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第49回:母の三回忌にこの2年間を振り返る≪素人投資家いちねんせい実況中!≫


記事:安光伸江(READING LIFE編集部公認ライター)
 
 

これを書いている1月18日は母の命日である。三回忌になった。
 
父が2016年5月に急逝したのだが、父の株を母の口座に相続したのは翌年になってからだった。同じ証券会社に口座があったので、必要な書類も少なくて簡単に相続できたんだけど、よくわからないから放っておいた。乳がんの手術などもあったのでめんどくさかった、というのもある。でもやってみたら簡単にできた。数年前から介護していた母もそんなには長く生きないだろうなと思っていたから、私の口座を証券会社に作ることにした。あんまり早く作ると母がすぐ死んじゃうんじゃないかといやだったので、なんとなく延び延びになってしまい、結局口座を作ったのは2017年の12月25日、その前の20日に母の末期がんが確定した後だった。
 
もともと父も私に株を継がせようという考えはあった。だいぶ前に「伸江がeメンバーになってパソコンでやってくれたらええんやがのぉ」と言っていた。eメンバーとやらになるとパソコンで取引ができて、日本株の口座管理料がいらないのだ。うちの親は日本株と投資信託とあと何やらやっていたのだけど、自分ではパソコンで取引ができなかった。だから私にやらせようという魂胆だったようだが、私の口座でもないし父のかわりに取引をすることはなかった。
 
父が生きていた頃も株を売ることがあった。電話で、担当のKさんと話をして、父の口座だと父の声じゃないと売れないからというので、母から電話を替わっていることがあった。そうか電話での取引はこうやるのか。なんて思ったのをおぼろげながら覚えている。
 
父が亡くなって相続するときの担当もまだKさんだった。だから1年くらい? もっとかな? たってから父の口座から母の口座に移すのを連絡したときもKさんに連絡したつもりだった。だけどKさんは異動になったかなんかで、担当が別のお姉さんにかわっていた。そして私が自分の口座を作る時も私の担当になった。
 
つみたてNISAが始まったばかりだというのでその口座も作り、マイナンバーとかいろいろ登録して、父の悲願だったeメンバーにもなって、でも担当がいた方がいいということで「コンサルティングコース」にした。
 
そうこうするうちに2018年1月18日、母が亡くなった。今度はちゃっちゃと相続の手続きをした。兄はまったく株に興味がないので、問題なく私が相続することになった。それから担当のお姉さんの攻勢が続いた。国債を買いませんか、とか、外国株にチャレンジしませんか、とかいうのだ。それで外国株としてアップルを買ったけどアマゾンに買い換えさせられて、そしたらアマゾンがどかんと下がっちゃって、ぎゃぁぁぁぁぁっ!!! となってしまい、秋ぐらいに担当を代えてもらった。それが今の担当のにぃちゃんことM師匠だ。
 
M師匠も実はけっこうやり手で、私が相続した株や投資信託をうまいこと整理してくれた。なにやら医療機器関連とゲノム関連のファンドがいい、というのでそれを買うことになった。前の担当のお姉さんの時に買わされた国債は1年で解約し、それを楽天証券の株の取引に回そうかなぁと思っていたら、資金を外に出させないためか? 米国リートプラスなる商品を持ってきた。毎月分配金が出るので生活費がほぼまかなえそうな感じ、というものだ。元本はそんなに削らないらしい(まったく削らないわけではない)。それっていいじゃん? というわけで別の銀行からも資金を移動して米国リートプラスの額を増やした。最初はがっつり分配金が出ていたのでホクホクしていたけどある月から額が減っている。これはなんだ? と聞いてみたら、税金が引かれたんだそうだ。それは実はいいことなんだって。基準価格とかいうのが高くなって、買ったときより成長して損益がプラスになってるから税金がかかるんだって。今までかかってなかったのは、損益マイナスだったんだって。
 
といっても2018年から2019年初頭にかけてガクッと株が下がったのを損切りしたこともあって、M師匠の会社での2019年の実現損益はマイナスだった。だから年末に税金分が還付された! 米国リートプラスでけっこうな額の税金を払っていたらしくて、私にしてはまとまった額の還付があった。これは自己投資に回すことにした。天狼院のゼミとは別に、2月からなんちゃら大学校というのに入ることにしたのだ。今から楽しみだ。
 
M師匠のいいところは、自社で取引して手数料収入を得ることに固執せず、私が株の取引をすべてネット証券でやることを認めてくれていることだ。M師匠の会社だと、買って売って5%の手数料がかかるそうだ。高っ! 楽天証券は日本株なら取引金額がいくらまで何十円とか何百円とか決まっていて、アメリカ株はもう少し高い。といっても0.45%、上限20ドル税抜だ。だから手数料だけ考えたら圧倒的にネット証券の方がいい。私は自分で夜パソコンを開いて取引ができるから、M師匠に任せて相対取引(あいたいとりひき、M師匠の会社が持っている株をやりとりするので前日終値になるんだったかな)やアメリカ市場に指値をしにいくやりかたをしなくてもいい。自分でえいやっ! と指値をするなり成行なりで買えばいい。夜中に起きていることもあれば、明け方むくっと起き出すこともある。株価の動きをリアルタイムで見るのも楽しい。だからそういうのを認めてくれて、さらにいろんな情報を知らせてくれるM師匠は、私にとっては「いいひと」なのである。
 
