週刊READING LIFE vol.52

生産性を高める事は、自分の人生を豊かにする方法《 週刊READING LIFE Vol.52「生産性アップ大作戦!」》


記事:中野ヤスイチ(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 

「時間だけは、誰に対しても平等に与えられている」
この言葉を聞いた時、ハッとさせられた。
 
いつ聞いたか、もう覚えていない。ただ、間違い無い真実だと思う。
 
どんな有名人だって、お金持ちだって、お年寄りだって、子供だって、1日24時間は変わらない。
 
誰であろうと、持っている時間は変わらない、なのに、世の中では「勝ち組と負け組」に分かれている。「金持ちと貧乏」、「一流と二流」と比較する言葉はこの世の中に一杯溢れている。
 
その違ってなんなんだろう!? って、サラリーマンになってから考えるようになった。
 
学生時代は、親に生活費から学費まで払ってもらって、普通に学校に通って、友達と楽しく遊んで、授業は早く終わらないかなぐらいしか、考えていなかった……。
 
早く、時間が過ぎて、大人になって、誰かに何も言われずに、好きな事をしたいって、本気で思った。
 
でも、現実はそんなに甘くなかった……。
 
自分の考えを好きに発言するにも、好きな事をするにも、営業マンをしている僕には、実績がとても大事、すべては実績が高い人が許されている特権、と社会の荒波が自然と教えてくれた。
 
そうか、すべては、実績、自分の生産性なんだ……。
それも、時間あたりの生産性、と気がついた。
 
そこから、時間あたりの生産性を上げる、実績を上げる為には、どうしたら良いのか、必死に考えるようになった。すべては、自由を勝ち取る為に。
 
答えは、誰も教えてくれなかった……。
自分もわからなかった……。
 
ただ、仕事をしている内に、慣れが出てきて、要領を掴んでいくと、なんとなく、時間あたりの生産性が上がっていることに気付かされる。
 
3年くらい経つと実績があがってきて、自信がつくようにもなった。
すると、僕は時間あたりの生産性を忘れて、長く仕事をすればもっと実績が上がると思うようになっていた……。気がついたら、ハードワーカーになっていた。
 
6時前に朝起きて、24時過ぎても仕事をして寝るといった日々を送るようになっていた。
それを続けて、何年か経った頃だった……。
 
無理がたたったのだろうか、全身に蕁麻疹が出て、熱も出て、仕事どころではなくなった。
直ぐに、病院に向かい、薬をもらって、飲めば治って、仕事に戻ることができると思っていた。
 
もちろん、蕁麻疹は治って仕事に戻る事はできたが、全身の倦怠感が取れず、このままで良いのかなと思うようになっていた。
 
ただ、闇雲に自分の時間を浪費しているだけなんじゃないだろうかって、疑問を覚えるようになっていた……。
 
その時に、出会った本が、「自分の時間~1日24時間でどう生きるか」(三笠書房 アーノルド・ベネット著)である。
 
この本に、誰にでも平等に与えられる1日24時間をどのように生きるべきかが、書かれていた。
 
そこに書かれていて、驚かされたのは、「1週間を7日あると考えるよりも6日だと考えるようにしたほうが、能率が上がりより充実した生活が送れる」だった。
 
今まで、考えたこともなかった……。
カレンダー通り1週間を7日で考えて、計画を立てていたのだから。
 
そこから、1週間を6日で考えるようになった。すると、土日も仕事をしていたのが、日曜日の夕方に月曜日からの仕事の準備をするだけになり、格段に生産性が上がった。
人は与えられた時間の中で、自然と試行錯誤して、効率性を高める事ができると知った瞬間だった。

 

 

 

