週刊READING LIFE vol.124

コレ、美容整形じゃないから!《週刊READING LIFE vol.124「〇〇と〇〇の違い」》


2021/04/19/公開
記事:丸山ゆり(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 
「え~、ズルい! それって、整形やん」
 
今から9年前、私は眼瞼下垂の手術を受けた。
人間、誰しも顔の作り、パーツは左右対称ではない。
それにしても、その少し前から気になることがあった。
左目がどんどん小さくなっていっているように見えたのだ。
小さくなっていっている、というよりは、まぶたが少しずつ落ちてきているといった方がわかりやすいかもしれない。
 
当時、写真を撮ってFacebookに投稿したりしだしたころで、これまで以上に自分の顔を見る機会が増えていっていた。
そこに写る顔は、自分が思っているような顔ではなくなっていくのが、ちょっとショックだった。
しかも、まぶたが下がることによって、左目でモノを見るときには、右目よりも意識して見開かないと若干見えにくくなっていたのだ。
そうすると、眉毛も上がり、おでこにはシワが寄り、おまけに頭が痛くなってくるのだ。
 
そんな不快感が日ごとに増してゆき、どうしたものかとネットで調べてみると、50歳前後の女性には、どうやら同じ悩みの人が多いということがわかった。
そのまま放置していると、症状はさらにひどくなってゆくらしい。
加齢が原因ということで、放っておくとモノの見え方にも関わるので生活に支障も出てくる可能性があるらしい。
それならば、早めになんとかしたいと思うようになった。
 
ネットで調べた際、どうやらこの症状は、眼瞼下垂という病気ということがわかった。
そう、病気の一つなっているのだ。
まぶたが下がってくることによって、視界が狭くなるという病気。
その影響で、私のように頭痛も引き起こすので、治療が必要と書かれていた。
治療するということは、手術を受けるということになる。
加齢が原因の、眼科の病気なので、大きな病院の眼科でもできるが、美容整形外科でもやってもらえるということも知った。
 
娘の幼稚園時代のお友だちに、お父さんが美容整形外科の病院を開業している方がいたので、そちらにまず相談してみた。
すると、やはりそのような患者さんは多く、手術の経験も多いと言われて安心した。
病気とは言え、見た目に関わるまぶたの手術。
ベテランの美容整形外科の先生の方が、この手術は得意なのではないかと思い、幼稚園時代のお友だちのお父さんの病院でお願いすることにした。
 
眼瞼下垂の手術は、一言で言うと、二重まぶたにする手術と同じことをするのだ。
二重まぶたにする手術の種類は、埋没法と切開法とがあるそうだ。
埋没法というのは、まぶたを縫って二重を作るもので、切開法は、まぶた部分の皮膚を切開して二重を作るやり方だ。
私の場合は、症状はまだひどくない方なので、埋没法のやり方となった。
最近では、二重まぶたの整形手術は、とても手軽で身近なものとなっている。
10代の若い女の子でも、気軽に受けるようだ。
そう考えると、なんとなく、手術へのハードルが下がった気分になった。
 
手術当日、部分麻酔をしてからの施術だったが、意識がはっきりとしている中での手術は、意外にも怖さもともなった。
なんといっても、まぶたを縫う施術は、怖くてしかたなかった。
痛みはないものの、ザクザクと縫われている感触は、心地よいモノでは決してなかった。
 
二重まぶたの手術と同じと思うと、安心した半面、私自身、元々二重まぶたなので、本来はこのような手術は必要ないのに、と泣き言を言いたくなるくらいの心境だった。
しかも、左目だけのまぶたが下がっているとはいえ、手術は両目を受けることになっていた。
バランスや、今後のことを考えると同時に手術するのが良いらしい。
 
今思うと、手術の時間自体は、それほど長い時間ではなかったのに、手術中恐怖からあれこれと思う時間はとても長く感じた。
 
手術後の1週間、まぶたは結構腫れた。
手術後、腫れることを聞いていたので、その間、予定を入れてはいなかったのは正解だった。
この手術を受ける決心をした大きな理由は、人前でセミナーなどをする仕事をすることになっていたからだ。
人前に立ち、人に見られる仕事ならば、外見も大事だと考えたのだ。
手術を受けてから、時間が経つにつれ、徐々に腫れはひいていった。
やはり、事前に説明を受けた通り、切開ではなく、縫う手術なので、回復は早いのだ。
そして、私の目は見違えるように変わっていた。
年齢を重ねるごとに、目の表情は少し下がってきていたのが、手術を受けることで、はっきりとした印象の目元へと変わっていったのだ。
 
女性は、やはり見た目に気になるところがあると、少しずつ自信がなくなってゆく場合がある。
私も、自分のまぶたが左右で違いがあり、下がっていると気づいてからは、人と目を合わせて会話することにも躊躇するようになっていった。
 
こういうちょっとしたことから、人とのお付き合い、自分への自信の喪失という、人間関係のお悩みへと発展しかねないものだ。
外見が全てではないけれど、自分の自己肯定感を育む助けとなるのであれば、このような選択肢も意味があると思う。
 
もしも、私と同じように50歳前後で目の表情が気になる方は、眼瞼下垂を調べてみると良いと思う。
この眼瞼下垂は病気の一つなので、医療保険が適用される場合がある。
美容整形では実費となるところが、保険が効くのはありがたいと思う。
手術を受けることによって、その後の人生が変わってゆくのだとしたら、価値のある手術だと思う。
 
9年前、「ズルい!」と、叫んだ友だちもいたが、眼瞼下垂の手術は、整形ではなく、病気の治療だと私は強く言いたい。
 
 
 

□ライターズプロフィール
丸山ゆり(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

関西初のやましたひでこ<公認>断捨離トレーナー。
カルチャーセンター10か所以上、延べ100回以上断捨離講座で講師を務める。
地元の公共団体での断捨離講座、国内外の企業の研修でセミナーを行う。
1963年兵庫県西宮市生まれ。短大卒業後、商社に勤務した後、結婚。ごく普通の主婦として家事に専念している時に、断捨離に出会う。自分とモノとの今の関係性を問う発想に感銘を受けて、断捨離を通して、身近な人から笑顔にしていくことを開始。片づけの苦手な人を片づけ好きにさせるレッスンに定評あり。部屋を片づけるだけでなく、心地よく暮らせて、機能的な収納術を提案している。モットーは、断捨離で「エレガントな女性に」。
2013年1月断捨離提唱者やましたひでこより第1期公認トレーナーと認定される。
整理・収納アドバイザー1級。

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2021-04-19 | Posted in 週刊READING LIFE vol.124

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