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週刊READING LIFE vol.242

人生で2回目の推し活《週刊READING LIFE Vol.242 全力推し活!》


*この記事は、「ライティング・ゼミ」の上級コース「ライターズ倶楽部」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

2023/12/4/公開
記事:丸山ゆり(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 
「スゴイ、素敵!」
 
これほどまでに、バレエの舞台に引き込まれたことがあっただろうか。
 
娘が出演するバレエ教室の発表会から、チケットを購入して観に行ったプロのバレエ団の舞台まで、これまでたくさんのバレエの舞台は観て来た。
でも、今回ほど胸が熱くなるような、言葉にあらわすのも難しいくらいの感動を覚えたのは初めてだった。
照明の光だけでなく、彼自身の内面からも輝いているのが伝わってくる。
あまりにもまぶしくて、なんだかとても遠いところにいるようにさえ感じるほどだった。
今、目の前に立つダンサーさんが、あの日、同じ時間を過ごして来た彼だなんて、あの当時には想像できなかったことだ。
 
娘は、4歳になった春、バレエのお稽古を始めた。
なぜ、バレエだったのかというと、私自身が好きで、長く続けることが出来たお稽古だったからだ。
球技や水泳など、私は得意でもなく、あまり経験したことない分野は、私の知らない世界すぎて、私がついてゆけないからだ。
それに比べ、バレエだとその楽しさをわかっているので、共感できるかなという思いもあってのことだった。
そのお教室に見学に行くと、見ているだけなのに、娘もたいそう楽しそうだった。
 
「バレエ、やってみる?」
 
と、私が見学後に尋ねてみると、大きな声で、
 
「うん!」
 
と、娘も返事をした。
 
そうして、バレエのお稽古を始めたのが、2000年の4月のことだった。
入会して、お稽古をスタートしたのは、お教室の中で、一番幼い子どものクラスで、バーレッスン、ストレッチ、センターレッスンの後には必ずスキップをしてから終わるというレッスン内容だった。
どの親も付き添ってきて、そのお稽古を見学しているのだが、どの子もみんな楽しそうで、やっぱりバレエはいいな、と思ったものだ。
私自身、バレエのお稽古を始めたのが高校生からで、もっと小さなころからやりたかったと何度も思ったことがあった。
なので、娘は4歳でお稽古を始めることが出来たのが、私自身も嬉しかったのだ。
 
そんなバレエのお稽古にも慣れて来た頃、ある男の子が同じクラスに入ってきたのだ。
バレエの世界は、男性も女性ももちろんいるのだが、お教室で一緒にお稽古することがこれまでになかったので、とても新鮮だった。
 
その男の子は、実は、娘のお稽古を見て、私自身もバレエのお稽古を再開することになり、同じ先生の系列のお教室でご一緒している方の息子さんだった。
つまり、親子でバレエのお稽古をしているお友だちとなったのだ。
その男の子は、周りがみんな女の子だということと、やっぱりバレエをすることが、どこかでまだ恥ずかしいのだろう、終始照れ臭そうにしている。
そして、最後のスキップになると、見学している自分のお母さんの手を引っ張ってきて、お母さんと一緒にスキップをしていた。
その光景がなんとも微笑ましくて、いつも心を和ませてくれたものだ。
 
そんな彼は、年に一度の発表会も一緒に出演し、ずっとお稽古を続けていっていたのだが、ある時からお教室で会うことがなくなっていったのだ。
私のお稽古仲間であるお友だちも、クラスが変わってあまりお話をする機会もなくなっていって、息子さんである彼の現在を知ることもなくなっていったのだ。
 
そのお教室には、娘が小学3年生で私の実家近くへと引っ越してからも、往復2時間ほどかけて7年ほど通っていた。
ところが、娘が高校生になった頃、学業が忙しくなり、そのお教室をやめることになり、私自身も仕事の都合でそのバレエ教室を同じくやめることになった。
なので、当時、一緒にお稽古していたお友だちとの交流はなくなっていた。
 
それから10年ほどが経ち、バレエは地元のお教室で習っていたのだが、ある時、インスタグラムを見ていると、覚えのある名前と写真を見つけたのだ。
娘が最初に通ったバレエ教室で一緒だった、彼だった。
それが、海外の国立劇場のソリストだとプロフィールに書いてあるのだ。
えっ、そんなところまで行かれたのね!
私はただただ、驚くばかりだった。
プロフィール写真だけでなく、海外での活躍している姿がたくさんそこには投稿されていた。
こんなに立派になられたなんて。
お写真からも、いかにバレエが好きで、大切で、真摯にお仕事とされているのかが伝わってくる。
そうか、この世界に進まれたんだな、素晴らしいな。
その時、彼に直接伝えることは出来ないけれど、一人感動したことを思い出す。
 
