって、何目指してるの? ちょっと痩せたら?」
 
そう言いながらも、気持ちがいいのか頻繁に触りに来ていた。そのうち娘達まで真似して、お腹を触りに来ては「ぷにぷにで気持ちいいねー。お父さん痩せないの?」と言ってくるようになった。
 
確かに結婚前、奥さんと出会った頃には痩せていたんだから、そう言われても仕方がない。結婚してから徐々に体重が増えて、今ではその時より10Kg、いや15Kgくらい体重増えたかもしれない。
 
むしろ、奥さんと出会った時がダイエット後の特異点だったから、今の方が元々に近いのだが。
 
私のダイエットのイメージは「体重を減らすのは難しくないが、維持するのが大変」だ。体重を減らすのは極論を言えば摂取カロリーより消費カロリーを増やせばいい。一時的にはやれないことはないが、その生活をずっと続けれるか? 食べたいものを我慢し、したくもない運動をする生活をずっと続けられるか? というと、正直なところ続けるのが難しいのがダイエットだと思っていた。
 
そのため、奥さんや娘から「痩せたら?」と言われても、なかなかダイエットに踏み切れずにいた。

 

 

 

 

その頃、私は心理学の勉強をしたくて心理学の教室に通っていた。その教室には20代から60代、70代までの幅広い年代の人々が集まっていた。
 
教室に通いだす前は、家と会社をただ往復する生活だったので、気の抜けたチノパンとポロシャツ、といった格好だった。お客さんに合わない内勤ということもあり、周りの人も気の抜けた格好をしている人が多いため特に気にもしていなかった。
 
しかし、その教室には女性も多く、また男性でもおしゃれな恰好の人や年齢相応の恰好の人が居て、段々と自分の恰好が恥ずかしくなってきた。
 
「もっと、大人っぽい恰好がしたい!」
 
そんな気持ちがムクムクと湧き上がってきた。いや、もう十分過ぎる程、大人なんですけどね。
 
でも、そもそもどうしたら大人っぽくなるのかわからない。ちょっといつもと違う恰好しようとしたら奥さんから「何? 今日どうかしたの?」って聞かれることもあって、なんだか気恥ずかしくて変えにくい。悶々としながら過ごしていた。
 
そのうちに、一緒に教室に通ってる女性が、ファッション関係の仕事をしていて「ファッション講座」なるものをしていると聞いた。しかも男性向けの講座もあるという。
 
講座のホームページを見てみると、こう書かれていた。
 
『普段はスーツで会社に通っていても、休日に私服で知り合いに会ったときに「あれっ」って顔されたことありませんか? 学生時代のままの服装だったりしませんか? 年齢相応の恰好をどうしたらいいかわからなくて困っていませんか?』
 
これだ。「はい。困ってます!」心の中でつぶやき、早速申し込んだ。

 

 

 

 

そして、その講座で言われた一言が衝撃的だった。
 
「ファッションはセルフイメージの表現です」
 
ガンッ! ブロックで頭を殴られたような衝撃を受けた。
 
そんなこと考えたこともなかった。でも確かにそうだ。自分が自分自身に思ってることが、服装にでちゃってる。「私なんて、こんなもんだ」、「おしゃれな恰好なんて似合わないし、恥ずかしいし、こんな気の抜けた格好をしてるのが自分にはお似合いだ」と心の底で思ってる。電車でカッコいいビジネスマンを見ても「いや、あんな恰好なんて似合わない」、そう思ってる。そして、そう思ってることを、自分の恰好を通じて周りに表現してしまっている。
 
恥ずかしさで体が熱くなり、顔が赤くなった。
 
講座では、自分が理想とする人やライフスタイルに合うファッションについて考えた。自分はどんなファッションをしたいのか。
 
家に帰って、奥さんに宣言した。
 
「俺、そろそろ大人っぽい恰好したい」
 
次の休みに洋服を見に行ってみた。自分のセルフイメージに合う服装を探しに。何枚か試着しては鏡を見る。でもなんか違う。似合わない。なんでか? 顔やお腹が自分のイメージと違うのだ。
 
「よし、痩せよう!」
 
ダイエットを決意した瞬間だ。

 

 

 

 

ダイエットの方法は、人によって合う合わないがあるとは思うが私の場合は「糖質制限」と呼ばれる米やパンや麺を減らして、おかずはいつも通りか少し多めに食べる方法をとった。おかずもできるだけ揚げ物よりは野菜や煮物を多く食べるようにした。あとは体重を毎日記録すること、歩数を測ること、服を着替えた時にに鏡を見てチェックすることを心掛けた。
 
体重を記録することで、体重の変化が楽しくなってくる。そして体重が減ることで、周りからも「あれ? 雰囲気変わったね?」や「痩せたねー」と言われ始め、さらに楽しくなった。
 
結局、4か月で7Kg痩せて、ワンランク下の服を着れるようになり、鏡を見ても違和感がなくなってきた。奥さんにも「最近、なんか色気づいてるよね」と言われるようになった。
 
いえ、決してそういうやましい気持ちはございませんのでご安心を。

 

 

 

 

ダイエットに関わらず、自分の中で「変わりたい思い」と「変わりたくない思い」がぶつかることってよくあることだ。そんな時は、正直どっちでもいいんだと思う。結局は、「自分が自分のことをどう思っているか?」、「その思いと現実の自分が一致してるかどうか?」を比べてみて、自分がどうしたいかで選んだらいいんだと思う。
 
「変わりたくない」なら、今の自分に満足してるか、まだ今はそのタイミングじゃないだけだ。
 
もし「変わりたい」場合、最初は自分でもちょっと違和感があったり、周りの人にどう思われるかな? って気になるかもしれない。私の場合の、大人っぽい恰好しようとしたら奥さんに「今日、なんかあるの?」って聞かれるのが、気恥ずかしいみたいに。でも、これって髪の毛を切った直後の違和感と同じで、すぐに見慣れるものだ。だから、一歩踏み出すこと、始めることが大事なんだと思う。

 

 

 

 

えっ? それで今はどうかって?
 
あれから通ってた教室も卒業し、また家と会社の往復になったこともあり、残念ながらすっかり服装も体重も戻ってしまった。
 
やっぱり環境の影響って大きい。よく「成功したければ成功している人たちと一緒にいることだ」と聞くが、あれって本当だ。周りの人の影響で自分のセルフイメージが変わり、自分のセルフイメージに相応しい自分になろうと変わっていくんだと思う。
 
今はまた、奥さんや娘たちに、お腹の肉を触られながら言われている。
 
「ぷにぷに、ぷにぷにしおって、何目指してるの? ちょっと痩せたら?」
 
でも、最近またちょっと「大人っぽい恰好」がしたくなってきた。カッコイイ自分を目指してもう一回ダイエット始めてみようかな。

 
 
 
 

◻︎ライタープロフィール
しゅん(週刊READING LIFE編集部 ライターズ倶楽部)

ソフト開発のお仕事をする会社員
2018年10月から天狼院ライティング・ゼミの受講を経て、
現在ライターズ倶楽部に在籍中
セキュリティと心理学に興味があります。
日本メンタルヘルス協会 公認心理カウンセラー

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2019-07-15 | Posted in 週刊READING LIFE Vol.41

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