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出してからおいで

絶対お勧め、スマホアプリRadiotalkを使わない手はない!《出してからおいで大賞》


記事:千葉とうしろう(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 

Radiotalkというスマホアプリが面白いので紹介しよう。私は二ヶ月ほど前からRadiotalkを使い始めたのだが、なかなか使いやすいアプリだ。Radiotalkとは、無料で音声配信ができるアプリである。個人でラジオを、しかも気軽に配信できるアプリなのだ。この記事では、「ラジオ配信の勧め」、「お気軽トークの価値」、「Radiotalkの特徴」の3つについて話してみたい。
 
まずは「ラジオ配信の勧め」である。ラジオの配信を勧めるのは、動画に比べて撮影が楽だからである。ラジオ配信とは、つまり音声のみによる配信である。動画で撮影しない分、撮影は圧倒的に楽になる。考えてほしい。撮影するとき、女性であれば特に、見た目を気にしないだろうか。今、自分はどんな髪型をしているのか。表情の明るさはどうか。変なデキモノなど顔にないか。服装は伝えたいメッセージと合っているか。周りの空間は、撮影するのに適しているか。こんな事を気にして撮影しているのではないか。
 
もしも動画を撮影しようとする時にこれらの条件が問題なければいいのだが、もしも問題であればどうするか。整えなければならない。髪型をセットして、化粧などをして、衣装を変えて、撮影できるのに耐えられる場所に移動して。そうこうしているうちに、発信したいアイディアなど吹き飛んでしまうだろう。発信はし続けなければ意味がない。誰でも一回くらいは発信できる。メディアを立ち上げることはできる。けれど、続けることが難しい。コンテンツを絶えず生産し続けなければならない。コンテンツを絶えず作り続けなければならないのだ。「ネタがない、ネタがない」と困る時が必ず来る。そんなネタに飢えている中では、一つ一つの湧いてくるアイディアがとても大事だ。無駄になんかしていられない。湧いて出てくるアイディアを一つ一つ繋げていって、後で振り返ってみると、継続されたコンテンツになっているのだ。
 
そんな中で、いちいち動画を撮影するのに環境を整えていたら、アイディアなど頭から吹き飛んでしまうだろう。タイミング重要なのだ。タイミングとは鮮度だ。思い浮かんだとき。「これを発信しよう!」と思ったとき。アイディアとコンテンツが繋がったとき。その瞬間が、発信するのに一番適したタイミングなのだ。そのタイミングで「髪型が……」「服装が……「場所が……」などと言っていては、とてもとても継続した配信などできない。
 
そうでなければ煮え切らない気持ちのまま、配信するしか無い。「本当はもっといい髪型で撮影したい」「本当はもっといい服装で撮影したい」「本当はもっといい場所で撮影したい」などと、我慢を強いられている中で、タイミング重視で撮影するしか無い。だが、そんな煮え切らないきもちのまま動画を撮影したところで、配信される内容が良いものになるはずがないだろう。文章を作るときでもそうだが、ものづくりには気持ちの入り具合が重要なのだ。気持ちが入っていない中で物を作っても、中途半端なものができるだけだ。我慢をしている中で動画撮影しても、良いものはつくれないのだ。
 
その点、ラジオ配信は音声のみの配信である。撮影はせず、録音と簡単な編集だけである。配信者がどんな見てくれをしていようが、関係ない。髪に寝癖がついていようが、パジャマを来ていようが、表情が悪かろうが、視聴者に見られたくないものが周りにあろうが、関係ないのだ。録音は、状況を選ばずにできる。家でリラックスしていようと、録音には関係ないのだ。しかも、そんなオフでいる時に限って、アイディアは浮かんでくるものである。「こんな事を配信すれば面白いのではないか」というアイディアは、リラックスしているときに浮かんでくるものだ。そんなときに、わざわざ面倒な動画撮影をしようとしてタイミングを失したり、気乗りしない中で撮影しては、せっかくのアイディアが無駄になってしまう。ラジオ配信は動画に比べて楽であり、それというのは、アイディアを無駄にせず配信し続けられる、ということなのだ。
 
