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週刊READING LIFE vol.133

途方に暮れた時は自分の気持ちを文字にしてみる《週刊READING LIFE vol.133「泣きたい夜にすべきこと」》

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2021/07/05/公開
記事:垣尾成利(READING LIFE編集部公認ライター)
 
 
4年前からブログをやっていて、ほぼ毎日更新し続けている。
 
もっと上手く書けるようになりたいなと思っているところに、天狼院書店のライティングゼミのことを知り、去年の5月、初めて受講した。
 
講義で教わったことを実践するために毎週2000字の文章を書く課題に取り組んだ。
16回の課題を全部提出し、少し自信もついた。
 
少し間を空けて、次は12月にもう一度ライティングゼミを受講した。
前回以上の好成績で、書くことがもっと楽しくなった。
 
「上級クラスのライターズ倶楽部に参加しませんか」と案内があった。
ライターズ倶楽部では決められたテーマに沿って5000字の課題を書くことになる。
2000字でも毎回大変だったのに、それが倍以上の5000字だ。
 
「書けるのかなぁ…… 書いてみたいなぁ…… 書けるようになったら楽しいだろうなぁ……」
 
よし、チャレンジしよう。
 
今迷ったらきっと立ち止まってしまう。
そして、また後悔する。
 
ライターズ倶楽部参加のためには入試を受け、合格する必要がある。
逃げるな、と言い聞かせて一番近いタイミングでの入試を申し込んだのだった。
ライターズ倶楽部はかなりハードルが高いと感じたけれど、もっと上手くなりたい、5000字を書けるようになりたい、より多くの言葉で自分と向き合いたい、そう思う気持ちが勝った。
 
チャレンジしてみて良かったな、と思うことは、自分の気持ちをこれまで以上に深く理解できるようになったことだ。
 
自己肯定感の低い私にとって、新しいことにチャレンジすることのハードルはいつも高くて、入口のドアの前まで行ってみても、ドアを眺め、壁の高さを想像しては諦めてしまうことが多い。
 
それでも好奇心は強くて、いろんなことに興味を持つ。
その度に自分にはできそうにないな、無理だろうなと諦めることを繰り返してきた。
 
諦めた日の夜は決まってモヤモヤする。
やっぱりチャレンジしてみたら良かったんじゃないかと、自分で決めたことなのに、選択ミスをしたように感じてそのことばかり考えてしまうのだ。
 
ライティングゼミを知った時は、全く迷わなかった。
そして、受講して良かったと素直にそう思えた。
2度の受講、そして3月からのライターズ倶楽部での3か月を経験して、バズる文章が書けるようになったわけではないが、自分の気持ちがよくわかるようになってきたなと思う。
そう思えるようになったのは、感じている気持ちの根っこの部分にあるものを見つけることが上手くなって、自分の気持ちを素直に言葉にできるようになったからだ。
 
少しだけど、自己肯定感が上がってきたんじゃないかな? と思えるようにもなってきた。
 
自己肯定感を上げるために必要なこと、それは自分で自分の気持ちをもっと深く理解することだ。
自分を理解する、その方法として「書くこと」が私には一番合っていると改めて実感した。
書きながら、心の中で絡まったままになっていた過去の気持ちや、モヤモヤしていて出口が見えずにいることの答えを見つけることができたことも何度もあって、書く時間は、自分の本当の気持ちと一対一で向き合う時間となり、自分が気付いていなかった自分を知る時間になった。
実際ライティングゼミで書き続けて、これまで以上に自分の気持ちを、自分の言葉で、思った通り、感じたままに表現することが上手くなったと実感することができた。
ライティングゼミで学んだことで、書くスキルが上がり自分を理解する力が上達したのだ。
 
本当の自分がどんなことを思い、どんなことに悩み、どうしたいと思っているのか?
書いていて気付くことがたくさんあって驚いた。
 
いかに普段から自分の気持ちを抑えていたのか、気付かない振りをしていたのかに、書いてみて初めて気付いたのだった。
 
昔から自分に自信が持てず、言いたいことが言えない。思っていることを素直に言葉にすることに苦手意識があった。
 
言ったことが自分の思っている通りに伝わらなかったらどうしよう、変な誤解を生んでしまったらどうしよう、そう思うとどうしても発言に慎重になる。
しかも私は怒りの発火点が低く怒りっぽい面があり、その感情が表情にも出るし、態度や発言にも出やすかったので、感情的になってしまって失敗する経験も多かった。
 
人前で自分の感情を見せてはいけない、勢い余って言い過ぎて失敗するくらいなら言わない方がいいだろう、と考えるようになっていた。 
 
でも、言わないことが正解では全くなくて、自分の気持ちを表現することを我慢してばかりいたら、自分が感じていることを自分自身が受け止められなくなってしまったのだ。
 
高校から大学に入る頃には、誰にも気持ちを開くことができなくなってしまい、人と接すること自体が怖くなってしまったこともあって、知り合いに合わないように独りで居ることが多かった。
 
今思えば、自分の思ったことを言って失敗する怖さから逃げていただけで、そんなに気にせずに言いたいことを言えばよかったのになと思えるのだが、当時の自分にとっては出口のない真っ暗闇の中で身動きできないような状態だったので、出口に繋がる光を見つけることができない苦しみは相当なものだった。
 