「どうやったら、もっと生産性をあげる事ができるのだろうか」を1週間の予定を6日で過ごす事を習慣にしてから、考えるようになっていた。
 
なぜ、そんな事を考えるようになったのか……。
 
それは、空いた時間で好きな本を読むようになり、もっと本を読める時間を作れないかなと漠然と考えるようになり、もっと、好きな事がしたい。
 
その時に出会ったのが、「生産性」(ダイヤモンド社 伊賀泰代著)だった。
 
この本には、上司が部下の資料を確認した際に、「この資料は良く出来ているで、終わるのではなく、どれくらいの時間かかったのかも確認すべき」と書かれていた。
 
そうか、この視点が抜けていたんだと気付かされた。
 
一つ一つの資料を作成する時間やその他の仕事も含めて、掛かった時間を記録する事を忘れていた……。
 
それを知ってから、携帯のタイマーを使うようになっていた。
一つ一つの仕事にかかる時間が分かるようになると、仕事の内容次第で、どの時間にやるべきなのかを含めて、自然と分かるようになる。
 
すると、想像以上に仕事のスピードが上がっている。
そのあたりから、周りから内勤早いけど、何しているの? と聞かれるようになった。
 
まさに、本を読んだおかげである。
この感覚を覚えると、もっと効率良く生産性を上げる為には、どうしたら良いのか、考える虜になってしまう。

 

 

 

今度は自然に気がついてしまった。自分のパータンを。
 
人には、生産性が高い時間帯が夜型の人と朝型の人がいるらしい。
僕は学生時代までは、間違いなく夜型の人間だった。
 
社会人になっても、夜にまとめて仕事をする事が多かった。
ただ、小さな内勤ミスが多いことに気がついた。何より、作業スピードが午前やるよりも、2倍・3倍も違う。
 
これに気がついたのは、偶然の出来事からだった。
東京に転勤になり、朝から満員電車に乗る機会が増えた。
 
この満員電車に乗る機会のお陰で、自分は朝の方が集中力も高く、生産性が高い事がわかった。それと同時に睡眠時間も6時間半は絶対に必要である事もわかった。
 
満員電車が嫌いな僕は、ドンドン朝の早い電車を乗るようになり、自然と朝早く会社に着く事が多くなり、内勤をしていると、ラッキーな事に夜よりも3倍早い事がわかった。
まさに、ドラゴンボールに出てくる「精神と時の部屋」にいるような感覚だった。
 
これを知ってから、夜は早く寝て、朝を早く起きる習慣が身につくようになった。
 
「行動が変われば、人が変わる、人が変われば人生が変わる」とは、良く言ったものだ。
間違いなく、その通りだと思う。

 

 

 

誰よりも長く働いたら「生産性」が上がる時代はもう終わるに違いない。
何より、好きな事をする為に、短い時間で「生産性」を高める能力をより磨いていく必要があるに違いない。
 
ついつい、好きな事をして、時間を忘れて、「生産性」を高める事を忘れてしまうが、
本気で好きな事をしている時は、時間を忘れて、没頭しているからこそ、誰も考えもしなかったようなモノが作られるのかもしれない……。
 
時間は誰にでも、平等に与えられている、この与えられた時間の「生産性」を高める事は、好きな事ができる時間増えて、より自分の人生を豊かにする方法になるに違いない。
 
もっともっと生産性をあげたいな。

 
 
 
 

◻︎ライタープロフィール
中野ヤスイチ(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

島根県生まれ、東京都在住、会社員、妻と子供の3人暮らし、東京薬科大学卒業、奈良先端科学技術大学院大学卒業、バイオサイエンス修士。父親の転勤の影響もあり、島根県、千葉県、兵庫県、埼玉県、奈良県、佐賀県、大分県、東京都と全国を転々としている。現在は、理想の働き方と生活を実現すべく、コアクティブ・コーチングを実践しながら、ライティングを勉強中。ライティングを始めたきっかけは、天狼院書店の「フルスロットル仕事術」を受講した事。

 
 
 
 
http://tenro-in.com/zemi/97290

 


2019-10-07 | Posted in 週刊READING LIFE vol.52

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