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素人投資家いちねんせい

第18回:定期預金などを解約して投資信託の資金を増やしたお話≪素人投資家いちねんせい実況中!≫


記事:安光伸江(READING LIFE編集部公認ライター)

 
 

「そもそもそれ、誰が受け取るんですか? この際使っちゃいましょう!」
 
いつもの証券会社の担当のにぃちゃんことM師匠はそう言った。先週急遽実家に帰った家族想いのM師匠、我が家では「ええ孫じゃ」と株が鰻上り。営業成績を上げてあげたいなぁなんて気持ちもちょっと芽生えたりもしている。そんなとき「そういえば」とふと思い出したのが
 
私が死んだ時に父が受け取ることになっていた共済
 
であった。だいぶ前にかけてあって、かけてから3年以内に私が死んだらマイナスだけど、それからはプラスになるというもの。東京から帰ってわりとすぐの時期にかけたからもう十分お金は増えている。
 
父が亡くなってその受け取り権は母に相続された。そして母が死んだ時、手続きに来てくれた人が「受取人、どうします? ご本人ということもできますけど」というので、兄のところに行くといろいろややこしいからということで私自身を受取人にして、一般の定期預金よりかなりいい利率(年0.8%だったかな?)だから置いておいた方がいい、ということになっていた。
 
その存在をすっかり忘れていたのだけど、この間M師匠のところで契約したリートプラスとかなんとかいうおいしい商品(元本をほぼ減らさずに毎月分配金が出る投資信託、らしい)の元本を増やせば分配金も増えるんじゃないの? なんて欲深いことを考えた私。共済を80歳まで置いておけばけっこうな金額に増えたらしいけど、それと今解約してお金をリートプラスに移すのとどっちがいいかな、と思って相談したら、冒頭の言葉が返ってきた。
 
そうなんだよ、誰がもらうんだよ、姪っ子とは面識ないし、兄には家も自分で処分しとけ、俺が死んでからうちに迷惑をかけるな、とか言われているし、これ、残しておいてもしょうがないよな、相続の手間がかかるだけだよな、こんなはした金いらないとか言われちゃうかな、と思った。
 
で、共済の利率がいいと言われて残していたので、リートプラスの利率がいくらになるか計算してもらったら
 
桁が違った!
 
ほんじゃぁ共済を解約してリートプラスに入れましょうということになった。
 
共済はJAで、4月から山口県全体に合併した関係で下関だけだった頃より時間がかかるかも、という話だったんだけど、急ぎでやってくれたおかげもあって数日でM師匠のところに入金され、リートプラスの5月決算に間に合うところで発注をかけることができた。つまり、5月の分から分配金がもらえるようになった!
 
わ~い
 
ついでに年金受け取りを予約してあった西京銀行の定期預金(特約で利率がよくなっていた)を一部解約してこれまたリートプラスに入れることにした。定期預金を解約したいというといろいろほかの商品を紹介されたのだけど、インド? かどこかの債券だか株だかだったので、その場でM師匠に電話して聞いたら「新興国、やめましょ」とあっさり言われたのでやめた。とはいっても西京銀行にも義理を感じたので、予定より少ない口数を解約してM師匠のところに入金した。これもリートプラスにしてください、というとM師匠は「ありがとうございます!」とうれしそうだった。
 
そっか~
どこも大変なんだな~
 
銀行やら証券会社やら、解約しようとすると、なるべく自分のところに資金を置いておくようにいろいろ紹介してくる。M師匠がリートプラスを持ってきたのも元はといえば国債を解約してゆうちょか楽天銀行に資金を移そうとしていたからだ。自分のところにお金を置いて欲しい。それが見えるようになった。ヨソから持ってきてくれればさらによし。私みたいな弱小素人投資家ですらいろいろモーションをかけられるんだから、お金持ちって大変なんだろうなぁ、うちにお金を入れてください、とか、うちからお金を借りてください、とか、いろいろ言われるんだろうなぁ、と思った。
 
M師匠に営業をかけられて医療機器やゲノム関連のファンドを買ったのは、一度入れてあった資金をあっちに転がしこっちに転がししていたので、外からお金を持ってきたのは去年の夏に前の担当のお姉さん経由でアップル株を買って以来のことだった。西京銀行の定期を解約した分をM師匠のところに入れた時「ありがとうございます!」と言われたのは、自分のところの資金を増やしたいのがホンネなんだろうなぁ、と思った。いつもいろんなことを教えてもらって、まぁファンドを買うのに手数料をだいぶ払ったけど、まさかこの私がヨソからお金を持ってくるとは思ってなかったみたい。株でマイナスを出したのに恐縮している風だったしね。
 
