ワイン・ゼミ1DAY講座レポート

「上手に酔う」ためのワイン・ゼミ1DAY講座! CHEESE STANDさんとコラボレーションSP!【第1部】ワイン編 レポート


2022/07/25/公開
記事:河瀬佳代子(READING LIFE編集部公認ライター)
 
 

2019年、天狼院書店にて「上手に酔うための『ワインゼミ』」が開講されました。
3ヶ月間でワインを知ろう! 単に飲むだけではなくワインを学び楽しもう!
そんな大変意欲的な講座がこのたび、1DAY講座として復活いたしました。
 
今回の1DAY講座ではワインゼミでおなじみの松尾英理子さんが再び講師として登壇されるとともに、渋谷区神山町のショップ「CHEESE STAND」経営者の藤川真至氏をスペシャルゲストにお迎えし、ワインとチーズについて、その相性や味わい方などを語り尽くしていただきました。
 
本レポートは1DAY講座を「第1部:ワイン編」「第2部:チーズ編」に分け、ゼミ内の雰囲気を交えながらお伝えします。
まずは4種類のワインを巡るお話からスタートです!

 
 

<講師プロフィール>



松尾 英理子(まつお・えりこ)
一般社団法人日本ソムリエ協会認定ソムリエ。NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル。天狼院書店Web READING LIFE公認ライター。 現在、サントリーコーポレートビジネス株式会社所属。大学卒業後、株式会社伊勢丹に入社。お酒売場にて日本酒からリキュールまで幅広いお酒の販売に従事。 サントリーへ転職後、営業を経てチューハイなどのRTDや日本ワイン、東南アジア向け烏龍茶の商品開発やマーケティング、国内人材育成業務を経て、前職ではワイン会社にて日本ワイン事業の戦略を担当。 ライフワークは日本ワインの未来に貢献すること、またお酒を通じて人の可能性を引き出すこと。

 
 
今回の開催場所が天狼院カフェSHIBUYAということで、渋谷を本拠地としてチーズを作って創業10年目を迎える「CHEESE STAND」とのコラボ企画となりました。
 
イベントは2部制で、前半第1部はワイン編です。ワインにまつわるクイズ、ワインの知識など、気軽に楽しんでいただけるお話を用意しました。そのあと参加者の皆様に4種類のワインを試飲していただきます。試飲のワインはモンテ物産岩の原ワインより2種類ずつご用意いただきました。
後半第2部のチーズ編では藤川氏にこの場でモッツァレラチーズを作っていただき、ワインと合わせて試食をして楽しんでいただく2時間です。
 
同時に「ワインゼミ」ということで、ワークショップ「自分なりの『おいしい』を表現できるようになろう!」も行います。
ワインやチーズをよく飲み食べてはいるけど、ではどんな味? と訊かれた時に「おいしい以外に言えない」という方が多いかもしれません。せっかく好きなものを味わうのなら、その「おいしい」を具体的に言葉にしてみましょう!
 

 
最初はクイズ形式で、スライドを使いながらワインの知識を簡単に学んでいきます。
Q ワインはいつからつくられているのでしょうか?
Q 世界一のワイン生産国はどこ?
Q 世界には何種類のワインがある?
などの質問が出題されました。
 
ちなみに世界では約100万種類のワインがつくられていて、まさに一期一会の飲み物と言えます。
日本人の年間ワイン消費量は、1人あたり 3リットル・4.2本。1杯200mlとすると、2週間に1杯飲む計算です。
日本は1990年代くらいまで1人あたりの年間消費量は1リットル以下でしたので、急激に伸びています。日本人にとって、ワインのある生活が少しずつポピュラーになりつつあるようです。
 
講義のあとはいよいよお待ちかねの試飲です。
この日の試飲のワインは「藤川さんのチーズと合うものを」ということで、イタリアと日本のものを2種類ずつ選んでいます。
まずはモンテ物産より、スパークリングワインと白ワインのご紹介です。
 
 

【ファラ・フェスタ スプマンテ】


 
イタリアの長靴の形のスネのあたり、カンパーニャ州で作られるワインです。
原料には、ローマ時代から作られていたぶどうの古代品種と言われているファランギーナを使用します。
このワインは例えるなら黄色いりんごの果肉で、酸の残ったフレッシュな感じです。最初に出る泡が抜け始めると、甘すぎないトロピカルフルーツのような香りがします。
 
 

【チロ・ビアンコ】

   画像提供:モンテ物産(株)