もちろんM師匠はやり手だから、情報をくれて私に儲けさせてくれて、利益があがって資金ができたらうちの会社に入れてね~、という考えである。実際、米国リートプラス、医療機器のファンド、ゲノムのファンド、あとドイツ銀行の社債、つみたてNISA、と、M師匠の会社に置いているお金は実は楽天証券の倍以上ある。楽天証券は株を楽しむお金、M師匠の会社に置いているのは堅実に増やすお金、と決めている。そして楽天証券でがっつり稼いだら、今のところは米国リートプラスのお金を増やして分配金も増やしたいなぁと思っている。M師匠に強制されたのではなく、自主的にそう思う。そういう信頼関係を作ってくれたのは、なかなかいいと思う。とはいっても楽天証券のアメリカ株で儲かったお金は現状、クレジットカードの支払いに消えちゃうんだけどね。
 
で、M師匠の会社に置いている資金がどうなっているかを先日教えてくれたんだけど、2018年末にあったお金に比べて2019年末は150万円ほど増えていると言っていた。それとは別にウン百万円別の銀行から持ってきているので合計金額はだいぶ増えている。2018年末~2019年初頭は株がどかんと下がっていた頃だから、それに比べて2019年末の成績がいいのは当たり前なんだけど、増えているのは、なんとなく、うれしい。その前の減り方がいかんかったけど、まぁいいことにしようじゃないか。
 
そんなわけでこの2年間、浮き沈みはあったものの、わりとプラスに推移している感じで、今は気分がいい。楽天証券の方も、1月18日お昼現在の評価損益、プラス36万円! うわ~。ペッパーフードサービスがマイナス7万ちょっとなのに合計でプラス36万円! それって全部売れば利益だけでMacBook Pro買えちゃうじゃん、と思ったけどそんなもったいないことはしない。もう少し待ってればさらに上がるんじゃないかな~と思っているから。
 
今週は、15日に米中が第一段階の合意で署名した。でもこれは市場では織り込み済みだったみたい。トランプさんの弾劾がどうのこうの、ってきな臭い話もでているけど、それもそんなに影響があるような感じではない。
 
ちょっと円安に振れていたので、13日と15日にドルを少し円に戻してみた。どちらも109円台だった。その前には中東情勢の関係で円高になっていたから、ちょっと得した気分だ。株を売った利益は元々なかったお金だから、時期をみて円に戻すのもいいらしい。
 
今はいろんな株が上がっているので、売り時が難しい、というか売り時がない、とM師匠が言っていた。ホールドしておくのがいいだろうという判断だ。だから私も夕べは株価アプリをほとんど見ずに寝ていた。売る気も買う気もない時は睡眠重視だ。で、適当なところで株を売った時は、そのまま買い戻すんじゃなくて、利益の分は別にとっておいて、元買っておいたお金で買うといいんだって。その際、株数は減ってもいいんだって。で、利益の部分は円に戻してもいいし、別の銘柄を物色してもいいんだって。
 
ふ~ん
 
なにしろ評価損益プラス36万円なんて今まで経験がないから、ちょっと売っちゃいたい気分でもあるんだけど、まだ上がるかも~、なんて欲もある。とりあえず今は持っておこう。うまく利益確定できるといいんだけどな。
 
ちなみにアマゾンがちょっと下がっていたので、15日に1863ドルで4株買い戻してみた。簿価はちょっと上がったけど想定の範囲内だ。アマゾンががっつり上がってくれて、がっつり儲かるってのが私の希望。2018年にアマゾンがどかんと下がって痛い目にあっているので、そのトラウマを消したいのだ。
 
あと、ペッパーフードサービスは、上がったらその時売ってもいいし、年末に税金対策としてマイナスを出して売るのもアリだという話だった。とりあえずとっておくことにしよう。それよりいきなりステーキの肉マネーを使い切ることを考えた方がいいですよ、なんて言われてるから、明日また食べに行く予定。乱切りカットステーキ、土日は単品で食べるのがお気に入りなのだ。
 
母が亡くなって今日で2年。この2年間、なんだかんだいってけっこう勉強したなぁ、と思う。M師匠はいずれ転勤になってしまうだろうけど、後任の担当の人とともに、また勉強していきたいなぁと思っているところだ。
 
というわけで母の三回忌1月18日時点での持ち株は
 
ペッパーフードサービス100株
 
アップル50株
ビザ40株
アマゾン9株
エヌビディア30株
マイクロソフト70株
 
今週に限っていえば、けっこういい感じ! 評価損益とはいえ、プラスなのは気持ちがいい!
 
今年は利益を出したいなぁ、そしてうまく使いたいなぁ、と、母の命日に誓うのであった。
 
 
つづく。
 
 

❏ライタープロフィール:安光 伸江(READING LIFE編集部公認ライター)
山口県下関市出身・在住。下関西高、東京大学卒業、東京藝術大学大学院修了。
大学卒業後は東京で声楽・器楽の伴奏ピアニストや音大非常勤講師などの音楽活動をしていたが、2008年9月、リーマンショックの1週間前に病気療養のため実家に帰る。その後2016・2018年と両親を看取り、金融資産と土地家屋を相続。2016年に乳がんの全摘手術と抗がん剤を体験した乳がんサバイバーでもある。iPad Pro・mini+Apple Pencil愛用、4Gガラケー(au、通話のみ)とiPhone 2本・Android 1本(データのみの格安SIM利用)を電話代込みで合計月3000円ほどで使うなど大のガジェット好き。パソコンの日本語入力は平成の初めからずっと親指シフト派。ライター、ブロガー、素人投資家。
天狼院メディアグランプリ 21st season 総合優勝。

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