メディアグランプリ

諦めたあとの向こう側


 

 

 

 

*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事: 美穂 ( 2026年4月開講・名古屋会場 )

 

 

 

「ずっと昔からあるし、もうどうにもできないかなって思っているんだけど……」

そういって私に手を見せてくれた。

「指の関節が大きくなっちゃって手を見せるのが恥ずかしくて。手の関節がうまく動かせないの。20年くらい前からある症状だからうまく付き合っていくしかないよね」

華奢な手とは裏腹に確かに第一関節がぼこっと大きくなっている箇所がいくつかある。ちょうど鶴の足のような状態だ。

「病院にも行ってるんだけど、薬も何ももらってないの。もし痛みがひどければサポーターを勧めてくれるくらいかな?でも日常生活は大丈夫。パンをこねたり手をたくさん使うと痛くなるときはあるけどね」

私の最後の質問である「何かほかに気になることはありますか?」と聞いた時にお話ししてくれた。

 

私は漢方薬局で働いている薬剤師だ。漢方薬を使ってみたい! こんな症状に悩んでいて漢方薬で何とかしてほしい! という人に最適なお薬を選んで調合している。

漢方薬局では特別な検査や機械などは一切なく、舌や脈、顔色などを見つつさらに本人からの症状の聞き取りをする。本人からのお話が結構大切で、どんなお悩みを治したくて漢方薬局に来たのか最初にしっかり聞き取りをするようにしている。

 

この方は60代女性で「耳に水が詰まった感じがする」という症状に悩み来店した。

症状が出た時に最初は病院に行って「めまい」の診断を受けた。そしてめまいの治療薬をもらい飲んでみたものの改善がない。さらにめまいの点滴までしたが特に症状は変わらず、漢方薬を試してみようと思い来店された。

私が相談を受けた時に最後に確認することが、「ほかに体調で気になることはありますか?」

だ。

すると遠慮がちに手の症状の話をしてくれた。

 

 

手について病院ではブシャール結節とヘパーデン結節、MC関節症という診断を受けていた。いずれも変形性関節症という病気の一種で、軟骨のすり減りや骨の変形といったことが原因で起こる。名称の違いは症状のでる部位の違いだけで、ヘパーデンは手の第一関節、ブシャール結節は手の第二関節、MC関節症は親指の付け根に起こる変形関節症だ。

女性ホルモンの急激な減少もこの症状を引き起こす原因の一つと考えられており、これら関節の病気は更年期以降の女性に現れやすいのだ。

主に関節の痛みや腫れの症状がでて、こわばり、ひどいと変形して関節が固まってしまう。

関節リウマチと症状が似ているが、検査をすると関節リウマチとは全く違う病気とわかる。さらに関節リウマチと大きく違うところは治療法がないというところになる。基本的には対症療法になってしまい、まず手の使い過ぎを避ける。痛みが強ければ痛み止めを飲むかシップを使うか。日常生活に困ればサポーターを使うかという選択肢になる。手術や関節注射を行うこともあるみたいだが、特に手術は最終手段でほとんど行われない。

そんな西洋医学では特効薬のない難しい病気にも悩まれており、でもどこか諦めていたのだ。

 

 

まずは本来の目的である「耳に水が詰まっている感じ」のめまいをよくするための漢方薬を調整してお渡しする。2週間ほど飲んだら耳に水が詰まった感じがだいぶ改善されたので、3週目からは手の関節症状に効果のある生薬をプラスに配合して飲んでもらうことにした。

最初はあまり効果を感じることはなかったが、続けて飲んでいくうちに関節の痛みや動かしにくさが徐々に改善してきた。

大きくなった関節の大きさは変えられないが、痛みや曲げにくさ、動かしにくさは漢方で改善することもある。

 

 

令和の時代でも西洋医学ではどうにもならない病気は山ほどある。病名のわからない症状も山ほどある。その場合に東洋医学という選択肢を選んでみるのもいいのではないかと思っている。もちろん漢方薬だけではなく鍼やお灸、整体など色々な分野があるので好みに合わせて選んでみるのもいいと思う。

東洋医学にわからない病気はない。聞いたことのない症状であったとしても身体の中に流れている「気、血、津液」の状態と体を主に構成している五臓「肝、心、脾、肺、腎」の働きを改善することで問題を解決していく。

検査では現れない体の不調がある場合、薬を使ってもあまり効果がなかった時、西洋医学ではまだ治療ができない不調がある場合、東洋医学という違った角度からの治療を試してみるのもいかがだろうか。諦めかけたときこそ新しい扉が開けるかもしれない。

 

 

 

 

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