 
カラブリア州で作られました。イタリアの長靴のつま先あたり、カンパーニャからさらに南に下った場所です。南の地方なので気温が高く、ワインも酸が綺麗に残るものができます。熟成させるとまろやかな香りがでてきます。
原料のぶどうはグレコ・ビアンコという古代品種です。皮が黄色っぽくて、山梨の甲州ぶどうのように太陽に当たったところだけが赤くなります。
 
新潟県上越市の岩の原ワインからは、日本産の赤ワインと、白の甘口ワインのご紹介です。
 
 

【深雪花】

画像提供:(株)岩の原葡萄園

 
「深雪花」の原料となるマスカット・ベーリーAは、新潟で開発されたぶどうです。「日本のワインぶどうの父」と呼ばれている、岩の原ワイン創業者・川上善兵衛が日本の気候風土、湿気の多い日本の気候でも育ちやすいぶどうを作りたいということで、アメリカ系のベーリー種とヨーロッパ系のマスカット・ハンブルク種を10,000回以上品種交配して1927年に生まれました。今、日本で一番多く栽培されている赤ワイン用ぶどうです。
 
「深雪花」は口中に広がる感じも非常に優しくて膨らみがあります。渋みが穏やかで柔らかいので、いろいろなタイプの料理・チーズとの相性がいいです。
 

【レッド・ミルレンニューム】

画像提供:(株)岩の原葡萄園

原料のぶどうであるレッド・ミルレンニュームは、ミルレンニュームと未詳(みしょう)1号という2種類を掛け合わせました。日本ではおそらく3箇所くらいしか栽培しておらず、非常に珍しい日本固有のぶどうです。
 
「レッド・ミルレンニューム」は、ぶどうを一旦凍らせてから絞って糖度の高い所だけを使う「クリオ・エクストラクション」という製法で作っています。
※参考リンク https://wine-link.net/pc/dictionary/detail/1697
ライチや洋梨のようなアロマティックな香りがあり、酸味とのバランスも取れている1本です。とろっとしていてリッチな味わいなので、チーズに合う甘口の白ワインです。
 

 
試飲のあとは本日のメインであるワークショップです。
参加者の皆様は4種類のワインを試飲したあと、それぞれ思いつくワインの香りと味わいをテイスティングシートに書いていただきました。
 

 
自分の好きなワインを説明できるようになると、お店に行ったときにそのテイストをソムリエに伝えて適したワインを提案してもらえます。ワインを飲んだ時にどんな表現をするか一例を見てみましょう。
 
辛口白ワイン:さわやか、フレッシュ、シャープ、レモン、ミント など
甘口白ワイン:リッチ、こっくり、スムージー、熟した洋梨、あんず、アーモンド、バニラ など
甘口赤ワイン:フルーティ、フローラル、上品、エレガント、赤い薔薇、いちご など
辛口赤ワイン:スパイス、チョコレート、ブラックチェリー、カシス、針葉樹 など
 
形容詞のほかに、花やフルーツなどに例えるのも趣があります。
 

 
「おいしい」という感覚は生まれ持ったものではなく、味や香りの記憶と記録を積み重ねてできるものです。
試飲したときに感想を記録して、様々な味わいの「おいしい」を自分なりに表現して、「食」を何倍にも楽しんでいきましょう。
 
 
(取材・文:河瀬佳代子、撮影:内田ケンイチロウ)
 
 
第2部 チーズ編へ続く】
 
 

<今回のワイン>


モンテ物産(株)
https://www.montebussan.co.jp/
オンラインショップ https://lamoitalia.com/

(株)岩の原葡萄園
https://www.iwanohara.sgn.ne.jp/
オンラインストア https://www.iwanohara.shop/index.html
 
 

□ライターズプロフィール
河瀬佳代子(かわせ かよこ)(READING LIFE編集部公認ライター)

東京都出身。天狼院書店ライターズ倶楽部「READING LIFE編集部」公認ライター。「Web READING LIFE」にて「魂の生産者に訊く!」http://tenro-in.com/manufacturer_soul
、「『横浜中華街の中の人』がこっそり通う、とっておきの店めぐり!」 https://tenro-in.com/category/yokohana-chuka/ 連載中。他に企業HP、シンポジウム等実績。

□カメラマンプロフィール
内田ケンイチロウ(うちだ けんいちろう)(写真家)

埼玉県出身。サッカー選手引退後アパレル会社を経てWeb制作会社へ。母親の影響で写真に触れはじめる。
某カメラメーカー出身のプロカメラマンに師事し、写真活動をスタートする。後にキッズ&ファミリー撮影100組ツアーを実施し、これまで300組以上の撮影を手がける。2017年にウチダブロ合同会社(UCHIDAbüro.inc)を設立する。現在は榊智朗氏に師事し、受託撮影と写真家活動で活躍中。https://uchidaburo.com/

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