続いては「お気軽トークの価値」についてである。アプリRadiotalkは、ラジオを個人で配信できるプラットフォームであり、その中には個人で配信されたラジオ番組がたくさんある。ラジオトークにあるラジオ番組の特徴は、お気軽に録音されたことが、聞いていて伝わって来ることだ。Radiotalk内のラジオ番組を聞いていると、どれも気軽に録音されたことが感じられるくらい、話し手はリラックスして話しているのである。妙に肩肘張っていたり、ゴテゴテの凝りようでいかにも「大手テレビ局にいました」的な話し手の番組は少ない。どれもが手作り感のあるラジオ番組なのだ。
 
この「手作り感のあるラジオ番組」と聞いて、どう思うだろうか。「そんな素人の番組、誰が聞くんだよ」と思うだろうか。もしもそう思ったのならば、実際に聞いてみてほしい。すぐに手作り感のあるラジオ番組の虜になるだろう。このようなラジオ番組は、ハマるのである。「また聞こう」という中毒性がある。この感覚は、「会いに行けるアイドル」のような感覚かもしれない。遠くにいる完璧なアイドルも良いのだが、近くにいる等身大のアイドルに対しても応援したくなるものなのだ。
 
気軽に録音されたラジオは、共感しやすいのである。感情移入しやすいのだ。話し手の息遣いが聞こえ、隣で喋っている雰囲気があり、自分に近しい人間の話を聞いてるような身近さである。自分と相手の立場をフラットに捉えやすいので、話を聞いていて自分ごととして考えやすいのかもしれない。
 
だから、妙に気合を入れてネタを作るよりも、その場のノリでポッと浮かんだ小話を配信する方が、需要があるのかもしれない。もちろん、その道のプロが考えた構成の企画や、玄人が長年温めてきたネタを配信することは、それはそれで素晴らしいものだと思う。真に練られ作られたコンテンツは、聴き応えがあるものだ。けれど、それと同時に、気軽に配信されたトークにも面白さがあるのだ。名店のパスタもいいが、家族が作った焼きそばもうまいのだ。オリンピックやワールドカップも面白いが、地元の運動会も見応えがあるものなのだ。
 
最後に、「Radiotalkの特徴」についてである。Radiotalkの特徴を3つ紹介しよう。「その場で配信」「すぐに応援」「12分ルール」の3つだ。1つ目の「その場で配信」について。Radiotalkでの配信は簡単だ。Radiotalkアプリを起動すると、一番下の真ん中に、黄色いボタンがある。押されるのを待っているのだ。このボタンを押すと、すぐに録音が始まる。話したい事を話して、話し終わったらもう一回ボタンを押す。これで録音が終わる。その後は、タイトルと内容説明とイメージ写真を載っけて完成である。
 
面白いのは、録音の保存ができないことだ。録音したら、その場で配信しなければならない。録音したトークの保存ができないのだ。「いくつか録音したトークをためていて、後で配信する」というのができない。これは開発者の意図によるものらしいのだが、その場で出してしまうことが、Radiotalkの方向性なのだ。練りに練ったような企画でなく、ポッと思いついたことを隣にいる人に話してしまうような感覚。何を期待するわけでもなく、今後の広がりを狙っているわけでもなく、立ち話でもして、その場で消えてしまうような話題。それを配信するのが、Radiotalkというアプリなのだ。ワンタッチで簡単に録音。裏を書くようなことをせず、素直にその場で配信。それで終わり。「計画的に」「定期的に」ではなく、「その場で」なのだ。
 
2つ目の「すぐに応援」について。これは、フェイスブックの「いいねボタン」のようなものだ。他の人のトークを聞いていて、面白いと思ったら「笑い顔ボタン」や「ハートマークボタン」を押すことができる。このボタンの有る無しは意外と大きい。例えば、もしも自分がラジオ番組を配信していて、なにも反応がなかったらどう思うだろうか。一定の間隔でトークを配信しているにも関わらず、そのトークに対して誰も何も言ってくれなかったらどう思うだろうか。おそらく虚無に襲われて、たちまち自身がなくなり、配信し続けることを諦めてしまうのではないか。すぐにアプリを使うのを止めてしまうのではないか。せっかくのメディア配信なのに、断念してしまうのではないか。
 