あの頃、私がやっていたことは、感情に蓋をする、という作業だった。
自分の気持ちに気付かないように蓋をしておかないと自分を保てないと感じていたのだろうなと思う。
 
大学に進学し、環境が大きく変わったことと、自分自身も大人になっていったことで少しずつ感情を表に出すことができるようになっていったけれど、それでも自己肯定感の低さは相変わらずだった。
 
そんな私をいつも陰で支えていてくれたのが、ライティングだった。
高校時代から今に至るまで、その時々で抱えきれないような思いがある時、いつも気持ちを文字にして吐き出していた。
 
文句でも愚痴でもなんでも良かった。
自分の気持ちを黙って聞いてくれるだけでいい、アドバイスも指摘も何もいらなかった。
ただ、気持ちを吐き出す、それが書くことだった。
 
特に腹の立つことがあった時や、どうしたらよいのか? 答えが見付けられない時、絡まった感情を文字にして書いていく。文章でなくてもいい、単語でもいい、心に浮かんだ気持ちをとにかく書き出していく。
そのキーワードは絡まっている感情の糸の端っこなので、そこから丁寧に解いていく作業を繰り返していく。
端っこさえ見つかれば、あとは手繰り寄せていけば良いのだが、複雑に絡まっている時はこの端っこがなかなか見つからなかったりする。
 
見つからないときは焦っても仕方がないので、そういう時もあるよな、と思いながら絡まった感情をただじっと眺めてみたりもする。
 
絡まった感情の整理にはふたつの方法があって、ひとつは自分で感情の糸の端っこを探し出して解いていく方法と、どうしようもないや、とじっと眺めてみる方法だ。
 
意外と、ただボーっと見ていたほうが、整理できたりもするものだ。
 
最近はもっぱら自分の置かれた状況を俯瞰で眺めて、なるようになるさ、と思うに留めておくことを選択することが増えたように思う。
 
心と体を一致させて、今を見つめて受け入れることを考えることが大事だな、と思うようになったら、焦ったり慌てたり、無理をしたりしてまでこの状況を修復しようと躍起になることにそんなに意味がないのではないか、と考えるようになってきたのだ。
 
どちらの場合も、自分の状況を実況するように文字にしていくことが感情の整理に繋がるので、書いて整理、は共通のツールとして便利に活用している。
 
今を受け入れる、ということは、それがどんな状況であっても、何もしないということではない。
その状況を理解し、その中でできることは何か? に目を向けることだ。
 
まずは今の状況と、自分の置かれている立場を正しく理解して、考えるのはそれからでいいだろうということだ。
 
これまで、あまり泣きたいと思うほど追い込まれた経験はないのだが、余裕のない状況で焦って空回りしてしまったり、自分の気持ちを理解しないまま行動して後悔や反省をした経験は山ほどある。
どれも「今」に目を向けずに先のことばかりを考えて行動してしまった時だ。
 
特に仕事では感情的になった結果、失敗した経験は多い。
部下への指導法や方針の考え方の違いで意見がぶつかってしまったり、忙しさのあまり対応が雑になってしまったりした時、今に目を向けずに先走ってしまい、口論やトラブルになってしまったことがあった。
一旦落ち着いて気持ちを整理してみたら、相手の言いたいこと、自分が主張したいことの妥協点も簡単に見つけられたのに、感情的になってぶつかり合った結果、嫌な時間を過ごしただけになってしまった。
 
こういう失敗も、書いて整理ができていれば防げたことばかり。
書くことが習慣になってからは、感情のモヤモヤを書いて整理してから行動するようになった。
 
そうすることで、少しずつ気持ちの整理ができてきて、落ち着いてくるので冷静に状況把握ができるようになったのだ。
 
今感じているのはどんな気持ちか? が見えなくなっている時に解決策なんて見つけられるわけがない。
 
もし、トラブルや心配事を抱えてしまっていて、先が見えなくて途方に暮れて泣きたい気持ちになっているなら、私は「書くこと」をお勧めする。
 
「辛い」とか、「焦ってる」とか、感じている気持ちをまず書き出してみてほしい。
それから、自分でできそうなことを書き足してみたり、誰かにしてほしいことを書き足してみる。
そして、そのキーワードをしばらくじっと眺めてみる。
この時は解決しないと、とか思わなくてもいいので、「ああ、私はこう感じているんだな」とだけ思いながらその気持ちを受け止めてみるのだ。
 
そうしていると、具体的な行動が思い浮かんできたり、なるようになるか、とその状況をそのまま受け入れられるようになってくる。
 
追い詰められている時ほど、必要なのは冷静さだ。
冷静さを取り戻すためには、一旦立ち止まること、その状況を客観的な目線で見ることだ。
 
書くことは自分の中にいるもう一人の自分の意見や考えを聞く事、そこに気付かなかった解決策が隠れていたりすることも良くあるのだ。
 
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
垣尾成利(READING LIFE編集部ライターズ俱楽部)

兵庫県生まれ。
2020年5月開講ライティングゼミ、2020年12月開講ライティングゼミ受講を経て2021年3月よりライターズ俱楽部に参加。
「誰かへのエール」をテーマに、自身の経験を踏まえて前向きに生きる、生きることの支えになるような文章を綴れるようになりたいと思っています。

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2021-07-05 | Posted in 週刊READING LIFE vol.133

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