週刊READING LIFE vol.252

AIには任せられない、私の仕事《週刊READING LIFE Vol.252 AIと私》


*この記事は、「ライティング・ゼミ」の上級コース「ライティングX」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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2024/3/4/公開
記事:丸山ゆり(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 
「AI快適おまかせ18度に設定します」
 
朝起きて、リビングに行くと一番につけるエアコン。
すると、ちょっと明るめの女性の声色でエアコンがそうしゃべって、それから稼働するのだ。
冬の朝のいつもの光景となっている。
このエアコンは、昨年の夏に買い替えたモノ。
年々、省エネとか機能の改善が進んでいるので、10年は使っていた前のエアコンから新調したのだ。
すると、この10年ほどで、エアコンもしゃべるようになっていたのだ。
この、「AI快適おまかせ」というのは、確か最初の設定で私の好みを入力したものだ。
温度だけでなく、湿度と風量、風に当たりたいのか、そうでないのか。
細かく聞いてくる内容を考えて決めたのが、「AI快適おまかせ」となっているのだ。
別に、AIが私と初めて会った時に、「NICE TO MEET YOU」と、挨拶を交わしただけで読み取ってくれた訳ではない。
AIは人工知能。
こちら、人間の側が、私の快適を教え込むからこそ、毎日、それを再現してくれている。
こんなふうに、ここ10年ほどの家電に関するAIの恩恵はありがたい。
今では、エアコンだけではなく、調理家電などもしゃべるらしい。
例えば、一人暮らしだったりすると、こんな機械からの言葉がけも嬉しいのだろうか。
私は半年以上経っても慣れないけれど。
 
確かに、エアコン一つをとってみても、毎朝、その時の気温を感じて、今日は何度にしようと、いちいち考えて設定するのだとしたら、とっても面倒なことだ。
かつては、そうしていたのかもしれないが、一度、ラクを知ってしまうとそちらが良いに決まっている。
そんな単純作業においては、とても有難いと思う。
人間が余計なところに時間とエネルギーをかけなくてよくなる訳だから、その分、他のことに還元できるからだ。
 
ところが、そんな単純な作業ばかりではなくなるのが、仕事だ。
私の仕事、断捨離トレーナーの活動は、クライアントさんのお家へ行って一緒に断捨離をしたり、断捨離の概念を伝えたりするものだ。
それ以上に、クライアントさんの気持ちに寄り添い、言葉をかけ、背中を押すのも大事な仕事だ。
クライアントさんは、当たり前だが人間だ。
その人それぞれ、性格や考え方も違っている。
もっと言えば、その日の体調や環境の変化によっても、気持ちは揺れ動き、言動にもあらわれる。
そういったことも、その時々に読み取って、その日、その人に最適の声掛け、サポートをしている。
マニュアル通りではない仕事だ。
これは、絶対に人間でしか出来ない仕事だ。
 
例えば、クライアントさんから、
 
「これ、捨ててもいいですか?」
 
と、よく聞かれる。
この言葉には、二通りの意味がある。
まだ断捨離に慣れなくて、捨てるかどうかの判断を私に委ねて来られた場合。
もう一方は、子どもの頃から、親や周りの大人からの観念や刷り込みがあって「捨てること」への抵抗があって、捨てても良いのかどうかを尋ねて来られている場合。
その違いを読み取って、それぞれの思いに沿ったサポートをしなくてはいけない。
 
前者は、断捨離の概念である、自分で決めて、自分で行動してゆくことを伝え、後者は、モノを大事にすることもわかるが、それよりも大切なモノがあるお話をしなければならない。
そんな判断をして、それぞれに合った対応を瞬時にしなくてはいけないのだ。
これは、AIには絶対に出来ない仕事だ。
 
人間というものには、感情があって、その日によって気分も変わってくる。
体調によっては、体温も違うし、そうなるとそれがその日の気分を左右してくるかもしれない。
そんな、相手の気持ちを瞬時に察知し、顔色も読み取って、言葉がけや対応を変えることは、いくらAIでも出来ないはずだ。
感情、体感、それを自分自身にあるからこそ、相手のそれもわかろうと出来るのだろう。
機械で、計算して、統計を出して、提供する範疇のモノではないはずだ。
そう思うと、私のやっている仕事の尊さや、やりがいをあらためて感じるものだ。
心が通じ合うような、そんな仕事をさらに心がけてゆきたいと思う。
 
ただ、そのような仕事であるゆえに、私自身が調っていなくてはいけないのだ。
そのために、当たり前であるが断捨離トレーナーである私の住まいは、断捨離によって整っている。
自分の在り方がどうであるかが、この仕事には大きく影響しているからだ。
 
そうか、そうなると、日々の家事や単純な作業などはどんどんAIに担ってもらえると、さらに私のエネルギーは蓄えられることになるのか。
お家の片づけを毎日、必死になってやっていたとしたら、それは日々、ものすごい時間とエネルギーを片づけにかけている訳で。
そこからは、もうとうの昔に卒業はしているものの、それでも日常生活において、どうしてもやらなくてはいけない家事や作業はたくさんある。
そういったところは、AIがやってくれると、さらに私に時間とエネルギーは戻ってくるはずだ。
そのためには、やはりAIにさらに頑張ってもらって、良い塩梅で共存共栄出来ることが生活や人生の潤いとなるのだろう。
 
今後、世の中のあらゆることをAIにとって変わられていったとしても、人間対人間の仕事においては、その人それぞれの個性を持って接してゆくことが、多くの現場で必要とされ続けると思う。
だから、そのためにも、人間のそのような活動を他の形でサポートしてくれるのがAIの役目となっていってくれるとありがたいものだ。
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
丸山ゆり(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

関西初のやましたひでこ<公認>断捨離トレーナー。
カルチャーセンター10か所以上、延べ100回以上断捨離講座で講師を務める。
地元の公共団体での断捨離講座、国内外の企業の研修でセミナーを行う。
1963年兵庫県西宮市生まれ。短大卒業後、商社に勤務した後、結婚。ごく普通の主婦として家事に専念している時に、断捨離に出会う。自分とモノとの今の関係性を問う発想に感銘を受けて、断捨離を通して、身近な人から笑顔にしていくことを開始。片づけの苦手な人を片づけ好きにさせるレッスンに定評あり。部屋を片づけるだけでなく、心地よく暮らせて、機能的な収納術を提案している。モットーは、断捨離で「エレガントな女性に」。
2013年1月断捨離提唱者やましたひでこより第1期公認トレーナーと認定される。
整理・収納アドバイザー1級。

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2024-02-28 | Posted in 週刊READING LIFE vol.252

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