そうならないための「すぐに応援」なのだ。誰かのトークを聞いていて、「面白い」と思ったら、いや「面白い」とまで思わなくても、すこしでも心が動いたなら、すぐに応援ボタンを押せるのだ。しかもこの応援ボタン、連打することができる。大きく心が揺れたなら、その揺れの分だけ、気持ちを表現することができるのだ。自分の番組に押された「笑い顔ボタン」や「ハートマークボタン」の数は、すぐに20、60、100、と上がっていく。自分の番組に対して押されたこの数を見るだけで、萎えそうになる気持ちを支えてくれる。何度も言うが、メディアでの配信は継続が難しい。我々は人間なのだ。いつでも気持ちが上向きでいられるはずがない。やがて萎えるときがやってくる。下を向きたくなるときがやってくる。そんな時に、「もう一度」と思えるような機能。それが「すぐに応援」なのだ。
  
3つ目の「12分ルール」についてである。このRadiotalkであるが、録音は最長でも12分までしかできない。どんなに長いトークでも、12分までしかないのだ。これは絶妙な時間だと思う。というのも、聞いていても話していても、負荷のかからないお気軽な時間。そういう意味での12分なのだ。これは開発者のメッセージでもあると思う。「あんまり凝ったものはつくらなくていいですよ」「気合を入れて聞いたり話したりするようなものでは無いですよ」というものだ。ユーチューブの番組でも、気軽に配信できるのは10分越えるくらいの時間だろう。人の話を聞いていても、10分を越える辺りから「長いな」とか「いつ終わりなのかな?」という抵抗が出てくる。そうでなければ、あらかじめ「よし聞くぞ!」という気合を入れて聞き始めなけれな貼らない。このRadiotalkは、どこまでも「お気楽」が売りなのだ。凝った内容でなく、練った企画でもなく、ためたてきたコンテンツでもない。その場で浮かんだ話を話す。そんなお気楽な場にしたいという意図があってこその「12分ルール」なのだと思う。事実、このプラットフォームにあるトークの全ては12分以内なので、「自分もこのくらいなら参戦しやすいかな」と思わせてくれる。高いハードルを前に臆する必要はない。Radiotalk内のどのトークも12分以内なのだから。
 
というわけで、Radiotalkというスマホアプリについて話してみた。「ラジオでの配信はお勧めですよ」「お気軽トークにも価値があるんですよ」「Radiotalkには『その場で配信』『すぐに応援』『12分ルール』という特徴がありますよ」という記事だった。運営会社であるRadiotalk社とは関係なく、一人のユーザーである私が感じたままに書いたものだ。もしかしたら運営会社の意図とは違う部分もあるかもしれないが、大方そんなところだろうと思う。
 
「5Gが始まる」「動画コンテンツが花開く」「写真は動いてなんぼの時代だ」と思っているあなた。そんなことばかり言っていると、足元をすくわれる可能性がある。これからの時代、令和の時代、動画の時代、必要なのは超精細なディスプレーどころか、耳から聞こえる人の声である可能性があるのだ。それも「あっ、そうだ。聞いて」という感じで、湧いて出たネタを気軽に喋られた話だ。練りに練られたわけではなく、ポンっと出された隣人の話。Radiotalkで出してからおいで。

 
 
 
 

◻︎ライタープロフィール
千葉とうしろう(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

宮城県生まれ。警察に就職するも、建前優先の官僚主義に嫌気がさし、10数年勤めた後に組織から離れてフリーランスへ。子どもの非行問題やコミュニケーションギャップ解消法について、独自の視点から発信。何気なく受けた天狼院書店スピードライティングゼミで、書くことの解放感に目覚める。


 


2019-12-02 | Posted in 出してからおいで

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