でも。M師匠がいい孫だとわかったので。信頼したので。そしてリートプラスも大丈夫な気がしたので。ちょっと、賭けてみようと思った。人間、信頼が大事だよね。
 
結果として、私にとってはけっこうなまとまった額がリートプラスに入った。評価損益は相変わらずマイナスなんだけど、トータルリターンのところを見たら、分配金の額が入っていた! おお。これは、現状の食費を超えている! ということは、贅沢しなければ、毎月の分配金で、暮らしが成り立つ……かもしれない。
 
元本「保証」ではないので、これから元本がちゃんと残るのかどうかちゃんとは理解してないんだけど、私が聞いた話では、リートとバンクローンを組み合わせてあって、収益をあげた中から分配金を出すとのこと。これが本当にうまく回るのなら、たぶん、リートプラスが償還されるまでは十分暮らしが成り立つ……はずだ。償還期限が来ても、お客さまにメリットがあれば延長もありえます、ということなので
 
もしかしてずっと延長されたら
 
私は食費の心配をしなくてすむかもしれない!
 
M師匠は「この金額だとエンゲル係数あげられますよ」なんて言っていたし、うまくいくといいな。もちろんリスクもあるんだろうけど、ちゃんと乗り切れるといいな。
 
父の命日に墓参りに行った報告を従姉にしたら、従姉もそのリートプラスに興味を示した。配当がもらえるなんていいじゃん? でもホントに大丈夫なんかね? という感じ。なんと従姉もM師匠の証券会社に口座を持っていることがわかったので、あとでM師匠に従姉を紹介して、従姉の担当の人から営業をかけてもらうことになった。もしこのリートプラスが本当にいい商品なら。お互いに幸せになれる商品なのだったら。従姉も私も万々歳ではあるまいか。営業の人には、リスクの部分をしっかり説明してほしいな、と思ってはいる。私はお金が月々入ってくるなんてラッキー♪ くらいにしか思ってないからね。
 
ちなみにM師匠のところに従姉を紹介して別の人が電話に出た時、最初に聞かれたのは年齢だった。何歳(って言ったか忘れちゃった)までは問題なく入れる、80歳を超えたら証券会社から提案することはできない、とかいろいろ制限があるんだって。判断能力があるかどうかが問題らしい。比較的若いうちから資産形成を考えないといけないのね。勉強になりました。
 
そんなこんなでしばらく月々の食費は心配しなくてよさそうだ。あとは無駄遣いをせず遺産をあまり取り崩さずに生き延びることができれば! 株の評価損益はマイナスだけどこれが持ち直せば! 少しずつでも資産を増やせれば! 幸せでいられるかもしれない。
 
うちのうつ病の主治医も、うつ病の人がいちばん落ち込むのは経済的なことだから、月々の定収入があるのは悪くない話だと喜んでくれた。
 
頼むよ、リートプラス! しっかり収益を出して、みんなに分配金を出し続けてね!
 
従姉が入るかどうかまだわからないけど、私の資金をM師匠のところでちょっと増やせて、気分がいい今日この頃なのだった。
 
そんなわけで今日の教訓:WIN-WINの関係を作りましょう!
 
これからは無駄遣いせずに、分配金から貯金できるくらいにがんばるよ!
 
つづく。

 
 
 
 

❏ライタープロフィール:安光 伸江(READING LIFE公認ライター)
山口県下関市出身・在住。下関西高、東京大学卒業、東京藝術大学大学院修了。
大学卒業後は東京で声楽・器楽の伴奏ピアニストや音大非常勤講師などの音楽活動をしていたが、2008年9月、リーマンショックの1週間前に病気療養のため実家に帰る。その後2016・2018年と両親を看取る。2016年乳がんの全摘手術と抗がん剤を体験した乳がんサバイバーでもある。LTE契約なしのガラケーとiPhone 2本・Android 1本(格安SIM利用)を合計月4000円ほどで使うなど大のガジェット好き。ライター、セラピスト、ブロガー、素人投資家。
天狼院メディアグランプリ 21st season 総合優勝。週間1位複数回。

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2019-06-10 | Posted in 素人投資家いちねんせい

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