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まずは米が大事


 

 

 

 

*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事:永石美香子(26 年 9 月ライティングゼミ withAI)

 

 

 

ご飯茶碗とふりかけをいっぱい準備するのはいいんだけどさぁ、やっぱりまずは米を準備しようよ。

 

……って、いきなり何の話?って感じですよね。

 

別に料理の話をしたいわけじゃありません。 

「ご飯をちゃんと食べよう」という話でもないです。

 

これ、英語の話です。

 

しかも、私が30年以上、高校で英語を教えてきて、ずっと感じていたことにつながっています。

 

英語のスピーチコンテストに出たいと言って、私のところに駆け寄ってくる子は結構いました。

 

でも、そこで出てくる言葉が、

 

「英語のスピーチコンテストに出るけどさぁ、私、何しゃべればいい?」

 

だったりする。

 

いやいや、スピーチコンテストに出るんだから、何か言いたいことがあるから出るんじゃないの?

 

……と思うんだけど、そうでもないんです。

 

「出たい」という気持ちはある。でも、何を言いたいのかは決まっていない。

 

こういうことが、本当にたくさんありました。

 

私は、これって日本の中で育ってきたことと、けっこう関係があるんじゃないかなと思っています。

 

日本では、自分の意見をはっきり言うことが、あまり好まれない場面がありますよね。「右にならえ」とか、「出る杭は打たれる」とか。小さい頃から、周りに合わせることや、自分の主張を控えることを、知らないうちに身につけてきたところがあるんじゃないかな。

 

私自身のことを振り返っても、そうでした。

 

「あなたは何をしたいの?」と、大人が私の話をじっくり聞いてくれることって、あまりなかったように思います。

 

「お母さんの言う通りにしておけばいいよ」とか、「もうこれがいいから、これにしときなさい」とか。

 

自分が何をしたいのか、自分はどう思っているのかを、自分の言葉で話す場面そのものが少なかった。

 

そう考えると、英語を話すときに「私は」という主語が出てこないのも、ちょっと分かる気がします。

 

英語で話そうとすると、いきなり目的語から話し始めてしまったり、途中で文章が分からなくなったりする。

 

「英語が通じない。やっぱり私は英語がダメだ」

 

そう思って、英語の勉強をあきらめてしまう子もいました。

 

でも、私が思うには、その子に文法や単語の知識が足りないとは限らないんです。

 

ご飯茶碗とふりかけは、いっぱいある。

 

でも、肝心の米がない。

 

これ、英語の勉強に置き換えてみると、文法とか単語とか、そういう知識はちゃんとあるんです。英語を話すための材料は、かなり持っている。

 

だけど、「で、あなたは何を言いたいの?」と聞かれると、そこで止まってしまう。

 

自分の中に「これを伝えたい」というものが、まだ育っていないんですね。

 

自分の考えを言葉にすることに慣れていないと、いざ英語で話そうとしても、何を英語にすればいいのか分からなくなる。私は、そこも見落とせないところだと思っています。英語の問題に見えて、実はその手前のところにある問題なのかもしれません。

 

私が言いたい「米」というのは、英語で伝えたい中身のことです。

 

「私はこう思う」 

「私はこれをやりたい」 

「私はこういうことを経験した」

 

そういう、自分の中にあるもの。

 

英語は、それを誰かに伝えるための道具です。

 

英語の勉強をしていると、どうしても「単語をもっと覚えなきゃ」とか「文法をもっとやらなきゃ」と思いますよね。もちろん、それは必要です。私も英語を教える立場なので、そこを否定するつもりはありません。

 

ただ、知っている英語が増えれば、それだけで話せるようになるかというと、私はそうでもないと思っています。

 

何を話したいのかがなければ、覚えた単語も使う場面がないし、文法を知っていても、口から出てくる言葉が見つからない。

 

だから英語を勉強するときには、英語の知識を増やすことと同時に、自分の「米」も育てていく必要があるんじゃないかな、と30年以上教えてきて思います。

 

「私は何をしたいんだろう」 

「私はどう思っているんだろう」

 

そんなことを、普段からちょっと考えてみる。

 

そして、自分の考えを誰かに話してみる。

 

別に立派な意見じゃなくてもいいし、正しい答えじゃなくてもいい。最初は「私はこれ、好きなんだよね」くらいでもいいんじゃないかなと思います。

 

そういうものが少しずつあれば、英語を使うときにも、「これを英語で言ってみよう」というところにつながっていく気がします。

 

そのうえで英語を使ってみる。

 

私は、そんな順番でもいいんじゃないかなと思っています。

 

ご飯茶碗とふりかけばかり増やしても、ご飯がなかったら食べられないですからね。

 

 

 

 

 

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