しばらく、遠くからその活躍を拝見していたのだが、今年の6月に帰国されたのだ。
国内ではフリーで活動し、数々の舞台にゲストとして出演し、様々なお教室で講師もされているのだ。
いつか、そんな彼の今の舞台を観てみたいなと思っていたところ、そのインスタグラムの情報で、私と娘が地元で最初にお世話になったバレエ教室の発表会に出られることを知ったのだ。
今では、2人ともそのお教室はやめたのだが、それにしてもこんなご縁があるなんて。
私は即座に、今もお稽古で通われている方に連絡をすると、ちょうどチケットが2枚あって譲ってもらえることになったのだ。
もう、その時から私はワクワクしていた。
何、何なんだ、この気持ちは。
 
そこで思い出したのが、最初に起こった韓流ブームのことだった。
今から15年ほど前、私はユン・ソクホ監督の「四季シリーズ」の作品の一つで主役をされた俳優さんにハマったことがあった。
「四季シリーズ」で一番有名なのは、「冬のソナタ」だと思う。
あの時代、一世を風靡した「冬のソナタ」のヨン様と言えば誰もが知っていると思う。
私は、「春のワルツ」の主役だった、ソ・ドヨンさんという俳優さんが大好きだったのだ。
ドラマのDVDを購入し、当時、ファンの人たちが集まるサイトで、週に一度チャットでおしゃべりをしたり、ファンミーティングやロケ地巡りで韓国に行ったり、もう生活の一部のようになっていた。
そのことが、日々の生活に潤いを与え、同時に当時の主婦たちの肌艶にも良い影響を与えたとも言われている。
ちなみに、ヨン様のおかげで、日本の主婦の更年期障害の症状は緩和されたとも言われたくらいだった。
好きなモノがあって、そこにのめり込むということは、体内でとても素晴らしいモノが湧き出てくるようだ。
気持ちも身体もとても良い効果を得られていたようだ。
何よりも、日々が楽しく過ごせたことを覚えている。
 
あの当時の気持ちに近い思いが湧いてきて、その発表会を心待ちにしていたのだ。
そして、待ちに待った本番当日。
舞台で照明を浴びて踊る彼は、とても生き生きとしていたのだ。
堂々としていて、たくましく、そして役になり切っていた。
素晴らしい演技だった。
素晴らしい舞台だった。
私は、あの韓流ブームで初めてソ・ドヨンさんに生で会った時と同じくらい、感動したのだ。
こんなに立派になられて。
なんだか、胸が熱くなっていった。
終演が名残惜しく、もっと、ずっと観ていたい、そう思うような舞台だった。
バレエの踊りには、その人の技術だけでなく、内面から湧き出るものがその表現力となって、観ている人に伝わると聴いたことがある。
そう思うと、本当に素直に素敵に成長されたことも手に取るようにわかるのだ。
 
この感動をまた味わいたいと、これからも日本での彼の舞台を観に行きたいと心から思ったのだ。
あれ、これって、もしかして「推し活」?
 
今から15年前の韓流スターさんの時には、「推し活」という言葉はまだなかったけれど、間違いなく、あれは今で言う、推し活動そのものだった。
 
でも、今回の思いはちょっと違うかもしれない。
あの韓流スターさんの場合は、徐々に冷めていったからね。
 
この「推し活」は、ずっとその活動を観続けて、応援してゆきたいと思う気持ちが強いのだ。
そう、まるで親のようなそんな「推し活」になるだろうな。
 
いずれにしても、「推し」がいるということは、とてもワクワクするし、気持ちと生活に潤いが生まれるね。
これからも、彼の活躍がとても楽しみだ。
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
丸山ゆり(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

関西初のやましたひでこ<公認>断捨離トレーナー。
カルチャーセンター10か所以上、延べ100回以上断捨離講座で講師を務める。
地元の公共団体での断捨離講座、国内外の企業の研修でセミナーを行う。
1963年兵庫県西宮市生まれ。短大卒業後、商社に勤務した後、結婚。ごく普通の主婦として家事に専念している時に、断捨離に出会う。自分とモノとの今の関係性を問う発想に感銘を受けて、断捨離を通して、身近な人から笑顔にしていくことを開始。片づけの苦手な人を片づけ好きにさせるレッスンに定評あり。部屋を片づけるだけでなく、心地よく暮らせて、機能的な収納術を提案している。モットーは、断捨離で「エレガントな女性に」。
2013年1月断捨離提唱者やましたひでこより第1期公認トレーナーと認定される。
整理・収納アドバイザー1級。

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2023-11-29 | Posted in 週刊READING LIFE vol.242

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